永住ビザと帰化の違いについて

永住ビザと帰化について

日本での暮らしに慣れてきて、今後もずっと日本で暮らしていきたいと考えたときに永住申請をするのか帰化申請をするのかで検討されたことが1度はあるかと思います。どちらでも日本でずっと生活できることに変わりはありませんが、それぞれ明確に違いがあります。このページでは永住ビザと帰化の違いについて解説いたします。

許可を得るまで

まず初めに、永住ビザと帰化の許可を得るまでの大きな違いを3つご紹介いたします。

居住要件

永住の場合：永住申請をするには、原則として引き続き１０年以上日本に在留していることが必要で、そのうち就労系(技術人文知識国際業務等)の在留資格をもって5年以上日本に住んでいることが必要です。

帰化の場合：帰化申請は、原則として引き続き5年以上日本に在留していることが必要で、そのうち就労系(技術人文知識国際業務等)の在留資格をもって3年以上日本に住んでいることが必要です。

永住申請の場合は、10年以上日本に住んでいる必要がありますが、帰化の場合は5年で申請ができます。また、就労系(技術人文知識国際業務等)の在留資格をもっての在留も、永住申請の場合は5年、帰化の場合は3年になります。

納税要件

永住申請の場合は、住民税と年金の支払いの状況がチェックされ、未払いがないことに加えて支払いに遅れがないことも必要とされています。帰化申請でも住民税と年金の支払いの状況がチェックされますが、支払いに遅れがある場合でも完納していれば許可されることがあります。

収入要件

永住申請の場合、5年連続で年収が300万円以上で扶養者1人につき20万円から30万円の上乗せが必要です。帰化申請の場合は、本人に収入がなくても同居の家族に収入あれば許可を得ることが可能です。また、客観的に見て日本で生活を営むに足りる世帯収入があれば問題ありません。

許可後の違いについて

ここまでは、許可を得るまでの永住ビザと帰化の違いを解説しましたが、ここからは許可後の違いについて解説します。

国籍について

永住ビザの場合は国籍が変わることはありませんが、帰化の場合は国籍が日本になります。永住ビザと帰化の1番の違いは国籍が変わるか否かという点ではないでしょうか。

在留カードについて

永住ビザの場合は在留期間が無期限になりますが、7年に1度在留カードの更新をする必要があります。帰化の場合は、許可後に在留カードを入国管理局に返納する為、許可以降に在留カードを所持することはなくなります。

パスポートについて

永住ビザの場合は、引き続き自分の国籍のパスポートを使用できますが、帰化の場合は日本のパスポートに変わり帰化前のパスポートは使用できなくなります。

名前について

永住ビザの場合は、許可後に氏名が変更になることはありませんが、帰化の場合は申請時に希望した氏名に変更になります。また、帰化前の氏名を使用したい場合でもアルファベット表記はできませんので、ほとんどの方は名前が変更になります。

戸籍について

戸籍は日本国籍を保有している人だけに与えられる日本国の制度です。そのため永住ビザを取得しても戸籍が編製されることはありませんが、帰化をすると日本の戸籍が編製されます。日本の戸籍謄本はパスポートを取得する際に必ず必要になります。

日本の国家公務員になれるかについて

現在の日本では、国家公務員になることができるのは日本国籍を保有している人のみです。つまり外国人は、日本の警察官や自衛官などは受験自体出来ない仕組みとなっています。そのため永住ビザの場合は、日本の国家公務員になることはできませんが帰化をすると日本の国家公務員になることができます。

選挙権について

少し細かいところにはなりますが、選挙権についても違いがあります。選挙権は日本国籍を保有している人にのみ与えられますので、永住ビザの場合選挙権はありませんが、帰化をすると選挙権が与えられて投票に行くことができます。

永住ビザと帰化の違いについてのまとめ

このページでは永住ビザと帰化の違いについて解説しました。1番の大きな違いはやはり国籍が変わるか否かという点です。国籍を変えたくない場合は永住ビザ、国籍を変えてもよい場合は帰化申請をすることがおすすめです。日本国籍を保有するとそれに付随して戸籍が編製されたり、選挙権が与えられるというメリットがあります。しかしながら、国籍を変えるということは大きな決断になりますので、永住ビザを取得してから帰化を検討されることも1つの方法です。