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登録支援機関になるための条件|登録拒否事由・支援体制・2027年改正

calendar_month2021年12月10日
cached2026年10月09日

登録支援機関は、特定技能外国人を受け入れる企業から委託を受けて、1号特定技能外国人支援計画の実施を行う機関です。登録支援機関になるには、出入国在留管理庁長官の登録(有効期間5年)を受ける必要があり、13の登録拒否事由に該当しないこと、とりわけ「支援責任者・支援担当者の選任」「過去2年以内の中長期在留者の受入れ実績等」「外国人が十分に理解できる言語での情報提供・相談体制」が実務上の要件になります。さらに2027年4月1日からは、支援責任者等の事業所ごとの常勤配置、養成講習の受講、受託機関数・支援人数の上限が加わります。

本記事では、登録支援機関の役割と登録申請の流れ、13の登録拒否事由、2027年4月改正で加わる要件、登録後の義務(届出・行政書士法上の制約)を、現時点の制度に基づいて解説します。

この記事で分かること
  • 登録支援機関とは何か、何を受託できるか(支援の全部または一部)
  • 登録申請の流れ、手数料、審査期間、有効期間と更新
  • 13の登録拒否事由(刑罰・取消し歴・不正行為・暴力団・適格性・行方不明者・支援責任者等の選任・受入れ実績・相談体制・文書作成・中立性・費用負担の禁止・費用の明示)
  • 2027年4月改正で加わる要件(常勤配置・従事者の限定・養成講習・10機関未満・50人未満)
  • 登録後の義務(届出・定期届出への協力)と、申請書類の作成が行政書士の独占業務であること

目次

登録支援機関とは

特定技能外国人を受け入れる企業(特定技能所属機関)は、1号特定技能外国人支援計画を作成し、入国から帰国まで一連の支援を行うことが求められます。支援は多岐にわたるため、自社で行うことが難しい場合には、登録支援機関に支援計画の実施を委託できます。登録支援機関は、受入れ企業から委託を受けて支援計画の全部(2027年4月以降は一部も可)を実施する機関です。

項目内容
登録先出入国在留管理庁長官(申請は本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局・支局)
手数料新規登録28,400円、登録更新11,100円(収入印紙。返還されない)
審査期間標準処理期間2か月(不備があればさらに延びる)
有効期間5年。更新は満了の6か月前の月の初日から4か月前の月の末日までに申請
登録できる者法人・個人を問わない(事業協同組合、人材会社、行政書士法人、個人事業主など)
公表登録後、入管庁の登録支援機関登録簿に名称・住所・対応言語等が掲載される

登録支援機関の業務の全体像は登録支援機関の業務とはをご覧ください。

登録支援機関になるためには(登録拒否事由に該当しないこと)

登録支援機関になるためには、登録支援機関の登録申請を地方出入国在留管理局または支局に行い、登録を受ける必要があります。入管法第19条の26に定める次の(1)〜(13)の登録拒否事由に該当する場合は登録を拒否されます。逆にいえば、拒否事由に該当せず、申請書・添付書類に虚偽の記載がなければ登録を受けることができます。

(1)関係法律による刑罰を受けたことによる拒否事由

次のいずれかに該当し、刑の執行終了等から5年を経過しない者は登録できません。①禁錮(拘禁刑)以上の刑に処せられた者、②出入国または労働に関する法律に違反し罰金刑に処せられた者、③暴力団関係法令・刑法等に違反し罰金刑に処せられた者、④社会保険各法・労働保険各法の事業主としての義務に違反し罰金刑に処せられた者。

(2)登録を取り消されたことによる拒否事由

登録支援機関としての登録を取り消された日から5年を経過しない者(取り消された法人の役員であった者を含む)は登録できません。

(3)出入国又は労働関係法令に関し不正行為を行ったことによる拒否事由

登録申請日前5年以内に、出入国または労働関係法令に関し不正または著しく不当な行為を行った者は登録できません。

(4)暴力団排除の観点からの拒否事由

暴力団員等、役員が暴力団員等である者、暴力団員等がその事業活動を支配する者は登録できません。

(5)申請者等の行為能力・役員等の適格性の観点からの拒否事由

精神の機能の障害により支援業務を適正に行うに当たって必要な認知・判断・意思疎通を適切に行うことができない者、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者、法人の役員や未成年者の法定代理人が登録拒否事由(第13号・第14号を除く)に該当する者は登録できません。

(6)行方不明者の発生による拒否事由

登録支援機関が自らの責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させている場合は支援体制が十分とはいえないため、過去1年間に行方不明者を発生させていないことが求められます。「責めに帰すべき事由」とは、支援計画を適正に実施しない場合や、技能実習制度の法令違反・基準不適合の行為が行われていた期間内に行方不明者を発生させたような場合をいい、人数にかかわらず1人でも該当します。

(7)支援責任者及び支援担当者が選任されていないことによる拒否事由

役員または職員の中から支援責任者と、支援業務を行う事務所ごとに1名以上の支援担当者を選任することが求められます。支援責任者が支援担当者を兼ねることもできますが、その場合は支援業務を行う事務所に所属することが必要です。

  • 支援責任者:登録支援機関の役員または職員で、支援担当者を監督する立場にある者。支援担当者等の管理、支援の進捗確認、支援状況の届出、帳簿の作成・保管、特定技能所属機関や関係機関との連絡調整など、支援に必要な一切の事項を統括管理する
  • 支援担当者:登録支援機関の役員または職員で、支援計画に沿った支援を行う者。複数の1号特定技能外国人を支援することも可能
現行では支援責任者・支援担当者とも常勤であることは必須ではありませんが、2027年4月1日からは支援業務を行う事務所ごとに常勤の役員・職員から選任することが義務になります。これから登録する機関は、改正後の要件を前提に人員を配置してください(後述)。

(8)中長期在留者の適正な受入れ実績がないこと等による拒否事由

登録支援機関になろうとする者は、次のいずれかに該当しなければなりません。

  • ①過去2年間に中長期在留者(就労資格等で在留する者)の受入れまたは管理を適正に行った実績がある者(少なくとも6か月以上の受入れ実績があることが望ましい)
  • ②過去2年間に報酬を得る目的で業として、日本に在留する外国人に関する各種の相談業務に従事した経験を有する者
  • ③選任された支援責任者および支援担当者が、過去5年間に2年以上、中長期在留者の生活相談業務に従事した経験を有する者であること
  • ④①〜③に該当する者と同程度に支援業務を適正に実施できる者として出入国在留管理庁長官が認めるもの
ここでいう中長期在留者は、入管法別表第一の一・二・五の表の在留資格(収入を伴う事業を運営する活動または報酬を受ける活動を行うことができるものに限る)で在留する者で、技人国・特定技能・技能実習・経営管理・特定活動などが該当します。永住者・日本人の配偶者等・留学・家族滞在・研修は含まれません。外国人を雇用したことがない新設法人は、②または③(相談業務の経験者を支援責任者等に選任)で要件を満たすことになります。

(9)情報提供・相談等の適切な対応体制がないことによる拒否事由

①特定技能外国人が十分に理解できる言語による情報提供体制、②担当職員を確保した同言語による相談体制、③支援責任者または支援担当者による外国人および監督者との定期的な面談体制、を有していない者は登録できません。「十分に理解できる言語」は母国語に限られませんが、内容を余すことなく理解できる言語である必要があります。通訳人を職員として雇うことまでは求められず、必要な際に委託して通訳人を確保できることで足りますが、通訳人は相談業務の履行補助者であり、支援業務そのものを通訳人に任せることはできません。

(10)支援業務実施に係る文書の作成等をしないことによる拒否事由

支援の実施状況に関する文書(支援実施状況に係る届出、定期面談報告書、相談記録等)を作成し、雇用契約の終了後1年以上、事業所に備えて保管する体制がない者は登録できません。

(11)支援責任者及び支援担当者と特定技能所属機関等との関係性による拒否事由

支援責任者・支援担当者が、特定技能所属機関(受入れ企業)やその役員・職員と密接な関係(受入れ企業の役員・職員、その配偶者等)にあり、中立的な支援ができないと認められる場合は登録できません。受入れ企業の役員が兼任する登録支援機関は、中立性の観点から認められません。

(12)特定技能外国人に支援に要する費用を負担させることによる拒否事由

支援に要する費用を直接または間接に特定技能外国人に負担させる者は登録できません。支援委託料を本人の給与から控除する、本人から「支援費」を徴収するといった運用は拒否事由であり、登録後に行えば取消し事由になります。

(13)支援の委託契約締結に当たって支援に要する費用の額等を明示しないことによる拒否事由

受入れ企業と支援委託契約を締結する際に、支援に要する費用の額とその内訳を明示しない者は登録できません。契約書には支援業務の内容ごとの費用を明記する必要があります。

自社で登録支援機関になれるのか——外国人雇用の実績がない、相談経験者をどう選任するか

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2027年4月1日から加わる支援体制の要件

令和7年法務省令第45号により、2027年4月1日から1号特定技能外国人への支援体制に係る要件が改正されます。登録支援機関に適用される主な改正点は次のとおりで、これから登録する機関はこの要件を前提に体制を組む必要があります。

項目現行2027年4月1日以降
人員の配置支援責任者は法人全体で1名、支援担当者は事務所ごとに1名以上。常勤でなくても可支援業務を行う事務所ごとに、常勤の役員・職員から支援責任者・支援担当者を各1人以上選任(兼務可)
従事者の限定明確な限定なし支援業務に従事できる者を支援責任者・支援担当者に限定(通訳等は履行補助の範囲)
養成講習受講義務なし支援責任者に入管法・労働関係法令等の養成講習の受講を義務付け(施行後当分の間は未修了でも可)
受託機関数の上限制限なし支援責任者等1人あたり10機関未満(最大9機関)
支援対象人数の上限制限なし支援責任者等1人あたり50人未満(最大49人)
受託の形態支援の全部の委託先が登録支援機関。一部委託の委託先に限定なし一部委託の委託先も登録支援機関に限定。登録支援機関による一部受託が可能に。再委託は禁止

改正の詳細と準備の手順は特定技能の支援体制要件|2027年4月改正で登録支援機関がすべき対応をご覧ください。

登録申請の流れと必要書類

  1. 要件の確認:(1)〜(13)の拒否事由に該当しないか、特に(7)支援責任者等の選任、(8)実績・経験、(9)言語対応の体制を確認
  2. 支援責任者・支援担当者の選任:就任承諾書・誓約書・履歴書を整える。2027年4月以降の常勤配置も見据える
  3. 申請書類の作成:登録支援機関登録申請書、登録支援機関概要書、登録に当たっての誓約書、法人の登記事項証明書・定款(支援業務が目的に含まれること)、役員の住民票の写し、支援責任者・支援担当者の書類、手数料納付書(収入印紙28,400円)など
  4. 申請:本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局・支局へ提出
  5. 審査・登録:標準処理期間2か月。登録通知書が交付され、登録簿に掲載される。登録後に登録事項の変更があれば14日以内に届出
登録申請書類は官公署に提出する書類のため、申請者自身が作成するか、行政書士に作成を依頼します。なお登録後、登録支援機関が報酬を得て受入れ企業の在留資格申請書類や届出書を作成することは、2026年1月施行の改正行政書士法により明確に違法とされています。登録支援機関の業務は支援と申請取次(承認を受けた職員による提出)までです(特定技能の入管申請は誰がする?)。

登録後の義務

  • 届出:登録事項の変更(14日以内)、支援業務の休止・廃止(14日以内)、再開(1か月前)、特異事案の報告。支援の全部を受託している場合は、所属機関を経由する年1回の定期届出に支援実施状況(別紙1)と署名(別紙2)を提供する(登録支援機関の届出一覧)
  • 記録の保管:支援の実施状況に関する文書を作成し、雇用契約終了後1年以上保管
  • 取消し事由を生じさせないこと:支援計画を適正に実施しない、届出をしない、虚偽の届出をする、費用を本人に負担させる等は登録取消しの対象。取り消されると5年間は再登録できない
  • 更新:有効期間5年。期限管理を怠り期限までに更新できないと、新規登録(28,400円)からやり直しになる

よくある質問

Q. 外国人を雇ったことのない会社が登録支援機関になれますか?

(8)の①受入れ実績がなくても、②過去2年間の在留外国人に関する相談業務の経験、または③過去5年間に2年以上の生活相談業務の経験を持つ人を支援責任者・支援担当者に選任すれば要件を満たせます。

Q. 支援責任者と支援担当者は同じ人でよいですか?

兼務できます。ただし2027年4月以降は、支援業務を行う事務所ごとに常勤の者を各1人以上選任する必要があります。

Q. 受入れ企業の役員が登録支援機関の支援責任者を兼ねられますか?

(11)の中立性の観点から認められません。受入れ企業と密接な関係にある者は支援責任者・支援担当者になれません。

Q. 登録支援機関になれば、受入れ企業のビザ申請書類も作れますか?

報酬を得て申請書類を作成できるのは行政書士・弁護士に限られます。登録支援機関ができるのは支援と、承認を受けた職員による申請取次(提出)です。

まとめ

  • 登録支援機関は受入れ企業から委託を受けて支援計画を実施する機関。登録は5年有効で、手数料は新規28,400円・更新11,100円、審査は約2か月
  • 登録の要件は13の登録拒否事由に該当しないこと。実務上の核心は、支援責任者・支援担当者の選任、過去2年の受入れ実績または相談業務の経験、外国人が理解できる言語での情報提供・相談体制
  • 2027年4月からは事業所ごとの常勤配置、従事者の限定、養成講習、受託9機関・支援49人の上限が加わる
  • 登録後は届出義務と記録保管が必要。申請書類の作成は行政書士の業務で、登録支援機関は支援と取次まで

登録支援機関の登録申請は、拒否事由の確認と支援体制の立証資料の整え方で結果が分かれます。行政書士法人タッチでは、登録支援機関の登録申請・更新申請の書類作成・提出、登録後の届出に対応しています。登録を検討する段階から、企業・団体様向けの無料相談をご利用ください。

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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