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特定技能外国人の雇用にかかる費用|支援委託料・紹介料・申請費用の相場

calendar_month2021年12月23日
cached2026年10月15日

特定技能外国人を雇用する費用は、「初期費用(採用・申請時)」と「毎月の費用(支援・分野別の負担金)」に分けて考えると見通しが立てやすくなります。相場の目安は、登録支援機関への支援委託料が1人あたり月額2万〜3.5万円、人材紹介料が1人あたり20万〜40万円、行政書士への申請費用が1人あたり10万〜15万円です。これに分野別の負担金(建設のJAC受入負担金など)、海外から呼び寄せる場合の渡航費、住居の初期費用、2026年10月に改定された在留手続の手数料が加わります。本人に負担させてはいけない費用もあるため、企業負担の全体像を先に押さえておくことが重要です。

本記事では、費目ごとの相場、分野別の追加費用、国内在留者の切替えと海外からの受入れの総額の目安、費用を抑える方法を、現時点の制度に基づいて解説します。

この記事で分かること
  • 特定技能外国人の雇用にかかる費目の全体像(初期費用・毎月の費用)
  • 登録支援機関への支援委託料の相場と、委託料に含まれる10項目の支援
  • 人材紹介料・送出し機関費用・渡航費の相場
  • 行政書士への申請費用の相場と、2026年10月改定の在留手続の手数料
  • 分野別の負担金(建設のJAC・製造業のJAIMなど)と、本人に負担させてはいけない費用
  • 国内切替と海外受入れの初年度総額の目安と、費用を抑える方法

特定技能外国人の雇用相場

当事務所は外国人の在留資格手続きを専門としていますが、特定技能に関して多くのお客様から「特定技能外国人を雇用したいが、管理費や手数料はいくらかかるのか」というお問い合わせをいただきます。想定される主な費用項目と相場は次のとおりです。

費目初期費用(1人あたり)毎月(1人あたり)発生する条件
支援委託料(登録支援機関)—2万〜3.5万円支援を登録支援機関に委託する場合(1号のみ。2号は支援義務なし)
人材紹介料(人材紹介会社)20万〜40万円—紹介会社を通じて採用する場合。年収の20〜30%で設定する会社もある
送出し機関費用(海外)10万〜25万円—海外から受け入れる場合。国・機関により幅が大きい
渡航費5万〜15万円—海外から受け入れる場合。帰国旅費は企業が確保する義務あり
在留資格申請費用(行政書士)10万〜15万円—申請書類の作成・取次を依頼する場合。更新時は5万〜10万円程度
在留手続の手数料(入管)0〜3.3万円—認定証明書交付は無料。変更・更新は許可される在留期間により窓口1万〜7.5万円(1年なら3.3万円)
住居の初期費用10万〜20万円—社宅を用意する場合の敷金・礼金・家具家電等。家賃は本人負担可(適正額の範囲)
分野別の負担金・会費分野による分野による建設(JAC年会費24万円・受入負担金月額12,500円)、工業製品製造業(JAIM会費)など。多くの分野の協議会は無料
相場は当事務所が把握している範囲の目安で、地域・業種・人数・契約内容によって変わります。見積りを取る際は、「何が含まれていて何が別料金か」(翻訳、同行、更新対応、届出の作成など)を必ず確認してください。

登録支援機関に支払う毎月の支援料

1号特定技能外国人を受け入れる企業は、本人が特定技能1号の活動を安定的かつ円滑に行えるよう、職業生活・日常生活・社会生活上の支援に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)を作成し、実施しなければなりません。支援業務は多岐にわたるため、自社で支援を行う体制がない場合は登録支援機関に委託します。

委託料は登録支援機関が個別に定めるため決まった金額はありませんが、1人あたり月額2万〜3.5万円で設定しているケースが多く、10人を委託すれば年間240万〜420万円になります。2027年4月からは登録支援機関の支援体制要件が改正され(支援責任者等の常勤配置・受託数の上限など)、委託料の水準が見直される可能性があります。

支援業務の内訳(委託料に含まれるもの)

番号支援項目内容
①事前ガイダンス雇用契約締結後、認定証明書交付申請前または変更許可申請前に、労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等を対面やテレビ電話で説明
②出入国する際の送迎入国時の空港から事業所・住居への送迎、帰国時の空港の保安検査場までの送迎・同行
③住居確保・生活に必要な契約支援連帯保証人になる、社宅を提供する等。銀行口座・携帯電話・ライフラインの契約の案内と手続の補助
④生活オリエンテーション日本のルール・マナー、公共機関の利用方法・連絡先、災害時の対応等の説明
⑤公的手続等への同行住居地・社会保障・税などの手続への同行、書類作成の補助
⑥日本語学習の機会の提供日本語教室の入学案内、学習教材の情報提供等
⑦相談・苦情への対応職場や生活上の相談・苦情に本人が理解できる言語で対応し、必要な助言・指導
⑧日本人との交流促進自治会等との交流の場や地域行事の案内、参加の補助
⑨転職支援(人員整理等の場合)受入れ側の都合で契約を解除する場合の転職先探しの手伝い、推薦状の作成、求職活動のための有給休暇の付与、行政手続の情報提供
⑩定期的な面談・行政機関への通報支援責任者等が本人と上司等に3か月に1回以上面談し、労働基準法違反等があれば通報
支援に要する費用を外国人本人に直接または間接に負担させることはできません。委託料を給与から天引きする、「支援費」名目で徴収するといった運用は受入れ機関の基準違反です。

要件を満たせば自社で支援を行い委託料をゼロにすることもできます。詳細は特定技能の自社支援への切り替え完全ガイドをご覧ください。

人材紹介会社に支払う紹介料

特定技能は、本人が技能試験と日本語試験に合格しているか、就労予定分野に対応する技能実習2号を修了していることが必要です。人材紹介会社はこの基準を満たす候補者のリストを持っているため、紹介会社を介した方が受入れがスムーズに進むケースが多くあります。

紹介手数料は会社によって異なりますが、国内在留者(技能実習修了者・試験合格者)の紹介で1人あたり20万〜40万円、年収の20〜30%で設定している会社もあります。海外から呼び寄せる場合は、現地の送出し機関に支払う費用(10万〜25万円程度、国によって異なる)と渡航費(5万〜15万円)が別途かかります。

海外からの受入れでは、二国間の協力覚書に基づく送出し国側の手続き(フィリピンのMWO・DMW、インドネシアのIPKOL・SISKOP2MIなど)が別に必要で、紹介会社の見積りに含まれているかを確認してください。詳細はMWO・DMW申請手続きとは、特定技能インドネシア受入れ完全ガイドをご覧ください。

ビザ申請費用

特定技能で外国人を受け入れるには、在留資格認定証明書交付申請(海外在住者)または在留資格変更許可申請(国内在住者)を入管に行います。提出する書類は、申請書・雇用契約書・支援計画書・受入れ企業の書類・分野別の書類など100枚を超えることも珍しくなく、多くの企業が行政書士に作成と取次を依頼します。

  • 行政書士への報酬:1人あたり10万〜15万円で設定している事務所が多く、同時に複数名を申請する場合は1人あたり6万〜10万円前後にボリュームディスカウントされることがあります。更新申請は5万〜10万円程度
  • 入管に納める手数料:認定証明書交付申請は無料。変更・更新許可申請は、2026年10月1日以降に受け付けた申請から、許可される在留期間に応じた段階制(窓口:1年33,000円・6か月18,000円・3年未満48,000円など。オンラインは各区分で安い)
報酬を得て申請書類を作成できるのは行政書士・弁護士に限られます。登録支援機関が支援委託料に含める形で申請書類を作成する運用は、2026年1月の改正行政書士法で明確に違法とされました。「書類作成込み」の委託契約は、作成を誰が行うのかを確認してください(特定技能の入管申請は誰がする?)。

分野別の負担金・会費

分野費用備考
建設JAC賛助会員の年会費24万円(正会員団体経由は団体の会費)、受入負担金1人あたり月額12,500円、CCUS登録料(事業者0〜24万円、技能者1人2,500〜4,900円)受入負担金は本人に転嫁できない
工業製品製造業JAIMへの加入(事業所ごと)に伴う会費金額はJAIMの案内で確認
介護・外食業・飲食料品製造業・宿泊・自動車整備・農業など分野別協議会の加入は無料加入時期が「申請前」の分野が増えている
全分野共通技能試験・日本語試験の受験料(本人負担が一般的)、受入れ後の分野別講習(建設など)試験費用を企業が負担する場合は雇用契約で明確に

初年度の総額の目安

ケース初期費用年間の費用(毎月分×12)
自社の技能実習生を切り替え、支援を委託行政書士10万〜15万円+手数料3.3万円(1年の場合)=約13万〜18万円支援委託24万〜42万円+分野別負担金
国内の試験合格者・修了者を紹介で採用、支援を委託紹介20万〜40万円+行政書士10万〜15万円+手数料+住居10万〜20万円=約45万〜80万円同上
海外から呼び寄せ、支援を委託送出し10万〜25万円+紹介・渡航15万〜35万円+行政書士10万〜15万円+住居10万〜20万円=約45万〜95万円同上
自社支援に切り替えた場合上記から変わらず支援委託料0円(社内担当者の人件費・通訳費は自社負担)

人材紹介料と住居費を企業がどこまで負担するかで総額は大きく変わります。給与・社会保険料は日本人と同等以上が要件なので、人件費そのものは日本人を雇う場合と変わりません。

見積りを並べてみたが、どれが必須の費用でどれが削れる費用か分からない

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費用を抑える方法と注意点

  • 自社支援への切り替え:過去2年以内の中長期在留者の受入れ実績などの要件を満たせば、支援委託料をゼロにできる。2027年4月からは自社支援にも常勤配置・49人の上限が適用される
  • 技能実習生・既存社員の活用:自社の技能実習生を切り替える場合は紹介料・送出し費用がかからず、試験も免除される
  • 複数名同時の申請:行政書士報酬のボリュームディスカウントを受けやすい
  • オンライン申請:変更・更新の手数料が窓口より安く、添付書類の省略要件(電子届出の利用)にもつながる
  • 削ってはいけない費用:支援費用の本人負担、帰国旅費の不確保、日本人より低い給与設定は受入れ機関の基準違反で、受入れ停止・不許可の原因になる

上記のように、特定技能外国人の受入れには様々な手続きが必要で、登録支援機関や人材紹介会社に支払う手数料も発生します。費用と定着率を比べたとき、日本人を採用した方が企業にとってメリットが大きいケースもあるため、受入れの判断は費用の全体像を把握したうえで慎重に行ってください。

よくある質問

Q. 支援委託料や紹介料を本人の給与から差し引けますか?

できません。支援費用を本人に負担させることは受入れ機関の基準違反です。紹介料も企業が負担するものです。家賃など本人が受ける利益に対応する実費は、適正な範囲で本人負担にできます。

Q. 2号になると費用は変わりますか?

2号は支援義務がないため支援委託料がかからなくなります。一方、分野別の負担金(建設のJAC負担金など)や申請費用は引き続き発生します。

Q. 行政書士に頼まず自社で申請すれば費用は手数料だけですか?

自社の職員が書類を作成し、申請取次の承認を受けて提出すれば、外部費用は入管の手数料だけです。ただし書類の量が多く、不備があると審査が長引くため、初回は専門家に依頼する企業が多いのが実情です。

まとめ

  • 主な費目は、支援委託料(月額2万〜3.5万円)、人材紹介料(20万〜40万円)、送出し・渡航費(海外)、行政書士報酬(10万〜15万円)、在留手続の手数料(2026年10月改定)、住居の初期費用、分野別の負担金
  • 初年度の初期費用は、自社の技能実習生の切替えなら十数万円、紹介会社や海外からの受入れなら50万〜90万円程度。これに年間の支援委託料と分野別負担金が加わる
  • 支援費用・紹介料・帰国旅費は企業負担。本人に転嫁すると基準違反
  • 自社支援・技能実習生の活用・複数名同時申請・オンライン申請で費用を抑えられる

特定技能の申請書類は100枚超。自社で抱えるか、外に出すか

在留資格の申請書類の作成・取次から、受入れ後の届出まで対応しています。
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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター
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