入管から届く不許可通知書には、不許可の理由がほとんど書いていないため、本当の不許可理由が分かりません。そのため、入管に不許可理由を確認し、再申請に向けて状況を把握する必要があります。
また、入国管理局の審査官には不許可理由を申請者に説明する義務はありません。説明を受けたとしても事細かく説明してくれるとは限らないと思っていたほうがいいです。このページでは経営管理ビザにおけるよくある不許可事例を紹介します。
立証が不十分
入国管理局のホームページに経営管理ビザ申請に必要な書類が書かれていますが、ここに書かれている書類だけを提出するだけでは不許可になる可能性があります。会社の資本金の出所を各種資料と共に説明したり、事業計画書を作成し、事業の安定性・継続性を説明しなければいけません。また、提出した資料に虚偽の疑いがある場合も不許可になる可能性があります
経営管理ビザの要件を満たしていない
- 資本金の出所が不明
- 2名以上の常勤職員がいないor 500万円以上の投資がない
- 事業計画書の実現可能性が極めて低い
- 実質的に経営を行っていない
申請にあたり重要なのは「事務所が確保」されていること、「資本金」もしくは「常勤職員の雇用」の基準を満たしていることです。とりあえず日本にいる友人の自宅を借りて事務所にしたり、一時的に資金を借りるというその場しのぎの計画では不許可になります。
事業所の確保が認められない場合
- レンタルオフィスの短期契約
- 賃貸借契約書に事業用ではなく住居用と表示されている
- 居住スペースと、事業のために使用するスペースが明確に区分されていない
- 会社名などの標識が設置されていない
- 事務機器等の設置が無い
- 公共料金等の共用費用の支払いに関する取り決めが明確になっていない
自宅兼事務所にする場合は審査が厳しくなります。理由としては、経営管理ビザ取得のためだけに自宅に会社の事務所スペースを確保し、ビザ申請時に事務所として使用するとされた場所が実際には居宅用として使用されていた事実が多くあることがあげられます。できるかぎり事務所と自宅は別にすることをお勧めします
現在有する在留資格での滞在状況が素行不良であると判断される場合
- 刑事処分を受けたり、不法就労をあっせんしたりした場合
- 資格外活動許可を得ているが、週28時間以上働いている
- 過去に申請した書類が虚偽によるものであった
このような場合は、在留状況が良好ではない(素行不良)と判断され不許可になる可能性があります。
また、経営管理ビザには学歴に関する要件が無いため、留学生が卒業を待たずに起業し経営管理ビザを取得することも可能です。この場合は在学中の成績や出席率について入国管理局に審査される場合がありますので注意が必要です。
書類を精査して再申請
入国管理局に申請した書類はすべて記録で残るので、以前した申請内容と照合が行われます。そのため、前回の申請と今回の申請で内容が違うようなことは許されず、場合によっては虚偽申請とされ不利な扱いを受ける可能性があります。
経営管理ビザに限らず、ビザ審査は個別の状況で総合的に判断されます。個々の状況に合わせてビザの基準を満たしているか注意しましょう。また、一度不許可になった案件を再申請すると入国管理局で慎重に審査が行われますので、自分で申請するのに不安がある方は、当事務所のようなビザサポートを専門としている行政書士事務所に一度相談することをオススメします。