外国人が飲食店を開業し経営管理ビザを取得するには、実際にお店が営業できる状態にしてから申請しなければ許可を得られません。つまり、店舗を借りて、調理、配膳、接客、清掃などの作業を行うスタッフを確保し、食品衛生法上の「飲食店営業許可」を得る必要があります。この記事では飲食店経営で経営管理ビザを取得するポイントを紹介します。
①従業員の雇用
飲食店を経営する場合、接客や調理作業が発生します。経営管理ビザではオーナー自ら現業作業(接客、調理、販売)は原則禁止されていますので、これらの現業作業は従業員に任せる必要があります。
②食品衛生管理士の確保
各施設に、「食品衛生管理士」の資格を持った人を1人置く必要があり、お店の中にその人の氏名を明示しなければいけません。
資格を取るには、都道府県が実施している講習会を受講する必要があります。受講費は1万円程度で講習期間は1日(6時間くらい)です。飲食店営業許可申請の前に「食品衛生管理士」の資格を取得していること必要です。受講の予約がすぐ取れない場合もあるので余裕をもってスケジュールを組んでおきましょう。
③店舗の確保
飲食店を経営する場合、事務所と店舗二つ借りる必要はなく、店舗内に事務所スペースがあれば店舗を借りるだけで問題ありません。
また、飲食店を営んでいくための設備が整えられているかがとても重要です。たとえば、キッチン、調理器具、テーブル、イスなどの備品はすべて揃えておきます。
④営業施設の基準
飲食店の営業では、営業施設の許可基準を満たさないと営業許可は取得できません。営業施設の基準には「共通基準」と「特定基準」の2つがあります。今回は共通基準の東京都の例を紹介します。
営業施設の構造の基準
- 施設は清潔な場所に位置していること
- 建物は鉄筋、鉄筋コンクリート、石材等、十分な耐久性を有する構造であること
- 使用目的に応じて、施設を壁、板などで区画する
- 床はタイル、コンクリートなどの耐久性があり、排水がよく清掃しやすい構造であること
- 天井は清掃しやすい構造であること
- 内壁は、床から1メートルまで耐水性で清掃しやすい構造であること
- 照明の明るさは50ルクス以上であること
- 換気は、ばい煙、蒸気などの排除設備を設置する
- 周囲の地面は、耐水性材料で舗装し、排水がよく、清掃しやすいこと
- 更衣室は、清潔な更衣室又は更衣箱を作業場外に設けること
食品取扱設備の基準
- 器具等の設備は、取扱量に応じた数の機械器具及び容器包装を備えていること
- 器具等の配置は、作業に便利で、清掃及び洗浄しやすい位置に配置してあること
- 保管設備は、原材料、食品や器具類等を衛生的に保管できること
- 冷蔵庫内や調理場内には、温度計を設置すること
給水及び汚物処理の基準
- 給水設備は、水道水又は飲用的と認められる水を豊富に供給できるものであること
- 貯水槽を使用する水、井戸水等を使用する場合は、年1回以上、水質検査を行い、成績書を1年間保存すること
- トイレは、作業場に影響のない位置及び構造で、従事者に応じた数を設け、使用に便利なもので、ねずみ、昆虫などの防除設備、専用の流水受槽式手洗い設備、手指の消毒設備を設けること
- 手洗い設備は従業員専用手洗い設備と同じで、床には排水溝を設ける
- 汚物処理設備は、ふたがあり、耐水性で十分な容器があり、清掃しやすく、汚液や汚臭が漏れないものであること
最後に
経営管理ビザを取得して飲食店を経営したい方は事前準備で多くの時間を費やすことになりますので、開業日から逆算して計画的にスケジュールを組んで準備する必要があります。
一人で経営管理ビザ申請を進めるのに不安がある方は行政書士などの専門家に相談することをおススメします。