帰化申請お役立ちコラム
日本人に帰化するメリットは?
- 2023年07月21日
日本には様々な国籍を持った外国人の方々が暮らしています。そのような外国籍の方が日本国籍を取得することを帰化といいます。
日本では帰化の許可は、法務大臣の権限とされています。法律に定められた帰化の条件を満たし、指定された書類を集め法務局に帰化許可申請を行います。
また、日本では二重国籍は認めてられていません。日本国籍を取得するためには、今までの国籍を手放すことになります。元の国籍に戻したいと思った時に、国籍を取り直すことが大変難しい国もありますので、帰化には十分な検討が必要です。
国籍を変更するということは、今後の人生に大きな変革をもたらす重大な決断です。国籍が変わることでどんな変化が伴うのか、しっかりと確認していきましょう。
帰化するということは、日本に戸籍ができ日本人になるということです。在留資格(ビザ)を取得することではありません。在留期間の更新なども必要なくなりますし、日本人と同じように選挙権や被選挙権も得られます。国政にも自由に参加できますし、公務員になることもできます。日本人としての生活が可能になります。(帰化のメリットについては後述します。)
永住と帰化の大きな違いは、日本国籍の有無です。
在留期間を気にせず日本に永続的に住むことができるという点では、帰化も永住も同様ですが永住は国籍の変更がありません。これまでと変わらず在留カードを携帯する義務があり、7年に一度カードの更新をする必要があります。
帰化と永住の取得にはそれぞれメリットやデメリットがあります。
個人の状況や目標に合わせて適切な選択をするためには、行政書士などの専門家に相談し慎重な判断を行うのが望ましいです。
帰化をすることで得られるメリットとして、次の点が挙げられます。詳細を見ていきましょう。
年金・保険・教育・福祉などの社会保障において、日本人と同じ保障を受けられます。
例えば、生活保護法は対象を「日本国民」と明記しています。自治体の行政措置によって永住者等に生活保護費が支給されるケースもありますが、権利として保障されている訳ではないので不服の申立は認められないとされています。
帰化することで、事故や病気などで生活が出来なくなってしまった場合に日本国民として生活保護を受ける権利を得ることが出来ます。権利として保障されているので、その権利が侵害された場合に不服の申し立てもできます。
日本で長く暮らしていくためには、社会保障制度の恩恵を受けられることには非常に大きなメリットになります。
日本人と同じように参政権(選挙権・被選挙権)が得られます。
日本国憲法第15条は「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と定めています。つまり日本政府は選挙で投票し、または立候補することができるのは、日本国民のみとしています。
帰化をすれば日本人と同様に選挙へ行き投票をすることが可能です。国会議員、県知事や市長のような地方公共団体の長に立候補することも可能です。
就労制限がなくなる点は永住も同じです。しかし永住はあくまでも「外国人」であるため、政治家、裁判官、検察官、公証人、裁判官などの国家公務員になることは出来ません。
参政権のように憲法によって定められているわけではありませんが、国家公務員の人事を管理する人事院の規則には「日本国籍を有しないものは採用試験を受けられない」と規定されています。(地方公務員については、自治体の判断に委ねられます。)
帰化をすると日本人になるため、日本国籍を持っていないと受けられない採用試験も受けることができ、制限なく国家公務員、地方公務員になれます。
「職業の選択の自由」という点においては、永住より帰化の方が上位と言えます。
帰化することで、日本のパスポートを持つことができます。
帰化のデメリットとして元の国籍を手放した場合、母国に帰る際にビザ(査証)が必要になるという点があげられ、母国に帰ることが面倒になると心配する方もいるのではないでしょうか。
しかし日本のパスポートはビザなしで訪問できる国と地域が194あり、これは世界1位の数字です。(2024年1月時点)世界で最も信頼度が高い、最強などと評価され、帰化後に母国に帰る際にも短期であればビザが不要な場合がほとんどです。
帰化には「普通帰化」「簡易帰化」「大帰化」の3つがあり、それぞれ条件が異なります。(大帰化は前例がないのでここでは説明を省きます。)
「普通帰化」
一般的な外国人の方は「普通帰化」となります。外国で生まれて留学生として日本に来て、卒業後にそのまま日本で就職したような方が当てはまります。
「簡易帰化」
日本人と結婚している外国人の方や特別永住者の方(いわゆる在日韓国人や朝鮮人と呼ばれる方)は「簡易帰化」となり、普通帰化よりも条件が緩和されております。
ただし、条件が緩和されているからといって、帰化の手続きが簡素化されたり、集める書類が軽減されたりするということはありません。
日本国籍を得るためには下記7つの条件を満たしていることが必要です。(※ここでは普通帰化の条件を見ていきます。)
帰化の条件については、初回の法務局面談で必ずヒアリングが行われます。帰化申請の準備を行う前に、帰化の条件を満たしているか確認を行いましょう。
帰化の申請をする時まで、引き続き5年以上日本に住んでいることが必要です。当たり前のことですが、正当な在留資格を持たずに滞在していた期間は含まれません。
ポイントは「引き続き5年以上」です。
引き続きとは、継続して日本に住んでいることを意味します。
例えば、留学で2年間日本に住んだ後に、本国に帰国をして1年間就労し、また日本に戻り、日本に3年間住んだ場合などはこの引き続きの条件は満たされません。2年+3年間を継続して日本に住んだ場合に居住条件は初めて満たされます。つまり、一度日本での在留資格がなくなり、本国に帰国した場合は、最初の2年間はリセットされることになります。
「引き続き」についてさらに詳しく見ていきます。
1.1年間のうち、連続して(1回の出国で)3カ月以上日本を離れた場合は、引き続きの要件がリセットされる可能性が高くなります。
長期の海外出張や本国の家族の看病などで、1回の出国で3カ月以上に渡り日本を離れている場合は、帰化の一つの条件である居住条件の引き続きが満たされていないと判断される可能性が高くなります。
2.1回の出国が3カ月以内でも、1年のうち合計で100日以上出国をすると、引き続きの条件を満たさなくなります。
1回の出国が短くても、1年間のうち合計で100日以上出国すると引き続きの要件を満たさない可能性が高いです。例えば、1カ月、1カ月、1カ月、2カ月と1年のうち計4回で100日以上出国した場合はアウトとなります。
居住条件で上記の出国期間と合わせてもう一つ重要なのが就労期間です。
5年のうち3年以上就労していることが必要です。留学で5年以上、日本に住んでいても居住条件は満たされません。
また、アルバイトではなく正社員(派遣社員等も含む)として就労の在留資格をもって働くことが条件です。転職はしていても問題ありません。
※この就労期間においては一つ例外があります。10年以上引き続き日本に住んでいる方は、3年以上の就労がなくても1年以上の就労期間があれば大丈夫です。
例えば、留学や家族滞在で9年、就労の在留資格で1年以上就労していれば、条件を満たします。
帰化申請をするためには、18歳以上であること、申請人自身に行為能力があることが条件です。未成年者は「行為能力がない」とされていますので、単独で帰化するには成人している必要があります。(両親と一緒に帰化申請を行う場合は未成年でも申請が可能です。)
ここで重要となるのが、日本だけでなく本国でも成人している必要があるという点です。
例えば日本の成人年齢は18歳ですが、韓国では19歳が成人とされています。韓国の方が単独で帰化するためには,韓国で成人となる19歳になるのを待つ必要があります。
帰化には素行が善良であることが必要です。素行が善良であるかどうかは、犯罪歴の有無や態様、納税状況や社会への迷惑の有無等を総合的に考慮して、通常人を基準とし社会通念によって判断されることとなります。
次のような犯罪歴や罰金刑があった場合、帰化申請の審査に不利に働くため許可を得られる可能性は低くなります。
・過去に罰金刑を受けた場合
・過去にオーバーステイなどによって在留特別許可を受けた場合
上記に該当するお客様から、よく「何年経てば帰化できますか」という質問をもらいます。犯罪歴といってもその内容は様々で、過去にどういった内容の行為があったかによって異なってきます。
暴行、器物損壊、恐喝などで罰金刑を受けた場合は、目安としてその支払いを終えてから10年以上の期間をあけてから、過去にオーバーステイなどによって退去強制事由に該当するものの特別に在留を許可された方は、在留特別許可を受けてから15年以上の期間をあけてからの帰化申請となります。
(※年数はあくまで参考となり、個別具体的な事情によって異なります。)
過去5年間の交通違反がチェックされます。違反点数6点以下の軽微な違反は「反則金」という扱いになります。例えば、「一時停止違反」「29km以下の速度超過」「一方通行違反」などが挙げられます。
反則金は罰金(刑事罰)とは異なりますが、帰化申請前の直近5年間で5回以上繰り返していた場合、違法行為を繰り返し行っていると判断され不許可の可能性が上がります。
また、回数が少なければ問題ないということではなく、免許停止処分(免停)を受けた場合は、帰化は難しくなります。処分を受けた日から5年あけて申請を行いましょう。
詳しくはこちらをご確認ください。
各種税金を納税していることが必要です。納税の有無については、帰化申請する本人だけでなく、同居の家族全員分が見られますので注意が必要です。
家族含め税金関係に滞納がある方は、納税を行ってから帰化申請を行いましょう。
また、副収入を得ている方も利益の額によっては、ご自身で確定申告を行い、納税の義務が発生しますので、不動産や株などをお持ちの方はこの点も確認を行いましょう。
経営者の方は、個人の税金だけでなく会社の税金も納税を行っていることが必要です。
年金の支払いも帰化申請においては確認されます。年金の支払いについては、直近1年分が必要です。
会社員の方で厚生年金に加入しており、給料から天引きされている方は問題ありませんが、国民年金の方でご自身での支払い義務がある方は、直近1年間で支払っていない月がないか確認を行いましょう。
もし年金を支払っていなければ、帰化申請前の直近1年分を支払ってから帰化申請を行いましょう。
日本で生活をしていくにあたり、生計を維持することができることが条件です。この生計条件は生計をともにする同居家族を含めて判断されます。
帰化申請人に十分な収入がなくても、帰化申請人と同居家族(配偶者や成人した子ども)に十分な収入があり、世帯として生計を維持することができれば問題ありません。毎月安定した収入があるかどうかがポイントです。
また借入(住宅ローンや自動車ローン)がある方は、当該借入をきちんと返せるだけの安定した収入があるかも確認が必要です。その他の借り入れについても、返済計画がたっていれば問題ありません。
収入の目安としては、月25万以上あれば問題ありません。扶養者がいる場合、一人当たり20万円プラスαで考えていきます。世帯の収入で家族が生活をしていくことができるか否かが重要です。
帰化しようとする方は、無国籍であるか原則として帰化によってそれまでの国籍を喪失することが必要です。冒頭でも述べましたが、日本は二重国籍が認められていないので、日本国籍取得後に本国の国籍を離脱しなくてはなりません。
(例外として、本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合については、この条件を備えていなくても帰化が許可になる場合があります。)
日本の政府を暴力で破壊することを企てたり、主張するような者、あるいはそのような団体を結成したり、加入しているような者は帰化が許可されません。
つまり、テロリストや犯罪を企んでいる方には、日本国籍は取得できません。
帰化が許可されるためには、一定以上の日本語能力が求められます。
いくら日本語での会話がスムーズにできても、読み書きができないと帰化は許可されません。すべての方に日本語能力テストがあるわけではないですが、帰化の面談などで担当官に日本語能力に不安を持たれた場合にテストが課されることが多いです。
※日本語能力の目安としては、日本人の小学校3年生程度の日本語能力です。
申請から許可が下りるまで様々な手続きがあります。ここでは一般的な許可までの流れについてご説明します。
帰化申請は、帰化申請者本人が原則として法務局へ出頭して行います。
(ただし、15歳未満の場合には、両親などの代理人がその手続きを行います。)
まずは法務局に相談予約の電話をします。法務局によっては半年先まで予約が取れない場合もありますので、早めの予約をお勧めします。
法務局の相談では、日本に来日した経緯から在留資格、家族構成、犯罪歴の有無などを確認されます。そこで要件を満たしていると判断された場合は必要書類を教えてもらえます。
帰化申請で一番ネックとされているのがこの書類収集です。中でも一番取得に時間を要するのは本国書類(母国の書類)です。在日大使館で収集できる書類もありますが、本国に足を運ばないと収集できないものもございますのでご注意ください。
申請書や履歴書など10枚前後の資料を作成します。②で用意した証明書類と整合性が取れていない場合は許可が下りない可能性が高くなるので慎重に記載してください。
法務局に予約をし、書類のチェックに行きます。収集した書類と記載した申請書を法務局の担当官に見てもらいましょう。(この後に追加で必要となる書類もあります。)
点検の結果、提出書類に不備がなければ通常この時点で申請が受理されます。
※書類に不備があった場合、再度法務局に足を運ばなければなりません。
受理から2~3ヵ月経った頃に法務局から連絡がきて、調査や提出した書類の中の疑問点や過去のこと又現在の状況等を質問されます。質問内容は一人一人異なりますが、事実を話せば特に問題はありません。
ちなみに、日本に住む配偶者等の家族がいる場合は一緒に面接されます。
提出書類をもとに、法務局が事実確認を取っていきます。
法務局から勤務先や学校に在籍確認の電話がきたり、職員が訪問してくることもあります。
法務局から帰化申請の許可が下りた旨の連絡があります。
「官報」にも許可を受けた方の住所・氏名・生年月日が掲載されますので、インターネットから確認することも可能です。
電話で指定された日時に法務局に出頭して手続きは終わりとなります。
その際に法務局から帰化に係る書類がもらえますので、市役所に持参し届出を行うと戸籍が編製されます。在留カードは住所地を管轄する入国管理局に返却が必要です。
以上が帰化申請の流れとなります。この流れで日本国籍を取得することができます。
行政書士に依頼する最大のメリットは時間の短縮です。
帰化申請の流れを見ていただくとわかると思いますが、準備から結果が出るまでにかなりの労力と時間を要します。
法務局への訪問は完全予約制となっており、2か月~6か月先まで予約が埋まっていることがほとんどです。訪問後、そこから書類を揃えて法務局の書類確認まで早くて1カ月、この2度目の訪問で受理されれば良いのですが、書類に不備があるとここからまた1カ月はかかります。
審査期間は1年程度かかりますので、帰化の要件を確認し、滞りなく必要書類を収集し、各申請書は不備なく完成させなければなりません。いかに早く申請を受理してもらえるかが非常に重要になってきます。
当事務所は人生の一大事でもある帰化申請の手続きをサポート致します。
自分が帰化の条件を満たしているのか、どのような書類を集めればよいのか、少しでも不安を持たれている方は是非一度当事務所にご相談ください。
初回は無料相談となりますので、お気軽にお問い合わせをいただければと思います。
帰化申請にあたっては、帰化の要件を確認し、滞りなく必要書類を収集し、各申請書は不備なく完成させなければなりません。「どのような書類を集めたらいいですか」「私は帰化の要件を満たしていますか」といったお問い合わせが多いです。必要な書類については、各人の家族状況、仕事、来歴等によって変動します。一人一人集める書類は異なります。
帰化申請は今後の人生に大きな変革をもたらす重大な決断だからこそ、行政書士法人タッチでは、無料相談にてお客様一人一人のご状況を伺い、帰化の要件を満たしているか、どのような書類が必要か、どのように帰化申請を進めていけばいいかご確認をさせて頂きます。
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2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
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2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
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