帰化申請お役立ちコラム

簡易帰化の条件
- 2020年01月22日


居住年数「5年→10年」案と帰化取消し制度をめぐる議論
| ※本記事は、2025年12月時点での報道内容や公開されている政策提言等をもとに、行政書士としての見解をまとめたものです。今後、法改正や運用の変更により内容が変わる可能性があります。 |
目次
2025年11月末以降、複数のメディアで、外国人の「帰化」をめぐる重要な動きが報じられています。
1つ目は、政府による帰化要件の厳格化です。
現在「5年以上」とされている帰化の居住要件を、在留資格「永住者」の原則10年と同水準へ引き上げる方向で検討している、という報道が相次ぎました。
2つ目は、日本維新の会による「帰化取消し制度」創設の提言です。
2025年9月、日本維新の会は「外国人政策及び『移民問題』に関する政策提言」を公表し、その中で国籍取得審査の厳格化や、帰化後に重大な問題が判明した場合の「帰化取消し制度」の創設を盛り込んでいます。
本記事では、これら「①帰化の居住要件引き上げ」と「②帰化取消し制度」という2つの議論について、実務を担当する行政書士の立場から、
を整理してお伝えします。
まずは、いまのルールを簡単に確認します。
(1)帰化(日本国籍の取得)
いわゆる「普通帰化」の場合、国籍法は
を一つの要件としています(居住要件)。
(2)永住許可(在留資格「永住者」)
一方、出入国在留管理庁の永住許可ガイドラインでは、
が、在留期間に関する大きな目安とされています。
数字だけを並べると、
となっており、より重い法的地位であるはずの「国籍」の方が、短い年数で取得できるという、いわゆる「逆転現象」が生じています。
この点については、以前から政治の場や世論で、
「永住10年・帰化5年というのはおかしいのではないか」
と問題視されてきました。
よく世の中では、居住年数だけを取り上げて、
といった議論がなされます。
しかし、実務の感覚からすると、これは少し誤解を招く見方です。
帰化の審査では、居住年数のほかにも、例えば次のような点が総合的に確認されます。
永住許可の審査も当然厳格ですが、
「国籍」という非常に重い地位を新たに付与する手続きである帰化の方が、審査の範囲・深さはむしろ広く・深くなることが多い、というのが現場の実感です。
したがって、
というイメージは、実務を見ている立場からすると、かなり実態とズレていると言わざるを得ません。
とはいえ、だからといって、現在の
永住10年・帰化5年
という構造をそのまま放置して良いのかというと、ここには制度としての整合性の問題も残ります。
を踏まえると、
「より重い地位である国籍の方が、永住より短い居住年数でよい」
という現在の設計は、やはりバランスを欠く部分があると言えます。
その意味で、
「一般的な普通帰化については、永住許可と同等の“10年要件”にそろえるべきだ」
という議論には、制度として一定の合理性があると考えています。
一方で、現在の国籍法には「簡易帰化」の枠組みがあり、
日本や日本人との結びつきが強い方については、居住要件が緩和されています。
今回の「居住要件引き上げ」の議論が、どこまでの類型に及ぶのか――
特別永住者や日本人配偶者等に対しても、一律に10年要件を課すのかどうかについては、慎重な検討が必要です。
少なくとも、一般的な「普通帰化」の居住要件については、
永住の10年に近づける方向の見直しが行われる可能性は、十分にあるのではないか――これが、実務家としての現在の見立てです。
続いて、帰化取消し制度について整理します。
前提として、現行の日本の国籍法には、
は存在しません。
もっとも、帰化許可は法務大臣による行政処分の一種であるため、
申請時に重大な虚偽や詐欺があった場合には、
と解釈されています。
しかしながら、実際に帰化許可を取り消した事例が公表されることは極めてまれであり、
といった点は、長年グレーゾーンとして残ってきました。
こうした状況を受けて、日本維新の会は政策提言の中で、
などを盛り込み、法務大臣への申し入れを行っています。
ここで想定されているイメージとしては、例えば
などに、裁判所の関与を前提として国籍の取消しを可能にする制度を整備すべきだ、という方向性だと言えます。
この点について、私は帰化取消し制度そのものを頭から否定する立場ではありません。
明らかな詐欺やテロ行為など、極端なケースにどう対応するかという議論は、諸外国でも行われています。
ただし、日本で同様の制度を導入するとなると、非常に大きなハードルになるのが、
日本が原則として二重国籍を認めていない
という点です。
多くの方は、帰化した時点で元の国籍を喪失しているか、喪失することが予定されています。
この状態で日本国籍まで取り消してしまうと、
どこの国の国籍も持たない「無国籍者」を生み出してしまうリスク
が非常に高くなります。
世界人権宣言第15条は、
と定めており、国家が制度として無国籍者を生み出すことは、基本的に許容されません。
したがって、もし帰化取消し制度を導入するのであれば、
など、無国籍を絶対に生まない仕組みとセットでなければならないと考えます。
これらを丁寧に設計せずに、
という議論が先行すると、人権保護の観点から非常に危うい方向に進みかねません。
その意味で、居住要件の引き上げと比べると、
帰化取消し制度の実現可能性はかなり低い、というのが現時点での見立てです。
ここまで、
という2つの動きについて整理してきました。
改めてまとめると、現時点での私の考えは次のとおりです。
今後、「外国人の受入れ・共生社会に関する政府内の会議」や、法務省・出入国在留管理庁による具体的な方針の取りまとめが進むことで、より明確な方向性が示されることが想定されます。
帰化を検討されている方にとっては、不安や疑問も多い時期かと思いますが、
重要なのは、
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