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ESTAが使えない人のためのBビザ(B-1/B-2)完全ガイド

はじめに(必ず読んでください)
この資料は、米国渡航に関する一般的な情報提供です。最終判断は米国政府(CBP/米国務省・在外公館)の裁量で、同じように見えるケースでも結論が変わることがあります。
特に「犯罪歴」「入国トラブル(オーバーステイ等)」「過去の申請内容(申告の一致)」がある方は、事実関係の整理が重要です。迷ったら、必ず事前に個別相談してください。
まず結論(30秒でわかる)
  • 逮捕歴・犯罪歴・過去の入国トラブルがある場合は、原則としてESTA(査証免除プログラム:VWP(Visa Waiver Program))ではなく、Bビザ(面接あり)で進めるのが無難です。
  • ただし、内容によってはBビザでも不許可となる可能性があります(=入国自体が難しい/追加審査や例外的許可(ウェイバー(Waiver))の検討が必要になることも)。
  • まずは次の「セルフチェック」で、あなたがどのルートか確認しましょう。

目次

30秒セルフチェック:1つでも当てはまったらESTAは要注意

  • 過去に逮捕された/書類送検された(不起訴・無罪・執行猶予・罰金でも「逮捕・起訴・有罪」の事実があれば要注意)
  • 有罪判決を受けた(日本の略式命令・罰金、少年事件等も含め、米国側は広く見ます)
  • 米国でオーバーステイ(滞在期限超過)/強制退去/入国拒否(空港でUターン)/ビザ取消の経験がある
  • ビザ/ESTA申請で虚偽申告をした(または虚偽と疑われる不一致がある)
  • 薬物(所持・使用・販売など)に関与したことがある
  • 2011年3月1日以降、特定国(例:イラン、イラク、北朝鮮、シリア等)に渡航・滞在した/または該当国籍の二重国籍等に該当する
👉1つでも当てはまる場合:『ESTAで行けるかも』より『Bビザで正直に説明して通す』が基本戦略です。

先に覚える:関係する機関(迷子防止)

  • CBP(U.S. Customs and Border Protection):入国審査(空港・港)を担当。ESTAの運用にも関わります。
  • DOS(U.S. Department of State:米国務省):ビザ審査の主管。Bビザは在外公館(大使館・領事館)で審査。
  • 在日米国大使館・領事館:面接・発給手続を実施(東京/大阪など)。
  • USCIS(U.S. Citizenship and Immigration Services):主に米国内手続(就労・移民等)を担当。Bビザの審査は基本的にDOS(米国務省)の管轄です。

Bビザって何?(B-1 / B-2の違い)

Bビザは「短期訪問(Visitor)」のための非移民ビザ。目的により大きく2つに分かれます。

  • B-1(商用):会議・商談・展示会参加・契約交渉など(※米国での就労は不可)
  • B-2(観光/私用):観光・家族訪問・治療・短期の私用活動など

多くの方は「B-1/B-2」として同一のビザで発給され、実際の入国目的は入国時に確認されます。

💡ポイント:『ビザの有効期限』と『滞在できる期間』は別物
  • ビザ(例:B1/B2)は「いつまで有効か/何回入国できるか」。日本国籍は最長10年・複数回(Multiple)になることが多いです(個別審査で短くなる場合あり)。
  • ただし「この入国で何日いられるか」は入国時にCBPが判断し、I-94に表示される『Admit Until Date(滞在期限)』が基準です。一般的に最大6ヶ月(180日)までのことが多いですが、1ヶ月/3ヶ月など短くなることもあります。
➡️入国後は必ずI-94で滞在期限を確認しましょう。

ここが本題:『ESTA不可 → Bビザ』になる条件を完全整理

ESTA(査証免除プログラム:VWP(Visa Waiver Program))は『面接なし・簡易ルート』なので、少しでもリスク要素があると不許可になりやすい仕組みです。

ESTAが使えなくなる代表パターン(申請の難易度=審査の厳しさ順)

カテゴリ 申請難易度
(通りやすさ→厳しさ)
次の一手
特定国渡航歴・該当国籍
(2011/3/1以降等)
★1
(手続き上の理由でESTA不可)
Bビザで申請
(犯罪歴がなくても対象)
入国違反
(オーバーステイ/退去命令/入国拒否 等)
★2-3
(内容で差が大きい)
Bビザで経緯説明+記録準備
(追加審査の可能性)
逮捕・犯罪
(不起訴含む)
★3
(要注意)
Bビザで事情説明+記録準備
(罪名・結果を整理)
虚偽申告・重大な不一致
(過去の申請・入国時)
★4
(かなり厳しい)
Bビザでも難易度高/専門的検討
(矛盾の解消が必須)
薬物関連
(所持/使用/販売/依存)
★5
(原則として認められにくい)
Bビザでも厳しい/例外的許可
(ウェイバー(waiver))の検討が必要なことも
健康・安全保障・人権関連 ★3-5
(内容次第で変動)
Bビザで詳細説明+資料
(医療・公的記録など)

【最重要】犯罪歴がある場合:どこまでがESTA不可?どこからBも厳しい?

まず大原則:逮捕歴・犯罪歴がある場合、ESTAで『No』にして通そうとするのは避けてください。事実と異なる申告は、将来の入国・申請に大きく影響する可能性があります。

※補足:PCSC協定(PCSC:Agreement on Preventing and Combating Serious Crime)とは?

日米間で「重大犯罪の防止・捜査」と「査証免除プログラム(VWP:Visa Waiver Program)の維持」を目的に、指紋情報などを照会・提供し合う枠組みです。入国時や捜査上の照会で指紋が適合した場合、本人確認や犯罪経歴など追加情報が共有され得ます。そのため、犯罪歴がある方ほど『申告の一貫性』が重要で、隠す(虚偽申告)ほどリスクが跳ね上がります。

ここでは『自己判断しやすいように』、実務目線で「申請の難易度(=審査の厳しさ)目安」を4段階に分けます(※最終判断は個別事情)。

レベル1(比較的通りやすい):ただし申告は正確に。ESTAは難しくても、Bなら整理しやすいケース

  • 財産・信用系:万引き/窃盗/詐欺/横領/クレカ不正など
  • 対人トラブル:暴行/傷害/脅迫/ストーカー等(事件内容・被害態様で評価が変わる)
  • 住居侵入・器物損壊など(故意性や反復性がポイント)
  • 交通系でも要注意:飲酒運転、危険運転、人身事故、無免許、ひき逃げ 等(単なる軽微な速度違反とは別物)
  • 不起訴・無罪・執行猶予でも『逮捕された事実』があるとESTAは弾かれやすい

レベル2(要注意):説明・追加資料が必要になりやすい(Bでも慎重審査)

  • 有罪が複数回/同種の再犯がある
  • 刑が重い(実刑、長期の保護観察、被害が大きい等)
  • 過去に米国で入国拒否・取消・取調べ・退去などがある
  • 過去の申請書に誤記や不一致が多い(虚偽と疑われやすい)

レベル3(かなり厳しい):原則として認められにくい(Bでも不許可になりやすい)

  • 薬物:所持・使用・関与(売買・密輸等を含む)は米国で非常に厳しく評価されます

レベル4(原則不可に近い):専門的対応が必要/場合によりウェイバー(Waiver)検討(Bでも難しいことがあります)

  • 意図的な虚偽申告(わざと隠した、と判断されるケース)
  • 強制退去(removal/deportation)や入国禁止措置がある
  • 偽造書類・なりすまし・不法就労など、入国制度を壊す類の違反
✅ まず確認するのはこの5点:①罪名(条文)②最終結果(不起訴/罰金/執行猶予/実刑)③いつの話か ④再犯の有無 ⑤過去の申告内容(DS-160/ESTA/入国時)

オーバーステイ(滞在期限超過)は『何日から』危険?

ESTA(査証免除プログラム:VWP(Visa Waiver Program))は『90日以内』が大前提。1日でも期限を超えると、その後のVWP(査証免除プログラム)利用に大きく影響する可能性があります。
さらに、米国法の『unlawful presence(不法滞在期間)』が一定を超えると、出国後に再入国禁止(3年/10年)になる可能性があります。

不法滞在の目安
(一般論)
起こり得ること 現実的な対応
1日でも期限超過 VWP/ESTAは原則避けたい。入国時に厳しく見られる可能性 Bビザで正直に説明+帰国意思を厚めに
180日超〜1年未満
(単一滞在)
出国後に3年の再入国禁止が生じ得る 渡航時期・記録確認が必須
1年以上
(単一滞在)
出国後に10年の再入国禁止が生じ得る Bでも難易度高。例外的許可
(ウェイバー(waiver))含め検討

※不法滞在の起算点や例外はケースによって変わります。必ずI-94や入出国記録で確認してください。

『特定国渡航歴』でESTAが使えないケース(意外と多い)

2015年の法改正により、VWP(査証免除プログラム)対象国の国籍でも、一定の特定国への渡航・滞在歴があるとVWP(査証免除プログラム)で渡航できず、ビザ取得が必要になります(例外あり)。

  • 2011年3月1日以降に、北朝鮮・イラン・イラク・リビア・ソマリア・スーダン・シリア・イエメン等に渡航・滞在した
  • 該当国籍の二重国籍など、条件によりVWP(査証免除プログラム)利用不可となるケースがある(詳細は個別確認)
👉 この場合は『犯罪歴がなくても』ESTAが通らないため、Bビザでの申請が基本ルートです。

ESTAはダメでも、Bなら可能性がある典型例

  • 逮捕歴はあるが、事件が軽微で、判決が確定しており、再犯がなく、記録・説明が揃う
  • 短期のオーバーステイが過去に1回あり、経緯が説明でき、その後の遵法実績がある(記録が整合している)
  • 特定国渡航歴でVWP(査証免除プログラム)不可だが、渡航目的・資力・帰国意思が明確
  • 過去にESTA/ビザを却下されたが、理由を整理し、今回の事情が改善されている

逆に『Bでも難しい/追加の手当が必要』になりやすい例

  • 薬物関連(所持・使用・売買・依存)
  • 意図的な虚偽申告・詐称(過去申請、入国時)
  • 強制退去・入国禁止措置、複数回の重大犯罪
  • 渡航目的が曖昧/米国で働く疑いが強い(資力不足、帰国の結びつきが弱い)
  • 説明や書類に矛盾が多い(信用が落ちる)

※状況により、非移民ビザの例外的許可(いわゆるウェイバー(Waiver))の検討が必要になることがあります。まずは『事実の棚卸し』が最優先です。

Bビザ申請:完全フロー(この順でやれば迷わない)

  1. 目的整理:B-1(商用)or B-2(観光/私用)。『やって良いこと/ダメなこと』を先に確認。
  2. 必要情報の準備:パスポート、勤務先情報、渡航歴、(該当者)犯罪/違反/入国トラブルの記録
  3. DS-160(オンライン申請)作成:一貫性が命(過去申告と矛盾しない)
  4. 申請料(MRV)支払い → 面接予約(空き状況は時期で変動)
  5. 面接当日:指紋採取+面接。結果はその場または後日(追加審査になることも)
  6. 必要に応じて追加審査(Administrative Processing)→ 発給/不許可

※ビザが発給されても、1回の滞在期限は入国審査(CBP)がI-94に記録した期限がルールです(ビザの有効期限とは別)。

提出書類:何を用意すれば強い?(チェックリスト)

全員ほぼ必須

  • パスポート
  • 証明写真(規格)
  • DS-160確認ページ
  • 面接予約確認(該当する場合)
  • 旅程メモ(いつ・どこへ・何をする・誰と会う・何日で帰る)※1枚で説明できる形が理想
  • 日本での結びつき:在職証明/休暇承認、収入・資産(残高証明等)、家族・住居など

該当者は必須級(ここが勝負)

  • 【犯罪/逮捕】判決文、略式命令、処分通知、不起訴処分など(原本+必要に応じて翻訳)
  • 【米国滞在歴】I-94、入出国記録、当時の航空券・旅程など
  • 【入国拒否/退去】当時の書類(Form I-877/I-867等があれば)
  • 【過去申請】過去DS-160/ESTAの内容メモ(今回と矛盾しないか確認)

面接のコツ:聞かれやすい質問と『通る答え方』テンプレ

面接は『正直さ』と『一貫性』がすべて。言い訳より、①事実 → ②反省/改善 → ③現在の安定 → ④帰国意思、の順で短く。

質問 答え方(例)
Q1. 渡航目的は? A. 目的は◯◯です。滞在は◯日で、◯月◯日に帰国します。旅程はこの通りです。
Q2. 以前のオーバーステイ/入国トラブルは? A. ◯年◯月に◯日超過しました。理由は◯◯で、再発防止として◯◯しています。関連資料はこちらです。
Q3. 逮捕/犯罪歴について A. ◯年に◯◯で(逮捕/有罪)となりました。最終結果は◯◯で完了しています。以後再犯はありません。記録はこちらです。
Q4. 米国で働きますか? A. 働きません。日本での勤務先は◯◯で、休暇は◯日間のみ取得しています。

追加審査(Administrative Processing)って何?

面接後に「追加審査」となると、発給まで時間がかかることがあります。犯罪歴・渡航歴・過去の違反等がある場合に起こりやすいです。
追加審査=不許可確定ではありません。求められる資料は早めに、整合性をもって提出しましょう。

FAQ(よくある質問)

Q. 過去にESTAが承認されたけど、今回もいける?

A. 過去に承認されていても、事情が変われば不可になることがあります。逮捕歴や渡航歴の条件に該当する場合は特に慎重に。

Q. 逮捕されたけど不起訴。黙ってESTAで行ける?

A. 申告すべき事項を隠すのは非常に危険です。発覚すると入国拒否や将来の申請に大きな不利益が出ます。

Q. Bビザは必ず取れる?

A. いいえ。渡航目的・資力・帰国意思に加え、過去の履歴が重い場合は不許可となることもあります。

Q. 『10年ビザ』なら、毎回6ヶ月(180日)滞在できますか?

A. いいえ。10年(Multiple)は「ビザの有効期限/入国回数」の目安で、1回の滞在期限は入国時にCBPが決め、I-94に記録された期限がルールです。一般的に最大6ヶ月のことが多い一方、目的や状況によって1ヶ月/3ヶ月など短くなる場合もあります。

Q. 『犯罪』って結局なにが一番ヤバい?

A. 薬物と虚偽申告は特に厳しく見られます。犯罪の評価は『罪名・結果・再犯・時期・申告の一貫性』で決まります。

相談前にメモしてきてほしい3点(最短で方針が決まる)

  • いつ・どこで・何が起きたか(犯罪/違反/入国トラブルは年月日ベース)
  • 結果(不起訴/罰金/執行猶予/実刑、退去命令の有無など)
  • 今回の渡航目的・日程・同行者・資金計画(帰国予定まで)

参考(公式情報・一次情報)

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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