永住申請お役立ちコラム

永住申請の手数料が20万円に|現行の1万円で申請できるのは2026年9月30日まで
- 2026年08月21日


目次
永住申請をめぐっては、2027年に向けて大きなルール変更が進んでいます。多くの就労ビザに共通するのが、「永住申請には原則として最長の在留期間(多くは5年)が必要になる」という変更です(これは別の記事「3年ビザでの永住申請は2027年3月まで」で詳しく解説しています)。
経営・管理ビザ(在留資格「経営・管理」)をお持ちの方にも、当然この「5年ルール」が当てはまります。ただ、経営・管理の方には、もう一つ、経営・管理に固有の、しかも非常に大きな変化が重なっています。それが、2025年10月16日に施行された、経営・管理ビザそのものの許可基準の大幅な厳格化です。
つまり経営・管理の方は、
という二つの変化を、同時に見ておく必要があるのです。
最初にお伝えしておくと、すでに経営・管理ビザをお持ちの方が、これでただちにビザを失うわけではありません。在留期間の更新には経過措置(猶予期間)も設けられています。ただ、こと「永住」に関しては、これまでより明確にハードルが上がりました。この記事では、経営・管理の方に向けて、二つの変化の中身と、では今どう動くべきかを整理します。
(1)細かい話に入る前に、二つの変化を並べて押さえておきます。
(2)この二つは、別々の話のようでいて、実は深くつながっています。永住は、いま持っている在留資格(=経営・管理)の上に乗っているものだからです。土台である経営・管理の基準が上がれば、その影響は永住申請にもそのまま及びます。だからこそ、経営・管理の方は「二重のハードル」を意識する必要があるのです。
(1)まず、全在留資格に共通する変化Aから見ていきましょう。2026年2月24日の永住許可ガイドライン改訂により、永住申請の要件のひとつである「最長の在留期間をもって在留していること」の扱いに、期限が設けられました。
(2)ここで経営・管理に特有の事情があります。経営・管理ビザは、そもそも「5年」の在留期間を取ること自体が簡単ではないという点です。事業の安定性や納税の実績などが十分に示せないと、更新のたびに「1年」しか出ない、というケースも少なくありません。「では5年を待とう」と思っても、5年の在留期間にたどり着くまでに時間がかかることがあるのです。
(3)この「3年で今申請するか、5年を待つか」という判断そのものや、審査期間を逆算して動くべき理由については、別の記事「審査に約1年 ― 逆算して動くべき理由」で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。
(1)ここからが、経営・管理の方にとって最も重要なポイントです。2025年(令和7年)10月16日、経営・管理ビザの許可基準が大幅に厳格化されました。主な変更点は次のとおりです。
(2)そして、永住を考えている方にとって決定的に重要なのがここです。入管庁の資料では、施行日(2025年10月16日)以後、改正後の許可基準に適合していない場合、「経営・管理」(および経営・管理活動を前提とする高度専門職)からの永住許可は認められない、とされています。
つまり、経営・管理から永住を取るには、土台となる経営・管理(会社の資本金や雇用などの体制)が、改正後の新基準を満たしている必要があるということです。
(3)ここで、取り違えやすい、大切な点があります。それは、「在留期間の更新」と「永住申請」では、経過措置の扱いが違うということです。
(4)たとえば、資本金が2,000万円しかない会社の経営者の場合、在留期間の更新は経過措置で通る可能性があっても、永住申請は今のところ難しくなる、ということです。「ビザの更新は問題なくできているから、永住もそのまま取れるだろう」とは限りません。更新と永住は別の話である、という点は、まず押さえておきたいところです。
(5)とはいえ、これも過度に恐れる必要はありません。既存の経営・管理の方が、すぐにビザを失うわけではありません。更新に与えられた3年の経過措置は、「新基準に近づくための準備期間」と捉えることができます。永住を目指すのであれば、この期間に資本金・雇用・納税といった土台を整えていくことが、そのまま永住の準備にもつながります。
(1)経営・管理の永住審査には、もう一つ特有の事情があります。事業の継続性・安定性・納税状況などの確認に時間がかかり、他の在留資格より審査が長引きやすいのです。
(2)永住審査は、全国平均でもおおむね9〜10か月(公表値で約282日)かかっています。さらに、申請が集中する東京出入国在留管理局では、1年〜1年半程度かかるケースも珍しくありません。
(3)これは、変化Aの「3年ビザでの申請(初回限定の経過措置)」を考えている方にとって、特に重要です。この経過措置を使うには、結果(許可・不許可)が、いま持っている3年の在留期間内に出る必要があるとされているからです。審査が長引きやすい経営・管理では、「3月31日までに出せば間に合う」とは限らず、審査にかかる時間を逆算して、ご自身のビザの満了日までに結果が収まるかを、より慎重に確認する必要があります。(この逆算の考え方は、別の記事「審査に約1年 ― 逆算して動くべき理由」で詳しく解説しています。)
(1)以上を踏まえると、取るべき行動は大きく二つのタイプに分かれます。ご自身がどちらに近いか、当てはめてみてください。
(2)「5年ルール」も「新基準」も、すでにクリアできている方です。具体的には、次のようなイメージです。
(3)こうした方は、申請を先延ばしにするメリットがほとんどありません。加えて、永住申請の手数料が現行の1万円から20万円に引き上げられます(2026年7月3日に政令案が公表され、施行日は10月1日の方針。別の記事「永住申請の手数料が20万円に」で解説しています)。要件が整っているなら、現行料金が使えるうちに、早めに動く方が、費用面でも明らかに有利です。
(4)「新基準」や「5年」に、まだ不安や弱点がある方です。たとえば次のようなケースです。
(5)こうした方が、手数料や期限を気にして準備不足のまま永住を申請するのは、おすすめしにくいところです。土台である経営・管理が新基準を満たしていなければ、永住は不許可になるリスクが高く、納めた手数料も戻りません。それよりも、更新の経過措置(2028年10月16日まで)の期間を活用して、資本金の増強・常勤職員の雇用・納税実績の積み上げといった土台を整え、「5年」の在留期間を取ったうえで、万全の状態で申請する方が、結果的に確実で、費用も抑えられることがあります。
(1)最後に、特に誤解の多い点を整理します。
(2)「在留期間更新の経過措置(2028年まで)」と「永住の取扱い」は、別の話です。 更新が問題なくできていても、それだけで永住が取れるとは限りません。永住には、土台となる経営・管理が新基準を満たしていることが前提とされています。ここが、経営・管理の方にとって最も重要な誤解ポイントです。
(3)「在留期間が3年か5年か」と「10年の居住」も、別の要件です。 今回の「5年ルール」は在留期間に関する話であって、「日本に原則10年住んでいること」という居住年数の要件をゆるめるものではありません。居住年数がまだ足りない方は、期限とは関係なく、まずその要件を満たす必要があります。
(4)細部は、今後の発表や政令で確定する部分があります。 経営・管理の新基準の具体的な運用や、永住許可での取扱いは、今後の入管庁の発表で固まっていきます。手数料については、2026年7月3日に政令案が公表され、永住は20万円、施行日は2026年10月1日の方針が示されています(最終的な内容は政令の公布で確定します)。判断の際は、最新の情報を確認することが大切です。
経営・管理の方は、永住申請にあたって、「5年という在留期間」(変化A)と「経営・管理ビザ自体の新基準」(変化B)という二つの変化を、同時に見ておく必要があります。永住が取れるかどうかは、土台(経営・管理が新基準を満たしているか)と、タイミング(在留期間・審査期間・手数料の値上げ)の両方で決まる、ということです。
過度に恐れる必要はありません。ただ、「更新ができているから永住も大丈夫」という思い込みは禁物です。ご自身の状況がどちらのタイプに当てはまるのかを、できるだけ早く見極めることが、何より大切です。
当事務所は、経営・管理ビザと永住申請の両方を専門に取り扱っています。新基準への適合状況の確認、「5年」の在留期間の取得、申請時期の見極めから、必要書類の整理・申請手続きまで、一貫してサポートしています。「自分の場合、今のままで永住が取れるのか」「いつ、何を整えてから出すべきか」を確認したい方は、お気軽にご相談ください。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
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| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
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