永住申請お役立ちコラム

永住申請の手数料が20万円に|現行の1万円で申請できるのは2026年9月30日まで
- 2026年08月21日


目次
別の記事でお伝えしたとおり、在留期間が「3年」のビザで永住申請ができる経過措置には、2027年(令和9年)3月31日という期限が設けられました。これを受けて、「では、3月31日までに申請を出せば間に合うのだな」と理解された方が多いのではないでしょうか。
ところが、ここに大きな落とし穴があります。この経過措置で問われるのは「いつ申請したか」ではなく、「いつ結果(許可・不許可)が出たか」だからです。そして、永住審査にはおおむね1年前後という長い時間がかかります。
つまり、ぎりぎりに申請すると、審査の途中でビザの満了が来てしまい、せっかくの措置が使えなくなることがあります。そうならないためには、ご自身のビザの満了日から「逆算」して、いつまでに動くべきかを把握しておくことが欠かせません。
この記事では、永住審査に実際どれくらいの時間がかかるのかを確認したうえで、ご自身の「提出の目安」を逆算する方法を、具体例を交えて整理します。なお、この記事を書いている2026年半ばの時点で、期限まではすでに1年を切っています。当てはまりそうな方は、できるだけ早く見極めることをおすすめします。
(1)はじめに、永住審査に実際どれくらいかかるのかを、公表されている数字で確認しておきましょう。
(2)出入国在留管理庁は「在留審査処理期間」という統計を公表しています。これによると、永住者の許可までにかかった日数は、直近(令和8年3月の許可分)で約282日。月によって280〜295日程度で変動しています。日数にすると、おおむね9〜10か月ということになります。
(3)ただし、この数字を読むときには、二つの注意点があります。
(4)以上をふまえると、計画を立てるうえでの目安は、「9〜10か月」よりも「1年程度」、混み合う局なら「1年〜1年半」を見ておくのが安全です。本記事のタイトルを「審査に約1年」としているのも、このためです。「3か月で出る」「半年で出る」といった前提で動くのは、避けたほうがよいでしょう。
(1)ここで、3年ビザの経過措置の条件を、あらためて確認しておきます。(経過措置そのものの全体像、そして「今申請すべきか、5年を待つべきか」という判断については、別の記事「3年ビザでの永住申請は2027年3月まで」で詳しく解説しています。)
(2)この措置を使うには、次の二つを両方満たす必要があります。
(3)ポイントは①です。問われているのは「申請した日」ではなく、「結果が出た日」です。ですから、「3月31日までに窓口へ出した」というだけでは足りません。出した申請の結果が、ご自身のビザの満了日までに出るかどうかが問われるのです。
(4)ここで、1で見た「審査に約1年かかる」という事実が効いてきます。提出が遅れると、審査の途中でビザの満了日が来てしまいます。そうなると更新を迫られますが、2027年4月1日以降の更新で新たに付与された在留期間には、この措置は適用されない ― これが、ガイドラインの文言にそった最も安全な理解です。この理解に立てば、措置を使えないまま振り出しに戻ってしまいます。
(5)ただし、この点は「読み方が分かれている」のが実情です。
実は、いま挙げた場面 ― 2027年3月31日の時点で「3年」を持っている方が、永住審査中の同年4月1日以降に在留期間の更新許可を受け、ふたたび「3年」を付与された場合 ― の取扱いについて、ガイドラインの文言は明確ではなく、複数の読み方ができてしまいます。
(6)どちらが正しいのかは、現時点では、ガイドラインの文言だけから判断することができません。入管庁が、まだ詳しい運用基準を示していないからです。今後、入管庁から何らかの案内が示される可能性はありますが、それまでの間は、ご自身のケースについて管轄の地方出入国在留管理局に個別に確認するほかない、というのが実務の現状です。
(7)そのうえで、強調しておきたいことがあります。どちらの読み方に立っても、取るべき行動は変わりません。厳しい読み方が正しければ、審査中の更新は致命傷になります。かりに緩やかな読み方が正しかったとしても、「一度きり」の貴重な機会を、まだ固まっていない解釈に賭けることになります。結論は、どちらに転んでも同じです ― ぎりぎりを狙わず、余裕をもって動くこと。
(8)しかも②のとおり、この措置は初回の申請にしか使えません。「とりあえず出してみて、ダメなら出し直す」という戦略が通用しない、一度きりの措置だとお考えください。
(9)だからこそ、「ビザの満了日」から「審査にかかる時間」を差し引いて、いつまでに動くべきかを逆算することが必要になるのです。
(1)逆算の手順は、次の三段階です。
(2)ステップ1:ご自身のビザの満了日(在留期限)を確認する。 在留カードに記載されています。経過措置の対象になるのは、あくまで2027年3月31日の時点で持っている「3年」のビザです。その満了日が、結果を受け取るための「締め切り」になります。
(3)ステップ2:審査にかかる時間を差し引く。 目安として、最低でも10か月、混み合う局(とくに東京入管)なら1年〜1年半を見ておきます。満了日からこの期間を引いた時点が、「これより前に申請しておきたい」というラインです。
(4)ステップ3:書類の準備期間も差し引く。 納税証明書や在職証明書など、必要書類をそろえるのにも時間がかかります。さらに1〜2か月は見ておくと安心です。ここまで差し引いた時点が、「準備を始める/申請を出す目安」になります。
(5)ステップ4:手数料の「9月30日」とも比べる。 ここまでは3年ビザの経過措置だけを見てきましたが、永住申請には、もうひとつ、全員に共通する期限があります。永住許可の手数料が、2026年10月1日から1万円→20万円に引き上げられる見込みで(2026年7月3日公表の政令案)、政令案では、2026年9月30日までに「受け付けられた」申請であれば、許可が10月以降になっても現行の1万円で済む方向が示されています。ステップ1〜3で出した「自分の目安」が9月30日より後になる方は、その目安どおりだと、要件(在留期間)の面では間に合っても、手数料で19万円多く払うことになりかねません。3年ビザの期限(人によって違う)と、手数料の期限(9月30日で共通)― そのうち早いほうに合わせて動く、と考えておくのが安全です。
(6)言葉だけでは分かりにくいので、いくつかの例で考えてみましょう。
【例A】在留期限が2027年6月ごろの方。 結果を2027年6月までに受け取るには、審査に1年前後かかることを考えると、おそくとも2026年の半ばまでには申請しておく必要があります。本記事を書いている2026年半ばの時点では、すでに残り時間はほとんどありません。混み合う局であれば、間に合わない可能性も十分にあります。
【例B】在留期限が2027年12月ごろの方。 逆算すると、2026年の終わりから2027年の初めごろまでには申請しておきたいところです。ただし、これは要件(在留期間)の話で、それだと手数料は20万円のほうに掛かってしまいます。1万円で済ませたいなら、ステップ4のとおり2026年9月30日までに受け付けてもらう必要があり、書類の準備を考えると実際には9月中旬までには動きたいところです。要件の期限にはまだ余裕がありますが、費用の期限は目前だという点にご注意ください(東京入管など混み合う局の場合は、いずれにせよさらに早めの提出が望ましいです)。
【例C】在留期限が2028年以降の方(2027年3月31日の時点で「3年」のビザを持っている場合)。 たとえば2025年に「3年」へ更新し、その満了が2028年や2029年にあたる方です。この場合、3年ビザの経過措置の面では、結果を受け取るまでの猶予が比較的あり、2027年中〜2028年に申請しても間に合うケースがあります。ただし、これも要件(在留期間)の話であって、手数料は別です。ゆっくり構えて2027年に申請すれば、手数料は20万円になります。「急ぐ必要はない」のはあくまで3年措置についてであって、1万円で済ませたい方は、この例に当てはまる方であっても、2026年9月30日までの申請を検討することになります。
(7)この例から分かるとおり、期限は「全員一律で2027年3月31日まで」ではありません。ご自身のビザの満了日によって、動くべき時期は大きく変わります。すでに窓口が閉じかけている方もいれば、まだ数年の余裕がある方もいるのです。だからこそ、世間で言われる「3月まで」という言葉に流されず、自分の満了日を基準に逆算することが大切です。
(8)なお、次のような方は、審査が長引きやすいため、通常より大きめに余裕を見てください。
(1)では、もし結果がビザの満了日までに出なかった場合、どうなるのでしょうか。
(2)審査の途中でビザが満了すれば、更新の手続きが必要になります。しかし、前述のとおり、2027年4月1日以降の更新で得た新しい在留期間には、この措置は適用されません。つまり、その時点で「3年ビザでの申請」という選択肢は使えなくなります。
(3)その後は、原則どおり、最長の在留期間(多くの在留資格で「5年」)が付与されるのを待ってから申請することになります。永住の取得が、その分だけ先延ばしになってしまうわけです。
(4)加えて、費用の面でも不利になりかねません。永住申請の手数料は、2026年10月1日から大幅に引き上げられる方針です(現行の1万円から20万円へ。2026年7月3日に政令案が公表されました)。しかも、この新料金が適用されるかどうかは「申請を受け付けた日」が基準とされており、2026年9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月以降にずれ込んでも現行の1万円で済む見通しです(前回2025年4月改定時の取扱いにならったもので、最終的な内容は政令の公布で確定します)。つまり、審査に約1年かかることを考えると、手数料の面でも、動くなら早いほど有利だということです。(手数料の値上げについては、別の記事「永住申請の手数料が20万円に」で詳しく解説しています。)
(5)こうした事態を避けるためにも、ぎりぎりを狙うのではなく、余裕をもって申請を済ませておくことが何より大切です。
(1)最後に、誤解しやすい点を二つ整理します。
(2)一つ目。「3月31日までに、あるいはビザの満了前に申請を出しさえすれば安全だ」という理解は、正確ではありません。繰り返しになりますが、この措置で問われるのは「結果が出る日」です。申請を出しても審査はそのまま進み、ビザの満了日は待ってくれません。
(3)二つ目。永住申請を出しても、それによってビザの有効期間が延びるわけではありません。審査の途中で在留期限が来れば、別途、在留期間の更新が必要です。そして、その更新が措置の適用にどう影響するかは、前述のとおりです。
(4)要するに、確認すべきは「2027年3月31日」という一律の日付ではなく、「ご自身のビザの満了日」です。そこから審査期間を逆算して初めて、「自分はいつまでに動けばよいのか」が見えてきます。
3年ビザでの永住申請を考えるとき、ほんとうに大切なのは「いつ申請するか」ではなく、「結果がビザの有効期間内に出るように、いつから動き始めるか」です。そして、その答えは、お一人おひとりの在留期限によって変わります。
審査に約1年かかること、措置が「初回限り」であること、そして期限まですでに1年を切っていることをふまえると、当てはまりそうな方が取るべき行動は、ただ一つです。まずはご自身の在留期限を確認し、そこから逆算して、間に合うかどうかを早めに見極めること。これに尽きます。
当事務所は永住申請を専門に取り扱っており、ご相談から、ご自身の在留期限を踏まえた申請時期の見極め、要件の確認、必要書類の整理、申請手続きまで一貫してサポートしています。「自分の場合、いつまでに動けば間に合うのか」を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 就労ビザサポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター アメリカビザサポートセンター ビザサポートセンター |
スムーズな申請に向けて、
まずは無料相談をご活用ください