永住申請お役立ちコラム

永住申請から許可までの流れ|不許可になった場合の対応も行政書士が解説
- 2026年06月18日


永住許可の手数料が、現行の1万円から20万円へ引き上げられます。2026年5月に改正入管難民法が成立し、7月3日には具体額を定める政令案が公表されました。施行日は2026年10月1日の方針で、適用の基準は「申請を受け付けた日」―― つまり2026年9月30日までに申請を受け付けてもらえれば、現行の1万円で済む見通しです。
現行料金で申請できるのはいつまでか、今申請すべきかを、永住申請専門の行政書士が解説します。
目次
2026年5月29日、在留審査手数料を大幅に引き上げる改正入管難民法が国会で成立しました。永住許可の手数料は、これまで1万円でしたが、改正後は法律上の上限が30万円まで引き上げられます。そして2026年7月3日、実際の徴収額を定める政令案が公表され、永住許可は20万円とされました。実に20倍の値上げです。
値上げの対象は永住許可だけではありません。在留資格の変更・在留期間の更新も、これまでの一律6,000円から、在留期間に応じた段階制に変わり、政令案では5年で7万5,000円、3年で6万4,000円、1年で3万3,000円などとされました。ご家族で手続きをする場合、人数分だけ負担が積み上がります。
ここで大切なのは、値上げ後の新料金がいつから適用されるのか、そして今のうちに申請すれば現行の1万円で済むのかという点です。この記事では、現時点(2026年7月)で分かっていることを整理し、永住申請を考えている方が「今動くべきかどうか」を判断するための材料をお伝えします。
(1)今回の改正で変わるのは、在留関係の手続きにかかる手数料です。現行と改正後(政令案)の内容を整理すると、次のとおりです。
(2)永住許可: 1万円 → 20万円(法律上の上限は30万円。政令案で20万円と示されました)
(3)在留資格の変更・在留期間の更新: 6,000円 → 在留期間に応じた段階制(法律上の上限は10万円)。政令案では、3か月以下1万円、1年3万3,000円、3年6万4,000円、5年7万5,000円です。オンライン申請なら区分ごとに最大1万円割引されますが、3か月以下と永住許可は割引の対象外とされています。
(4)注意したいのは、「上限」と「実際に支払う額」は別物だという点です。法律で決まったのはあくまで上限額(永住30万円・変更更新10万円)で、実際にいくら徴収するかは政令で決まります。上に挙げた「永住20万円」などの金額は、2026年7月3日に公表された政令案で示されたもので、同日から8月2日まで意見公募(パブリックコメント)が行われました。正式な確定は政令の公布を待つ必要がありますが、この額が基本線になると見られています。
(5)この手数料体系は1981年以来、約45年ぶりの大幅な見直しです。直近では2025年4月にも永住許可が8,000円から1万円へ引き上げられたばかりで、わずか1〜2年のうちに連続して大きく上がることになります。
(1)多くの方が気にされるのは、ここだと思います。順に整理します。
(2)法律は2026年5月に成立しましたが、成立=即値上げではありません。実際の金額と施行日は、政令で決まります。2026年7月3日に公表された政令案では、施行日は2026年10月1日とされています(改正法上は2027年3月31日までの間で政令により定めるとされており、その範囲内で10月1日が示されました)。
(3)つまり、新料金が適用されるのは2026年10月1日からという方針です。次の項目で詳しく述べますが、その基準は「申請を受け付けた日」とされているため、現行の1万円で申請できるのは、実質的に2026年9月30日までということになります。この記事を書いている2026年7月の時点で、残された時間は3か月を切っています。
(4)ここが最も重要なポイントです。手数料は通常、申請の時点ではなく、許可(処分)の時点で納めます。そのため「申請さえ早ければ安心なのか、それとも許可が出る時点の料金になるのか」が問題になりますが、今回の政令案は、適用の基準を「申請を受け付けた日」としています。つまり、2026年9月30日までに申請を受け付けてもらえれば、その後の審査が長引き、許可・交付が10月1日以降にずれ込んだとしても、現行の1万円で納められる見通しです。これは、前回2025年4月の手数料改定のときに入管庁が実際に採った取扱い(3月31日までに受け付けた申請は、許可が4月以降でも旧料金)と同じ考え方です。
(5)この「受付日が基準」という点は、永住申請にとって非常に大きな意味を持ちます。永住審査には近年おおむね9〜10か月かかり、申請が集中する東京入管では1年〜1年半に及ぶこともあります。もし「許可の時点」が基準だったら、今から申請しても審査中に10月1日を過ぎ、20万円を取られていたはずです。しかし受付日が基準であれば、9月30日までに間に合わせさえすれば、審査期間の長さに関係なく1万円で済む――だからこそ、今、申請を受け付けてもらうことに大きな意味があるのです。
(6)ただし、政令の正確な文言は、公布されるまで確定しません。「受付日が基準」という理解は、公表された政令案と過去の運用にもとづくものです。8月2日まで行われた意見公募を経て、最終的な内容が固まります。9月末ぎりぎりの駆け込みを狙う場合は、念のため、最終的な政令の内容も確認しておくと安全です。
(7)結論としては、現行料金での申請を狙うなら、9月30日というラインからできるだけ余裕をもって、早めに申請を済ませておくに越したことはありません。永住申請では、納税証明書や在職証明書など、書類をそろえるだけでも数週間かかります。しかも窓口の混雑や書類の不備で受付が9月30日を過ぎてしまえば、それだけで19万円の差が生じます。「まだ数か月ある」ではなく、「もう数か月しかない」とお考えください。
(1)見落とされがちですが、永住申請には、費用とは別にもう一つの期限も控えています。
(2)2026年2月の永住許可ガイドライン改訂により、在留期間「3年」のビザで永住申請できる経過措置は、2027年3月31日までとされました。これ以降は、原則として最長の在留期間(多くは5年)が必要になります。
(3)つまり、永住申請を考えている方には、「手数料の値上げ(2026年9月30日)」と「3年ビザでの申請の経過措置(2027年3月31日)」という二つの期限が控えていることになります。費用の壁が先に来て、その半年後に要件の壁が来る、という関係です。とくに3年ビザで申請を検討している方は、費用の面でも要件の面でも、急ぐ理由が重なっている状況だといえます。
(4)(3年ビザの経過措置については、別の記事「3年ビザでの永住申請は2027年3月まで」で詳しく解説しています。あわせてご確認ください。)
(1)手数料の値上げを踏まえると、判断の方向性は次のように整理できます。
(2)要件がすでに整っている方です。具体的には、次のような状況の方です。
(3)こうした方は、申請を先延ばしにするほど、現行の1万円ではなく20万円を負担する側に回るリスクが高まります。差額は19万円。要件が整っているなら、現行料金が使える9月30日までに動く方が、費用面では明らかに有利です。
(4)要件に不安や弱点がある方です。たとえば次のようなケースです。
(5)こうした方が、手数料を惜しんで準備不足のまま申請するのは考えものです。ここで注意したいのは、永住許可の手数料は「許可されたとき」に納めるものだという点です。そのため、不許可になった場合に手数料そのものを取られるわけではありませんが、書類の取得費用や翻訳・郵送費、専門家への報酬などは、結果がどうであれかかってしまいます。さらに、いったん不許可になって再申請をするころには、9月30日を過ぎて、すでに新料金(20万円)になっている可能性が高いのです。費用を抑えるつもりで急いで申請したのに、かえって高くついてしまう ― そうした事態になりかねません。
(6)この場合は、値上げ前に焦って出すより、弱点を整えて一回で確実に通すことの方が、結果的に費用も時間も節約になることがあります。値上げは判断材料の一つであって、すべてではない、という点は押さえておいてください。
(1)最後に、誤解しやすい点を整理します。
(2)「手数料が安いうちに申請する」ことと、「永住の要件を満たしている」ことは別の話です。手数料がいくらであっても、居住年数や納税などの要件を満たしていなければ、許可は下りません。費用の有利さだけを理由に、要件が整っていない段階で申請するのは避けるべきです。
(3)また、正式な金額と施行日は、政令が公布されるまで確定しません。「永住20万円・施行日2026年10月1日」は、2026年7月3日公表の政令案にもとづくものです。経済的に困難な方への減額(永住は2万円まで)や、オンライン申請の割引(永住は対象外)なども政令案に盛り込まれており、最終的な内容は今後の公布を確認する必要があります。
永住申請の手数料が20万円になる日(2026年10月1日)は、刻一刻と近づいています。現行の1万円で申請できるのは、適用基準が「受付日」であることを踏まえると、実質的に2026年9月30日まで。永住を考えていて要件が整っている方にとって、いまが、費用の面で申請を決断すべきラインの直前です。
ただし、繰り返しになりますが、「安いうちに」だけを理由に焦るのは禁物です。要件が整っている方は現行料金のうちに動く、整っていない方はまず弱点を整える ― ご自身がどちらに当てはまるかを、早めに見極めることが何より大切です。
当事務所は永住申請を専門に取り扱っており、ご相談から、申請時期の見極め、要件の確認、必要書類の整理、申請手続きまで一貫してサポートしています。「自分の場合、今申請すべきか」を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
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