永住申請お役立ちコラム

永住許可の3つの要件を完全解説|2026年最新ガイドライン対応
- 2026年06月18日


永住許可申請は、書類を入管窓口に提出して終わりではありません。提出後の審査は、現状では8か月から18か月程度を要し、その間に追加資料の提出を求められることや、在留期限を迎えるケースもあります。さらに、近年の厳格化により、不許可となる方も決して少なくありません。
本記事では、永住申請から許可までの流れを2部構成で完全解説します。前半は申請から許可までの5つのステップ、後半は万が一不許可になった場合の対応について、行政書士の視点で網羅的にお伝えします。これから申請を準備される方、申請中の方、そして不許可からの再申請をご検討中の方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
本記事の内容は、行政書士法人タッチ代表の湯田が動画でも詳しく解説しています。文字よりも動画で学びたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
永住申請から許可までの流れは、大きく5つのステップで構成されます。
| ステップ | 内容 | 所要期間の目安 | ポイント |
| ① | 必要書類の準備 | 2〜3か月 | 住民票・納税証明書等を計画的に取得 |
| ② | 申請書類の作成 | 1〜2週間 | 申請書・理由書・状況説明書を準備 |
| ③ | 入管窓口で申請 | 1日(半日) | 住居地を管轄する地方入管へ持参 |
| ④ | 入管での審査 | 8〜18か月 | 追加資料の提出を求められることあり |
| ⑤ | 結果通知・在留カード交付 | 通知後2週間以内 | 許可の場合:はがき→入管で在留カード受領 |
①書類の準備、②申請書類の作成、③入管窓口で申請、④入管での審査、⑤結果通知と在留カード交付、この5ステップです。
最も長い期間を占めるのが、④の入管での審査です。後ほど第3章で詳しくご説明しますが、現状では8か月から18か月程度を見込んでいただく必要があります。
ご自身で申請される場合は、書類の準備から結果通知まで、トータルで1年から1年半程度を見ておくのが現実的です。それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。
PART 1
申請から許可までの流れ
申請窓口は、ご自身の住居地を管轄する地方出入国在留管理局です。
たとえば東京都にお住まいの方は東京入管、大阪府にお住まいの方は大阪入管、というように、管轄が決まっています。詳細は入管庁ホームページでご確認ください。
申請当日の持ち物は、準備した申請書類一式、ご本人のパスポート、在留カード、これらを必ずご持参ください。書類に不備がある場合は、その場で指摘されることがあります。
申請が受理されると、入管から「申請受理票」というハガキ大の書類が交付されます。これは結果通知まで大切に保管してください。
永住申請後の審査期間について、入管庁は標準処理期間を「4か月」と公表しております。しかし実態としては、これより大幅に長くかかっているのが現状で、特に都市部の地方入管では時間がかかります。
| 区分 | 期間 |
| 入管庁公表の標準処理期間 | 4か月 |
| 東京入管の実態 | 18か月くらい |
| 大阪入管の実態 | 1年くらい |
| その他の地方入管 | 6〜8か月くらい |
地域別の審査期間の実態
東京入管:18か月くらい/大阪入管:1年くらい/その他の地方入管:6〜8か月くらい、というのが近年の実態です。標準処理期間の4か月で結果が出ることは、ほぼないとお考えいただくのが現実的です。審査期間中、申請者の方からよくご相談いただくのが、「いつ結果が出るのか心配で、頻繁に入管に問い合わせていいか」というご質問です。
結論から申し上げますと、頻繁な問い合わせはおすすめしません。問い合わせ頻度が審査結果に影響することはありません。
また、審査期間中の生活については、ひとつ大切なポイントがあります。
審査中は出国に注意
永住申請中であっても、現在お持ちの在留資格の活動は継続できますし、海外旅行も可能です。ただし、出国期間が長すぎたり、出国回数が多すぎたりすると、審査中の評価に影響する可能性があります。
永住申請後、入管から「資料提出通知書」という書面が届くことがあります。これは、追加の資料を提出するよう求められるもので、永住申請では一般的によくあることです。
「資料提出通知書」と聞くと、「自分の申請に何か問題があったのではないか」とご心配される方が多いのですが、必ずしもそうではありません。入管が審査を進める中で、より詳しい情報を確認したい場合に、通常の手続きとして送付されるものです。
通知書には、提出を求められる資料のリストと、提出期限が記載されています。提出期限はだいたい2週間程度です。
求められる内容は様々で、たとえば次のようなものがあります。
対応のポイントは2点です。
資料提出通知書への対応ポイント
① 期限内提出が絶対:通知書に書かれた提出期限は厳守してください。提出が遅れると、「資料提出に協力的でない」と判断され、不許可の原因にもなり得ます。間に合わない場合は、必ず事前に入管へ電話で相談してください。
② 内容を読み取り、不明点は確認:通知書の文面が分かりにくい場合、何を提出すれば良いかご自身で判断が難しい場合は、行政書士などの専門家にご相談ください。誤った書類を提出すると、追加で別の書類を求められ、審査がさらに長引きます。通知書の対応は、当事務所でも頻繁にご相談を受ける分野です。書類の判断にお困りの方は、お気軽にご相談ください。
審査が終わると、入管から結果通知が郵送されてきます。許可の場合と不許可の場合では、通知の形式と内容が大きく異なります。
「許可」の場合、入管からはがきが郵送されてきます。「永住許可申請の結果について、当局にお越しください」という内容です。
このはがきを持って、申請を行った地方入管に出向き、新しい在留カード、つまり「永住者」の在留カードを受け取ります。
受け取りには収入印紙1万円が必要
在留カード受け取りの際には、収入印紙1万円が必要です。これは必ずコンビニや郵便局で事前に購入してご持参ください。当日忘れると受け取りができません。「不許可」の場合は、許可の場合と異なり、はがきではなく、郵便で「不許可通知書」という書面が直接届きます。
ただし、不許可通知書に書かれている内容は、根拠となった入管法の条文番号、たとえば「入管法第○○条」といった条文の引用が記載されているのみで、具体的な不許可理由は書かれておりません。
具体的な不許可理由を知るためには、必ず入管に出向き、担当の審査官から口頭で説明を聞く必要があります。この聞き取りが、再申請の準備として極めて重要です。詳しくはPART 2、第8章で解説いたします。
審査期間が長期化する中で、よくご相談を受けるのが、「永住申請の審査中に、現在の在留資格の期限が近づいてきたら、どうすればよいか」というご質問です。
重要|永住申請には特例期間がない
永住許可申請には、いわゆる特例期間の制度はありません。永住申請をしていれば在留が認められる、ということはなく、審査中に現在の在留資格の在留期限を迎える場合は、当然に期限内に在留期間更新許可申請が必要です。つまり、永住申請とは別に、現在お持ちの在留資格の更新申請を、期限内に必ず行う必要があります。これを怠ると、在留期限切れによって不法残留状態となり、永住申請を含めた今後のすべての在留資格に致命的な影響を与えますので、絶対に注意してください。
当事務所では、永住申請と並行して、現在の在留資格の更新申請のタイミングをアドバイスさせていただいております。在留期限が近づいている方は、お早めにご相談ください。
PART 2
不許可になった場合の対応
ここまでがPART 1、申請から許可までの流れでした。ここからはPART 2、もし不許可になってしまった場合の対応について解説します。
永住申請は、近年の厳格化により、決して全員が一発で許可されるものではありません。不許可になってしまった場合、適切な対応を取ることで、次の再申請で許可を得る確率を大きく上げることができます。
不許可になる典型的なパターンを3つ、整理してご紹介します。
| No. | 典型パターン | 不許可の主な原因 |
| ① | 公租公課の支払い遅滞【最多】 | 住民税・年金保険料・健康保険料の納付遅延(同居家族の遅滞も含む) |
| ② | 年収不足 | 独立生計要件(独身350万円+扶養者1人あたり20〜30万円)に満たない |
| ③ | 素行善良要件違反 | 届出義務違反・交通違反の繰り返し・罰金以上の違反・オーバーワーク等 |
圧倒的に多いのが、公租公課、つまり住民税・年金保険料・健康保険料の支払い遅滞による不許可です。
確認対象期間中に支払い遅滞があると、現状の実務ではほぼ確実に不許可となります。理由書でどんなに丁寧に説明しても、この事実は変わりません。
重要|同居する家族の遅滞も不許可理由になる
ご自身に遅滞がなくても、同居しているご家族に住民税や社会保険料の納付遅滞があれば、それをもって永住が不許可となります。永住申請では、世帯全体の納付状況が審査対象となります。配偶者やお子さんを含めて、世帯全員の納付状況を必ず確認してください。永住申請には独立生計要件があり、独身の方で年収350万円程度、扶養家族がいらっしゃる方はそれに加えて1人当たり20〜30万円程度の年収が求められます。これに満たない場合、不許可となります。
注意していただきたいのは、申請時の年収だけでなく、過去3〜5年分の年収推移も見られる点です。直近1年だけ無理に年収を上げても、過去の数字が低ければ不利になります。
3つめが、素行善良要件、つまり「日本の法令を遵守する姿勢」を満たさないと判断されるケースです。これは刑法上の犯罪に至らないものもありますが、永住申請の観点から見ると、審査において「素行善良要件」を満たしていないと判断されるため、永住許可が不許可になったり、現在の在留資格の更新時に在留期間が短縮されたりする典型的な原因となります。
具体的には、次の4つのケースが該当します。
💡 素行善良要件違反の4つの典型例
(a) 届出義務違反:転職時に入管へ報告しなかった、引っ越し時に区役所への転入届を期限内に出さなかった等
(b) 頻繁な軽微な交通違反:過去5年以内に駐車違反・速度超過・信号無視などの軽微な違反が3〜5回以上ある
(c) 罰金以上の交通違反:飲酒運転や無免許運転など、罰金以上の刑罰を伴う違反
(d) オーバーワーク(資格外活動違反):家族滞在・留学ビザ期間中に法定労働時間の週28時間を超えてアルバイトをしていた記録特に(c)の罰金以上の刑罰を伴う違反は、その後の長期間にわたって永住申請が困難になりますので、過去にこうした事案がある方は、再申請のタイミングを慎重にご判断いただく必要があります。
不許可になった場合、対応の流れは次のとおりです。
まず、入管から「不許可通知書」という書類が郵送されてきます。先ほどお伝えしたとおり、通知書の段階では具体的な不許可理由は書かれていません。
不許可理由の聞き取りは絶対に行ってください
不許可通知を受け取ったら、必ず指定された期日内に入管に出向き、不許可となった理由を担当審査官から口頭で説明してもらってください。
これを怠ると、再申請で同じ理由により再度不許可となる可能性が高まります。聞き取りは無料で、その場で書面化はされませんが、メモは取ることができます。聞き取りでは、以下のポイントを確認してください。
聞き取りの際は、行政書士に同行を依頼することも可能です。当事務所でも、不許可後の聞き取り同行のご依頼を多く承っております。専門家が同行することで、審査官からより具体的な情報を引き出せることがあります。
再申請のタイミングと準備について、不許可理由別に整理します。
| 不許可の理由 | 再申請までの目安 | 再申請までに必要な対応 |
| 公租公課の遅滞 | 1〜2年 | 確認対象期間中に遅滞のない実績期間を作る |
| 年収不足 | 年収が安定したタイミング | 基準を満たす年収を継続的に確保 |
| 届出義務違反・軽微な交通違反の繰り返し | 1〜2年 | 違反のない実績期間を作る |
| 罰金以上の交通違反(飲酒運転・無免許運転等) | 5年 | 罰金処分から5年経過するまで待つ |
| オーバーワーク(資格外活動違反) | 1〜2年 | 違反のない実績期間を作る |
公租公課の遅滞が不許可理由の場合、最低でも1年から2年は待っていただく必要があります。
理由は明確で、永住申請の審査対象期間中に、遅滞のない実績期間を作る必要があるからです。直後に再申請しても、過去の遅滞がそのまま審査対象期間に含まれるため、同じ理由で再度不許可となります。
関連記事「永住理由書の書き方」でもお伝えしたとおり、不利益事項は理由書で説明しても救えません。実績を積んでから再申請する、これが王道です。
年収不足が理由の場合、独立生計要件を継続的に満たせるタイミングを待ちます。1年だけ年収を上げても、過去3〜5年の推移を見られますので、安定した収入確保を継続することが重要です。
素行善良要件違反は、違反の内容によって、再申請までに必要な期間が大きく変わります。
届出義務違反、または軽微な交通違反を繰り返したことが原因の場合は、最低でも1〜2年、違反のない実績期間を作ってから再申請するのが現実的です。
一方、飲酒運転や無免許運転など、罰金以上の刑罰を受けた交通違反が原因の場合は、罰金処分から最低5年を空けてからの再申請が必要となります。これより早いタイミングで再申請しても、許可される可能性は極めて低いため、5年の経過を待つのが現実的です。
オーバーワーク、つまり資格外活動違反が原因の場合も、最低1〜2年の違反のない実績期間を経てからの再申請をおすすめします。
再申請時の理由書は新規作成
再申請の際、前回不許可となった理由書をそのまま流用してはいけません。前回の不許可で指摘された点について、どう改善したかを明確に示す新しい理由書を作成してください。これがないと、「前回と同じ状況」と判断され、再度不許可となります。
本記事をもって、永住許可申請完全ガイドシリーズ、全4本が完結しました。
第1回では永住許可の3つの要件、第2回では必要書類、第3回では理由書の書き方、そして本記事では申請から許可までの流れと不許可対応をお届けしました。
この4本の記事をご覧いただければ、永住申請に必要な知識は一通り網羅できる構成になっております。これから申請を準備される方は、ぜひ繰り返しご覧いただき、ご自身の状況に合わせてご活用ください。
永住者になっても、取消し制度は適用されます
永住許可は、取得して終わりではありません。永住者として日本に在留している間も、税金・社会保険料の納付などの公的義務を継続的に果たしていく必要があります。永住取得後の維持や、近年の改正法による永住資格の取消し制度についてはy、別途【番外編】記事「【入管法改正】永住資格の取り消し事由が拡大!外国人が永住資格を失う3つのケースを解説」で詳しく解説しております。永住申請をご検討中の方も、すでに永住をお持ちの方も、ぜひあわせてお読みください。永住許可申請完全ガイドシリーズの他の記事もあわせてご覧ください。
行政書士法人タッチでは、永住申請の無料相談を承っております。これから申請を準備される方、申請中で資料提出通知書への対応にお困りの方、不許可になり再申請をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。
特に、不許可からの再申請は、前回の不許可理由の正確な把握と、改善された事実を示す新しい理由書の作成が重要です。聞き取りへの同行も含めて、当事務所がサポートいたします。
お問い合わせは、当社サイトのフォーム、またはお電話にてお気軽にどうぞ。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
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| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
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| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
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