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監理支援機関の許可要件を徹底解説|6つの基準と審査で問題になりやすいポイント【育成就労】
- 2026年08月21日
外国人雇用サポートセンターEmployment of Foreigners
行政書士法人タッチ


育成就労制度の監理支援機関には、全機関に外部監査人の設置が義務付けられます。技能実習制度の「外部役員か外部監査かの選択制」は廃止され、外部監査一本になりました。
当法人は外部監査人としての就任をお受けしており、監理団体の皆様との面談を重ねる中で確信していることがあります。外部監査人について最も重要なのは、確保できるかどうかではなく、誰を選ぶかです。本記事では、外部監査人になれる人・なれない人の要件、年間の実働量、報酬の相場観、契約の注意点を整理したうえで、「どんな監査人を選ぶべきか」について当法人の考えを率直にお伝えします。
※結論から読みたい方は「どんな監査人を選ぶべきか|本音でお伝えします」へお進みください。
目次
本記事の内容は、行政書士法人タッチ代表の湯田が動画でも詳しく解説しています。文字よりも動画で学びたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
外部監査人になるための要件は3つです(規則47条)。
候補者の確認は、資格と講習をセットで行ってください。「行政書士だから大丈夫」ではなく、講習修了の証憑まで確認する。公表同意は候補者に事前に伝えておかないと、話がまとまった後に破談になることがあります。
規則47条が定める「なれない人」の範囲は、想像より広いものです。関係先ごとに整理します。
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関係先 |
なれない人 |
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実施者(受入れ企業) |
実施者本人・役職員(過去5年以内を含む)/配偶者・二親等以内の親族/実施者と顧問契約を結ぶ弁護士等・実施者から会費を受ける法人 |
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自団体 |
監理支援機関の役職員(過去5年以内を含む)/組合員・会員などの構成員とその役職員 |
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その他 |
監理支援対象外の育成就労実施者・その役職員/他の監理支援機関・その役職員/取次ぎを受ける送出機関・その役職員 |
誤解が多いのが顧問の扱いです。実施者(傘下企業)と顧問契約を結んでいる士業は外部監査人になれません。一方、監理支援機関自身と顧問契約を結んでいる弁護士等は「直ちには密接な関係に該当しない」と運用要領に明記されています。
実務上の急所は、この「関係」が顧問契約書の有無だけでは判定できないことです。過去に傘下企業の就業規則を作成していた、労務相談を継続的に受けていた、申請を受託していた——こうした実質的な業務関係が後から判明すると、要件を欠くと判断されるリスクがあります。候補の先生には、傘下企業の一覧をお渡しして、顧問契約・業務受託歴の有無を書面で確認してもらうことをお勧めします。
技能実習制度で監理事業に携わっていない非常勤の「指定外部役員」だった方は、辞任後5年以内でも「元役職員」の欠格に該当しません(規則附則5条)。ただし、緩和されるのはこの点だけです。士業資格等・講習修了・公表同意など他の要件はすべて必要です。技能実習の指定外部役員には資格要件がなかったため、現在の指定外部役員が組合OBなどの非資格者である場合、その方をそのまま外部監査人にスライドさせることはできません。指定外部役員が士業資格をお持ちの場合に限り、最有力の候補になります。
実働量を知らないまま「名前だけお借りしたい」という感覚で依頼すると、必ず破綻します。外部監査人の業務は2系統です。
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業務 |
頻度 |
内容 |
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定期の確認 |
各事業所につき3か月に1回以上(年4回) |
責任役員・監理支援責任者からの報告聴取+事業所での帳簿書類の閲覧・設備確認。結果を報告書として機関に提出 |
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同行監査 |
各事業所につき1年に1回以上 |
機関が実施者に行う監査に同行し、報告書を提出。「1年に1回以上」は前回実施日から1年以内が期限 |
ここでいう「事業所」は監理支援機関側の事業所であり、実施者ごとに監査するものではありません。事業所が1つの機関なら、最低で年5回の実地対応と、その都度の報告書作成が発生します。事業所が複数なら事業所ごとに発生します。
通報義務を負った第三者を組織の中に入れる——これが外部監査の本質です。
ここからは、当法人が最もお伝えしたい点です。
外部監査人の役割は、法的には技能実習時代から大きく変わりません。定期的な確認、同行監査、報告書の提出。枠組み自体はほぼ同じです。では、技能実習時代の外部監査はきちんと機能していたのか。率直に申し上げて、そうではなかったと認識しています。監査事項のチェック欄にすべて「無」の丸、総合講評は毎回「問題なし」、自由記述はほぼ空欄——こうした外部監査報告書を、監理団体の実務に携わる方なら一度は目にしたことがあるはずです。
背景には、監査される側が監査人を選んで報酬を払うという構造があります。細かく確認する監査人より、緩く監査して報酬も安い監査人が選ばれやすい力学が働いてきました。
しかし、育成就労では状況が変わります。監査の方法・頻度・報告書の備置きまで運用要領で細かく規定され、機構による監理支援機関への監査・実地検査も、技能実習時代より厳格になることが想定されます。外部監査報告書は事業所への備置きが求められ、実地検査で必ず確認されます。監査が形骸化していた場合、その事実自体が体制不備として、改善命令や許可取消しのリスクに直結します。
つまり、いわゆる「楽な監査人」を選ぶことは、もはやコスト削減ではなく、監理支援機関の運営存続に関わるリスクです。発想を逆にしてください。外部監査人の監査は、機構の監査の予行演習です。外部監査人に細かく見てもらい、指摘があれば是正して、機構の検査の前に整える。厳しく見てくれる監査人こそ、団体を守る監査人です。
なお、全国およそ3,700の監理団体が同時期に申請します。条件の合う依頼先から埋まっていくため、候補への打診は早めに動くことをお勧めします。
育成就労の外部監査はこれから始まる業務のため、確定した相場はまだ存在しません。参考になるのは技能実習制度の外部監査の実績値で、おおむね次の水準でした。
育成就労では確認事項と責任が制度上明確化されているため、この水準から上振れする可能性があります。重要なのは、安さで選ばないことです。実働に見合わない低額報酬は「何もしない外部監査人」を生み、そのリスクを負うのは団体自身です。見積りを取る際は、事業所の数、実施者数と外国人数の見込み、事業所の所在地、報告書作成・是正対応をどこまで含むか——この4点を先に伝えると話が早く、後の追加請求トラブルも防げます。
許可申請では就任承諾書と誓約書を提出しますが、これは申請書類にすぎません。就任後の実務を規律するのは業務委託契約です。一般的な条項に加えて、この制度に固有の急所が2つあります。外部監査人は許可要件そのものであり、就任後に要件を失った瞬間、辞めた瞬間に、団体は要件割れを起こすからです。
外部監査人の確保自体を過度に恐れる必要はありません。なれない人の確認を書面で行い、年5回以上の実働を前提に実働に見合う報酬で依頼し、契約に通知義務と出口条項を入れる。そして何より、法令を熟知して耳の痛いことを言ってくれる監査人を選ぶ。外部監査を機構の監査の予行演習として活用できる団体が、育成就労の時代に生き残ります。
当法人では、外部監査人としての就任をお受けしています。また、「今の候補者が要件を満たすかどうか確認してほしい」という適格性チェックのみのご相談も承っています。お問い合わせフォームまたはお電話からご連絡ください。
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本記事の根拠資料:育成就労法施行規則47条/育成就労制度運用要領 第5章第2節第5・第16節第3(2026年7月版)
執筆:行政書士法人タッチ 代表社員 湯田一輝
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 就労ビザサポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター ビザサポートセンター |
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