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高度専門職のポイント計算|70点・80点の取り方と計算表の見方

calendar_month2021年12月07日
cached2026年10月01日

高度専門職は、学歴・職歴・年収・年齢などをポイント化し、合計70点以上で取得できる在留資格です。在留期間5年、配偶者の就労、親や家事使用人の帯同などの優遇があり、70点なら3年、80点なら1年の在留で永住許可を申請できます。ただし1号ロ・ハは年収300万円以上が最低条件で、他の項目で70点あっても年収が足りなければ認められません。

本記事では、企業で最も多い「高度専門職1号ロ(高度専門・技術活動)」を例に、項目ごとの配点と証明書類、70点・80点に届かせる考え方、ポイント制によらないJ-Skip、そして2026年8月に報じられた年収基準の見直し方針まで、2026年9月時点の情報で解説します。

この記事で分かること
  • 高度専門職のポイント制度の仕組みと、1号イ・ロ・ハの違い
  • 1号ロのポイント計算(学歴・職歴・年収×年齢・年齢・研究実績・資格・特別加算)と証明書類
  • 70点・80点に届かせるための考え方と、よくある計算ミス
  • ポイント制によらないJ-Skip(特別高度人材)の要件
  • 70点で永住3年、80点で1年に短縮される仕組み
  • 2026年に検討されている年収基準・加算項目の見直し

高度専門職のポイント制度とは

高度人材ポイント制は、高度外国人材の受入れを促進するため、2012年5月に導入された制度です。高度外国人材の活動内容を3つに分類し、「学歴」「職歴」「年収」などの項目ごとにポイントを設け、合計が70点以上に達した場合に出入国在留管理上の優遇措置を与えます。

区分活動内容該当する人の例
高度専門職1号イ高度学術研究活動(研究・研究の指導・教育)大学の研究者、企業の研究所の研究員
高度専門職1号ロ高度専門・技術活動(自然科学・人文科学の知識・技術を要する業務)エンジニア、マーケティング・企画・経理などの専門職。技術・人文知識・国際業務からの移行が最も多い
高度専門職1号ハ高度経営・管理活動(事業の経営・管理)企業の経営者、役員
高度専門職2号1号で3年以上在留した人が移行。在留期間が無期限に1号イ・ロ・ハの活動に加え、ほぼすべての就労活動が可能
技術・人文知識・国際業務のうち、通訳・翻訳・語学指導などの「国際業務」部分は、原則として高度専門職1号ロの対象になりません。1号ロは自然科学または人文科学の専門知識・技術を要する業務が前提です。

高度専門職1号ロのポイント計算

ポイント計算表は出入国在留管理庁が公表しており、申請時は計算表に本人が記入したものと、各項目の証明書類を提出します。以下、1号ロの項目を順に解説します。

①学歴(最大30点+5点)

学歴点数証明書類・注意点
博士学位(専門職学位を除く)30点学位記または学位証明書
修士または専門職学位(MBA・MOTを含む)20点同上
大学卒業またはこれと同等以上の教育10点短大・高専は対象外。海外の学位は日本の大学と同等と認められるものに限る
複数の分野で2以上の博士・修士・専門職学位+5点専攻が異なることが分かる資料(学位記で確認できなければ成績証明書)

最終学歴が対象です。博士と修士の両方を持っていても30点(複数分野なら+5点)で、合算はしません。

②職歴(最大20点)

実務経験点数証明書類・注意点
10年以上20点過去の勤務先が発行する在職証明書(従事期間と職務内容が分かるもの)
7年以上10年未満15点同上
5年以上7年未満10点同上
3年以上5年未満5点同上
「従事しようとする業務に係る実務経験」に限ります。職種が異なる経歴や、大学院在学中のインターン・アルバイトは原則として算入されません。海外の職歴は現地の元勤務先から証明書を取り寄せる必要があり、時間がかかる項目です。

③年収×年齢(最大40点)

年収のポイントは年齢との組合せで決まります。年収は「これから就く業務で受ける報酬の年額」(転職・変更申請では雇用契約書の年収見込み額)で、賞与を含み、通勤手当などの実費弁償的な手当は含みません。証明書類は雇用契約書や年収見込証明書、更新時は課税証明書です。

年収29歳以下30〜34歳35〜39歳40歳以上
1,000万円以上40点40点40点40点
900万円以上35点35点35点35点
800万円以上30点30点30点30点
700万円以上25点25点25点—
600万円以上20点20点20点—
500万円以上15点15点——
400万円以上10点———
年収300万円未満は、他の項目で70点に達していても高度専門職1号ロ・ハとして認められません。また、年齢が上がると同じ年収でもポイントが付かなくなる区分があるため(例:40歳以上は700万円未満の年収ポイントなし)、申請のタイミングが結果を左右します。

④年齢(最大15点)

  • 29歳以下:15点
  • 30〜34歳:10点
  • 35〜39歳:5点
  • 40歳以上:0点

入管への申請時点の年齢で判定します。誕生日をまたぐと5点変わるため、30歳・35歳・40歳の直前の人は申請時期に注意してください。

⑤研究実績(15点)

1号ロでは、次のいずれか1つ以上に該当すれば15点です(複数該当しても15点)。

  • 発明者として特許を受けた発明が1件以上
  • 外国政府から補助金・競争的資金等を受けた研究に3回以上従事
  • 学術論文データベースに登録されている学術雑誌に掲載された論文が3本以上(責任著者に限る)
  • 上記に準じる研究実績として法務大臣が認めるもの

⑥資格(最大10点)

従事しようとする業務に関連する日本の国家資格(業務独占資格または名称独占資格)、またはIT告示に定める情報処理技術に関する試験の合格・資格を保有している場合、1つで5点、2つ以上で10点です。

⑦特別加算(ボーナスポイント)

基本項目に加え、次の特別加算があります。企業側の属性で決まる項目(⑦-1)は、採用企業が事前に確認しておくと計算がしやすくなります。

特別加算の項目点数補足
イノベーション促進支援措置を受けている機関での就労10点入管庁が公表する対象法人・補助金等の一覧で確認
上記に該当し、かつ中小企業基本法の中小企業者+10点上と合わせて最大20点
国家戦略特別区域高度人材外国人受入促進事業の対象企業10点該当する特区の企業のみ
試験研究費等の比率が3%超の中小企業での就労5点直近の決算書等で証明
従事する業務に関連する外国の資格・表彰等で法務大臣が認めるもの5点入管庁公表の一覧に限る
日本の大学を卒業または大学院の課程を修了10点留学生の新卒採用・転職で加算しやすい
日本語能力:N1合格相当または日本語専攻で外国の大学を卒業15点日本の大学卒でも加算可
日本語能力:N2合格相当10点日本の大学卒業者・N1該当者は対象外
各省が関与する成長分野の先端プロジェクトに従事10点入管庁公表の対象事業に限る
法務大臣が告示で定める大学を卒業10点世界大学ランキング上位校、スーパーグローバル大学、イノベーティブ・アジア事業パートナー校
法務大臣が告示で定める研修を修了5点外務省のイノベーティブ・アジア事業の研修等
投資運用業等に係る業務に従事10点2021年7月追加(国際金融センター構想)

70点・80点に届かせる考え方と計算例

1号ロでは「学歴+年収×年齢+年齢」の3項目で50〜60点に届くかどうかが分かれ目です。残りを職歴と特別加算で積み上げます。

項目例A:日本の大学を卒業した新卒ITエンジニア(26歳・年収450万円・N1)例B:海外修士卒の中堅エンジニア(33歳・年収650万円・職歴6年・N2)
学歴10点(学士)20点(修士)
職歴0点10点(5年以上7年未満)
年収×年齢10点(400万円以上・29歳以下)20点(600万円以上・30〜34歳)
年齢15点10点
日本の大学卒業10点0点
日本語能力15点(N1)10点(N2)
資格(IT試験)5点(1つ)0点
合計65点(あと5点:中小企業のイノベーション加算や資格2つ目で70点)70点(高度専門職の要件を満たす。80点には年収700万円か告示大学卒が必要)
上記は配点の考え方を示す例です。企業が高度専門職の採用を検討する場合、「年収を上げる」「N1取得を支援する」「イノベーション促進支援措置の対象法人か確認する」の3つが、企業側で動かせる主なポイントです。

よくある計算ミス

  • 職歴を通算してしまう:従事する業務と関係のない職歴は算入できない
  • 年収に通勤手当や海外勤務手当を含める:実費弁償的な手当は年収に含まれない
  • N2とN1を両方加算する:日本語能力はいずれか一方のみ。日本の大学卒業者はN2の加算対象外
  • 短大・高専・専門学校を「大卒相当」と誤認する:学歴ポイントは大学卒業以上
  • 申請時点の年齢を誤る:年齢は申請日基準。誕生日をまたぐと年齢点・年収点の両方が変わる

採用予定者は、いま何点ですか。あと何点で70点・80点に届きますか

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ポイント制によらないJ-Skip(特別高度人材)

2023年4月に導入された特別高度人材制度(J-Skip)では、ポイント計算をせずに、学歴または職歴と年収が一定水準以上であれば高度専門職の在留資格が付与され、ポイント制より拡充された優遇措置を受けられます。

活動区分要件(いずれか)
高度学術研究活動・高度専門技術活動(イ・ロ)修士号以上+年収2,000万円以上、または職歴10年以上+年収2,000万円以上
高度経営管理活動(ハ)経営・管理の職歴5年以上+年収4,000万円以上

J-Skipで認定された特別高度人材は、1年の在留で永住申請が可能になるほか、配偶者の就労範囲や家事使用人の帯同要件も緩和されます。

高度専門職の優遇措置と永住までの道筋

  • 在留期間5年:一律に5年が付与される
  • 永住許可要件の緩和:70点以上で3年、80点以上で1年の在留で永住申請が可能(通常は10年)。申請時だけでなく、その期間を通じて必要なポイントを維持していたことが必要
  • 複合的な在留活動:本業に関連する事業の経営など、複数の在留資格にまたがる活動が可能
  • 配偶者の就労:配偶者が学歴・職歴要件を満たさなくても、技人国等に該当する業務にフルタイムで就労できる
  • 親の帯同:世帯年収800万円以上で、7歳未満の子の養育または妊娠中の配偶者の介助等を行う場合
  • 家事使用人の帯同:世帯年収1,000万円以上等の要件で1名まで
  • 高度専門職2号:1号で3年以上在留すると2号に変更でき、在留期間が無期限になる
2026年10月1日以降に受け付ける在留資格変更許可の手数料は、許可される在留期間に応じた段階制になります。高度専門職は5年が付与されるため、窓口75,000円(オンライン65,000円)です。認定証明書交付申請には手数料がかかりません。詳細は就労ビザの申請方法|在留資格変更と認定証明書の流れ・期間・手数料をご覧ください。

2026年に検討されている年収基準・加算項目の見直し

2026年8月、政府が高度専門職の認定基準を見直し、年収条件の引上げと特別加算項目の整理を行う方針であることが報じられました。制度開始から10年以上が経過して国内の賃金水準が上昇したこと、加算項目が増えて審査が複雑になったことが背景です。

2026年9月時点で、新しい年収額・配点・施行日・経過措置は公表されておらず、現行のポイント計算表がそのまま適用されています。ただし、改正後は現在70点・80点ぎりぎりの人が基準を下回る可能性があり、既に高度専門職で在留している人の更新にどう適用されるかも未定です。高度人材ポイントを使った永住申請を予定している人は、要件を満たしている時点で早めに申請することをおすすめします。

よくある質問

Q. 技人国から高度専門職に変更するメリットは何ですか?

在留期間が一律5年になること、永住申請までの期間が3年(80点なら1年)に短縮されること、配偶者の就労や親の帯同が認められることです。企業にとっては、優秀な人材の長期定着につながります。

Q. 高度専門職の取得後、年収が下がったり年齢が上がったりして70点を切ったらどうなりますか?

直ちに在留資格が取り消されることはありませんが、在留期間更新時に改めて70点以上あるかを確認されます。下回る場合は技人国などへの変更を検討します。

Q. 高度専門職は転職できますか?

できますが、高度専門職は勤務先が指定される在留資格のため、転職時には在留資格変更許可申請(新しい勤務先での活動に対する高度専門職の許可)が必要です。技人国のように届出だけで転職することはできません。

Q. 企業側で用意する書類はありますか?

雇用契約書や年収見込証明書のほか、企業のカテゴリーに応じた書類(決算書類、会社案内等)が必要です。イノベーション促進支援措置や中小企業の加算を使う場合は、該当することを示す資料も企業が用意します。

まとめ

  • 高度専門職は合計70点以上で取得。1号ロ・ハは年収300万円以上が最低条件
  • 1号ロは「学歴+年収×年齢+年齢」が土台。職歴・日本語能力・日本の大学卒・企業側の加算で積み上げる
  • 70点で永住まで3年、80点で1年。年齢を重ねると年収ポイントが減るため、申請タイミングが重要
  • 修士以上または職歴10年+年収2,000万円以上ならJ-Skipでポイント計算なしに取得可能
  • 2026年8月に年収基準の引上げと加算項目の整理が検討されていると報道。現時点では現行基準のまま

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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