お役立ち記事
特定技能2号とは?徹底解説
- 2021年11月27日
外国人雇用サポートセンターEmployment of Foreigners
行政書士法人タッチ


最近「外国人が123万人も増えるのか?」という話題が注目されています。 ただ、この「123万人」は数字だけが一人歩きしやすく、文脈を外して受け取られると誤解が生まれやすい内容です。
本記事ではまず「123万人」の数字の正体(受入れ上限の考え方)を整理したうえで、受入れの中心となる新制度である「育成就労制度」とは何か、そして企業実務に直結する変更点(転籍・日本語要件・費用など)をわかりやすく解説します。
▼この記事の内容は動画でも確認できます。
目次
まずは「日本として育成就労の外国人を何人受け入れるのか」という人数の話から確認します。
政府の方針では、新しい「育成就労」と、その先の「特定技能」を合わせて、合計で約123万人の受入れを上限としています(※2029年3月末まで)。
この「123万人」はイメージが湧きにくいかもしれません。たとえば、奈良県の人口が約127万人なので、規模感としては「奈良県まるごと1つ分」くらいの受け入れ“枠”というイメージです。
ただし、ここで誤解が多い点があります。
「外国人就労者が123万人増えるのか?」というと、そういう意味ではありません。
たとえば2025年6月末時点で、
つまり「123万人」は、今の78万人にさらに123万人を上乗せして200万人にする話ではなく、今いる78万人も含めつつ(移行しながら)全体で123万人規模で受け入れていく“上限設定”ということです。
「それでも78万人→123万人であれば、45万人も増えるじゃないか。多すぎないか?」と思われる方も一定数いるかと思います。
この上限は、各分野の人手不足の見込みをもとに、国内の人材確保・生産性向上で埋められる分を差し引いたうえで、それでも足りない分を「外国人でどこまで補うか」として分野別に積み上げて決定されたものです。
さらに、受入れ対象となる分野そのものも拡大しており、最近では「物流倉庫」などが新しい分野として追加されています。こうして分野が増えれば、当然、「その分の不足数」も計算に乗ってくるので、全体の枠も大きくなるわけです。
「育成就労制度」とは何か。
一言で言えば、「3年間で、特定技能1号レベルの人材を育てる制度」です。
従来の技能実習は「日本で技術・知識を学び、母国へ持ち帰って母国の発展に寄与する(国際貢献・技能移転)」が建前の目的でした。
一方で育成就労は、即戦力となる人材を育成し、そのまま日本で確保することを目的としています。
3年間の就労を通じて一定の日本語能力と技能を身につけてもらい、スムーズに「特定技能」へ移行してもらう――つまり、中長期的なキャリアパスが前提となった制度です。
技能実習制度を廃止し、新制度へ移行する背景は大きく3つです。
(1)目的と実態のズレ
技能実習制度の目的は「国際貢献・技能移転」でしたが、実態は日本の人手不足を補う労働力として機能していました。
(2)転籍が原則できず、トラブルが構造化しやすかった
技能実習は原則転籍ができないため、人権・保護の課題が以前から指摘されていました。
(3)キャリアパスが不透明だった
実習終了後に「どんな資格でどう働き続けるのか」が制度として見えにくい点が問題でした。
また、技能実習から特定技能へ必ずしも移行できない職種があるなど、帰国せざるを得ない構造もありました。
そこで育成就労は、最初から「3年間で育てる」ことを前提に、その先の特定技能へ進むルートを明確化しています。
ここからが「何がどう変わるのか」です。比較表をもとに整理します。
図表1:技能実習制度と育成就労制度の比較(全体像)
| 比較項目 | 旧:技能実習制度 | 新:育成就労制度 |
| 制度の目的 | 国際貢献(開発途上国への技能移転) | 人材育成・人材確保(日本の人手不足解消) |
| 受入れ分野 | 移行対象職種・作業 | 育成就労産業分野(特定技能と原則一致) |
| 転籍(転職) | 原則不可(やむを得ない事情のみ) | 要件を満たせば本人意向で可能 |
| 日本語要件(就労開始時点) | なし(介護はN4) | A1相当(N5)合格 or 相当講習 |
| 試験 | 1号終了:技能検定基礎級/2号終了:技能検定随時3級(実技) | 1年目:A1(N5)+評価試験初級/3年目:A2(N4)+評価試験専門級等 |
| 監理 | 監理団体 | 監理支援機関(外部監査人の義務化など要件厳格化) |
| 費用負担 | 送出機関手数料規制が曖昧 | 本人負担上限(月給2か月分)+受入れ機関の適正分担 |
育成就労は、実態と合っていなかった「国際貢献」を目的から外し、「人材育成」と「人材確保」を目的にしています。
企業側も「実習生の受入れ」から、育成と定着を前提にした採用・教育・評価へ意識を変える必要が出ます。
新制度の受入れ分野は、原則として「特定技能制度」の受入れ分野(特定産業分野)と一致します。
これにより「実習→特定技能」の移行時に、職種・業務区分の不一致でビザ変更できないといったミスマッチ解消が期待されます。
企業が最も懸念するのが「育てた人材が他社に引き抜かれるのでは」という点です。
育成就労では人権保護の観点から本人意向による転籍が認められますが、無制限ではありません。
無秩序な人材流出を防ぐため、同一企業で就労しなければならない期間が設定されます。
この期間は分野ごとに「1年以上2年以下」の範囲で定められます。
「辞めたい」だけで自由に動けるわけではなく、転籍希望者には条件があります。
育成就労では、技能実習時代にはなかった日本語能力要件が新たに設けられました。
監理団体は「監理支援機関」に名称が変わり、許可要件が厳格化されます。
大きな変更点は、業務の中立性を担保するため「外部監査人」の設置が義務化されることです。
外部監査人は弁護士・社労士・行政書士等の有資格者など、制度に知見を持つ第三者が想定されています。
不透明だった「送出し機関への手数料」にメスが入り、「外国人本人が送出機関へ支払う金額は、日本での月給の2ヶ月分まで」という上限が設けられます。
結果として、受入れ企業と外国人が適切に費用を分担する仕組みになります。
参考として、技能実習制度での国別の支払費用総額(平均値)は下記です。
今後は、国によっては外国人個人の負担が減る一方、受入れ企業の負担が増すことが想定されます。
育成就労では、本人意向で転籍が行われる際、転籍先企業が転籍元企業へ費用を支払う仕組みが導入されます。
国が定める一定額に、転籍元での就労期間に応じた「按分率」を掛けた金額を支払います。
(按分率)
今回の「技能実習」から「育成就労」への転換は、単なる名称変更ではなく、外国人を「日本の産業を支える不可欠な人材」として正面から受け入れる歴史的な転換点です。
制度開始に向け、企業が押さえるべきポイントは次の3つに集約されます。
制度スタートは2027年ですが、今いる技能実習生からの切り替えや、特定技能への移行準備など、今からできることは多くあります。法律が変わるのを待つのではなく、今から「選ばれる受入れ体制」を作っていきましょう。
A. いいえ。今すでに在留している約78万人も含めつつ、全体で123万人規模で受け入れる“上限”の設定です。
A. 無制限ではありません。分野ごとに1〜2年の制限期間があり、技能・日本語など要件もあります。
A. 就労開始までにA1(目安N5)相当、3年目終了時にA2(目安N4)相当が求められます。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
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