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介護分野の育成就労・特定技能|条件・費用・違いを行政書士が徹底解説!
- 2026年03月17日
外国人雇用サポートセンターEmployment of Foreigners
行政書士法人タッチ


2027年4月1日、技能実習制度が廃止され「育成就労制度」が始まります。一言でいえば「3年間で特定技能1号の水準まで外国人材を育て、そのまま日本で確保する制度」で、目的は「国際貢献」から「人材育成・人材確保」へ正面から転換されました。企業実務に直結する変更点は、本人意向の転籍が分野ごとに1〜2年の制限期間経過後に可能になること、日本語要件が新設されること、送出し手数料の本人負担に上限が設けられ企業側の負担が増えることの3つです。
政省令(2025年9月30日公布)、分野別運用方針(2026年1月23日閣議決定)、運用要領(2026年2月20日公表)が出揃い、監理支援機関の許可申請は2026年4月15日から、育成就労計画の認定申請は2026年9月1日から施行日前の受付が始まっています。本記事では、「123万人」の数字の正体から、制度の仕組み、技能実習との違い、変更点6つ、今いる技能実習生の扱い、企業が今やるべきことまでを解説します。
目次
本記事の内容は、行政書士法人タッチ代表の湯田が動画でも詳しく解説しています。文字よりも動画で学びたい方は、ぜひあわせてご覧ください。
政府の分野別運用方針では、新しい「育成就労」と、その先の「特定技能」を合わせて、2029年3月末までの受入れ見込数を約123万人としています。
| 区分 | 受入れ見込数(2029年3月末まで) | 2025年6月末の在留者数 |
|---|---|---|
| 育成就労 | 42万6,200人 | 技能実習生 約45万人 |
| 特定技能 | 80万5,700人 | 1号特定技能外国人 約33.6万人 |
| 合計 | 123万1,900人 | 約78万人 |
奈良県の人口が約127万人なので、「奈良県まるごと1つ分」くらいの受入れ枠というイメージです。ただし、「外国人就労者が123万人増える」という意味ではありません。すでに在留している約78万人(技能実習生と特定技能)も含めつつ、移行しながら全体で123万人規模まで受け入れていく「上限設定」です。
この上限は、分野ごとの人手不足の見込みから、国内の人材確保・生産性向上で埋められる分を差し引き、それでも足りない分を「外国人でどこまで補うか」として分野別に積み上げて決定されたものです。2026年1月の閣議決定ではリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野が新たに加わり、分野が増えればその分の不足数も計算に乗るため、全体の枠も大きくなります。
育成就労制度は「3年間で、特定技能1号レベルの人材を育てる制度」です。従来の技能実習は「日本で技術・知識を学び、母国へ持ち帰って発展に寄与する(国際貢献・技能移転)」が建前の目的でしたが、育成就労は即戦力となる人材を育成し、そのまま日本で確保することを目的としています。
そこで育成就労は、最初から「3年間で育てる」ことを前提に、その先の特定技能へ進むルートを明確化しています。
| 比較項目 | 旧:技能実習制度 | 新:育成就労制度(2027年4月〜) |
|---|---|---|
| 制度の目的 | 国際貢献(開発途上国への技能移転) | 人材育成・人材確保(日本の人手不足解消) |
| 受入れ分野 | 90職種以上の「移行対象職種・作業」 | 育成就労産業分野(特定技能の分野と原則一致) |
| 転籍(転職) | 原則不可(やむを得ない事情のみ) | 分野ごとに1〜2年の制限期間経過後、要件を満たせば本人意向で可能 |
| 日本語要件 | 入国時の必須要件なし(介護はN4) | 就労開始前にA1相当(N5)合格または相当講習。終了時A2相当(N4) |
| 試験 | 1号終了:技能検定基礎級/2号終了:随時3級(実技) | 1年目:A1+育成就労評価試験初級/3年目:A2+評価試験専門級等 |
| 監理 | 監理団体 | 監理支援機関(外部監査人の義務化など要件厳格化) |
| 費用負担 | 送出機関手数料の規制が曖昧 | 本人負担上限(月給2か月分)+受入れ機関の適正分担 |
| 受入れ人数枠 | 常勤職員数に応じた基本人数枠(優良で2倍) | 常勤職員数の15%(優良30%、優良かつ指定区域は最大45%) |
育成就労は、実態と合っていなかった「国際貢献」を目的から外し、「人材育成」と「人材確保」を目的にしています。企業側も「実習生の受入れ」から、育成と定着を前提にした採用・教育・評価へ意識を変える必要があります。
新制度の受入れ分野は、原則として特定技能の受入れ分野(特定産業分野)と一致します。「実習→特定技能」の移行時に、職種・業務区分の不一致でビザ変更できないというミスマッチが解消されます。技能実習の91職種168作業がすべて育成就労の対象になるわけではないため、自社の業務が該当するかは外国人技能実習機構が公表する「技能実習2号移行対象職種と育成就労における分野(業務区分)との関係性」で確認してください。
企業が最も懸念するのが「育てた人材が他社に引き抜かれるのでは」という点です。育成就労では人権保護の観点から本人意向による転籍が認められますが、無制限ではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 転籍制限期間 | 分野ごとに1年または2年(2026年1月の分野別運用方針で確定)。介護・建設・工業製品製造業・造船・舶用工業・自動車整備・飲食料品製造業・外食業・資源循環は2年、ビルクリーニング・宿泊・農業・漁業・林業・木材産業・鉄道・リネンサプライ・物流倉庫は1年 |
| 制限期間内 | パワハラなどの「やむを得ない事情」がない限り転籍不可 |
| 本人の要件 | 技能検定基礎級等(または相当する育成就労評価試験)に合格、日本語A1相当(N5等)に合格 |
| 転籍先の要件 | 同一分野・同一業務区分内に限る。転籍先も適正な受入れ機関であること。職業紹介は監理支援機関・外国人育成就労機構・ハローワークに限定(民間紹介事業者は不可) |
| 2年の分野の注意点 | 2年を選択した企業は、就労開始から1年経過後に昇給などの待遇向上が義務。企業判断で制限期間を1年に短縮すれば義務はかからない |
育成就労では、技能実習時代にはなかった日本語能力要件が設けられました。
監理団体は「監理支援機関」に変わり、許可要件が厳格化されます。最大の変更点は、業務の中立性を担保するため外部監査人の設置が義務化されることです。外部監査人は弁護士・社労士・行政書士等の有資格者など、制度に知見を持つ第三者が想定されています。また、受入れ企業と密接な関係にある役職員が監理業務に関与することが制限され、役職員1人が担当できる受入れ機関数にも上限が設けられます。既存の監理団体は自動的には移行できず、新たに許可を取り直す必要があります。詳細は監理支援機関とは?育成就労の許可要件・役割・申請スケジュールをご覧ください。
不透明だった送出機関への手数料にメスが入り、外国人本人が送出機関へ支払う金額は「日本での月給の2か月分まで」という上限が設けられます。本人の負担が減る分、送出機関の運営コストの一部は受入れ企業が「適正な送出し手数料」として分担することになります。参考として、技能実習制度での国別の本人支払費用総額(平均値)は次のとおりです。
| 国 | 支払費用総額(平均) | 傾向 |
|---|---|---|
| ベトナム | 688,143円 | 本人負担が大きく減り、企業負担が増える見込み |
| 中国 | 591,777円 | 同上 |
| カンボジア | 573,607円 | 同上 |
| ミャンマー | 287,405円 | 影響は中程度 |
| インドネシア | 235,343円 | 影響は中程度 |
| フィリピン | 94,821円 | もともと本人負担が小さい |
| 全体 | 542,311円 | 出典:出入国在留管理庁・厚生労働省「技能実習生の支払い費用に関する実態調査」 |
「高い手数料を払えば良い人材が来る」という従来の構造は禁止され、送出機関と受入れ機関の間でのキックバックの授受は厳罰の対象です。
本人意向で転籍が行われる際、転籍先企業が転籍元企業へ費用を支払う仕組みが導入されます。国が定める一定額に、転籍元での就労期間に応じた按分率(1年6か月未満:6分の5、1年6か月以上2年未満:3分の2、2年以上2年6か月未満:2分の1、2年6か月以上:4分の1)を掛けた金額です。最初の受入れ企業の採用・育成コストが無駄にならないよう設計されています。
受入れ可能な人数(常勤職員数に対する比率)は、企業の「優良性」で大きく変わります。
現在の技能実習制度下での「優良実習実施者」要件(法令遵守、待遇改善、技能検定合格率など)を満たす体制を今から整えておくことが、新制度での人数枠確保につながります。
自社の職種は育成就労の対象か、転籍制限は1年か2年か
分野・業務区分の該当確認から、受入れ人数枠の試算、特定技能との使い分けまで、
企業・団体様向けの無料相談でご案内します。
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 2024年6月 | 改正法成立・公布(技能実習制度の廃止、育成就労制度の創設) |
| 2025年3月11日 | 基本方針を閣議決定 |
| 2025年9月30日 | 政省令を公布(転籍要件、日本語要件、費用負担などの詳細) |
| 2026年1月23日 | 分野別運用方針を閣議決定(分野ごとの転籍制限期間・受入れ見込数・新3分野の追加) |
| 2026年2月20日 | 育成就労制度運用要領を公表(4月6日一部改正) |
| 2026年4月15日 | 監理支援機関許可の施行日前申請 受付開始 |
| 2026年9月1日 | 育成就労計画認定の施行日前申請 受付開始 |
| 2026年9月30日 | 技能実習の監理団体の新規許可申請の受付終了 |
| 2027年4月1日 | 育成就労法 施行。外国人技能実習機構は外国人育成就労機構へ |
「技能実習」から「育成就労」への転換は、単なる名称変更ではなく、外国人を「日本の産業を支える不可欠な人材」として正面から受け入れる歴史的な転換点です。企業が押さえるべきポイントは次の4つです。
フィリピン人材を受け入れる場合は、育成就労でもフィリピン政府側のMWO・DMW手続きが必要になる見込みです。MWO・DMW申請手続きとはもあわせてご覧ください。
いいえ。すでに在留している約78万人(技能実習生・特定技能)も含めつつ、2029年3月末までに全体で123万人規模で受け入れる「上限」の設定です。
無制限ではありません。分野ごとに1年または2年の制限期間があり、技能・日本語の要件、同一分野・同一業務区分内という制約、転籍先の要件もあります。職業紹介も監理支援機関・機構・ハローワークに限定されます。
就労開始までにA1(目安N5)相当の合格または相当講習の受講、3年目終了時にA2(目安N4)相当が求められます。
ありません。施行日前に入国した技能実習生は在留期限まで技能実習のまま活動でき、試験に合格すれば2号・3号へ移行して最大5年まで継続できます。修了後は特定技能1号へ試験免除で移行するのが一般的です。
即戦力(試験合格済み・日本語N4相当)を今すぐ確保したいなら特定技能、未経験者を3年かけて育てて長期定着させたいなら育成就労が基本です。特定技能は分野内で転職が自由なので、定着の観点では育成就労の転籍制限期間が企業側のメリットになります。詳細は特定技能1号とはをご覧ください。
2027年4月の受入れ開始に、いまの準備で間に合いますか
育成就労計画の施行日前申請、監理支援機関の選定、今いる実習生の特定技能移行まで、
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| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 外国人雇用サポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター ビザサポートセンター |
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