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特定技能外国人の失業・転職|在留資格変更の手続きと特定活動6か月
- 2022年05月12日
外国人雇用サポートセンターEmployment of Foreigners
行政書士法人タッチ


特定技能外国人の雇用を検討する際、または既に雇用している企業様にとって、最大の経営課題の一つが「支援業務をどうするか(誰がやるか)」という問題です。毎月のランニングコストがかかる「登録支援機関への委託」を続けるべきか、コスト削減とノウハウ蓄積を目指して「自社支援(企業単独型)」に切り替えるべきか。自社支援への切り替えは、過去2年以内の中長期在留者の受入れ実績(または相談業務経験者の選任)、指揮命令系統にない支援責任者・担当者、母国語対応体制などの要件を満たせば可能で、外国人10名なら年間数百万円の委託料をゼロにできます。一方、2027年4月1日からは支援体制要件が改正され、自社支援の企業にも事業所ごとの常勤配置、支援責任者等1人あたり50人未満の上限、養成講習が適用されます。
本記事では、特定技能制度に精通した行政書士法人タッチが、「登録支援機関への委託」と「自社支援(企業単独型)」の違い、コスト比較、切り替えの条件、2027年4月改正の影響、建設分野の注意点を、現時点の制度に基づいて解説します。
目次
特定技能外国人を雇用する企業(特定技能所属機関)には、入管法に基づき、外国人の職業生活・日常生活・社会生活上の「1号特定技能外国人支援計画」を作成し、実施する法的義務があります。この支援の実施方法には、大きく分けて2つのパターンがあります。
支援計画の実施の全部(または一部)を、国の登録を受けた「登録支援機関」に委託する方法です。委託先が登録支援機関に限られるのは「委託するなら登録支援機関へ」という意味であり、要件を満たした企業が自社で支援することを禁止するものではありません。専門的な手続きや多言語対応をアウトソーシングできるため社内リソースを割かずに済む一方、外国人1名あたり月額2万〜3.5万円程度の委託料がかかります。
支援計画の作成から実施までをすべて自社で行う方法です。要件さえ満たせば外部に委託する必要がなく、委託コストをゼロにできます(社内担当者の人件費や通訳ツール等の実費は必要)。
| 項目 | 登録支援機関に委託 | 自社支援(企業単独型) |
|---|---|---|
| 外部費用 | 1名あたり月額2万〜3.5万円程度 | 0円(人件費・通訳費等は自社負担) |
| 社内の体制 | 窓口担当者がいればよい | 支援責任者・支援担当者の選任、母国語対応体制が必要 |
| 要件 | 登録支援機関側が支援体制の要件を満たす | 自社が中長期在留者の受入れ実績等の要件を満たす |
| ノウハウ | 社内に蓄積しにくい | 社内に蓄積する |
| トラブル対応 | 委託先経由でタイムラグが出やすい | 自社で即時対応できる |
| 定期届出 | 所属機関が提出し、登録支援機関の支援実施状況を取りまとめる | 所属機関がすべて作成・提出 |
| 2027年4月以降 | 委託先の登録支援機関が常勤配置・受託数上限等の新要件を満たす必要 | 自社に常勤配置・50人未満の上限・養成講習が適用 |
制度開始当初は、ノウハウ不足や手続きの煩雑さを懸念し、約8割以上の企業が「登録支援機関への委託」を選択していました。一方、「企業単独型(自社支援)」での実施は約2割以下にとどまっています。しかし近年は、受入れ人数が増えて委託料負担が年間数百万円規模になった、外国人が社内に定着して外部の手を借りる必要性が薄れた、2027年の育成就労制度を見据えて社内に育成ノウハウを貯めたい、といった理由から、途中で自社支援に切り替える企業が増えています。
自社支援に切り替えると、次の10項目を自社の支援責任者・支援担当者が実施することになります。これらを自社でこなせるかが、切り替えの判断基準です。
| 番号 | 支援項目 | 自社で行う場合のポイント |
|---|---|---|
| ① | 事前ガイダンス | 雇用契約締結後、入国前(変更前)に労働条件・活動内容・保証金の禁止等を本人が理解できる言語で説明。3時間程度が目安 |
| ② | 出入国時の送迎 | 空港と事業所(または住居)の間の送迎 |
| ③ | 住居確保・生活契約支援 | 社宅の提供や賃貸契約の保証人対応、銀行口座・携帯電話・ライフラインの契約補助 |
| ④ | 生活オリエンテーション | 日本のルール・マナー、交通機関、災害時の対応など。8時間以上が目安 |
| ⑤ | 公的手続きへの同行 | 住民登録、納税、社会保険の手続きへの同行・補助 |
| ⑥ | 日本語学習の機会提供 | 日本語教室の案内、教材の情報提供 |
| ⑦ | 相談・苦情への対応 | 職場・生活上の相談に本人が理解できる言語で対応。通訳業者や翻訳ツールの活用も可 |
| ⑧ | 日本人との交流促進 | 地域の行事・自治会への参加サポート |
| ⑨ | 転職支援(会社都合の場合) | 人員整理等で解雇する場合、次の就職先を探す手伝い(情報提供・推薦状・求職のための有給) |
| ⑩ | 定期的な面談・行政機関への通報 | 3か月に1回以上、支援責任者等が本人および監督者と面談し記録を残す。法令違反を把握したら関係機関へ通報。面談の実施状況は年1回の定期届出(毎年4月1日〜5月31日)で報告 |
これらを「社内の総務担当者」と「通訳スタッフ(または翻訳ツール)」で対応できるのであれば、自社支援への切り替えは十分に可能です。届出の全体像は特定技能所属機関・登録支援機関の届出|誰が・いつ・何を出すかの一覧をご覧ください。
最も大きなメリットはコストです。特定技能外国人10名を雇用し、委託料が月額3万円/名の場合、登録支援機関への委託は月額30万円×12か月=年間360万円。自社支援なら外部委託費は0円です。年間360万円の削減は中小企業にとって大きなインパクトで、浮いた資金を外国人の賃金アップや日本人社員への語学手当に充てることで、会社全体の満足度と定着率を向上させることができます。
外部に丸投げしていると、社内に「外国人材マネジメント」のノウハウが蓄積されません。自社で支援を行うことで社員が異文化理解を深め、トラブル対応力も身につきます。将来的に外国人リーダー(特定技能2号等)を育成する際や、2027年の育成就労制度で3年間の育成を担う際の貴重な資産になります。
「夜中に熱が出た」「アパートの水漏れ」などの生活トラブルに対し、外部機関を経由すると対応にタイムラグが生じがちです。自社社員が即座に対応することで、外国人従業員からの信頼は格段に上がります。この信頼関係こそが、失踪や離職を防ぐ最強の対策となります。
「コストを削減したい」という理由だけで自社支援は認められません。入管法で定められた「支援体制の基準」を満たす必要があります。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 中長期在留者の適正な受入れ実績 | 過去2年以内に、中長期在留者(就労ビザを持つ外国人等)を適正に受け入れた実績があること。または、同等の支援業務経験(過去2年以内に中長期在留者の生活相談業務に従事)のある役職員が支援責任者・支援担当者として在籍していること |
| 支援責任者・支援担当者の選任と中立性 | 支援責任者と支援担当者(兼務可)を選任する。重要なのは、支援担当者が外国人の直属の上司や現場監督など指揮命令系統の上位にないこと(相談の中立性を保つため) |
| 言語対応体制の確保 | 外国人が十分理解できる言語(母国語等)で支援できる体制。社内に通訳スタッフを常駐させる必要はなく、通訳業者との契約や翻訳ツールの活用でも認められる |
| 記録の作成・保管 | 支援の実施状況に関する文書を作成し、雇用契約終了後1年以上保管する |
| 法令遵守・欠格事由なし | 過去5年以内に労働法令・入管法令違反がないこと、支援の実施費用を外国人に負担させないこと、受入れ機関の一般要件を満たすこと |
2027年4月1日施行の省令改正(令和7年法務省令第45号)により、支援体制の要件が次のとおり厳格化され、自社支援の企業にも適用されます。
改正内容と準備の手順は特定技能の支援体制要件|2027年4月改正で登録支援機関がすべき対応をご覧ください。複数の工場・店舗で受け入れている企業は、拠点ごとに常勤の担当者を置けるかが自社支援への切り替え可否の分かれ目になります。
自社支援に切り替えたら、年間いくら浮いて、2027年4月以降は拠点ごとに何人の常勤が必要になるか
受入れ人数・拠点数・現在の委託料をお伝えいただければ、
コスト試算と要件の適合診断を企業・団体様向けの無料相談で行います。
「建設分野」で特定技能外国人を受け入れる場合、分野独自の上乗せ基準があるため、自社支援でも次の対応が必須です。
建設分野では自社支援でもJACの会費や受入負担金などのコストが発生しますが、登録支援機関への委託料と比較すれば大幅なコストダウンが見込めるケースが多くあります。詳細は建設業の特定技能1号受入れ完全ガイドをご覧ください。
2027年4月1日に技能実習制度が廃止され、「育成就労制度」が始まります。新制度は「特定技能1号水準の人材育成」を目的とするため、受入れ企業にはこれまで以上に質の高い育成・支援能力が求められます。育成就労では監理支援機関を通じた受入れが基本ですが、受入れ企業自身が日本語教育の機会確保や生活支援に関与する場面は増えます。今から自社支援に切り替え、社内に支援ノウハウを蓄積しておくことは、新制度へのスムーズな移行だけでなく、転籍制限期間が過ぎても外国人材に「選ばれる企業」になるための重要な投資です。制度の全体像は育成就労制度とはをご覧ください。
過去2年以内の中長期在留者の受入れ実績がなく、相談業務経験者もいない場合は要件を満たせないため、初回は登録支援機関に委託し、実績を積んでから切り替えるのが一般的です。
外国人の直属の上司や指揮命令を行う立場の人は支援担当者になれません。総務・人事など現場の指揮命令系統外の人を選任してください。
通訳人の同行など履行補助の範囲なら可能です。支援業務そのものの一部を外注する場合、2027年4月以降は委託先が登録支援機関に限られます。
行政書士が登録支援機関として登録していれば委託できます。登録していない行政書士に委託することはできません。なお、申請書類・届出書の作成は自社支援でも行政書士に依頼できます(特定技能の入管申請は誰がする?)。
行政書士法人タッチでは、受入れ人数が増えてきた企業様に向けて、自社支援の適性診断(要件・コスト試算)、支援内製化サポート(切り替え手続き・社内マニュアル・担当者教育)、自社支援を行いながら書類作成や法改正対応のみを行政書士が担う顧問サービスを提供しています。
「まずはいくらコストダウンできるか知りたい」「今の体制で切り替え可能か確認したい」
自社支援の適性診断から、切り替えの届出、社内マニュアルの作成、2027年改正への備えまで、
企業・団体様向けの無料相談でご提案します。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
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