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特定技能外国人の失業・転職|在留資格変更の手続きと特定活動6か月

calendar_month2022年05月12日
cached2026年10月14日

特定技能外国人は転職できますが、自由ではありません。転職先は同一の特定産業分野内(または技能水準の共通性が確認された業務区分)に限られ、転職先で働くには在留資格変更許可申請をして許可を受ける必要があります。新しい雇用契約を結んだだけでは働けず、申請中は原則として就労できないため、「特定活動(就労・6か月)」で空白期間をつなぐのが実務の基本です。失業した場合は、求職活動を続ける限り在留期限まで特定技能のまま在留でき、週28時間以内の資格外活動許可も受けられます。

本記事では、特定技能外国人が失業したとき・転職するときの在留資格の扱い、転職の条件(分野・業務区分)、転職手続きの流れと特定活動(就労・6か月)、受入れ企業側の届出義務、2027年の育成就労制度との違いを、現時点の情報で解説します。

この記事で分かること
  • 特定技能1号・2号の基本と、2025年9月改正の在留期間(1号最長3年・6年特例)
  • 失業したときの在留資格の扱い(在留期限まで在留・資格外活動・特定活動・失業保険)
  • 転職できる範囲(同一分野・業務区分)と、分野をまたぐ転職の可否
  • 転職手続きの流れ:在留資格変更許可申請と特定活動(就労・6か月)
  • 転職元・転職先の企業が行う届出と注意点
  • 育成就労(2027年〜)の転籍制限との違い

在留資格「特定技能」とは

特定技能は、法律で定められた人手不足が深刻な16の特定産業分野で、専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人に認められる在留資格です。「特定技能1号」と「特定技能2号」の2種類があります。

項目特定技能1号特定技能2号
技能水準相当程度の知識または経験を必要とする技能(特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準)熟練した技能
在留期間3年を超えない範囲で個々に指定(2025年9月30日の改正で1回の上限が1年から3年に)。通算上限5年(産前産後・育児休業や連続1か月超の病気・けがの休業などは申立てで除外。2号試験で合格基準の8割以上を得点した場合などは6年までの特例あり)3年・2年・1年・6か月。通算上限なし
対象分野16分野11分野(介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業を除く)
支援受入れ企業または登録支援機関による支援が義務支援義務なし

制度の詳細は特定技能1号とは、特定技能2号とはをご覧ください。

特定技能外国人の失業

雇用先の倒産・リストラなど、自己の都合によらない理由で失業し、経済的困難に置かれている特定技能外国人は、次のように扱われます。

①在留期限までは特定技能のまま在留できる

今後も日本での就業を望み、就職活動中であれば、特定技能の在留資格のまま在留期限まで日本に在留できます。就職活動中の生活費を賄うための資格外活動許可も、申請があれば許可されます(週28時間以内。この場合は分野外の業務も可)。

正当な理由なく3か月以上「特定技能」の活動(就労)を行っていない場合は、在留資格が取り消されることがあります。失業後は求職活動の記録(ハローワークへの登録、応募履歴など)を残しておいてください。受入れ企業都合の離職の場合、受入れ企業(または登録支援機関)には転職支援(次の受入れ先の情報提供、推薦状の作成、求職活動のための有給休暇の付与等)を行う義務があります。

②在留期限が来ても就職先が決まらない場合:特定活動(就職活動)

特定技能の在留期限到来後も就職活動を行う目的で在留したい場合は、「特定活動」への在留資格変更が許可されます。就職活動を行っていること(退職証明書、ハローワークカード等)と在留状況に問題がないことが条件で、就職活動の継続を理由とする更新はできません。この特定活動でも、申請すれば資格外活動許可(週28時間以内)が認められます。

③失業保険(雇用保険の基本手当)

雇用保険に加入していれば、日本人と同様に基本手当を受給できます。詳細は所管のハローワークにご確認ください。

特定技能外国人の転職

転職できる範囲:同一分野・同一業務区分が原則

特定技能は分野ごとの技能試験に基づく在留資格なので、自由に転職できるわけではなく、原則として同じ特定産業分野内での転職に限られます。同じ分野内でも業務区分が分かれている場合は、本人が合格した試験に対応する業務区分の業務に就く必要があります。

転職のパターン可否手続き
同一分野・同一業務区分の別会社へ○在留資格変更許可申請(所属機関が変わるため)
同一分野内で業務区分が異なる業務へ△転職先の業務区分に対応する技能試験の合格が必要(技能水準の共通性が確認されている区分間は可)。合格後に在留資格変更許可申請
異なる分野へ△転職先の分野の技能試験に合格(または技能実習2号修了職種が対応)していれば可。在留資格変更許可申請
同じ会社内の配置転換○同一分野・業務区分内なら申請不要。雇用契約の内容変更は14日以内に随時届出
かつての製造3分野(素形材・産業機械・電気電子)は2022年に「工業製品製造業」に統合され、分野間の転職の問題は解消されています。現在の16分野と業務区分は出入国在留管理庁の特定技能制度ページで確認してください。

転職手続きの流れ:在留資格変更許可申請が必要

特定技能の在留資格は、指定書で所属機関(勤務先)が指定されています。同じ分野でも、勤務先が変われば在留資格変更許可申請をして許可を受けなければ、転職先で働くことはできません。技人国のように届出だけで転職できる在留資格とは異なります。

  1. 転職先の決定・雇用契約の締結:転職先が特定技能の受入れ企業の要件(報酬、法令遵守、支援体制、分野別の協議会加入等)を満たしていることを確認
  2. 退職:転職元の企業は「特定技能雇用契約の終了」の随時届出(14日以内)。受入れ困難に該当する場合は受入れ困難届出も
  3. 在留資格変更許可申請:転職先の企業が作成した雇用契約書・支援計画書・企業の書類を添えて、本人の住居地を管轄する地方出入国在留管理局へ。審査期間は1〜3か月が目安
  4. 許可・就労開始:新しい在留カードの受領後に就労開始。転職先の企業は雇用契約締結の随時届出
変更申請中は、原則として転職先で働くことができません。許可前に働かせると資格外活動・不法就労助長罪の対象になります。退職から許可までの空白期間が長引くと本人の生活が成り立たなくなるため、次の「特定活動(就労・6か月)」の活用を検討してください。

審査中の空白期間をつなぐ「特定活動(就労・6か月)」

特定技能1号への移行(転職を含む)を希望しているが、変更申請に必要な書類(転職先の協議会加入、支援計画等)の準備が間に合わない場合、転職先の受入れ企業で就労できる「特定活動(就労・6か月)」への変更が認められます。2024年1月9日の申請分から在留期間が4か月から6か月に延長され、やむを得ない事情があれば原則1回に限り更新できます。

  • 転職先の受入れ企業が作成する説明書、雇用契約書・雇用条件書、技能試験の合格証明書、協議会に加入申請中であることを証する書類などを提出する
  • この特定活動の期間は、特定技能1号の通算在留期間(5年)に算入される。1号として4年6か月以上在留している人は申請できない
  • 特定活動の在留中に、さらに別の会社へ転職することはできない

手続きの詳細は就労ビザの申請方法|在留資格変更と認定証明書の流れ・期間・手数料をご覧ください。2026年10月1日以降に受け付けられた変更申請の手数料は、許可される在留期間に応じた段階制(1年なら窓口33,000円・オンライン27,000円)です。

他社で働いていた特定技能外国人を採用したい。前職の退職日と自社の入社日、どうつなげばいいか

特定活動(就労・6か月)の活用可否と、変更申請に必要な自社側の書類(協議会・支援計画)の準備順を、
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受入れ企業側の届出と注意点

立場やること
転職元(退職される企業)特定技能雇用契約の終了の随時届出(14日以内)。企業都合の離職なら受入れ困難届出と転職支援(情報提供・推薦状・求職のための有給)。登録支援機関への支援委託契約の終了届出。ハローワークへの外国人雇用状況届出(離職)
転職先(採用する企業)受入れ企業の要件の確認(分野別協議会への加入は変更申請前または入国後4か月以内など分野による)、雇用契約・支援計画の作成、在留資格変更許可申請の取次、許可後の雇用契約締結の随時届出、ハローワークへの外国人雇用状況届出(雇入れ)

届出の全体像は特定技能所属機関・登録支援機関の届出|誰が・いつ・何を出すかの一覧をご覧ください。なお、2号特定技能外国人の転職も同じ分野内が原則で、在留資格変更許可申請が必要です。

育成就労(2027年〜)の転籍との違い

2027年4月から始まる育成就労制度では、本人意向の転籍は分野ごとに1〜2年の制限期間が経過し、技能・日本語の要件を満たした場合に、同一分野・同一業務区分内で認められます。特定技能のように雇用契約を結べば分野内で転職できる制度とは異なり、転籍先の職業紹介も監理支援機関・機構・ハローワークに限定されます。詳細は育成就労制度とはをご覧ください。

よくある質問

Q. 特定技能外国人から「来月から他社で働く」と言われました。本人が勝手に転職できますか?

本人が転職先と雇用契約を結ぶことは自由ですが、転職先で働くには在留資格変更許可が必要です。許可前に働けば不法就労になります。退職の際は雇用契約終了の届出を忘れずに行ってください。

Q. 分野が違う会社に転職させたいのですが?

転職先の分野の技能試験に合格していれば可能です(技能実習2号修了職種が転職先の分野に対応している場合も可)。合格していなければ、まず受験が必要です。

Q. 変更申請の審査中、転職先で働かせても大丈夫ですか?

原則として働けません。空白期間を避けたい場合は、特定活動(就労・6か月)への変更を先に申請する方法があります。

Q. 失業した外国人を採用するとき、前職の退職理由は関係しますか?

本人の在留状況(前職での届出の有無、3か月以上の無就労など)が審査に影響することがあります。退職証明書と求職活動の記録を確認してください。

まとめ

  • 特定技能外国人が失業した場合、求職活動を続ければ在留期限まで在留でき、資格外活動許可(週28時間)も受けられる。3か月以上の無就労は取消しの対象
  • 転職は同一分野・同一業務区分内が原則。分野をまたぐ場合は転職先の分野の試験合格が必要
  • 勤務先が変われば必ず在留資格変更許可申請。許可前の就労は不法就労
  • 空白期間は特定活動(就労・6か月)でつなぐ。通算5年に算入される点に注意
  • 転職元・転職先ともに14日以内の随時届出が必要

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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