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特定技能外国人の家族の帯同|1号は原則不可・例外の特定活動と2号の家族滞在

calendar_month2022年05月12日
cached2026年10月15日

特定技能外国人の家族の帯同は、特定技能1号では原則として認められず、特定技能2号になれば配偶者・子を在留資格「家族滞在」で帯同できます。ただし1号でも、①日本に中長期在留者として在留していた人が1号に変更し、変更前から配偶者・子の身分関係が成立していた場合、②特定技能外国人同士の間に日本で子が生まれた場合には、例外的に家族が在留資格「特定活動」で日本に在留できます。この例外は「すでに日本にいる家族が在留を続けられる」ものであり、海外にいる家族を1号で新たに呼び寄せることはできません。

本記事では、特定技能1号・2号それぞれの家族帯同の扱い、1号の例外が認められる2つのケースと特定活動の内容、2号で家族を呼び寄せる手続き、企業側で押さえておくべき点、2027年の育成就労制度との違いを、現時点の制度に基づいて解説します。

この記事で分かること
  • 特定技能1号・2号の基本と家族帯同の違い
  • 1号で例外的に家族が在留できる2つのケースと、在留資格「特定活動」でできること
  • 2号で配偶者・子を「家族滞在」で帯同する要件と手続き
  • 帯同できる家族の範囲(親・兄弟は不可)と、家族の就労(資格外活動許可)
  • 企業側の注意点(扶養能力・住居・2号移行の設計)と育成就労との違い

特定技能とは

特定技能は、法律で定められた人手不足が深刻な16の特定産業分野(2026年1月の閣議決定でリネンサプライ・物流倉庫・資源循環の3分野の追加が決まり、受入れ開始後は19分野)で、専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人に認められる在留資格です。「特定技能1号」と「特定技能2号」があり、家族帯同の扱いが大きく異なります。

項目特定技能1号特定技能2号
技能水準相当程度の知識または経験を必要とする技能(特段の育成・訓練を受けることなく直ちに一定程度の業務を遂行できる水準)熟練した技能
在留期間3年・1年・6か月・4か月ごとの更新。通算上限5年3年・2年・1年・6か月ごとの更新。上限なし
対象分野16分野すべて11分野(介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業を除く)
家族の帯同原則不可。例外的に一定の条件を満たす配偶者・子が「特定活動」で在留可能可。要件を満たせば配偶者・子が「家族滞在」で帯同可能
支援受入れ企業または登録支援機関による支援が義務支援義務なし

特定技能外国人の家族の帯同

特定技能1号は、通算5年の期限付きで単身での就労を前提に設計された在留資格のため、家族の帯同は原則として認められていません。一方、2号は長期の在留と定着を前提とした在留資格で、家族帯同が認められています。帯同の対象になる「家族」はいずれも配偶者と子に限られ、親や兄弟は対象外です。

特定技能1号

(1)原則:家族の帯同は認められない

特定技能1号の外国人は、海外にいる配偶者・子を「家族滞在」で呼び寄せることができません。出入国在留管理庁のQ&Aでも「特定技能1号では家族の帯同は認められない」と明示されています。

(2)例外:すでに日本にいる配偶者・子が「特定活動」で在留できる場合

次のア・イの場合には、例外的に配偶者・子が在留資格「特定活動」で日本に在留し続けることが認められます。

番号認められる場合典型例
ア特定技能1号外国人がもともと中長期在留者として日本に在留しており、1号へ在留資格変更をした場合で、変更前から配偶者・子の身分関係が成立していたとき「留学」の夫と「家族滞在」の妻が日本で暮らしていて、夫が留学から特定技能1号に変更した。妻は「家族滞在」から「特定活動」に変更して在留を継続できる。技人国から1号に変更した場合の家族も同様
イ特定技能外国人同士の間に子が生まれた場合(両親とも引き続き日本に在留する見込みがあるとき)夫婦ともに特定技能1号として働いていて、日本で子が生まれた。子は「特定活動」で在留できる
この例外は、海外にいる家族を新たに呼び寄せるものではありません。アは「日本ですでに家族として暮らしていた人の在留を継続させる」措置、イは「日本で生まれた子の在留を認める」措置です。1号への変更後に海外で結婚した配偶者や、海外に残している子を1号のまま呼び寄せることはできません。

(3)「特定活動」でできる活動

例外的に認められる家族の「特定活動」は、特定技能1号外国人の扶養を受ける配偶者・子として行う日常的な活動(家事、通学など)に限られます。収入を伴う事業を運営する活動や報酬を受ける活動は原則できませんが、資格外活動許可を受ければ週28時間以内のアルバイトが認められる取扱いがあります(風俗営業等での就労は不可)。在留期間は扶養者である1号外国人の在留期間に連動し、扶養者の在留資格が失われれば家族の在留資格も維持できません。

特定技能2号

(1)配偶者・子は「家族滞在」で帯同できる

特定技能2号の外国人の配偶者・子は、在留資格「家族滞在」の要件を満たせば帯同できます。親や兄弟は対象外です。日本にいる家族(1号時代に「特定活動」で在留していた家族を含む)は「家族滞在」への変更許可申請、海外にいる家族は在留資格認定証明書交付申請を行い、本人が現地の日本大使館・領事館で査証を取得して来日します。

(2)「家族滞在」でできる活動

「家族滞在」で行うことができる活動は、扶養を受ける配偶者・子として日常的に行う活動(家事、学校で教育を受ける活動など)に限られ、原則として就労はできません。ただし、資格外活動許可を受ければ週28時間以内のアルバイト・パートが可能です(風俗営業等での就労は不可)。子が日本の学校を卒業して就職する際は、就労系の在留資格への変更や、要件を満たせば「定住者」への変更が検討されます。

(3)「家族滞在」の審査で確認されること

  • 身分関係:婚姻証明書・出生証明書(本国の公的文書と日本語訳)で配偶者・子であることを証明する
  • 扶養能力:2号外国人の収入で家族を扶養できること。在職証明書、課税証明書・納税証明書、給与明細等で確認される
  • 住居:家族が同居できる住居が確保されていること
2号の対象は現時点で11分野です。介護・自動車運送業・鉄道・林業・木材産業は2号が設けられていないため、これらの分野の特定技能外国人が家族を呼び寄せるには、2号の対象分野への拡大を待つか、介護分野であれば介護福祉士資格を取得して在留資格「介護」に移行する(家族滞在が可能)などの道筋になります。2号の要件は特定技能2号とはをご覧ください。

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企業側で押さえておくべき点

  • 採用時の説明:海外から1号で呼び寄せる人材には、1号の間は家族を呼べないことを事前ガイダンスで明確に伝える。「家族を呼べると思っていた」は離職・失踪の原因になりやすい
  • 留学生・技人国からの切替え:日本にいる配偶者・子がいる場合は、本人の1号への変更と同時に家族の「特定活動」への変更を申請する。本人の変更が許可されても家族の申請を忘れると、家族の在留資格(家族滞在)の前提が失われる
  • 2号移行の設計:家族帯同を希望する人材は2号への移行が最も確実なルート。1号のうちから2号評価試験の受験計画と実務経験の記録づくりを支援する
  • 住居・扶養能力:2号で家族を呼ぶ際は、家族で住める住居と扶養能力(収入)が審査される。社宅の規模や給与水準が影響する
  • 届出:家族の在留資格は本人(家族)側の手続きで、企業の届出義務はない。ただし本人の雇用契約・住居の変更は特定技能の随時届出の対象

2027年の育成就労制度との違い

2027年4月1日に始まる育成就労制度でも、家族の帯同は原則として認められません。育成就労(3年)→特定技能1号(5年)→特定技能2号と進み、2号に到達して初めて家族を帯同できる設計です。長期的に家族と日本で暮らしたい外国人材にとって、2号への到達が明確な目標になるため、企業がそのキャリアパスを示せるかが定着に直結します。制度の全体像は育成就労制度とはをご覧ください。

よくある質問

Q. 特定技能1号の社員が本国で結婚しました。配偶者を日本に呼べますか?

1号のままでは呼べません。2号に移行してから家族滞在で呼び寄せるか、配偶者自身が留学・特定技能などの在留資格を取得して来日する方法になります。

Q. 技人国から特定技能1号に変更する社員の妻(家族滞在)はどうなりますか?

変更前から婚姻関係が成立していれば、妻は「特定活動」に変更して在留を継続できます。本人の変更申請と並行して妻の変更申請を行ってください。

Q. 1号の例外で在留している家族は働けますか?

原則は扶養を受ける家族としての日常的な活動に限られますが、資格外活動許可を受ければ週28時間以内のアルバイトが認められる取扱いがあります。

Q. 2号になれば親も呼べますか?

呼べません。家族滞在の対象は配偶者と子に限られます。

特定技能外国人の家族の帯同のまとめ

特定技能1号特定技能2号
家族の帯同原則不可。例外:在留中に身分関係が成立していた配偶者・子、特定技能外国人同士の子は「特定活動」で在留可要件を満たせば配偶者・子が「家族滞在」で帯同可
海外からの呼び寄せ不可可(在留資格認定証明書交付申請)
家族の就労原則不可。資格外活動許可で週28時間以内の取扱いあり原則不可。資格外活動許可で週28時間以内
対象分野16分野すべて11分野

特定技能2号に移行した社員の家族を呼び寄せたい

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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