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専門士の技人国ビザ|専攻と職務内容の関連性と許可・不許可事例

calendar_month2022年01月06日
cached2026年10月14日

専門学校を卒業した留学生(専門士・高度専門士)が技術・人文知識・国際業務(技人国)の在留資格で就職する場合、専攻した科目と従事する業務の間に「相当程度の関連性」が求められ、大卒者よりも厳格に審査されます。ただし2024年2月29日以降、文部科学大臣が「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」として認定した専修学校専門課程の修了者については、大卒者と同様に関連性が柔軟に判断されるようになりました。また、2026年4月15日のガイドライン改訂で、実務研修の取扱いと対人業務の言語能力要件(CEFR・B2)が加わり、専門士の採用でも業務設計の厳密さが増しています。

本記事では、専門士に求められる関連性の程度、審査で重視される3つの要素、入管庁が公表している許可・不許可事例、通訳・翻訳業務の線引き、2024年の緩和措置の対象と条件、企業が理由書で示すべき点を、現時点の情報で解説します。

この記事で分かること
  • 専門士・高度専門士とは何か、技人国の上陸許可基準での位置づけ
  • 大卒と専門士で関連性の審査がどう違うか
  • 専門士の審査で重視される3つの要素(業務量・専門性・成績)
  • 入管庁公表の許可事例・不許可事例(一般業務・通訳翻訳)
  • 2024年2月の緩和措置(認定専修学校専門課程)の対象と確認方法
  • 企業が理由書で示すべきことと、2026年の審査厳格化との関係

「技術・人文知識・国際業務」の在留資格における専門士

専門士とは、専門学校を卒業した人に授与される称号です。正確には「日本において一定の要件を満たす専修学校の専門課程の2〜3年制の学科を修了した者に授与される称号」をいい、4年制の課程を修了した場合は「高度専門士」が授与されます。

技人国の上陸許可基準では、「従事しようとする業務に関連する科目を専攻して大学を卒業し又はこれと同等以上の教育を受けたこと」のほかに、「従事しようとする業務に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了したこと」が定められています。専門士・高度専門士は後者に該当し、日本の専門学校の卒業者に限られる点(海外の職業学校卒は対象外)と、専攻と業務の関連性が審査される点が特徴です。

求められる関連性の程度

学歴関連性の審査理由
大学・大学院卒柔軟に判断される大学は学術の中心として広く知識を授け、知的・道徳的・応用的能力を展開させることを目的とするため
専門士・高度専門士(一般)相当程度の関連性が必要(厳格)専修学校は職業や実際生活に必要な能力の育成を目的とし、学んだ内容が特定の職業に直結するため。技能実習・特定技能との住み分けの観点もある
専門士・高度専門士(認定専修学校専門課程の修了者)大卒と同様に柔軟に判断(2024年2月29日〜)企業と連携した実習や日本社会への理解促進など、認定要件を満たす質の高い教育を受け、知識を応用できると考えられるため

特に、専門学校で学んだ内容がWord・Excel等の一般的なビジネススキルにとどまる場合や、抽象的・漠然・広範な分野である場合は、業務との関連性がないと判断されやすくなります。工業専門課程や商業実務専門課程の専門士は関連性の立証が比較的容易ですが、文化教養課程の専門士は立証が困難な場合が多いのが実情です。

2024年2月の緩和措置:認定専修学校専門課程

出入国在留管理庁は2024年2月29日、「外国人留学生の就職促進に向けた運用等の見直し」として、文部科学大臣が「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」として認定した専修学校専門課程(認定専修学校専門課程)の修了者について、技人国への変更時に専攻科目と業務の関連性を大卒者と同様に柔軟に判断することとしました。あわせて、特定活動46号の対象に高度専門士も加わっています。

すべての専門学校が対象ではありません。認定は学科単位で、2024年3月29日に最初の認定校(187校・475学科)が公示され、以後順次追加されています。採用候補者の学科が認定されているかは、文部科学省の認定一覧と、本人の修了証明書(認定学科であることの記載)で確認してください。認定前に修了した学科の卒業生には適用されません。

専門士の場合の関連性の要素

専門士が技人国の在留資格を取得するうえで重要な要素は次の3点です。

  1. 専門性が要求される業務が、業務量として十分存在していること:専門性が要求される業務よりも多くの時間を別の業務(接客・作業など)に費やす場合は、関連性が否定されることがあります。小規模な事業所で「管理・企画」を専任で行うほどの業務量がないケースが典型です
  2. 従事する業務が、技能実習生や特定技能外国人の業務を上回る専門性を有すること:技能実習・特定技能との住み分けの観点から、現場業務が主体の職種は認められません
  3. 専攻科目・履修科目の成績が優秀であること:専門的な活動を安定的・継続的に行う能力があることを、成績証明書で示す必要があります
2026年4月15日のガイドライン改訂により、採用当初の実務研修として現場業務に従事できるのは期間を限定した場合のみとなり、日本人を含む社員のキャリアステップと研修内容の関係を示す資料の提出を求められます。専門士を「将来の管理職候補」として採用し当面は店舗や工場に配属する計画は、研修期間と到達目標を書面で示せなければ許可されません。

具体的事例

入管庁の「『技術・人文知識・国際業務』の在留資格の明確化等について」に掲載されている専門士の事例を要約します。

1 許可事例

専攻・履修内容従事する業務ポイント
マンガ・アニメーション科でゲーム理論、CG、プログラミング等を履修ゲーム開発業務履修科目が業務に直結
国際コミュニケーション学科でコミュニケーションスキル、接遇研修、異文化コミュニケーション、キャリアデザイン等を履修人材サービス系企業での外国人スタッフの接遇教育・管理等のマネジメント業務履修内容を活かす教育・管理業務
国際ビジネス学科でホテル演習、フードサービス論、リテールマーケティング、簿記、ビジネスマナー等を履修飲食店経営会社の事業開発部でアルバイトスタッフの採用・教育、入社説明資料の作成本部の人事・教育業務。店舗の現場業務ではない

2 不許可事例

専攻・履修内容従事する業務ポイント
国際ビジネス学科で英語科目を中心に履修不動産の販売営業語学中心の履修と営業業務の関連性なし
国際コミュニケーション学科で接遇、異文化コミュニケーション、観光サービス等を履修飲食店運営企業の店舗管理、商品開発、フランチャイズ開発履修内容と店舗管理・商品開発の関連性が薄い
接遇学科でホテル概論、フロント宿泊、レストランサービス、接遇概論等を履修エンジニア派遣会社での外国人従業員の監督・指導・労務管理接遇の履修と労務管理の関連性なし

許可事例と不許可事例を比べると、「履修した科目がそのまま業務の中身になっているか」が線引きです。業種が同じでも、店舗の現場に近い業務(店舗管理・商品開発)は不許可、本部の人事・教育業務は許可、という違いに注意してください。飲食店の店舗管理の線引きは飲食店の技人国ビザ審査が激変をご覧ください。

専門学校卒の内定者、履修科目と任せる業務の対応表は作れていますか

成績証明書と業務内容を突き合わせ、関連性の立証方法と認定課程の該当有無を
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通訳・翻訳業務

通訳・翻訳は、外国人を雇用する企業が従事させたい業務として比較的多く挙げられるものです。しかし、現実に通訳・翻訳をする能力があっても、専門学校での勉強内容との間に関連性がなければ在留資格は取得できません。加えて、翻訳・通訳の業務が「主たる活動」といえるだけの業務量があるかも審査されます。

(1)許可事例

  • 国際ビジネス学科で経営学のほか、ビジネス通訳実務、ビジネス翻訳実務等を履修していた者が、商社の海外事業部で商談の通訳・契約資料の翻訳業務に従事する場合
  • 国際教養学部で卒業単位の3分の1以上を語学やビジネスコミュニケーション系の科目で履修し、日本語能力試験N1に合格している者が、渉外調整の通訳業務に従事する場合

(2)不許可事例

  • CAD・IT学科で一般科目として日本語を履修した者が、通訳・翻訳業務に従事する場合
  • 国際ビジネス学科で日本語を履修したが、当該科目は日本語の基礎能力を向上させる程度にすぎなかった者が、通訳・翻訳業務に従事する場合
2026年4月15日以降、翻訳・通訳や接客など主に言語能力を用いる対人業務に従事する場合は、業務で使う言語についてCEFR・B2相当(日本語ならJLPT N2以上、BJT400点以上、日本の大学卒業等)の能力を証する資料の提出が必要です(カテゴリー3・4の企業)。日本の専門学校卒は「日本の大学卒業」には当たらないため、JLPT等の証明を用意してください。

企業が理由書で示すべきこと

  1. 履修科目と業務の対応表:成績証明書の科目名を引用し、どの科目の知識をどの業務で使うかを具体的に書く
  2. 業務量:1日・1週間のスケジュールで専門業務の割合を示し、現場業務が主体でないことを説明する
  3. 組織上の位置づけ:所属部署、上司、日本人社員との役割分担を示し、専門職として採用していることを説明する
  4. 研修がある場合:期間、内容、終了後の配属と到達目標を明記し、日本人社員と同じキャリアステップであることを示す
  5. 認定課程の該当:認定専修学校専門課程の修了者であれば、その旨と修了証明書を添える

理由書の書き方は技術人文知識国際業務の理由書の書き方、留学生の変更申請の流れは留学ビザから就労ビザ変更申請のポイントをご覧ください。

よくある質問

Q. 専門学校の学科が認定課程かどうかはどこで確認できますか?

文部科学省が公表する「外国人留学生キャリア形成促進プログラム」の認定課程一覧で確認できます。認定は学科単位・年度単位なので、本人が修了した時点で認定されていたかを確認してください。

Q. 認定課程の卒業生なら、どんな業務でも許可されますか?

関連性が「柔軟に判断される」だけで、業務そのものが技人国に該当する専門業務であることは変わりません。接客・調理・製造ラインなどの現業は、認定課程の卒業生でも認められません。

Q. 海外の専門学校卒は専門士として扱われますか?

扱われません。専修学校の専門課程修了の要件は日本の専修学校に限られます。海外の職業学校卒は、大学卒相当と認められる場合や10年以上の実務経験で要件を満たすかを検討します。

Q. 専門士で技人国が難しい場合、他の選択肢はありますか?

現場業務を含めて働くなら特定技能(分野別の試験合格が必要)が選択肢です。特定活動46号は日本の4年制大学卒・高度専門士が対象で、2〜3年制の専門士は対象外です。

まとめ

  • 専門士は大卒より専攻と業務の関連性が厳格に審査される。文化教養課程や一般的なビジネススキルのみの履修は不利
  • 審査の要素は、専門業務の業務量、技能実習・特定技能を上回る専門性、成績の3つ
  • 2024年2月29日以降、認定専修学校専門課程の修了者は大卒と同様に柔軟に判断。学科単位の認定で、対象かどうかを要確認
  • 通訳・翻訳は履修内容との関連性に加え、2026年4月からCEFR・B2相当の証明が必要
  • 理由書では履修科目と業務の対応、業務量、研修の期間・到達目標を具体的に示す

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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