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特定技能の入管申請は誰がする?登録支援機関と行政書士の役割【2026】
- 2026年10月05日
外国人雇用サポートセンターEmployment of Foreigners
行政書士法人タッチ


2026年1月1日、改正行政書士法が施行されました。業務制限規定(第19条)に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加わり、登録支援機関や人材会社が「支援委託費」「コンサルティング料」「事務手数料」などの名目で、実質的に在留資格の申請書類の作成を代行して報酬を得る商慣習が、明確に違法となりました。違反には1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金が科され、両罰規定により法人にも罰金刑が及びます。違法な業者に委託していた受入れ企業も、コンプライアンス上の責任を免れません。
本記事では、国際業務を専門とする行政書士法人の視点から、改正条文の内容、登録支援機関の「パッケージサービス」が抱える違法性、企業が負う法的責任、適法な契約への見直し方、パートナー選定の基準を解説します。申請・届出の担い手の整理は特定技能の入管申請は誰がする?登録支援機関と行政書士の役割もあわせてご覧ください。
目次
今回の議論の核心である第19条の改正内容を確認します。これまで解釈に委ねられていた部分が、条文として明確に規定されました。
| 項目 | 改正前 | 改正後(2026年1月1日施行) |
|---|---|---|
| 第19条(業務の制限) | 行政書士または行政書士法人でない者は、業として第1条の2に規定する業務(官公署提出書類の作成等)を行ってはならない | 行政書士または行政書士法人でない者は、他人の依頼を受け、いかなる名目によるかを問わず報酬を得て、業として第1条の3に規定する業務を行うことができない |
| 罰則 | 1年以下の懲役または100万円以下の罰金 | 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金。両罰規定により法人にも罰金刑 |
| ただし書き | — | 定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続はこの限りでない |
最も重要な変更点は「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言の追加です。無資格者が書類作成業務を行う際、その対価をどのような名称で請求していても、実質的に報酬を得ていれば処罰対象になることを意味します。
改正前は、「報酬を得て」という要件に対し、「ビザ申請代行費としては1円ももらっていない」「もらっているのは毎月の支援委託費やコンサルティング料であり、書類作成は無償の附帯サービス」といった抗弁が横行していました。改正後はこの理屈が通用しません。コンサル料・事務手数料・月額顧問料など名目を問わず、その中に書類作成の労務対価が含まれていると判断されれば法違反です。
この改正が最も大きな影響を与えるのが、特定技能制度における登録支援機関のサービスモデルです。行政書士資格を持たない事業者が提供する「全部込みプラン」は、根本的な見直しを迫られています。
「月額2万円の支援委託費をいただければ、更新申請や変更申請の書類作成は無料で行います」「初期費用と月額費用の中にすべての事務手続き代行が含まれています」という提案は、企業側にはコストメリットがあるように見えます。しかし改正法の下では「名目を変えた報酬受領」とみなされます。支援と書類作成は本来別の業務であり、継続的な取引の中で営利企業が責任の重い書類作成を完全な無償で行うことには経済合理性がなく、月額費用の中に書類作成報酬が潜り込んでいると判断される蓋然性が極めて高いためです。
「申請代行費」という項目を使わず、「入管取次事務手数料」「書類チェック料」といった名目で請求するケースもありますが、「いかなる名目によるかを問わず」という規定により、こうした言い換えも無効化されます。行政書士資格のない者が書類を作成・完成させ、それに対して金銭の授受があれば、名目が何であれ違法です。オンライン申請システムへの入力代行も「作成」に当たります。
改正条文には「定型的かつ容易に行えるものとして総務省令で定める手続の場合はこの限りでない」というただし書きがあります。しかし在留資格の申請は、個々の外国人の経歴や企業の状況に合わせて立証資料を揃える必要があり、法務大臣の広範な裁量が働く非定型的で高度な判断を要する手続です。特定技能などの複雑な申請業務がこの例外に含まれる可能性は極めて低く、原則どおり規制対象と考えるのが法務リスク管理の基本です。
無資格の登録支援機関やブローカーが書類作成を行うと、「許可を取ること」が目的化しがちです。その結果、経歴の改ざんや、実態と異なる職務内容の記載など、虚偽申請が行われるリスクが高まります。行政書士であれば法律に基づく職責として不正な依頼は断りますが、無資格の営利業者は「お客様の要望」として違法行為に手を染めやすい構造があります。2026年1月の政府の総合的対応策で、在留資格に該当しない業務に従事させている企業への実態調査が強化されたことも、この問題意識と軌を一にしています。
申請内容に虚偽があり外国人の在留資格が取り消された場合、無資格の登録支援機関が作成したケースでは「あくまでサポートしただけで、申請したのは本人(または企業)」と責任を逃れることができてしまいます。法改正は、こうした無責任な関与を排除し、「書類を作るなら国家資格者が責任を持って行う」という原則を明確にしたものです。
「業者が勝手にやったこと」では済まされません。行政書士法違反の業者に業務を委託していた事実が発覚すれば、企業のコンプライアンス体制が問われます。さらに、その業者が作成した書類に虚偽が含まれていた場合、企業は入管法上の不法就労助長罪(現行は3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金、2027年4月からは5年以下の拘禁刑または500万円以下の罰金に引き上げ)の対象として捜査を受けるリスクがあります。「知らなかった」としても、在留カードや業務実態の確認を怠るなど過失があれば処罰を免れません。
適法な契約形態とは、「業務と対価が明確に分離されている」状態です。
| 業務 | 内容 | 対価・契約の相手 |
|---|---|---|
| 支援業務(登録支援機関) | 事前ガイダンス、生活オリエンテーション、送迎、住居確保の支援、相談対応、定期面談など10項目の義務的支援。申請に必要な情報の収集・提供、承認を受けた職員による申請取次 | 「支援委託費」として登録支援機関に支払う |
| 法務業務(行政書士) | 在留資格認定証明書交付申請・変更許可申請・期間更新許可申請の書類作成と提出、随時届出・定期届出の作成 | 「行政書士報酬」として行政書士(法人)に直接支払う |
「全部まとめて〇万円」という契約は、改正法に抵触するリスクが最も高い形態です。面倒であっても、金銭の流れを透明化することが企業自身を守ることにつながります。既存の支援委託契約は、業務範囲に「申請書類の作成」「申請サポート」「届出書の作成」が含まれていないか、費用の内訳に書類作成の対価が実質的に含まれていないかを確認してください。
これからの登録支援機関選びで重視すべきは「安さ」や「手軽さ」ではなく、業務分掌の明確さです。登録支援機関の本分は外国人の生活支援であり、在留資格の手続きは法務です。この2つを混在させて商売をしている業者ではなく、「支援はプロとして行いますが、ビザ申請は提携する行政書士(または御社指定の行政書士)と直接契約してください」と案内できる事業者こそが、改正法を正しく理解したパートナーです。
2027年4月1日からは登録支援機関の支援体制要件も改正され、支援責任者・支援担当者の事業所ごとの常勤配置、支援業務に従事できる者の限定、受託数の上限が課されます。支援と法務を分けた体制は、この改正にも適合しやすい形です(特定技能の支援体制要件|2027年4月改正)。
市場には、行政書士法人が母体となって運営する登録支援機関もあります(当法人もその一つです)。この形態のメリットは、登録支援機関としての支援委託契約と、行政書士法人としての法務委任契約を内部で明確に分け、請求項目も「支援費」「行政書士報酬」と別々に計上することで、改正行政書士法第19条に抵触することなく、実務上の連携を一つの窓口で行える点です。「窓口は一つがいいが、コンプライアンスは徹底したい」という企業にとって合理的な選択肢になります。
今の登録支援機関との契約書に「申請書類の作成」が含まれていないか、確認したことはありますか
契約書と請求書の内訳を拝見し、改正行政書士法に照らした適法性の見立てと、見直しの方向性を
企業・団体様向けの無料相談でお伝えします。
今回の行政書士法改正は単なる字句の修正ではなく、「名目を変えて報酬を得る」という長年のグレーゾーンに対する国からのレッドカードです。施行から時間が経った今、「支援費込みでビザ申請無料」というサービスを受けている企業は、その契約が違法状態にある可能性が高く、早急な見直しが必要です。
外国人材の受入れは息の長いプロジェクトです。目先のコスト削減にとらわれず、将来にわたって安心して雇用を継続できる適法な体制を構築してください。
支援委託費など何らかの対価を受け取っている以上、「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」に該当するリスクが高く、依頼した企業側にも責任が及びます。行政書士に直接依頼してください。
作成済みの書類を提出する「申請取次」は入管法上の制度で、承認を受けた登録支援機関の職員であれば適法です。違法となるのは報酬を得て「作成」することです。
自社が提出する書類を自社の職員が作ることは行政書士法の規制対象外で、問題ありません。
行政書士法人タッチでは、ご契約中の登録支援機関との契約内容や業務フローが改正行政書士法・入管法に照らして適法かどうかの見立てを、企業・団体様向けの無料相談で行っています。見直しが必要な場合は、支援委託契約の再設計、行政書士との法務委任契約への切替え、申請書類の作成・取次まで対応します。「今の業者のままで大丈夫か不安がある」「適法な契約への切り替え方を相談したい」という企業様は、お気軽にお問い合わせください。
支援は今の登録支援機関に任せたまま、書類作成だけ行政書士に切り替えたい
支援委託契約の業務範囲の整理と、法務委任契約への切替え、以後の申請・届出の書類作成に対応しています。
切替えの進め方は、企業・団体様向けの無料相談からご案内します。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 外国人雇用サポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター ビザサポートセンター |
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