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派遣会社で技人国ビザを取得する要件|派遣先の誓約書・雇用契約書の書き方

calendar_month2021年12月28日
cached2026年10月15日

派遣会社が外国人を派遣社員として雇用し、派遣先企業で働かせる場合でも、技術・人文知識・国際業務(技人国)の在留資格を取得することは可能です。ただし審査では、派遣先で実際に行う業務が技人国に該当する専門業務であること、派遣元との雇用契約に継続性があること、そして2026年3月9日の申請分から、派遣先が確定していることと派遣元・派遣先双方の誓約書が求められます。派遣先での業務内容と雇用契約書の記載が食い違えば虚偽申請となり、派遣元・派遣先の双方が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。

本記事では、派遣会社が技人国の在留資格を取得するためのポイントを、該当する職種、雇用契約書の書き方、審査対象、2026年の運用変更で追加された提出書類、特定技能との違いの順に解説します。2026年の厳格化の経緯と派遣先企業側の対策は技人国の派遣が超厳格化をご覧ください。

この記事で分かること
  • 派遣会社で雇用する外国人が技人国を取得できる条件(派遣先の業務の該当性)
  • 技人国に該当する職種・該当しない職種(派遣でよくあるケース)
  • 雇用契約書・労働者派遣個別契約書の書き方(継続性・派遣先の明記・職務内容の一致)
  • 審査対象(申請人・派遣元・派遣先)と、派遣元に必要な労働者派遣事業の許可
  • 2026年3月9日以降の追加書類(派遣元・派遣先の誓約書等)と、7月に追加された研修後に派遣先を決める例外
  • 更新時に必要な管理台帳・就業状況報告書と、特定技能は派遣できないこと

派遣会社での技術人文知識国際業務の在留資格取得について

①はじめに

派遣会社で外国人を雇用する場合、雇用契約を結ぶのは派遣元企業ですが、実際に働くのは派遣先企業です。そのため、派遣社員の外国人が技人国を取得するには、派遣先企業での業務内容が技人国に該当する職務であることが必要です。申請書類は、申請人本人と派遣元企業に関するものが中心ですが、2026年3月9日以降は派遣先企業が作成する誓約書と労働者派遣個別契約書も提出します。派遣社員ではなく正社員として雇用し派遣する場合も、申請の考え方はほぼ同じです。

項目通常の技人国申請派遣会社での技人国申請
契約の相手勤務先企業派遣元企業(所属機関)
業務の該当性を判断する場所勤務先派遣先
審査対象申請人・勤務先企業申請人・派遣元企業・派遣先企業
在留期間企業のカテゴリー・雇用契約期間等で決定派遣契約期間に応じて決定(2026年3月9日〜)
追加の提出書類なし派遣元用・派遣先用の誓約書、労働条件通知書、労働者派遣個別契約書(更新時は管理台帳・就業状況報告書も)

②職種について

技人国の在留資格で行うことができる活動は、入管法別表第一の二の表に「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」と定められています。誰でもできる単純作業ではなく、大学等で修得した専門知識を要する業務である必要があります。

ここでいう「契約」には派遣契約も含まれます。したがって、外国人を派遣社員として雇用し、派遣先で従事する職務と本人の学歴・職歴に関連性が認められれば、技人国が許可されます。派遣でよくあるケースを整理すると次のとおりです。

区分派遣先での業務の例
該当するシステムエンジニア・プログラマー(SES含む)、CAD設計・機械設計、生産技術・品質保証の技術職、通訳・翻訳(CEFR・B2相当の言語能力の証明が必要)、経理・人事・貿易事務などの専門事務、マーケティング・企画
該当しない工場のライン作業・検品・梱包、倉庫での仕分け・ピッキング、飲食店の接客・調理、ホテルの清掃・配膳、コールセンターのマニュアル対応、「現場の進行管理」「備品管理」名目の現場作業
「業務の一部に通訳や管理が含まれていれば残りは現業でもよい」という解釈は認められません。派遣先で現業が主たる業務になっていれば在留資格該当性はなく、不許可・更新不許可・在留資格取消しの対象です。現場作業を任せたい場合は、特定技能など別の在留資格を検討してください(就労ビザで単純労働は可能?)。

③雇用契約書について

派遣会社の技人国申請で特に注意が必要な書類は雇用契約書(労働条件通知書)と労働者派遣個別契約書です。

  • 雇用期間の継続性:雇用契約は継続的なものである必要があります。半年未満などの短期契約は不許可の可能性が高くなるため、無期雇用にするか、自動更新条項を盛り込むなどして継続性が分かるようにします。ただし2026年3月9日以降、在留期間は派遣先との派遣契約期間に応じて決定されるため、派遣契約が短ければ在留期間も短くなります
  • 派遣先の明記:派遣元と交わす雇用契約書(労働条件通知書)に、派遣先企業の名称・住所・電話番号を明記します。派遣先が未確定のままの申請は原則として許可されません
  • 職務内容の詳細な記載:派遣先で従事する職務内容を具体的に記載します。「一般事務」「軽作業」「業務全般」のような記載は不許可の原因です
  • 記載と実態の一致:雇用契約書・個別契約書に記載した職務と、派遣先で実際に従事する業務は同じでなければなりません。契約書上はオフィスワーク、実態は単純作業であれば虚偽申請となり、派遣元・派遣先の双方が処罰の対象になります
新規採用者に採用直後の研修を行い、その後に派遣先を決める場合に限り、2026年7月の改訂で例外が設けられました。研修内容を示す資料、派遣先で従事する予定の業務範囲を具体的に記載した労働条件通知書、派遣元用の誓約書に加え「派遣先の決定に関する誓約書」を提出し、派遣先が決まり次第、派遣先用の誓約書を取得・保管して次回更新時に提出します。「とりあえず在留資格を取って派遣先を探す」運用を認めるものではありません。

④審査対象について

通常の技人国申請の審査対象は申請人と企業ですが、派遣会社で申請する場合は、申請人・派遣元企業・派遣先企業の3者が審査対象になります。企業の安定性・継続性は派遣元について審査され、業務の該当性は派遣先の業務で判断されます。2026年3月9日以降は、入管が派遣先に対して電話での直接確認や実地調査を行うことも明確に示されています。

特に重要なのは、派遣元企業が労働者派遣事業の許可を得ていることです。技人国の申請では、業務を行うのに必要な許認可を得ているかも審査されるため、許可のない派遣(偽装請負を含む)では許可されません。

2026年3月9日以降の提出書類

政府の総合的対応策(2026年1月)を受け、入管庁は派遣形態で就労する場合の取扱いを見直しました。企業のカテゴリーを問わず、次の書類が必要です。

申請の種類派遣形態で追加される書類
在留資格認定証明書交付申請・在留資格変更許可申請①申請人の派遣労働に関する誓約書(派遣元用)、②同(派遣先用)、③労働条件通知書(雇用契約書)の写し、④労働者派遣個別契約書の写し
在留期間更新許可申請上記①〜④に加え、⑤派遣元管理台帳の写し、⑥派遣先管理台帳の写し、⑦就業状況報告書

派遣元用の誓約書では、提出書類が虚偽でないこと、申請人と派遣先に活動範囲を説明し理解させていること、入管の調査に応じ派遣先も応じることを確認していること、派遣先の変更時にも同様の対応を行うことを誓約します。派遣先用の誓約書では、提出書類が虚偽でないこと、活動範囲を理解し申請人をその活動に従事させること、入管の調査に応じることを誓約します。誓約に反した場合は、その機関が所属機関となる他の外国人の申請にも影響します。

派遣先はほぼ決まっている。あとは誓約書と個別契約書の書き方で止まっている

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特定技能は派遣できない:派遣会社が注意すべき点

技人国は派遣形態での就労が認められていますが、特定技能は農業・漁業の一部例外を除き派遣が認められず、受入れ企業の直接雇用に限られます。建設分野では派遣が明確に禁止され、自動車整備分野では派遣した場合に以後5年間受入れができなくなります。製造・飲食・宿泊などの現場人材を求めるクライアントに対して、派遣会社が特定技能外国人を派遣することはできません。現場人材のニーズには、人材紹介(職業紹介)や登録支援機関としての支援業務への切替えを検討してください。特定技能の就労形態は特定技能外国人の就労形態をご覧ください。

よくある質問

Q. 派遣先が決まる前に在留資格を取っておくことはできますか?

2026年3月9日以降、申請時点で派遣先が確定していなければ原則として許可されません。新規採用者の研修後に派遣先を決める場合のみ、所定の誓約書を提出する例外があります。

Q. 派遣先が変わるたびに手続きが必要ですか?

派遣元用の誓約書に「派遣先の変更時にも同様の対応を行う」ことが含まれているため、新しい派遣先から誓約書を取得し、活動内容を説明・保管したうえで、次回更新時に提出します。業務内容が大きく変わる場合は就労資格証明書の交付申請で該当性を確認することをおすすめします。

Q. 派遣先で通訳として働かせます。追加の要件はありますか?

2026年4月15日以降、翻訳・通訳など主に言語能力を用いる対人業務に従事する場合は、業務で使う言語についてCEFR・B2相当(日本語ならJLPT N2以上等)の能力を証する資料の提出が必要です(カテゴリー3・4の所属機関)。

Q. SES(準委任)で客先常駐させる場合も同じですか?

準委任は派遣ではないため誓約書等の提出義務はありませんが、常駐先での実際の業務が技人国に該当するかは同様に審査されます。常駐先でテスト作業やヘルプデスクのみを行っている場合は該当性が否定されます。

最後に

派遣会社での技人国申請は、通常の申請と比べて雇用契約書・個別契約書の内容が重要で、2026年3月以降は派遣先の確定と双方の誓約書も必須になりました。審査対象が派遣先にまで広がり、更新時には管理台帳・就業状況報告書で実態が検証されます。必要書類を揃え、派遣先の業務が技人国に該当することを明確に示せれば、許可を得ることは十分可能です。当事務所では、派遣会社の技人国申請について、派遣先の業務の該当性の確認から、誓約書・契約書の整備、申請書類の作成・取次、更新時の管理台帳の整理まで対応しています。

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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