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技能ビザでスポーツ指導者を雇用するには|3年の実務経験と国際大会出場の要件

calendar_month2021年12月15日
cached2026年10月15日

外国人のスポーツ指導者(コーチ・インストラクター・トレーナー)を雇用する場合の在留資格は、原則として「技能」です。要件は「スポーツの指導に係る技能について3年以上の実務経験があること」または「スポーツ選手としてオリンピック・世界選手権その他の国際的な競技大会に出場したことがあること」のいずれかで、加えて日本の会社等との契約と、日本人と同等以上の報酬が必要です。実務経験は「報酬を受けて、一定の規模で、日常的に指導していた期間」に限られ、ボランティアや趣味の延長の指導は数えられません。

本記事では、技能ビザの位置づけ、対象になるスポーツ、2つの要件の中身と証明書類、申請のポイント、スポーツ関連で検討される他の在留資格との使い分けを、現時点の制度に基づいて解説します。

この記事で分かること
  • 在留資格「技能」の位置づけと、該当するスポーツの範囲
  • スポーツ指導者の2つの要件(3年以上の実務経験/国際的な競技大会への出場)
  • 実務経験に数えられる指導・数えられない指導
  • 申請のポイントと証明書類(職務経歴書・在職証明書・大会の出場記録)
  • 興行・特定活動・技人国など、スポーツ関連の他の在留資格との使い分け

技能ビザとは

在留資格「技能」は、日本経済の国際化の進展に対応し、熟練技能労働者を外国から受け入れるために設けられたもので、「産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動」が該当します。該当例として、外国料理の調理師、スポーツ指導者、航空機の操縦者、貴金属等の加工職人などが挙げられており、スポーツ指導者はその一つです。在留期間は5年・3年・1年・3か月で、同種の業務であれば転職も可能です。

技能ビザに該当するスポーツとは

スポーツとは、心身の健全な発達、健康および体力の保持増進、精神的な充実感の獲得、自立心その他の精神の養成のために個人または集団で行われる運動競技その他の身体活動をいいます。一般に競技スポーツと生涯スポーツの2つに分けられますが、在留資格「技能」におけるスポーツにはその両方が含まれます。サッカー・野球・バスケットボールなどの競技スポーツのコーチだけでなく、フィットネス、ヨガ、ダンス、武道、スキー・サーフィンのインストラクターなども対象になり得ます。

技能ビザでスポーツ指導者を雇用するには

技能ビザでスポーツ指導者を雇用するには、外国人が次の2つの要件のいずれかを満たす必要があります。

番号要件内容
①スポーツの指導に係る技能について3年以上の実務経験を有すること外国の教育機関で当該スポーツの指導に係る科目を専攻した期間と、報酬を受けて当該スポーツに従事していた期間(プロ選手として競技団体に所属し、賞金を含む報酬を受けていた期間)を含めることができる
②スポーツ選手としてオリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な競技大会に出場したことがあり、当該スポーツの指導に係る業務に従事すること「その他の国際的な競技大会」は、地域・大陸規模の総合大会(ヨーロッパ大会等)や、競技別の地域・大陸規模の競技大会(UEFAチャンピオンズリーグ等)。二国間や特定国間の親善試合は含まれない。出場歴があれば実務経験3年は不要

いずれの場合も、指導する種目は本人が従事・出場していた種目と同じであること、日本の会社等との契約に基づくこと、日本人が同じ業務に従事する場合と同等以上の報酬を受けることが必要です。

実務経験3年以上で申請する場合について

①のルートでは、「3年の中身」が審査の核心です。スポーツの指導に係る実務経験として数えられるのは、仕事として報酬を受けながら、一定の規模で、日常的に指導していた期間です。

実務経験に数えられる数えられない・弱い
  • スポーツクラブ・スクール・学校・チームに所属し、給与を受けて指導していた期間
  • 生徒・選手が一定数(目安として10人以上)いて、週単位で日常的に指導していた期間
  • 外国の体育大学等でそのスポーツの指導に係る科目を専攻していた期間
  • プロ選手として報酬を受けて競技していた期間
  • 町内会や子ども向けイベントでのボランティア指導
  • 趣味の延長で友人・知人に教えていた期間
  • 単発・不定期のレッスン
  • 指導種目と異なる種目の経験
実務経験は本人の申告ではなく、勤務先が発行する書類で証明します。海外の元勤務先から在職証明書を取り寄せる必要があるため、採用候補者が決まったら早めに依頼してください。期間が3年にわずかに足りない、証明書が取れない、といった場合は①のルートは使えません。

技能ビザを入国管理局に申請する際のポイント

入管への申請で審査されるポイントは次のとおりです。

  1. 外国人が指導していた種目を日本でも指導すること(種目の一致)
  2. 日本にある会社等と申請前に雇用契約(または継続的な業務委託契約)を結ぶこと
  3. 会社の経営状態に問題がないこと(事業の安定性・継続性)
  4. 申請人の技能と日本の企業で従事する職務内容に関連性があること
  5. 雇用先で同種の業務を行う日本人と同等以上の報酬であること
  6. 前科があるなど素行が不良でないこと

証明書類

ルート主な書類
①実務経験3年以上海外で従事していた職務内容・期間を記載した職務経歴書(勤務先の押印または署名入り)、在職証明書、プロ選手として活動していた場合は所属・報酬が分かる書類、体育大学等の卒業証明書・成績証明書
②国際的な競技大会への出場該当大会の選手名簿、出場登録票、競技団体の証明書、メダル・賞状の写真、大会の公式記録等
共通雇用契約書(職務内容・報酬・期間)、会社の登記事項証明書・決算書類・会社案内、採用理由書(なぜその外国人の指導技能が必要か)

申請の流れ(海外在住者は在留資格認定証明書交付申請、国内在住者は在留資格変更許可申請)は就労ビザの申請方法|在留資格変更と認定証明書の流れ・期間・手数料をご覧ください。

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スポーツ関連の他の在留資格との使い分け

在留資格対象ポイント
技能スポーツ指導者(コーチ・インストラクター)3年以上の実務経験または国際大会出場
興行プロスポーツ選手として試合・興行に出場する活動選手契約が中心。引退後に指導者になる場合は技能への変更を検討
特定活動アマチュアスポーツ選手として企業に雇用される場合(オリンピック・世界選手権等の出場歴など一定の実績がある者)、その選手に帯同する監督・コーチ等告示で要件が定められている。選手の帯同者は選手の在留に連動
技術・人文知識・国際業務スポーツ科学・体育学の専門知識を用いるトレーニング理論の指導、チームの分析・マネジメント、スポーツビジネスの企画等大学等での専攻との関連性が必要。現場の実技指導が中心の場合は技能で
教育・教授学校(小中高)・大学の体育教員教員免許や大学の職位に応じて
フィットネスクラブのインストラクターのように、指導のほかに受付・清掃・販売を兼務させる場合は、主たる業務が指導であることが前提です。指導以外の業務が大半を占める運用は、在留資格該当性を失うおそれがあります。

よくある質問

Q. 実務経験が2年半しかありません。申請できますか?

①のルートでは3年以上が必要です。外国の教育機関でそのスポーツの指導に係る科目を専攻した期間やプロ選手として報酬を受けていた期間を合算できる場合は、それらを含めて3年に達するかを確認してください。

Q. オリンピックに出場した元選手を採用します。指導経験はありませんが大丈夫ですか?

②のルートでは指導経験は不要です。出場した種目の指導に従事することと、出場の証明が必要です。

Q. 業務委託(フリーランス)のインストラクターでも技能ビザを取れますか?

特定の機関との継続的な契約で、安定した報酬が見込めれば可能性はありますが、雇用契約の方が審査は通りやすいのが実情です。複数のクラブを掛け持ちする形は、主たる契約先を特定して申請します。

最後に

技能ビザでスポーツ指導者を雇用する場合、外国人が仕事として報酬を受けながら、一定の規模以上で、日常的にスポーツ指導をしていたこと(または国際的な競技大会に出場したこと)を、書類で証明できるかが重要なポイントです。当事務所では、技能ビザでスポーツ指導者を雇用するさまざまなケースの申請書類の作成・取次を行っています。採用前の要件確認からご相談ください。

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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