お役立ち記事
技術人文知識国際業務の仕事内容について
- 2021年12月28日
外国人雇用サポートセンターEmployment of Foreigners
行政書士法人タッチ


今回は、外国人を雇用する企業の実務担当者様に向けて、「技術・人文知識・国際業務」、通称「技人国(ぎじんこく)」ビザの許可要件について徹底的に解説します。
最近、技人国の審査が「厳しくなった」という声をよく聞くかと思います 。2026年から政府方針もあり、入管は技人国の審査を非常に厳格化しています。実際に現場では追加書類の要求が増え、不許可になるケースも目立ってきています。
この機会に技人国の要件をきちんと確認して、今後の不許可になるリスクや不法就労助長罪に問われるリスクをなくしましょう、というのが本コラムの主旨です。
目次
ではまず、結論からいきましょう。「技人国の要件」とは一体何なのか。実務上の定義を言えば、それは法務大臣が在留を許可するにあたって、「申請者が満たしていなければならない3つの条件」を指します。
本記事では、これら3つの柱を軸に、技人国の要件を解説します。最後までお読みいただければ、入管審査の全貌をマスターできるはずです。
在留資格該当性とは「やろうとしている活動が、技人国という在留資格の定義に当てはまるか」という問いです。
技人国ビザで認められる活動は、入管法別表第一の二の表において以下のように定義されています。
ここでポイントとなるのが「本邦の公私の機関との契約」と「業務内容」です。
「本邦の公私の機関」には、会社、国、地方公共団体、独立行政法人、公益法人等の法人のほか、任意団体(ただし、契約当事者としての権利能力はありません。)も含まれます。また、本邦に事務所、事業所等を有する外国の国、地方公共団体(地方政府を含む。)、外国の法人等も含まれ、さらに個人であっても、本邦で事務所、事業所等を有する場合は含まれます。
そして契約は、一般的な「雇用契約」に限定されません。ガイドラインによれば、「委任、委託、嘱託等」の業務委託契約等であっても、特定の機関との継続的なものであれば認められます。 ただし、受け入れ企業側が、技能実習や特定技能制度において「外国人への暴行」「賃金不払」「私生活の不当な制限」などの不正行為を行い、欠格事由に該当している場合は、「安定的な活動が見込まれない」として、新たな技人国の受け入れも原則認められませんのでご注意ください。
業務内容については、「自然科学(理系)」「人文科学(文系)」の分野に属する技術や知識、または「外国の文化に基盤を有する思考・感受性」を必要とする業務でなければなりません。
実務で最もよく問題になるのが「単純労働との境界線」です。 入管が「単純労働」とみなすのは、反復・定型的な作業で、専門的知識がなくても一定訓練で遂行できる業務です。具体的にどのような業務がNGとなるのか見てみましょう。
| 業種 | ✅ 技人国に該当し得る業務 | ❌ 技人国に該当しない業務 |
|---|---|---|
| IT企業 | システム開発・要件定義・テスト設計 | データ入力・単純なホームページ作成 |
| 小売業 | バイヤー・商品開発・外国語通訳対応 | レジ打ち・品出し・単純接客販売 |
| 製造業 | 技術開発・品質管理エンジニア・工程設計 | ライン作業・検品・組立・梱包・現場の管理業務 |
| ホテル・旅館 | フロント、企画・広報 | 受付・清掃・レストラン |
| 飲食業 | 複数店舗の店舗管理、店舗経営、企画業務 | 調理、接客、一店舗の管理 |
特に、特定技能で受入れ可能な分野での棲み分けは非常に厳しくなっております。製造業、ホテル業、飲食業などは注意が必要です。
入管のガイドラインには非常に重要な一文があります。
「一般的に、求人の際の採用基準に『未経験可、すぐに慣れます。』と記載のあるような業務内容や、学歴要件を満たしていない日本人従業員が一般的に従事している業務内容は対象となりません。」
つまり、大学などで学んだ「学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力」が不要な単純労働(現業)は、一切認められないということです。
ここで人事担当者様からよく出る質問が「では、新入社員に自社の商品を知ってもらうための現場研修も違法になるのか?」というものです。
入管の審査は「活動全体」を捉えて判断します 。ガイドラインでは、「入社当初に行われる研修の一環であって、今後専門業務を行う上で必ず必要となるものであり、日本人についても入社当初は同様の研修に従事する場合」には、一時的な現場業務も許容されるとしています。 ただし、これには詳細な「キャリアプラン」と「研修計画書」の提出が必要であり、期限の定めのない現場配置は不許可の対象となります。
次は上陸許可基準の確認です。上陸基準省令(法務省令)に定められた具体的な要件で、主に申請者自身に求められる要件です。
入管は、申請人が以下のいずれかに該当し、必要な技術・知識を修得しているかを審査します。
(※国際業務の場合は、3年以上の関連業務の実務経験が必要。ただし大卒者が翻訳・通訳・語学指導に従事する場合は実務経験不要。)
実務担当者が絶対に知っておくべきは、この「専攻科目と業務の関連性」の判断基準における、大卒と専門卒の明確な差です。
「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」が必要です。 これは、外国人であることを理由にした賃金差別がないかを厳しく見るものです 。自社の日本人新卒と同等の基本給を設定しなければなりません。
ここで実務上の大きな落とし穴があります。ガイドラインに明記されている通り、入管が審査する「報酬」には、「通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの」は含まれません。 基本給を不当に低く設定し、手当で水増しして日本人と同等に見せかけようとしても、審査では手当を除外して計算されるため、「報酬要件を満たさない」として不許可になります。
3つ目の柱が「相当性」です 。これは国内にいる留学生を採用する際の変更申請(法第20条第3項)や、就労中の更新申請(法第21条第3項)において、法務大臣が「適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り」許可できるとされているものです。
ここでは、外国人本人の「これまでの在留態度(素行)」が問われます。
いくら大卒で優秀でも、以下のような点があれば「素行が善良ではない(相当性なし)」として不許可になります。
また、入管法に定める義務を果たしているかも審査されます。 引っ越しをした際の「住居地届出」はもちろんのこと、転職や退職をした際の「所属機関に関する届出」、在留カードの更新義務などを怠っていると、相当性の判断において極めて不利になります。
この3大要件に付随して、実務担当者の皆様に強く警戒していただきたいのが、入管の「情報の矛盾」に対する厳しさです。
さらに、過去に不法残留で退去強制を受けた履歴や、1年以上の懲役・禁錮刑、薬物違反の履歴がある場合は、「上陸拒否事由(入管法第5条)」に該当し、そもそも日本での就労は不可能です。
技人国ビザの要件をまとめます。
この3つが揃って初めて、適法な雇用が成り立ちます。 2026年からは、製造現場などでの「実地調査」が格段に増えることが予想されます。「人手不足だから」と業務内容をごまかしたり、候補者の過去の履歴を確認せずに採用してしまうと、不許可になるだけでなく、企業側が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。
人事担当者の皆様は、次回の更新を待たずに、今すぐにでも社内の外国人の「実際の業務実態」と「過去の入管への申告記録」の棚卸しを強くお勧めします。 不安がある場合は、自己判断せず、専門家である行政書士法人タッチまでご相談ください。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 就労ビザサポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター ビザサポートセンター |
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