埼玉オフィス
048-400-2730
東京オフィス
03-6825-0994

受付時間 9:00~19:30(定休日:日曜)

  • お問い合わせ
  • 資料ダウンロード

技人国ビザの要件とは?入管法に基づく3つの絶対条件と2026年厳格化対策

calendar_month2026年06月09日
cached2026年06月10日

今回は、外国人を雇用する企業の実務担当者様に向けて、「技術・人文知識・国際業務」、通称「技人国(ぎじんこく)」ビザの許可要件について徹底的に解説します。

最近、技人国の審査が「厳しくなった」という声をよく聞くかと思います 。2026年から政府方針もあり、入管は技人国の審査を非常に厳格化しています。実際に現場では追加書類の要求が増え、不許可になるケースも目立ってきています。

この機会に技人国の要件をきちんと確認して、今後の不許可になるリスクや不法就労助長罪に問われるリスクをなくしましょう、というのが本コラムの主旨です。

技人国の要件とは?(3つの絶対条件)

ではまず、結論からいきましょう。「技人国の要件」とは一体何なのか。実務上の定義を言えば、それは法務大臣が在留を許可するにあたって、「申請者が満たしていなければならない3つの条件」を指します。

  1. 在留資格該当性:日本で行う「活動内容」が、入管法に規定されている「活動」に該当しているか(入管法第7条、法別表第1
  2. 上陸許可基準適合性:本人の「学歴・職歴」、そして「報酬額」等が、法務大臣の定める省令基準をクリアしているか?(上陸基準省令)
  3. 相当性:過去の日本での「在留態度(素行)」は良好か?(入管法第20条・第21条)

本記事では、これら3つの柱を軸に、技人国の要件を解説します。最後までお読みいただければ、入管審査の全貌をマスターできるはずです。

 

1の要件:在留資格該当性(「何をするか」の審査)

在留資格該当性とは「やろうとしている活動が、技人国という在留資格の定義に当てはまるか」という問いです。

条文の定義と「契約」の形態

技人国ビザで認められる活動は、入管法別表第一の二の表において以下のように定義されています。

「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う理学、工学その他の自然科学の分野若しくは法律学、経済学、社会学その他の人文科学の分野に属する技術若しくは知識を要する業務又は外国の文化に基盤を有する思考若しくは感受性を必要とする業務に従事する活動」

ここでポイントとなるのが「本邦の公私の機関との契約」「業務内容」です。

本邦の公私の機関との契約

「本邦の公私の機関」には、会社、国、地方公共団体、独立行政法人、公益法人等の法人のほか、任意団体(ただし、契約当事者としての権利能力はありません。)も含まれます。また、本邦に事務所、事業所等を有する外国の国、地方公共団体(地方政府を含む。)、外国の法人等も含まれ、さらに個人であっても、本邦で事務所、事業所等を有する場合は含まれます。

そして契約は、一般的な「雇用契約」に限定されません。ガイドラインによれば、「委任、委託、嘱託等」の業務委託契約等であっても、特定の機関との継続的なものであれば認められます。 ただし、受け入れ企業側が、技能実習や特定技能制度において「外国人への暴行」「賃金不払」「私生活の不当な制限」などの不正行為を行い、欠格事由に該当している場合は、「安定的な活動が見込まれない」として、新たな技人国の受け入れも原則認められませんのでご注意ください。

業務内容(学術的素養の必要性)

業務内容については、「自然科学(理系)」「人文科学(文系)」の分野に属する技術や知識、または「外国の文化に基盤を有する思考・感受性」を必要とする業務でなければなりません。

3つの業務類型】
  • 【技術】自然科学系の業務 理学・工学・農学・医学・薬学など、いわゆる理系の専門知識・技術を要する業務です。
    • 主な職種:システムエンジニア、プログラマー、機械設計者、化学研究員、建築設計士 など
    • 判断軸:その業務を遂行するために、自然科学系の専門知識が実質的に必要か
  • 【人文知識】人文科学系の業務 法律・経済・社会・文学・語学など、文系の知識を要する業務です。
    • 主な職種:経営企画、マーケティング、貿易実務、法務・コンプライアンス、会計・財務 など
    • 判断軸:「専門的知識を要する」かどうか。同じ営業でも、知識不要の単純販売は不該当
  • 【国際業務】外国文化に基盤を有する業務 外国の文化に基盤を有する思考・感受性を必要とする業務です。この類型のみ、外国人であることそのものが付加価値となります 。上陸基準省令では対象業務を具体的に列挙しています。
    • 列挙業務:翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝または海外取引業務、服飾もしくは室内装飾に係るデザイン、商品開発その他これらに類似する業務

実務で最もよく問題になるのが「単純労働との境界線」です。 入管が「単純労働」とみなすのは、反復・定型的な作業で、専門的知識がなくても一定訓練で遂行できる業務です。具体的にどのような業務がNGとなるのか見てみましょう。

業種 ✅ 技人国に該当し得る業務 ❌ 技人国に該当しない業務
IT企業 システム開発・要件定義・テスト設計 データ入力・単純なホームページ作成
小売業 バイヤー・商品開発・外国語通訳対応 レジ打ち・品出し・単純接客販売
製造業 技術開発・品質管理エンジニア・工程設計 ライン作業・検品・組立・梱包・現場の管理業務
ホテル・旅館 フロント、企画・広報 受付・清掃・レストラン
飲食業 複数店舗の店舗管理、店舗経営、企画業務 調理、接客、一店舗の管理

【ケーススタディ】各業界の「該当性」NGラインと実態

特に、特定技能で受入れ可能な分野での棲み分けは非常に厳しくなっております。製造業、ホテル業、飲食業などは注意が必要です。

  • 製造業2026年の政府決定により、製造現場での技人国利用は極めて厳格化されました。「生産管理」「品質管理」という名目であっても、実態としてラインでの組み立て、機械操作、目視検査を兼務させていれば、該当性がないとして不許可になります。現場の班長やリーダー業務も、今後は「特定技能2号」の役割とされ、技人国での現場配置は不法就労助長罪のリスクとなります。
  • ホテル・旅館業:フロントでの通訳案内や、海外向けWebサイトの翻訳・企画業務は適法です。しかし、「人手が足りないから」と、客室清掃、ベッドメイキング、レストランの配膳や皿洗いなどが常態化していれば、専門的知識を要する業務とは認められません。
  • 飲食業:「店舗マネジメント」や「通訳が必要な接客」の名目で採用し、実態が通常のホール接客や厨房での調理・仕込みばかりであれば、単純労働とみなされ該当性が否定されます。また一店舗のみの管理業務は、技人国の該当性があるとは言えません。

入管のガイドラインには非常に重要な一文があります。

「一般的に、求人の際の採用基準に『未経験可、すぐに慣れます。』と記載のあるような業務内容や、学歴要件を満たしていない日本人従業員が一般的に従事している業務内容は対象となりません。」

つまり、大学などで学んだ「学術上の素養を背景とする一定水準以上の専門的能力」が不要な単純労働(現業)は、一切認められないということです。

【例外】実務研修はどこまで許されるか?

ここで人事担当者様からよく出る質問が「では、新入社員に自社の商品を知ってもらうための現場研修も違法になるのか?」というものです。

入管の審査は「活動全体」を捉えて判断します 。ガイドラインでは、「入社当初に行われる研修の一環であって、今後専門業務を行う上で必ず必要となるものであり、日本人についても入社当初は同様の研修に従事する場合」には、一時的な現場業務も許容されるとしています。 ただし、これには詳細な「キャリアプラン」と「研修計画書」の提出が必要であり、期限の定めのない現場配置は不許可の対象となります。

 

2の要件:上陸許可基準適合性(「誰が・いくらで」の審査)

次は上陸許可基準の確認です。上陸基準省令(法務省令)に定められた具体的な要件で、主に申請者自身に求められる要件です。

【省令原文】学歴・職歴の基準

入管は、申請人が以下のいずれかに該当し、必要な技術・知識を修得しているかを審査します。

  •  当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して大学を卒業し、又はこれと同等以上の教育を受けたこと。
  •  当該技術若しくは知識に関連する科目を専攻して本邦の専修学校の専門課程を修了(専門士)したこと。
  •  10年以上の実務経験(関連科目を専攻した期間を含む)を有すること。

国際業務の場合は、3年以上の関連業務の実務経験が必要。ただし大卒者が翻訳・通訳・語学指導に従事する場合は実務経験不要。)

実務上の重要点:【大卒 vs 専門卒】審査の明確な差

実務担当者が絶対に知っておくべきは、この「専攻科目と業務の関連性」の判断基準における、大卒と専門卒の明確な差です。

  • 大学卒業・高等専門学校(高専)卒業の場合:大学は「広く知識を授ける機関」と法律で定義されています。そのため、専攻科目と業務の関連性は、実務上、広く柔軟に判断されます。例えば「文学部を出てIT企業の企画営業職に就く」といったケースでも、履修科目や業務内容を論理的に結びつければ許可の可能性が十分にあります。高専や海外の大学もこれに準じます。
  • 専門学校卒業(専門士)の場合:専修学校は「職業能力の育成」を目的とする機関です。そのため、関連性の判断は原則として極めて厳格(相当程度の関連性が必要)です。学校のカリキュラムと実際の業務が直結していなければなりません。
  • 【最新の特例】 ただし、令和5年の告示により、文部科学大臣の認定を受けた「認定専修学校専門課程修了者」については、質の高い教育を受けたとみなされ、大学に準じて柔軟に関連性が判断されるという特例が設けられました。採用時に、候補者の専門学校がこの認定を受けているか確認することは非常に重要です。

実務上の重要点:報酬(給与)の基準

「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」が必要です。 これは、外国人であることを理由にした賃金差別がないかを厳しく見るものです 。自社の日本人新卒と同等の基本給を設定しなければなりません。

ここで実務上の大きな落とし穴があります。ガイドラインに明記されている通り、入管が審査する「報酬」には、「通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの」は含まれません。 基本給を不当に低く設定し、手当で水増しして日本人と同等に見せかけようとしても、審査では手当を除外して計算されるため、「報酬要件を満たさない」として不許可になります。

 

3の要件:相当性(これまでの在留態度の審査)

3つ目の柱が「相当性」です 。これは国内にいる留学生を採用する際の変更申請(法第20条第3項)や、就労中の更新申請(法第21条第3項)において、法務大臣が「適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り」許可できるとされているものです。

ここでは、外国人本人の「これまでの在留態度(素行)」が問われます。

素行不良の判断基準

いくら大卒で優秀でも、以下のような点があれば「素行が善良ではない(相当性なし)」として不許可になります。

  • 出席率の不良:合理的な理由なく学校の出席率が低い場合はマイナス評価です。
  • 資格外活動違反(オーバーワーク):ガイドラインには「恒常的に1週について28時間を超えてアルバイトに従事しているような場合には、素行が善良であるとはみなされません」と明記されています。これは明確な「不法就労」であり、これが発覚すれば不許可になる可能性があります。

法的義務の履行

また、入管法に定める義務を果たしているかも審査されます。 引っ越しをした際の「住居地届出」はもちろんのこと、転職や退職をした際の「所属機関に関する届出」、在留カードの更新義務などを怠っていると、相当性の判断において極めて不利になります。

 

付随要件:入管が把握する情報との矛盾

この3大要件に付随して、実務担当者の皆様に強く警戒していただきたいのが、入管の「情報の矛盾」に対する厳しさです。

【情報の矛盾という最大の罠】
入管は、外国人本人が過去の来日時に提出したあらゆる情報を検索可能な状態で保管しています。
  • EDカード(入国カード)との矛盾:過去に観光で来日した際のEDカードに「経営者」と書き、今回のビザ申請で「当時は技術者だった」と申告した場合、入管はこの些細な矛盾を逃さず、申請内容全体の信ぴょう性を疑います。
  • 過去の申請記録との矛盾:以前別の会社で申請した際の職歴と、今回の職歴が食い違っていれば、「虚偽の書類作成」とみなされ、不許可へ直結します。 このような場合、合理的な理由書と客観的証拠を用いて、入管の疑義を丁寧に払拭する高度な対応が求められます。

さらに、過去に不法残留で退去強制を受けた履歴や、1年以上の懲役・禁錮刑、薬物違反の履歴がある場合は、「上陸拒否事由(入管法第5条)」に該当し、そもそも日本での就労は不可能です。

まとめ

技人国ビザの要件をまとめます。

  1. 在留資格該当性:業務内容が専門的であり、単純労働の混在がないか。
  2. 上陸許可基準適合性:学歴・職歴(関連性の厳しさは大卒と専門卒で異なる)、および手当を除外した適正な基本給が設定されているか。
  3. 相当性:過去の出席率、オーバーワークの有無、各種届出義務の履行状況は問題ないか。

この3つが揃って初めて、適法な雇用が成り立ちます。 2026年からは、製造現場などでの「実地調査」が格段に増えることが予想されます。「人手不足だから」と業務内容をごまかしたり、候補者の過去の履歴を確認せずに採用してしまうと、不許可になるだけでなく、企業側が不法就労助長罪に問われるリスクがあります。

人事担当者の皆様は、次回の更新を待たずに、今すぐにでも社内の外国人の「実際の業務実態」と「過去の入管への申告記録」の棚卸しを強くお勧めします。 不安がある場合は、自己判断せず、専門家である行政書士法人タッチまでご相談ください。

最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。

 

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター
帰化申請サポートセンター
就労ビザサポートセンター
永住ビザサポートセンター
経営管理ビザサポートセンター
ビザサポートセンター

外国人雇用に関するお悩み
まずは無料相談をご活用ください。

全国対応。企業様、監理団体様、登録支援機関様、それぞれの課題を解決する
サポートをご用意しております。

資料をダウンロード
申し込みフォーム
不法就労防止ガイドブックで
御社のリスクをチェック
ダウンロード

外国人雇用に関するお悩み
まずは無料相談をご活用ください。

全国 / 多言語 対応

埼玉オフィス
048-400-2730
東京オフィス
03-6825-0994
English
070-9372-1406
中文
070-8920-2303