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K-1ビザで入国した後のグリーンカード申請ガイド
- 2026年04月20日

CR1・IR1ビザの実務で時間がかかりやすいのは、書類の取得作業と、米国市民側の財政証明(I-864)の整理です。戸籍、婚姻証明、過去の婚姻終了証明、警察証明、健康診断、I-864、関係を裏付ける資料が、米国側のUSCIS、NVC、在日米国大使館の三段階に分かれて求められる点が、配偶者ビザ特有の難しさです。
この記事では、日本にお住まいの方がCR1・IR1ビザを準備する場合に必要となる書類を、I-130と一緒に提出するもの、NVC段階でアップロードするもの、面接で持参するものに分けて整理します。CR1・IR1ビザの全体の流れと費用については、別記事「CR1・IR1配偶者ビザの申請費用と流れ」で扱っています。
目次
CR1・IR1ビザの書類は、大きく三つの段階に分かれて提出します。
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段階 |
提出先 |
主な書類 |
|---|---|---|
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① I-130提出 |
USCIS(米国) |
米国市民の証明、婚姻証明、過去婚姻終了証明、関係を裏付ける書類 |
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② NVC段階 |
NVC(CEACでアップロード) |
I-864と財政書類、戸籍、婚姻証明、警察証明、DS-260 |
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③ ビザ面接 |
在日米国大使館・領事館 |
DS-260確認書、パスポート、健康診断、原本書類一式 |
K-1ビザの必要書類と比べると、CR1・IR1では「すでに成立した婚姻が法的に有効かつ誠実なものであること」を示す書類と、「米国市民側に経済的に支える能力があること」を示すI-864関連書類の比重が大きくなります。NVCにアップロードした書類でも、戸籍などの市民書類の原本は面接当日にも持参する必要があるため、面接当日まで原本を保管しておくことが前提です。
最初のステップであるForm I-130は、米国市民側がUSCISへ提出します。日本側でも内容を把握しておくと、書類間の整合性を保ちやすくなります。
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書類 |
内容 |
|---|---|
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Form I-130本体・I-130A |
米国市民スポンサーが署名・提出。I-130Aは申請者の補足情報(海外居住の場合は署名不要) |
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米国市民であることの証明 |
米国出生証明書、米国パスポート、帰化証明書、海外出生米国市民登録証明書(CRBA)など |
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婚姻証明 |
日本で婚姻された場合は、戸籍謄本または婚姻届受理証明書(後述) |
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過去の婚姻終了証明 |
離婚判決書、死亡証明書など(双方に過去婚姻歴がある場合) |
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パスポート用写真 |
米国市民側と申請者側それぞれ |
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関係を裏付ける書類 |
共同名義、共同生活、写真、家族との関わりなど |
過去にI-130を複数回提出している場合や、米国市民側に一定の犯罪歴がある場合は、追加説明やウェイバーの検討が必要となることがあります。アダム・ウォルシュ児童保護・安全法(Adam Walsh Act)が関係する事案など、特殊な事情がある場合は米国弁護士に確認するのが安全です。
I-130が承認されてNVCに案件が届くと、領事電子申請センター(Consular Electronic Application Center / CEAC)上で書類のアップロードが本格化します。NVC段階で提出する書類は、大きく「Affidavit of Support(I-864)関係」と「Civil Documents(市民書類)」に分かれます。
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書類 |
内容 |
|---|---|
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Form I-864(扶養宣誓書)と財政書類 |
米国市民スポンサーが署名。直近の連邦税務申告書、W-2、給与明細、雇用証明、銀行残高証明など |
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共同スポンサー資料 |
必要な場合、共同スポンサーのI-864、税務・収入資料 |
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出生証明(戸籍) |
戸籍謄本と英訳 |
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婚姻証明 |
婚姻届受理証明書または戸籍上の婚姻記載と英訳 |
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過去の婚姻終了証明 |
離婚届受理証明書、外国の離婚判決書、死亡届受理証明書等と英訳 |
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警察証明書 |
16歳以降に一定期間以上居住した国の警察証明書 |
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DS-260 |
本人ごとに作成・送信する移民ビザ申請書 |
NVCは原則として書類のスキャン版(PDF)を受け付けますが、原本は面接当日に持参する必要があります。NVCは提出書類を審査し、不備があればCEAC上でメッセージを送ってきます。「Documentarily Qualified」と表示されると、面接日程の調整に進みます。
CR1・IR1ビザで日本人側の中心になるのが、戸籍と婚姻証明です。米国国務省のJapan Reciprocity Scheduleでは、日本人については戸籍が出生・婚姻・離婚・死亡のすべてを記録する書類として位置付けられており、配偶者ビザでもこれが基本資料になります。
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書類 |
内容 |
|---|---|
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戸籍謄本(全部事項証明書) |
出生、婚姻、離婚、子の有無等を確認する基本書類 |
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改製原戸籍・除籍謄本 |
過去の婚姻歴等が現在の戸籍に表示されていない場合に必要となることがある |
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婚姻届受理証明書 |
婚姻届を提出した自治体で発行。米国市民との婚姻のみを切り出して証明したい場合に有用 |
日本人と米国市民との婚姻の場合、米国市民側は外国人として戸籍に独立した記載がなされず、日本人側の戸籍に配偶者として米国市民の氏名・生年月日などが記載される形になります。そのため、配偶者ビザでは戸籍謄本そのものが「婚姻証明」として機能することが多くなりますが、案件によっては婚姻届受理証明書を別途求められることもあるため、面接前のチェックリストで確認します。戸籍関係書類は英訳を添付するのが原則で、欄外注記、改製事由、本籍地まで完全に翻訳し、翻訳者の署名入り認証文を添付します。
申請者または米国市民側に過去の婚姻歴がある場合、当該婚姻が法的に終了していることを示す書類が必要となります。
日本で離婚された方は、現在の戸籍だけでなく改製原戸籍まで遡って離婚事実が読み取れるか確認しておくと安心です。本籍地を移している場合は、転籍前の本籍地の市区町村に除籍謄本の請求が必要になることがあります。米国市民側に過去婚姻歴がある場合は離婚判決書を取得しますが、州によっては発行に時間がかかるため、I-130段階から早めに動いておくのが安全です。
警察証明書は、申請者本人について、過去16歳以降に一定期間以上居住した国のものを提出します。日本では「犯罪経歴証明書」「渡航証明書」と呼ばれ、住民登録のある都道府県警察本部等の指定窓口が担当します。窓口や予約の要否、発給までの日数は都道府県により異なるため、管轄の警察本部の最新案内をご確認ください。申請手順の詳細は別記事「K-1ビザの必要書類と交際証明」もご参照ください。
CR1・IR1で押さえておきたいのは、NVCにアップロードする際は封のされた封筒の写し(外観のスキャン)のみを送り、警察証明書本体は開封せずに面接当日まで保管する点です。封が破れていると無効になる場合があります。健康診断は、面接日程が通知されてから在日米国大使館が指定する医療機関で受けます。検査結果が封筒で渡された場合は開封せずに持参し、電子的に送付される場合は医療機関の案内に従います。移民ビザではK-1の段階よりもワクチンに関する確認が広めに行われる傾向があるため、母子手帳や予防接種記録は早めに整理しておくと安心です。
CR1・IR1ビザで特に重要なのが、米国市民側のI-864(扶養宣誓書)です。米国国務省の案内では、I-864は、申請者が米国の公的扶助に頼らずに生活できることを示すための法的拘束力のある契約として位置付けられています。
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書類 |
内容 |
|---|---|
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Form I-864本体 |
米国市民スポンサーが署名 |
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連邦税務申告書(Tax Return / Tax Transcript) |
通常は直近1年分。NVCはTax Transcriptを推奨 |
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W-2、給与明細、雇用証明 |
現在の収入状況の裏付け |
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銀行残高・資産証明 |
資産で所得不足を補う場合に有用 |
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米国でのドミサイル証明 |
米国の住所、賃貸契約、公共料金、就職予定、子の学校登録など |
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共同スポンサー資料 |
所得不足の場合、共同スポンサーが署名するI-864と財政資料 |
I-864は、世帯規模に応じて連邦貧困ガイドラインの125%以上の所得を求める運用となっています(現役の米軍人で配偶者または子のスポンサーとなる場合は100%)。基準額は毎年更新されるため、申請時の最新案内をご確認ください。また、I-864を提出する米国市民側は原則として米国にドミサイル(生活の本拠)が必要であり、長く日本で生活している方が請願者となる場合は、米国へのドミサイル復帰の意思や計画をどう示すかが論点になります。
K-1ビザ面接時のI-134(扶養宣誓書)と名前は似ていますが、要件と責任の重さは異なり、I-134にI-864と同じ収入基準がそのまま適用されるわけではないとされています。I-864は、申請者が米国市民になるか、社会保障法上40クォーター分の労働を満たすまで原則として責任が継続するとされており、CR1・IR1では最初からI-864が中心になる点が、K-1経由でAOSへ進むケースとの違いです。
CR1・IR1の段階でも、二人の婚姻関係が誠実なものであることを示す資料は重要です。K-1の「交際証明」とは性格が異なり、結婚式の記録や共同生活の証拠が中心となります。代表的な資料は、
などです。新婚で渡米される方は結婚準備や挙式の記録、長期の遠距離婚姻の方は連絡記録・対面記録・渡航記録が中心となります。
申請者に未婚で21歳未満の子どもがいる場合でも、その子どもが自動的に配偶者のCR1・IR1申請に含まれるわけではありません。子どもについても移民を希望される場合、米国市民との親子関係・継親子関係など、移民法上の条件を確認したうえで、原則として子どもごとに別途I-130を提出し、DS-260、パスポート、出生関係書類、警察証明書(16歳以上)、健康診断などを揃える必要があります。
特に注意が必要なのは、申請者の元配偶者との間に生まれた子どもを連れて渡米するケースです。親権・監護権の整理、元配偶者の同意、出国に関する裁判所の判断などが必要となる場合があり、戸籍だけでは対応できない論点が出てきます。複雑なケースでは、日本側の家事・親権の専門家、米国側の弁護士との連携が望ましいです。
NVCが「Documentarily Qualified」と判断し、面接日程が通知されたら、面接当日に持参する書類を整えます。在日米国大使館の移民ビザ案内では、
などが想定されています。NVCにアップロード済みの書類でも、面接当日には原本を持参するのが原則です。在日米国大使館は、必要書類が揃わない場合は面接予約を取り直すよう案内しています。
日本語で発行された書類は、原本に加えて英訳を添付して提出するのが原則です。英訳には、翻訳者が「自分は英訳に十分な能力があり、訳は完全かつ正確である」旨を記した署名入りの認証文を付します。公証は不要とされています。戸籍は欄外注記、改製事由、本籍地まで全文翻訳し、婚姻届受理証明書や離婚届受理証明書は、自治体の押印・公印・発行日付まで含めて翻訳します。
CR1・IR1で起こりやすい不備は次のとおりです。
当事務所では、次のようなサポートを行っています。
過去の犯罪歴、入国拒否歴、ウェイバーが必要なケース、複雑な離婚・親権関係など、米国移民法上の判断が必要な場合は、米国弁護士との連携が望ましいことがあります。必要に応じて専門家の確認を取りながら進めることをおすすめします。
CR1・IR1ビザの必要書類は、米国側のI-130、NVC段階のCivil DocumentsとI-864、面接当日の原本一式という三つの段階に分かれます。日本人側で中心になるのは戸籍・婚姻証明・過去の婚姻終了証明・警察証明・健康診断、米国市民側で中心になるのはI-864を中心とする財政書類とドミサイル証明です。
書類の運用は時期によって変わることがあるため、申請前には必ず公式情報をご確認ください。
USCIS, Form I-130, Petition for Alien Relative
U.S. Department of State, Immigrant Visa for a Spouse of a U.S. Citizen (IR1 or CR1)
U.S. Department of State, Affidavit of Support
U.S. Department of State, Visa Reciprocity and Civil Documents by Country: Japan
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
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