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CR1・IR1配偶者ビザの申請費用と流れ|I-130、NVC、DS-260、面接まで

すでにアメリカ人と結婚されていて、これからアメリカで一緒に暮らす予定がある場合、有力な選択肢になるのが配偶者ビザ(CR1・IR1ビザ)です。これは米国市民の外国籍配偶者がアメリカへ渡航し、入国時点で永住者または条件付き永住者として生活を始めるための移民ビザです。

K-1ビザ(婚約者ビザ)と異なり、CR1・IR1は「結婚済み」の方を対象にした制度です。この記事では、日本に住む方がCR1IR1ビザを検討する際に知っておきたい、二つの区分の違い、費用の考え方、I-130NVCDS-260、面接、渡米までの流れを整理します。必要書類の詳細は、別記事「CR1IR1配偶者ビザの必要書類」で扱います。

 

CR1とIR1の違い

CR1とIR1は、どちらも米国市民の外国籍配偶者のための移民ビザです。違いは、米国へ入国する時点での婚姻期間にあります。申請時点ではなく、実際に米国へ入国する時点が基準になる点に注意が必要です。

項目

CR1

IR1

判定基準

入国時点で婚姻期間が2年未満

入国時点で婚姻期間が2年以上

渡米時の身分

条件付き永住者(Conditional Resident)

永住者(Lawful Permanent Resident)

グリーンカード

2年有効の条件付きカード

10年有効のカード

その後の手続き

2年経過直前にI-751で条件解除

通常はグリーンカード更新のみ

CR1・IR1は米国市民の配偶者の区分です。米国の永住者の配偶者はF2Aなど別カテゴリになり、待ち時間や条件が異なります。また、申請者に子どもがいる場合、その子どもが自動的にCR1IR1申請に含まれるわけではありません。子どもについては、通常、子どもごとに別途I-130等の手続きが必要になります。

 

全体の流れ

CR1・IR1ビザは、米国市民側の請願から始まり、USCISNVC、在日米国大使館・領事館を経て進みます。K-1と違い、渡米後にAOSを行うのではなく、入国時点で永住者ステータスを取得する点が大きな特徴です。

ステップ

主な内容

1

米国市民側がForm I-130をUSCISへ提出

2

USCISで請願内容を審査し、承認後NVCへ送付

3

NVCのWelcome Letter受領後、CEACで料金支払い

4

I-864と財政資料、市民書類をアップロード

5

DS-260(移民ビザ申請書)を作成・送信

6

NVCで書類審査。Documentarily Qualified後、面接日程へ

7

指定医療機関で健康診断、在日米国大使館・領事館で面接

8

ビザ発給後、有効期限内に渡米し、入国時点で永住者または条件付き永住者となる

 

申請費用の考え方

CR1・IR1では、USCISNVC、ビザ発給後の支払いなど、複数の段階で費用が発生します。以下は20264月確認時点の目安です。費用は変更される可能性があるため、申請前に必ず公式情報をご確認ください。

費用項目

2026年4月確認時点の目安

内容・注意点

Form I-130申請料

625米ドル(オンライン)/675米ドル(紙)

USCISへの請願書提出費用。G-1055で最新額を確認

扶養宣誓書(I-864)審査料

120米ドル

NVCがI-864を審査するための料金。AOS Feeと表示されることがある

移民ビザ申請処理料

325米ドル

DS-260に基づくビザ申請処理料。申請者ごとに発生

グリーンカード発行手数料(USCIS Immigrant Fee)

235米ドル

グリーンカード作成・郵送等の費用。通常、渡米前に支払う

その他

ケースにより異なる

健康診断、戸籍・警察証明・翻訳、写真、郵送、交通費、渡航費など

NVCで表示される「AOS Fee」は、ここではAffidavit of Support Fee(扶養宣誓書審査料)を意味します。K-1ビザ入国後のAOS(Adjustment of Status)とは別物です。配偶者ビザでは、入国後にAOS費用は発生しませんが、I-864、移民ビザ申請処理料、グリーンカード発行手数料など配偶者ビザ特有の費用があります。

 

I-130提出からUSCIS審査まで

最初のステップは、米国市民側が外国人親族請願書(Form I-130)をUSCISへ提出することです。I-130では、請願者が米国市民であること、二人の婚姻が法的に有効であること、婚姻が誠実な関係に基づくものであること、過去の婚姻が法的に終了していることなどが確認されます。

また、米国市民側が日本など米国外で長く生活している場合、I-864段階で米国のドミサイル(生活の本拠)を維持または再構築する意思をどう示すかが論点になることがあります。I-130が承認されると、案件はNVCへ送られます。

 

NVCでの手続きとDS-260

NVCに案件が届くと、ケース番号と請求書IDが記載されたWelcome Letterが届きます。これを使ってCEACにログインし、料金支払い、I-864、財政資料、市民書類、DS-260をオンラインで進めます。

NVC段階

内容

料金支払い

I-864審査料と移民ビザ申請料をCEACで支払う

I-864・財政資料

税務申告書、Tax Transcript、W-2、雇用証明、必要に応じ共同スポンサー資料を提出

市民書類

戸籍、婚姻証明、警察証明、パスポートコピーなどをアップロード

DS-260

移民ビザ申請書を本人ごとに作成・送信する

NVC審査

NVCで提出書類の確認が完了すると、「書類完備(Documentarily Qualified)」の状態となり、面接日程の調整に進みます

DS-260は英語入力が原則です。住所履歴、職歴・学歴、家族情報、過去の渡米歴、SNSアカウント情報、安全保障関連質問など項目が多いため、戸籍やI-130I-864との整合性を確認しながら進めます。別途申請対象となる子どもがいる場合は、その子どもについてもDS-260を作成します。

 

I-864と市民書類

CR1・IR1で特に重要なのが、米国市民側のI-864(扶養宣誓書)です。I-864は、申請者が米国の公的扶助に頼らず生活できることを示すための法的拘束力のある契約です。K-1面接時のI-134とは異なり、責任の重さと要件が大きく異なります。

書類

内容

Form I-864本体

米国市民スポンサーが署名

Tax Transcript / 税務申告書

通常は直近1年分。NVCはTax Transcriptを推奨

W-2・給与明細・雇用証明

現在の収入状況の裏付け

米国市民であることの証明

米国出生証明書、米国パスポート等

共同スポンサー資料

必要な場合、共同スポンサーのI-864、税務・収入資料

申請者側は、戸籍、婚姻証明、警察証明などの市民書類をNVCへアップロードします。NVCに提出した書類でも、面接当日は原本を持参する必要があります。

 

健康診断と面接

NVCの審査が完了し、面接日程が通知されると、面接前に在日米国大使館が指定する医療機関で健康診断を受けます。検査結果が封筒で渡された場合は開封せずに持参し、電子的に送付される場合は医療機関の案内に従います。母子手帳や予防接種記録がある方は持参すると、確認が進みやすくなります。

面接では、結婚に至った経緯、結婚後の生活、これまでの対面・同居・遠距離期間、米国市民側の仕事や収入、ドミサイル、渡米後の住居・生活設計、過去の婚姻歴、提出書類との整合性などが確認されます。新婚直後の方と、長期の遠距離婚姻の方では、説明すべきポイントが変わります。

 

ビザ発給後の渡米と永住者ステータス

ビザが発給されたら、ビザ面に記載された有効期限内に渡米します。一般には発給日から最長6か月程度とされますが、健康診断の有効期間等により短くなる場合もあるため、発給後は有効期限を必ず確認してください。ケースによっては、入国時に提出する移民書類パケットが渡されることがあります。電子処理の場合を含め、発給時の案内に従います。

入国時点で、CR1の場合は条件付き永住者、IR1の場合は永住者となります。K-1と異なり、入国後にAOSは不要です。グリーンカードが届くまでは、入国時にパスポートに押されるI-551スタンプが暫定的な永住者の証明として機能します。USCIS Immigrant Feeは、グリーンカード発行のために忘れずに支払います。

 

CR1の場合:2年後の条件解除

CR1で入国した方は、2年間の条件付き永住者としてスタートします。2年経過の直前90日以内に、Form I-751で条件解除を申請する必要があります。通常は米国市民配偶者と共同で申請し、婚姻が継続していること、結婚詐欺ではないことを示す資料を提出します。

I-751では、共同名義の口座、共同税務申告、保険、賃貸契約、子どもの出生証明、共同写真など、入国後の婚姻継続を示す資料が中心になります。離婚、死別、DVなど一定の事情がある場合は、共同申請の免除(ウェイバー)を検討することがあります。

 

注意したいポイント

  • CR1かIR1かは入国時点の婚姻期間で変わるため、渡米時期がI-751の有無に影響する
  • 米国市民側が長く日本に住んでいる場合、米国のドミサイルをどう示すかが論点になる
  • I-864の所得基準や共同スポンサーの要否は早めに確認する
  • DS-260、I-130、戸籍、I-864、面接回答に不一致があると追加確認につながる
  • ビザ発給後は有効期限を確認し、仕事・住居・引っ越しを逆算して計画する

     

    当事務所でサポートできること

    当事務所では、日本にお住まいの方がCR1・IR1ビザを検討する際に、全体の流れの整理、I-130段階で意識すべき情報整理、戸籍・婚姻証明・離婚関係書類の確認、I-864に関する所得・資産・共同スポンサー・ドミサイルの整理、DS-260作成、警察証明書、健康診断、大使館手続き、面接準備、CR1の場合のI-751に向けた基本情報整理などをサポートしています。

    複雑な不許可事由、犯罪歴、過去のオーバーステイ、入国拒否歴、I-751のウェイバーなど、米国移民法上の専門判断が必要なケースでは、米国弁護士との連携が望ましいことがあります。必要に応じて専門家の確認を取りながら進めます。

     

    まとめ

    CR1・IR1ビザは、米国市民の外国籍配偶者が最初から永住者としてアメリカで生活を始めるためのビザです。I-130、NVC、I-864、DS-260、健康診断、面接を経て渡米し、CR1の場合は2年後のI-751条件解除まで見据える必要があります。

    K-1と異なりAOS費用は不要ですが、I-864の所得要件、ドミサイル要件、NVC書類、市民書類の原本管理など、配偶者ビザならではの論点があります。審査期間や手続き方法は変わる可能性があるため、申請前には必ず公式情報を確認し、余裕を持って準備を進めましょう。

     

    参考資料・公式リンク

    USCIS, Form I-130, Petition for Alien Relative

    U.S. Department of State, Immigrant Visa for a Spouse of a U.S. Citizen (IR1 or CR1)

    U.S. Department of State, The Immigrant Visa Process

    U.S. Department of State, Affidavit of Support

    U.S. Department of State, Fees for Visa Services

    USCIS, Fee Schedule (G-1055)

    U.S. Embassy & Consulates in Japan, Visas

    U.S. Embassy Tokyo, Immigrant Visa Process

    この記事の監修者
    行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
    2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
    2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
    専門分野 外国人在留資格、帰化申請
    外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
    セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
    運営サイト 行政書士法人タッチ
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