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K-1ビザの申請費用と全体の流れ|I-129Fから面接・渡米後90日以内の結婚まで

アメリカ人の婚約者と結婚し、将来的にアメリカで一緒に生活する予定がある場合、選択肢の一つになるのが婚約者ビザ(K-1 visa)です。

K-1ビザは、米国市民の婚約者である外国籍の方が、アメリカへ渡航し、入国後90日以内にその米国市民と結婚するためのビザです。日本に住んでいる日本人の方が、アメリカ人の婚約者と結婚してアメリカへ移住するケースでも、よく検討される手続きです。

ただし、K-1ビザは「婚約者として渡米できるビザ」ではありますが、ビザを取得すればそれで手続きが終わるわけではありません。渡米後90日以内の結婚、その後のステータス変更・永住権申請(Adjustment of Status / AOS)まで見据えて準備する必要があります。

この記事では、日本に住む方がK-1ビザを検討する際に知っておきたい、申請費用の考え方、全体の流れ、I-129F提出から面接、渡米後90日以内の結婚までを整理します。

なお、米国ビザの費用・必要書類・審査期間・大使館での運用は変更されることがあります。本記事は一般的な情報であり、個別案件の結果を保証するものではありません。実際に申請する際は、必ず米国政府・在日米国大使館等の公式情報をご確認ください。

 

K-1ビザとは

K-1ビザは、米国市民と婚約している外国籍の方が、アメリカで結婚するために渡米するビザです。日本語では「婚約者ビザ」と呼ばれることが多いですが、単なる交際相手の訪問ビザではありません。

K-1ビザの基本的な特徴は、次のとおりです。

項目 内容
対象者 米国市民の外国籍婚約者
目的 渡米後、米国市民の婚約者と結婚すること
結婚期限 アメリカ入国後90日以内
請願者 米国市民側
主な請願書 外国人婚約者請願書(Form I-129F)
渡米後 結婚後にAOSによるグリーンカード申請が必要

ここで大切なのは、K-1ビザは米国市民の婚約者のための制度だという点です。米国の永住者、つまりグリーンカード保持者の婚約者は、原則としてK-1ビザの請願者にはなれません。

また、K-1ビザは観光ビザやESTAとは目的が異なります。短期旅行、友人訪問、観光のための制度ではなく、アメリカで米国市民の婚約者と結婚し、その後アメリカでの永住手続きへ進むことを前提にしたビザです。分類上は「非移民ビザ」ですが、結婚後にAOSへ進むことが予定されている点で、通常の観光ビザや短期滞在ビザとは性質が異なります。

一方で、K-1ビザでアメリカに入国した時点で、自動的にグリーンカードが発行されるわけではありません。入国後90日以内に、I-129Fを提出した米国市民の婚約者と結婚し、その後、米国内でAOSを行う必要があります。

なお、K-1ビザ申請者に一定の条件を満たす未婚の子どもがいる場合、その子どもはK-2ビザの対象となり得ます。K-2についても別途DS-160の作成や申請料が必要となるため、お子様連れで渡米を検討される場合は、早めに条件と手続きの流れを確認しておくと安心です。

 

K-1ビザの全体像

K-1ビザの手続きは、日本側だけで完結するものではありません。最初の入口は、アメリカにいる米国市民側がUSCISに請願書を提出するところから始まります。米国市民スポンサーがForm I-129FUSCISへ提出し、承認後にNVCを経て、婚約者が住む国の米国大使館・領事館へ送られる流れになります。

全体像を簡単に整理すると、次のようになります。

ステップ 主な内容
1 米国市民側が外国人婚約者請願書(Form I-129F)をUSCISへ提出
2 USCISで請願内容を審査
3 承認後、NVCを経由
4 在日米国大使館・領事館でのK-1ビザ手続きへ進む
5 DS-160を作成
6 必要書類を準備
7 指定医療機関で健康診断
8 大使館・領事館で面接
9 ビザ発給後、アメリカへ渡航
10 入国後90日以内に米国市民の婚約者と結婚
11 結婚後、AOSによるグリーンカード申請

このように見ると、K-1ビザは「日本の大使館で面接予約を取って終わり」という単純な手続きではありません。米国側の請願、日本側のビザ申請、渡米後の結婚、さらにグリーンカード申請まで続く一連の流れとして考える必要があります。

 

申請費用の考え方

K-1ビザでは、いくつかの段階で費用が発生します。特に注意したいのは、「K-1ビザを取得するまでの費用」と「渡米後にAOSを行う費用」は別に考える必要があるという点です。

主な費用項目は、次のとおりです。

費用項目 2026年4月確認時点の目安 内容・注意点
Form I-129F申請料 675米ドル 米国市民側がUSCISへ請願書を提出する際の費用。金額はUSCIS Fee Schedule(G-1055)で最新額を確認します。
Kビザ申請料 265米ドル DS-160に基づくKビザ申請の手数料。支払方法や日本円での支払額は、申請時の案内に従います。
健康診断費用 医療機関により異なる 指定医療機関での健康診断費用。ワクチン接種等により追加費用が発生する場合があります。
書類取得・翻訳費用 ケースにより異なる 戸籍、警察証明、離婚関係書類、英訳などの取得・準備費用。
写真・郵送・コピー費用 ケースにより異なる 証明写真、書類整理、郵送等にかかる費用。
面接・渡航関連費用 ケースにより異なる 面接地までの交通費、渡米航空券等。
AOS費用 別途発生 結婚後、米国内でグリーンカード申請を行う費用。Form I-485等の費用は申請時点のUSCIS Fee Scheduleで確認します。

2026年4月確認時点では、Form I-129FUSCIS申請料は675米ドルKカテゴリーの非移民ビザ申請処理手数料は265米ドルとされています。ただし、いずれも変更される可能性があります。I-129FUSCIS Fee ScheduleG-1055)、Kビザ申請料は米国国務省のFees for Visa Servicesおよび在日米国大使館・申請システムの案内で最新情報を確認してください。

また、米国国務省のK-1ビザ案内では、費用項目として、Form I-129Fの提出費用、DS-160に基づく非移民ビザ申請料、健康診断費用、翻訳・コピー・各種証明書取得費用、面接地までの移動費用、さらに結婚後のForm I-485によるAOS費用が挙げられています。

そのため、K-1ビザを検討する際は、「ビザが出るまでいくらかかるか」だけではなく、「渡米後に結婚して、AOSを行うところまで含めてどのくらいの費用を見ておくか」を早めに整理しておくことが大切です。

 

I-129F提出からUSCIS審査まで

K-1ビザの最初のステップは、日本側の申請者が大使館に直接ビザ申請をすることではありません。まず、米国市民側がUSCISに外国人婚約者請願書(Form I-129F)を提出します。

この段階では、主に次のような点が確認されます。

  • 請願者が米国市民であること
  • 二人が法的に結婚できる状態であること
  • 真剣に結婚する意思があること
  • 原則として、過去2年以内に実際に対面していること
  • 過去の婚姻歴がある場合、離婚や死別などにより法的に終了していること

    K-1申請では、両者が請願時から結婚まで法的に結婚可能な状態であること、また原則として過去2年以内に実際に会っていることが重要な確認事項になります。

    この段階で重要になるのが、二人の関係の経緯や婚約の真実性です。ただし、写真、渡航歴、メッセージ履歴、家族への紹介、婚約の経緯など、いわゆる交際証明の具体的な整理方法については、別記事「K-1ビザの必要書類と交際証明」で詳しく扱います。

    ここでは、I-129Fの段階から「二人の関係をどのように説明するか」「書類上の情報に矛盾がないか」を意識しておくことが大切です。

     

    NVCから在日米国大使館・領事館での手続きへ

    USCISでI-129Fが承認されると、案件はNVCを経由し、申請者が居住する国の米国大使館・領事館での手続きへ進みます。日本に住んでいる方の場合、在日米国大使館・領事館の案内に従って、K-1ビザ申請を進めることになります。

    ここから先は、日本側の申請者が準備する作業が増えてきます。主な内容は、DS-160の作成、必要書類の準備、健康診断、面接準備です。

    K-1ビザは非移民ビザに分類されるため、申請書としてはオンライン非移民ビザ申請書(DS-160)を使用します。ただし、通常のBビザのように「短期滞在の目的を説明する」手続きとは性質が異なります。K-1では、婚約者との関係、結婚意思、渡米後90日以内の結婚予定、米国市民側の情報などが、全体として一貫していることが重要になります。

    また、在日米国大使館・領事館の手続きは、時期によって予約方法、提出方法、案内の細部が変わることがあります。NVCからの案内、在日米国大使館のKビザ関連ページ、申請システムの最新案内を必ず確認してください。

     

    DS-160、健康診断、面接

    DS-160

    DS-160は、氏名、生年月日、住所、渡航目的、米国内連絡先、職歴・学歴、過去の渡航歴、家族情報、安全保障関連質問などを入力するオンライン申請書です。

    K-1ビザでもDS-160を使用しますが、単に空欄を埋めればよいというものではありません。I-129Fで提出した情報、戸籍・離婚関係書類、パスポート、婚約者の情報、面接での回答が大きく食い違わないように整理しておく必要があります。

    たとえば、過去の婚姻歴、子どもの有無、過去の米国渡航歴、米国市民婚約者の住所や連絡先などは、面接でも確認されやすい項目です。

    健康診断

    K-1ビザでは、面接前に指定医療機関で健康診断を受ける必要があります。健康診断の予約方法、必要な持ち物、ワクチン記録、結果の取扱いは、申請時点の案内に従って確認します。

    特に、過去の予防接種記録を持っている方は、早めに整理しておくと、その後のAOS手続きでも役立つ場合があります。

    面接

    面接では、二人の関係が本物か、結婚意思があるか、過去の婚姻歴に問題がないか、米国市民側がどのような人物か、渡米後の予定に不自然な点がないかなどが確認されます。

    よく確認されるテーマとしては、次のようなものがあります。

    • いつ、どこで出会ったか
    • 交際が始まった経緯
    • これまで何回会ったか
    • 婚約の経緯
    • 結婚後どこに住む予定か
    • 米国市民婚約者の仕事や生活状況
    • 過去の結婚・離婚歴
    • 提出書類との整合性

      面接質問の細かな例や回答準備については、別記事で詳しく整理します。この段階では、「暗記した回答を作る」よりも、二人の関係の流れを自然に説明できるようにしておくことが大切です。

       

      K-1ビザ発給後の渡米と90日以内の結婚

      K-1ビザが発給されると、パスポートにビザが貼付されます。K-1ビザでの入国は、ビザの有効期間内に1回の入国が可能であり、ビザの有効期間は発給日から最長6か月とされています。さらに、K-1ビザ保持者は、米国入国後90日以内に米国市民の婚約者と結婚しなければなりません。

      ここで特に注意したいのは、結婚相手はI-129Fを提出した米国市民の婚約者であるという点です。K-1ビザで入国した後、別の相手と結婚して、そのままAOSを進めるという前提の制度ではありません。

      また、「90日以内に結婚できなかった場合、簡単に延長できる」と考えるのも危険です。K-1ビザは、入国後90日以内の結婚を前提とした制度です。結婚式の日程、必要な書類、州ごとの婚姻手続き、家族の予定などは、渡米前から現実的に考えておく必要があります。

       

      結婚後はAOSによるグリーンカード申請が必要

      K-1ビザで入国し、90日以内に結婚しても、それだけでグリーンカードが自動的に届くわけではありません。

      結婚後は、米国内でステータス変更・永住権申請(Adjustment of Status / AOS)を行います。主な中心書類は、永住者登録・ステータス変更申請書(Form I-485)です。

      AOSでは、Form I-485のほか、扶養宣誓書(Form I-864)、健康診断関係、就労許可(EAD)や渡航許可(Advance Parole)を申請するかどうかなど、別の論点が出てきます。

      ただし、本記事はK-1ビザ取得までと入国後90日以内の結婚までの全体像を扱う記事です。AOSの具体的な必要書類、費用、就労許可、渡航許可、面接などについては、別記事「K1ビザ_入国後グリーンカード申請ガイド」で詳しく解説します。

       

      K-1ビザで注意したいポイント

      K-1ビザでよく問題になりやすいポイントを整理します。

      交際証明が弱い

      K-1ビザでは、二人の関係が本物であることが重要です。写真が数枚あるだけ、メッセージ履歴が断片的、対面の記録が少ない、家族や友人との関係が見えにくい場合は、説明の仕方を工夫する必要があります。

      申請内容と面接回答が一致しない

      I-129F、DS-160、提出書類、面接での回答に食い違いがあると、追加確認や審査遅延につながることがあります。特に、出会った時期、交際開始時期、婚約日、過去の渡航歴、住所、職歴などは、早めに整理しておくと安心です。

      過去の離婚歴の整理不足

      日本人側または米国市民側に過去の婚姻歴がある場合、離婚が法的に成立していることを証明する書類が必要になります。日本の戸籍、離婚届受理証明書、外国の離婚判決書など、ケースによって準備すべき書類が変わります。

      入国後のAOS費用を考えていない

      K-1ビザでは、ビザ取得後に渡米し、結婚してからAOSを行います。つまり、K-1ビザ申請段階の費用だけでなく、渡米後のグリーンカード申請費用も見込んでおく必要があります。

      90日ルールの位置づけを誤解している

      K-1ビザは、「90日間アメリカで一緒に生活してから、結婚するかどうかを考える」ための制度ではなく、入国時点で米国市民の婚約者と結婚する意思があることを前提とした制度です。仮に90日以内に結婚できなかった場合、原則として延長は認められず、ビザのステータスは失効します。

      待ち時間や費用を固定的に考えている

      USCISの審査期間、NVCから大使館への移行、面接予約、追加審査、健康診断、書類取得には時間がかかることがあります。費用や待ち時間は変更されるため、「以前の体験談ではこうだった」という情報だけで予定を組まないよう注意が必要です。

       

      当事務所でサポートできること

      当事務所では、日本にお住まいの方がK-1ビザを検討する際に、手続き全体の整理から書類準備、面接準備まで、実務上の流れに沿ってサポートを行っています。

      主なサポート内容は、次のとおりです。

      • K-1ビザ全体の流れの整理
      • ご事情に応じた必要書類の確認
      • I-129F段階で意識すべき情報整理
      • 交際証明の整理方針のアドバイス
      • DS-160作成サポート
      • 面接に向けた想定質問の整理
      • 過去の婚姻歴・戸籍関係書類の確認
      • 健康診断や大使館手続きの流れの確認
      • 渡米後のAOSに向けた基本的な流れの整理

        K-1ビザは、米国側の請願、日本側の大使館手続き、渡米後の結婚とAOSがつながる手続きです。そのため、最初の段階から全体像を見て準備することが大切です。

        なお、米国移民法上の判断や、複雑な不許可事由、犯罪歴、過去のオーバーステイ、入国拒否歴、特殊な離婚・親権関係などがある場合には、必要に応じて米国弁護士等の専門家による確認が必要になることがあります。

         

        まとめ

        K-1ビザは、米国市民の婚約者がアメリカへ渡航し、入国後90日以内に結婚するためのビザです。日本に住む日本人の方が、アメリカ人の婚約者と結婚してアメリカで生活を始める場合、有力な選択肢の一つになります。

        ただし、K-1ビザは「取得して終わり」のビザではありません。米国市民側によるForm I-129Fの提出、USCIS審査、NVC経由、在日米国大使館・領事館でのDS-160・健康診断・面接、ビザ発給後の渡米、90日以内の結婚、そして結婚後のAOSまで、一連の流れとして考える必要があります。

        特に、費用面では、K-1ビザ申請までの費用だけでなく、渡米後のAOS費用も見込んでおくことが大切です。また、審査期間や手続き方法は変わる可能性があるため、申請前には必ず公式情報を確認し、余裕を持って準備を進めましょう。

        早い段階で全体の流れ、必要書類、費用、面接準備、渡米後の予定を整理しておくことで、手続きの見通しが立てやすくなります。

         

        参考資料・公式リンク

        U.S. Department of State, Nonimmigrant Visa for a Fiancé(e) (K-1)

        USCIS, Visas for Fiancé(e)s of U.S. Citizens

        USCIS, Form I-129F

        U.S. Embassy & Consulates in Japan, Visas

        U.S. Department of State, Fees for Visa Services

        USCIS, Fee Schedule (G-1055)

        この記事の監修者
        行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
        2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
        2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
        専門分野 外国人在留資格、帰化申請
        外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
        セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
        運営サイト 行政書士法人タッチ
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