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トランプ政権でアメリカビザ審査はどう変わった?|2025-2026年の変更点まとめ

「以前より面接に呼ばれるようになったと聞いた」
ESTAの手続きが変わったらしい」
「アメリカビザが、なんだか取りにくくなったのでは」

——2025年以降、こうしたご相談が目に見えて増えています。

実際、2025年から2026年にかけて、アメリカの入国・ビザ審査は短い期間で大きく変わりました。面接の免除が縮小され、SNS(ソーシャルメディア)の審査が広がり、ESTAの手数料や写真の扱いも変更されています。一つひとつは別々のニュースに見えますが、背景にあるのは「審査をより厳格にする」という一貫した流れです。

本記事は20265月時点の情報です。アメリカの入国・ビザ運用は頻繁に更新されるため、申請前には必ず最新情報をご確認ください。

そもそも何が起きているのか|2025年以降の「厳格化」の全体像

20251月以降のアメリカ政府は、入国管理とビザ審査の方針を、「国家安全保障」と「不法移民対策」を前面に出す形で大きく見直してきました。その象徴が、20251月に出された大統領令14161号(外国人テロリストからの保護などを目的とするもの)です。

これを起点として、ビザやESTAの審査では、「申請者が本当に渡航目的どおりの人物か」「安全保障上の懸念がないか」を、これまで以上に踏み込んで確認する運用が広がっています。コロナ禍で一時的に緩和・簡素化されていた手続きが、相次いで元に戻され、さらに上乗せで厳しくなった、というのが大きな構図です。

日本から申請する方に関係する変更を整理すると、大きく次の5つになります。

主な変更点 時期 ひとことで言うと
面接免除の縮小 2025年9月~ 更新でも、子どもや高齢者でも、原則面接
SNS審査の拡大 2025~2026 過去5年分のSNS申告・公開設定が前提に
ESTAの変更 2025~2026 手数料アップ、セルフィー義務化・厳格化
トラベルバンの拡大 2025~2026 入国制限の対象国が19→39か国へ
手数料の新設・引き上げ 2025年~ 申請にかかる費用が全体的に上昇

以下、順番に見ていきます。

 

面接免除(インタビューウェーバー)の大幅縮小(20259月~)

最初の大きな変化が、面接免除(インタビューウェーバー)の縮小です。

何が変わったか

これまで、一定の条件を満たす更新申請や、14歳未満・80歳以上の申請者などは、領事館での面接を免除される運用がありました。コロナ禍以降に対象が広がっていたこの仕組みが、2025年に大きく縮小されました。

アメリカ国務省は20257月に方針変更を発表し、同年92日から運用を開始。さらに9月の追加更新を経て、101日以降は、ごく一部の例外を除き、ほぼすべての非移民ビザ申請者が領事官との対面面接を求められることになりました。

影響を受ける人|更新でも、子どもや高齢者でも面接

特に影響が大きいのは、次の2点です。

一つは、ビザの「更新」でも原則として面接が必要になったことです。これまで、同じカテゴリーのビザを更新する場合は面接を省略できるケースがありました。しかし現在は、F(留学)、J(交流訪問)、H-1B(就労)、O-1L-1E(駐在・投資)など、多くのカテゴリーで更新時も面接が前提になっています。

もう一つは、14歳未満・80歳以上という年齢による免除がなくなったことです。これまで小さな子どもや高齢者は面接を省略できることが多かったのですが、現在は原則として本人が領事館に出向く必要があります。家族で申請する場合、その分の負担が一気に増えることになります。

残されている主な例外

すべてが面接必須になったわけではありません。外交・公用ビザ(A、G、NATOなどの一部区分)は、引き続き免除の対象です。

観光・商用のB-1/B-2ビザについては、次の条件をすべて満たす更新であれば、引き続き面接免除の対象になり得ます。

  • 前回のビザ失効から12か月以内の更新であること
  • 前回のビザが満期有効で発給され、発給時に18歳以上だったこと
  • 国籍国または居住国で申請すること
  • 過去にビザを拒否されたことがない(または、その拒否が解消・免除されている)こと

ただし、これらの条件を満たしても、領事官の判断で面接が求められることはあります。面接免除の最新の対象範囲や、更新時の準備のポイントについては、別記事でくわしく解説しています。

実務上の注意|予約の取りづらさと前倒し

面接が必要な人が一気に増えたことで、世界的に面接予約が取りにくくなり、ビザ取得までの期間が長くなる傾向があります。渡航予定がある方は、従来より早めにDS-160の作成と面接予約に動くことが大切です。「直前に申請すれば間に合うだろう」という前提は、もう通用しにくくなっています。

 

ビザのSNS(ソーシャルメディア)審査の拡大(20252026年)

二つ目の大きな変化が、SNS(オンライン上の活動)審査の拡大です。

段階的に広がってきた経緯

ビザ申請でのSNS審査は、2025年から段階的に対象を広げてきました。

  • 20256月:FM(留学)、J(交流訪問)の申請者
  • 202512月:H-1B(就労)と、その家族のH-4
  • 2026330日:K-1(婚約者)、K-2K-3R(宗教活動)、H-3A-3G-5QSTUなど、14以上のカテゴリーに一挙拡大

この20263月の拡大によって、SNS審査は事実上、領事館で扱うほぼすべての主要な非移民ビザに及ぶようになりました。学生や就労者だけでなく、婚約者ビザや宗教活動ビザの申請者まで対象に含まれた点が、特に大きな変化です。

申請者がやるべきこと

対象カテゴリーの申請者には、現在おおむね次のことが求められています。

一つは、申請に使うDS-160で、過去5年間に使用したすべてのSNSアカウントを申告することです。現在使っていない、あるいは休眠中のアカウントも対象です。申告漏れは、審査の遅延や不許可の原因になり得ます。

もう一つは、面接前にSNSのプライバシー設定を「公開(public)」にし、審査期間中も領事官が確認できる状態に保つよう案内されている点です。投稿内容が渡航目的と矛盾していないか、安全保障上の懸念がないかが確認されます。

SNS審査で具体的に見られるポイントや、申告の注意点については、別記事でくわしく解説しています。

 

ESTAの変更|手数料・写真・SNS20252026年)

ビザだけでなく、ビザ免除プログラム(VWP)で使うESTA(電子渡航認証)でも、立て続けに変更がありました。日本国籍の短期渡航者の多くはESTAを利用するため、特に確認しておきたい部分です。

手数料の引き上げ

ESTAの申請手数料は、2025930日に21ドルから40ドルへ引き上げられ、さらに202611日のインフレ調整で40.27ドルとなりました。短い期間で約2倍になった計算です。家族全員分となると、無視できない金額になります。

顔写真(セルフィー)の義務化と厳格化

2025529日以降、ESTA申請では、パスポートの写真ページに加えて、申請者本人のカラー写真(セルフィー)のアップロードが必須になりました。

さらに20264月以降は、この写真の審査基準が強化されています。白またはオフホワイトの無地の背景で、影や模様・線がないこと、カメラに正面から向き合っていることなどが求められ、条件を満たさない写真では不承認となる可能性があります。写真が要件を満たしているかどうかの確認は、申請者自身の責任とされている点も重要です。ESTA写真の新しい撮り方や注意点については、別記事で解説しています。

SNS情報の今後

ビザに続き、ESTAでもSNS情報の提出を求める動きがあります。米国の税関・国境警備局(CBP)は、VWP対象国の渡航者に過去5年分のSNS履歴の申告を求める案を出しており、大統領令14161号がその根拠とされています。

ただし、これは2026年春時点で正式決定ではなく、ESTASNS欄は現在のところ任意入力です。とはいえ、今後義務化される可能性は十分にあるため、申請者は動向を確認しておくと安心です。

 

入国制限(トラベルバン)の拡大(20252026年)

審査の厳格化とあわせて、特定国の国民の入国・ビザ発給を制限する「トラベルバン」も拡大しました。20256月に19か国を対象に始まり、202512月の大統領令によって、202611日からは39か国(および、パレスチナ自治政府が発行する渡航文書の保持者)へと対象が広がっています。

日本国籍の方は、基本的にこの制限の対象ではありません。ただし、日本に住む外国籍の方がアメリカへの渡航やビザ申請を検討する場合は、自身の国籍が対象に含まれていないかを必ず確認する必要があります。対象国の場合、ビザの発給そのものが止まっていたり、有効期間が短縮されたりすることがあります。

 

手数料の新設・その他の厳格化

ここまで挙げたほかにも、申請者の負担や審査の厳しさを増やす変更が続いています。

代表的なのが、就労ビザH-1Bの一部申請に対する高額な追加手数料の導入や、ビザ申請全般にかかる新たな「ビザ・インテグリティ・フィー」の創設です。ただし、このビザ・インテグリティ・フィーは2026年春時点ではまだ徴収が始まっておらず、実施時期は未定とされています。なお、ESTA(ビザ免除プログラム)を利用する短期渡航では、このフィーは対象外とされています。また、入国時の生体情報(顔写真など)の収集強化や、審査に時間のかかる追加処理(いわゆる221(g))の増加なども報告されています。

全体として、「手続きが増え、費用が上がり、時間がかかる」方向に動いていると考えておくのが現実的です。

 

日本から申請する人への影響|実務的に気をつけたいこと

ここまでの変更を、日本から申請する方の目線でまとめると、押さえておきたいポイントは次の3つです。

第一に、早めの準備です。面接が前提になり、予約も取りにくくなっているため、渡航予定が決まったら早めにDS-160の作成と面接予約に着手することが重要です。観光・出張のように「日程が決まっている渡航」ほど、前倒しの準備が効いてきます。

第二に、申告の正確さです。SNSの申告漏れ、過去の渡航歴や違反歴の申告ミスなどは、これまで以上に審査に響きやすくなっています。少しでも判断に迷う点は、申請前に整理しておくのが安心です。

第三に、自分のオンライン上の情報の確認です。SNSの公開設定や投稿内容が、渡航目的と矛盾していないか、申請前に見直しておきましょう。

なお、「軽微な違反」が審査にどう影響するか、というのも、よくいただくご質問です。たとえば20264月から日本で始まった自転車の青切符のような軽微な違反が、ESTAやビザの審査にどう関わるのか(あるいは関わらないのか)については、別記事で具体的に解説しています。

 

よくある質問

観光でアメリカに行くだけですが、私にも関係ありますか?

はい、関係します。日本国籍の短期観光であればESTAを使う方が多いと思いますが、ESTAでも手数料の引き上げやセルフィー写真の義務化・厳格化といった変更があり、誰もが影響を受けます。また、ESTAが使えないケース(過去の渡航歴や違反歴など)でBビザに切り替える場合は、面接やSNS審査の対象になります。

これまで面接なしでビザを更新できていました。今回も同じですか?

いいえ、原則として変わりました。2025年9月~10月以降は、多くのカテゴリーで更新時も面接が必要です。観光・商用のB-1/B-2については、一定の条件を満たせば引き続き面接免除の可能性がありますが、条件を満たしていても領事官の判断で面接になることがあります。「前回は不要だったから今回も不要」とは考えず、面接がある前提で準備するのが安全です。

SNSは非公開(鍵アカウント)のままではダメですか?

対象カテゴリーの場合、面接前にプライバシー設定を「公開」にするよう案内されています。また、過去5年間に使ったアカウントはDS-160で申告が必要です。非公開のままにしたり、アカウントを申告しなかったりすると、審査の遅延や不許可につながるおそれがあります。投稿内容に不安がある場合は、削除して隠すよりも、事前に専門家と整理しておくことをおすすめします。

 

まとめ:厳格化の時代は「正確さ」と「準備」がより重要に

20252026年のアメリカビザ・ESTA審査は、面接・SNS・写真・手数料のいずれの面でも厳格化が進みました。一つひとつの変更は小さく見えても、合わさると、「準備不足のまま申請すると、遅延や不許可のリスクが高まる」という状況になっています。

逆に言えば、変更点を正しく把握し、申告内容と書類を矛盾なく整えておけば、過度に恐れる必要はありません。大切なのは、最新の運用を踏まえて、早めに・正確に準備することです。

行政書士法人タッチでは、Bビザをはじめとする各種アメリカビザについて、区分の判断、必要書類の整理、DS-160の作成、SNS・申告内容の確認、面接準備まで一貫してサポートしています。最新の審査状況を踏まえてご自身のケースを確認したい方は、まずは無料相談をご利用ください。

 

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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