テーマ別コラム
CR1・IR1配偶者ビザの申請費用と流れ|I-130、NVC、DS-260、面接まで
- 2026年07月03日

アメリカ就職で候補に上がる就労ビザのうち、H-1B は雇用主主導で進める代表的なビザです。ただし2027年度分は、初回登録期間がすでに終了し、上限枠の選考ルールにも変更が入ったため、従来と同じ感覚では見にくくなっています。
本稿では、まず H-1B の基本を短く押さえ、2027年度分で先に知っておきたい点、申請の流れ、採用後に会社と本人がそれぞれ何をするのか、OPT(卒業後の就労制度)や家族帯同との関係、必要書類、費用、期間、注意点までを順に整理します。
目次
H-1B を最初に理解するうえで重要なのは、次の3点です。
制度の細部よりも、「会社が主役で動くビザ」という性格を押さえておくと、以降の話の座標が取りやすくなります。
2027年度分について、先に押さえておきたい点は4つです。
(1) 初回登録はすでに終了している
米国市民権・移民局(USCIS)は、2027年度の初回登録期間を2026年3月4日正午から3月20日正午(米東時間)と案内し、3月31日には初回選考の完了を公表しました。2026年4月時点では、通常の新規 H-1B 登録に今から入るという考え方は現実的ではありません。
(2) 上限枠の選考ルールが変わった
USCIS は FY2027 から加重選考方式(weighted selection process)を実施しています。従来のランダム抽選に代えて、上限枠あり案件では、提示賃金水準の見え方が選考結果に影響しやすい仕組みへと見直されています。「抽選がある」という理解だけで動くと、現在の制度からはずれます。仕事内容だけでなく、オファーの賃金水準の見え方も、これまで以上に意味を持つようになっています。
(3) 一定の新規 petition(請願)で 100,000 ドルの追加負担
2025年9月21日以降に提出される新規 H-1B petition については、100,000 ドルの追加支払いが必要と案内されています。公表されている案内だけでは、申請形態によって扱いが分かれる余地もあるため、個別案件では代理人を通じて確認しておくのが安全です。いずれにしても、会社側にとっては判断の重い負担になり得る話であり、会社が本当にそこまで負担してでも進める前提なのかを、早めに確認しておくことが重要です。
(4) H-1B の正式な有効開始日は、原則として10月1日
米国の会計年度は10月1日に始まるため、FY2027 分の上限枠あり H-1B は、最短でも2026年10月1日から生効し、就労開始となります。選考で選ばれ、本申請が承認され、DS-160(オンライン非移民ビザ申請書)と面接を済ませても、実際に働き始められるのは10月1日以降です。この日付を先に押さえておくと、OPT の期限管理や入社日の交渉で時期を読み違えにくくなります。
H-1B は本人主導のビザではありません。上限枠あり案件では、おおむね次の順で進みます。
気になっている段階がこの流れのどこに位置するかを押さえておくと、以降の章が読みやすくなります。
H-1B で最初に動くのは、通常、本人ではなく会社側です。雇用主側が登録に向けた準備を進め、電子登録を経て、選考対象として提出されます。初めて検討する方ほど「まず自分がビザ申請書を用意するのでは」と考えがちですが、H-1B の入口はそこではありません。
また、登録期間を過ぎると、その年度の入口には乗れません。H-1B を視野に入れた就職・転職活動では、内定が出てからビザの話を始めるのでは遅いことがあり、採用のかなり前から会社とスポンサーの話ができている状態が現実的です。
選考で選ばれた後、すぐ本人が面接へ進むわけではありません。まずは会社側で本申請の準備に入ります。USCIS は、選ばれた登録について少なくとも90日間の petition 提出期間を設けると案内しており、この期間に雇用主が上限枠あり petition を提出します。
この段階では、職務内容の整理、賃金水準の根拠、必要書類の収集、代理人との調整など、外からは見えにくい実務が続きます。H-1B では「選ばれた=すぐ渡航準備」ではなく、選ばれた後から会社側の工程が本格化する、と捉えるほうが実態に近くなります。
USCIS の請願承認後、海外でビザを取得する場合は、DS-160 を作成し、在外公館での面接に進みます。多くの方が「アメリカビザ申請」と聞いてイメージする段階は、H-1B ではここからです。
H-1B は、会社側の登録・請願が先、本人の DS-160 と面接はその後という順番になります。そのうえで、実際に就労を開始できるのは、最短でも10月1日以降です。
米国の大学・大学院を F-1(学生ビザ)で修了し、OPT(卒業後の就労制度)で働きながら H-1B に切り替えるルートでは、H-1B が10月1日まで生効しないため、OPT の期限との間に「空白」が生まれうるのが論点です。パターンは次の4つに整理できます。
なお、100,000 ドルの追加支払いについては、米国内で F-1 身分を維持したまま身分変更で切り替えるケースは公表されている案内上は対象外として読めますが、身分変更が認められず在外公館での申請に切り替わる場合などは扱いが変わり得るため、早い段階で代理人と段取りを共有しておくのが安全です。
H-1B 本人は、配偶者と未婚・21歳未満の子を H-4(H-1B の家族帯同ビザ)として帯同できます。運用上のポイントは次のとおりです。
共働きを前提に米国移住を検討する場合は、H-1B 本人側の移民プロセスの進み具合まで合わせて見立てておく必要があります。
H-1B の必要書類は、会社側で中心になるものと、本人が後半で準備するものに分けて考えると整理しやすくなります。
H-1B では制度の話題に目が向きやすい一方、承認後の DS-160 確認ページ、写真、面接予約時の情報確認といった基本的な部分で、最後に慌てることが少なくありません。承認後は、一つずつ確実に確認していくほうが安全です。
H-1B の費用は、本人に見えやすいものと、会社側で大きくかかるものに分かれます。
本人の立場で見える費用は、在外公館でのビザ申請手数料、写真代、面接地までの交通費などが中心です。一方、制度全体で見ると、登録、本申請、代理人費用、書類整備、スケジュール管理など、会社側の負担のほうがずっと大きくなります。
加えて、2章で触れた 100,000 ドルの追加支払いが関わるケースでは、会社側の判断の重さがさらに増します。実務上は、「本人がいくら払うか」よりも、会社側で実際に負担して進める見通しが立っているかのほうが、先に問題になりやすい構造です。
FY2027 でも、初回登録は3月上旬から下旬、初回選考は3月末でした。H-1B を前提に動く場合、採用のかなり前から会社とスポンサーの話ができているほうが、その年度のスケジュールに乗りやすくなります。内定後に初めてビザの話を切り出すと、その年度の登録期間に間に合わないことがあります。
選考で選ばれてから、本申請・承認・DS-160・面接・ビザ発給と段階が続き、就労開始は最短でも10月1日です。承認や面接日程が見える前に航空券や引越し予定を固めすぎると、後から動きにくくなることがあります。実際の準備は、進行状況を見ながら組むほうが安全です。
「その会社が本当にスポンサーできるか」は、早い段階で確認しておきたいポイントです。話だけが進んで、後から「今年は対応できない」「社内決裁が通らない」となると、時間を大きく失うことがあります。
2027年度分は、初回登録も初回選考も一巡しています。「まだ普通に今年分に入れるはず」という前提で動くと、就職・転職活動の見通しがずれます。
FY2027 からは加重選考方式が導入されており、完全ランダム前提の説明は現在の制度からはずれます。賃金水準の見え方が選考に効くようになっているため、オファーの中身と提示条件の両方を見ておくことが大切です。
この追加負担は、金額の問題である以上に、会社が本当にそこまで負担してでも進める前提かを判断する材料になります。スポンサー意思の現実性に関わる論点として扱っておくと、その後の段取りで迷いにくくなります。
米国で学位を取って OPT で働いている方ほど、Cap-Gap Extension の条件(OPT 有効期間中の期限内提出、身分変更の指定)を後から確認することになりがちです。H-1B の生効時期や Cap-Gap の適用関係まで含めて、身分と就労をどうつなぐかは、内定時点で雇用主・代理人・学校の留学生担当者(DSO)と擦り合わせておくと安全です。
制度論に比べて、DS-160、面接準備、確認書類といった後半実務は軽く扱われがちです。実際にはここで止まる相談も少なくないため、最初から流れ全体を順に見ておくことが有効です。
2026年4月時点では、初回登録期間は終了し、初回選考も完了しています。今から通常の新規登録を前提に組み立てるのは難しい段階です。まずは、今年度分として残された道があるのか、次年度に向けて準備を切り替えるのかを、早めに整理するほうが実務的です。
スポンサー表明があっても、登録時期、選考、本申請、100,000 ドルの取り扱い、10月1日までの身分繋ぎなど、途中で判断が必要になる論点は複数あります。表明の時点で固まっているのは「方針」までであることが多いため、スケジュールと費用負担まで含めて早めにすり合わせておくと安全です。
OPT が有効なうちに雇用主が身分変更を指定した上限枠あり H-1B petition を期限内に提出していれば、Cap-Gap Extension により、F-1 身分と OPT の就労許可が自動的に延長されます。2025年1月の規則改定で、延長の終点が翌4月1日まで拡張されているため、H-1B の承認が10月1日に間に合わない場合でも、同じ雇用主での就労を継続できる余地があります。OPT の残期間、petition の提出時期、身分変更指定の3点が揃っているかを、内定時点で雇用主と確認しておくと安全です。
必ずしもそうではありません。公表されている案内からは、米国内で F-1 身分を維持しながら身分変更で H-1B に切り替えるケースは追加支払いの対象外として読めます。ただし、身分変更が認められず在外公館での申請に切り替わった場合などは扱いが変わり得るうえ、この領域は運用が更新される可能性もあるため、早めに代理人と枠組みを共有しておくのが安全です。
原則としてすぐには働けません。H-4 の配偶者が EAD を取得して就労できるのは、H-1B 本人の I-140 が承認されている場合、または H-1B が AC21 に基づく6年超の延長に入っている場合に限られます。共働きを前提にする場合は、H-1B 本人側の移民プロセスの進み具合も合わせて見立てておく必要があります。
学位・職歴・職務内容の整理、提示される職務が H-1B の前提に沿うかの確認、採用側の過去スポンサー実績の把握、家族帯同が必要な場合は H-4 EAD の見込みまで含めた設計など、通年で進められる準備は多くあります。登録期間が始まってから動き出すよりも、通年で整えておくほうが、選択肢は広がります。
H-1B は、アメリカで専門職として働くための代表的な就労ビザですが、実際の進み方には次のような特徴があります。
H-1B を検討するときは、「自分が条件に合いそうか」よりも先に、会社がスポンサーできるか、今年度のスケジュールに乗れるか、H-1B 生効までの身分と就労をどう繋ぐか、費用負担まで含めて実際に進められる前提なのか、を確認することが大切です。流れを順に見ていけば、何を先に確認すべきかはかなり整理できます。
U.S. Citizenship and Immigration Services, H-1B Specialty Occupations
U.S. Citizenship and Immigration Services, H-1B Electronic Registration Process
U.S. Citizenship and Immigration Services, H-1B Cap Season
U.S. Department of State, DS-160: Online Nonimmigrant Visa Application
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 就労ビザサポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター ビザサポートセンター |
アメリカビザに関するお悩み
まずは無料相談をご活用ください。
全国対応。個人・法人問わず、皆様のアメリカビザの課題を解決する
サポートをご用意しております。
スムーズな申請に向けて、
まずは無料相談をご活用ください