非常に多くの外国人が日本に住み、人手不足の産業が多い現在において、外国人の雇用を積極的に行ってゆきたいと考える事業主様も多いかと思います。
この記事では、日本国内にある企業が外国人を雇用するにあたって、どのような手続きが必要なのかについて解説させていただきます。
目次
外国人を雇用するには
①在留資格の確認
②就労ビザの取得が可能かどうかの確認
③雇用契約の締結(内定後)
④就労ビザの申請
⑤雇用(就労スタート)
といった流れで行うとスムーズです。
①在留資格の確認
日本にいる外国人は何らかの在留資格をもって在留しています。
その在留資格によって就労の可否が決められています。在留資格を確認するには、外国人が携帯している「在留カード」に在留資格が書かれています。
「日本人の配偶者等」「永住者」「永住者の配偶者等」「定住者」等の在留資格を持つ外国人は、日本人と同じように職種制限なく雇用することができます。
②就労ビザの取得が可能かどうかの確認
上述のような職種制限なく就労できる以外の外国人を雇用するにあたり、就労ビザが取得できるかどうかを確認しておくことは採用をする際に重要なポイントです。
なぜならば、就労ビザが取得できないと当然働くことはできず、採用のプロセスが無駄になってしまうからです。
就労ビザ(正式には「技術・人文知識・国際業務」という在留資格)が取得できるかどうか確認をする際に重要な点は2点です。
入社後に従事する職務は、在留資格の範囲内であるか
就労ビザでは様々な職種が認められていますが、認められた職種での雇用でしかビザの許可はおりません。
外国人の学歴や職歴が従事する職種に対応しているか
就労ビザを希望する外国人は大卒等の卒業資格を持っていることが必要です。
またその専攻科目が、職務内容に対応していなくてはいけません。大卒等の卒業資格がなくても、同様の職種での職歴が10年以上あればビザの取得が可能です。
③雇用契約の締結(内定後)
外国人を面接し採用となり内定をだしたら、雇用契約書を作成します。
就労ビザを申請するのに、雇用契約書は出入国管理局に提出しなくてはいけないので、労使双方が合意した雇用契約書の作成が必要です。
この雇用契約書には但し書きとして「正当な就労可能な在留資格の許可及び在留期間の更新を条件として効力を発効する」等と書き入れ、さらに外国人本人にも口頭で説明するとよいでしょう。
④就労ビザの申請
雇用契約書が作成されると、次は就労ビザの申請です。雇用する外国人によって手続きが異なります。
【外国にいる外国人を日本に呼び寄せて採用する場合】
採用する外国人の勤務予定地を管轄する地方出入国在留管理局に会社側から「在留資格認定証明書交付申請」を行います。
この証明書は雇用する会社に交付され、その原本を外国人へ送付し、外国人がその証明書とパスポートを持って日本大使館または領事館で査証の証印をもらい来日し、入国した空港等で証明書に応じた在留カードの付与をうけます。
【日本で既に就労している外国人を採用する場合(同職種で転職)】
外国人が既に日本で就労している場合は、何らかの就労ビザを持って働いていることになります。
前述のとおり就労ビザは活動内容によって発行されるものですので、その就労ビザでは雇用しようとする会社で働けるかとはかぎりません。ですので、それを入国管理局に判断し確認してもらう「就労資格証明書交付申請」を行うことを推奨いたします。
この申請を行わず雇用していると、ビザ更新ができずに雇用を継続できなく可能性もあります。それは本人にとっても会社にとっても不利益となりますので、必須ではありませんが、かならずこの交付申請は行うことをおすすめします。
【就労不可な在留資格を保持した外国人を採用する場合】
この場合には現在の在留資格では就労できないことになっていますので、採用する外国人が従事する職務に応じた新しい在留資格に変更する申請「在留資格変更許可申請」を行います。
在留資格の変更は「法務大臣が在留資格の変更を適当をと認めるに足りる理由があるときに限り、法務大臣の裁量により許可される」と規定されていますので、外国人採用の手順を正しく追って間違いのない申請をすることが重要です。
【日本に留学している外国人を採用する場合】
留学生は「留学」という在留資格を持っているので、それを変更する「在留資格変更許可申請」を行います。
上記の申請と同じ名前の申請ですが、実際に入国管理局に提出する書類は異なります。尚、申請はその外国人の住所地を管轄する地方出入国在留管理局にて行います。
⑤雇用
無事就労ビザの取得ができたら、正式に雇用開始となります。
まとめ
このように日本人を雇用する場合と比べて手続きも多く煩雑のように思えるため外国人を採用したいけれど、と躊躇される、または優秀な外国人が採用に応募してきたけれど採用していいのかと戸惑われるケース等もあるかと思いますが、手順を踏んで正しくビザの申請をすれば外国人に就労ビザがおりて雇用することは可能ですので、ぜひ一度当事務所までご相談ください。
この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士
湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
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