テーマ別コラム

アメリカ Jビザ完全ガイド
- 2026年07月03日


目次
パスポートは、出張・駐在の準備の中でもっとも基本的な書類です。それだけに、「まだ有効期限が残っているから大丈夫」と確認を後回しにされがちですが、米国渡航では、有効期限とは別に「査証欄(ビザページ)の残り」が問題になります。
そして日本のパスポートについては、2023年と2025年に、企業の渡航管理に直接影響する変更が起きています。査証欄の増補(ページの追加)制度が廃止されたことと、新しい旅券の導入により交付までの期間が延びたことです。従来の感覚のまま「足りなくなったら増補すればよい」「1週間もあれば取れる」と考えていると、渡航直前に対応できない事態になりかねません。
この記事では、①残存期間の考え方、②査証欄に必要なページ数、③日本側の制度変更2点、④会社としての管理方法、の順に整理します。
パスポートについて会社が管理すべき項目は、大きく2つに分かれます。
|
管理項目 |
何を見るか |
不足した場合 |
|---|---|---|
|
残存期間 |
有効期限が渡航予定日・滞在予定期間に対して十分か |
新しいパスポートの取得が必要 |
|
査証欄の残り |
空白のページが何ページ残っているか |
増補はできないため、新しいパスポートの取得が必要 |
このうち査証欄は、有効期限とは独立して尽きます。有効期限が3年残っていても、渡航が多い社員はページが先になくなります。有効期限だけを管理していると、この点を見落とします。
米国への渡航者には、原則として滞在予定期間の終了後6か月以上の残存期間が求められます。ただし、米国当局(CBP)が公表する免除国のリストに掲載されている国の国民は、この6か月ルールの適用を免除され、滞在予定期間中有効であれば足りるとされています。日本はこの免除の対象に含まれています(2026年8月確認時点)。
もっとも、実務上は次の点に注意が必要です。
米国のビザは、カードや別紙ではなく、パスポートに貼付される形で発給されます。したがって、ビザを印刷するための空白ページが物理的に必要です。
在英国米国大使館のFAQでは、この点について次のように案内されています。米国ビザはパスポートまたは渡航文書に印刷されるため、ビザの印刷用に1ページの空白が必要であり、加えて、米国への入国が認められた場合のスタンプ用に、さらに少なくとも1ページの空白があることをCBPが推奨している、とされています。
つまり、新規にビザを取得して渡米する場合、最低でも2ページ程度の空白を見込んでおく必要があります。ページが1ページしか残っていない状態でビザを申請すると、その後の入国スタンプで詰まることになります。
なお、米国務省の旅券に関する案内では、渡航先によっては2〜4ページの空白を求められることがあり、要件を満たさない場合に搭乗を認めない航空会社があるとされています。米国以外を経由・訪問する出張では、より多くの余白が必要になり得ます。
ここが、企業の渡航管理でもっとも見落とされやすい変更です。
かつて日本のパスポートには、査証欄に余白がなくなった場合にページを追加する「増補」という制度がありました。比較的低額な手数料で、その場に近い形で対応でき、渡航の多い社員にとって便利な仕組みでした。
この増補制度は、旅券法令の改正により、2023年(令和5年)3月27日をもって廃止されました。 現在は、査証欄に余白がなくなっても、ページを追加することはできません。
代わりに、次のいずれかの申請を行うことになります。
|
選択肢 |
内容 |
|---|---|
|
残存有効期間同一旅券 |
有効期間が、元のパスポートの残存有効期間と同じ新しいパスポート(2026年7月1日申請分から18歳以上が対象。18歳未満は切替申請) |
|
切替申請 |
新たな有効期間(5年または10年)のパスポート |
在外公館の案内では、査証欄の余白が見開き3ページ以下になった場合に、このいずれかの申請を行うこととされています。外務省の在外公館向けオンライン申請の案内でも、切替申請の対象者として「残存有効期間が1年未満となった方」と並んで「査証欄の余白が見開き3ページ以下の方」が挙げられています。
渡航管理上の含意は明確です。 「余白がなくなってから対応する」のではなく、見開き3ページ以下になった時点で手続きに入る必要があります。そして次に述べるとおり、その手続きには従来より時間がかかります。
なお、この見開き3ページという水準は目安とされており、旅券事務所の案内では、渡航予定が多いために3ページ以上残っていても足りない見込みがある場合は、申請窓口に相談できる旨が示されています。渡航頻度の高い社員については、3ページを待たずに相談・申請を検討する余地があります。
2025年3月24日から、偽造・変造対策を強化した「2025年旅券」の発給が始まりました。この変更にともない、作成の方式が変わっています。
外務省の案内によれば、従来は申請を受理した都道府県の旅券事務所等でパスポートを作成・交付していましたが、2025年旅券は国立印刷局で集中的に作成し、都道府県等へ配送のうえ交付する方式になりました。
その結果、交付までに要する期間が次のように示されています。
外務省の案内は、海外旅行を計画したらパスポートの申請も早めに行うよう求め、目安として旅行の1か月前までの申請を示しています。
駐在中の社員がパスポートを更新する場合、現地の大使館・総領事館経由となり、2週間〜1か月程度を見込む必要があります。 出張の予定が詰まっている社員にとっては、この期間中パスポートが手元にない状態をどう調整するかが実務上の課題になります。
なお、パスポートの手数料は改定されることがあります。最新の額は外務省または申請先の案内でご確認ください。
以上を踏まえ、渡航管理の実務として次の運用をおすすめします。
パスポートを更新しても、旧パスポートに貼られた米国ビザは、有効期限内であれば引き続き使用できるとされています。米国務省のFAQでは、ビザが有効で、破損しておらず、渡航の主たる目的に適した種類のビザであれば、新旧2冊のパスポートを携行して渡米できるとされています。ただし、両方のパスポートが同じ国の同じ種類のものであることなど、条件が示されています。
実務上は、渡航者本人が2冊を確実に携行すること、そして旧パスポートを紛失しないことが重要になります。会社としては、更新後に旧パスポートをどう保管・携行させるかを、本人へ明示しておくとよいでしょう。
確認すべきです。査証欄は有効期限とは独立して尽きます。渡航が多い社員ほど、有効期限より先に査証欄がなくなります。
できません。増補制度は2023年3月27日をもって廃止されました。残存有効期間同一旅券または切替申請により、新しいパスポートを取得することになります。
米国大使館の案内では、ビザの印刷用に1ページ、加えて入国スタンプ用にもう1ページの空白があることが推奨されています。他国を経由・訪問する場合は、さらに必要になり得ます。
外務省の案内では、国外(大使館・総領事館)での申請から交付まで2週間〜1か月程度とされています。出張予定との調整が必要です。
有効期限内のビザは、旧パスポートに貼られたままでも引き続き使用できるとされています。新旧2冊の携行など条件がありますので、詳細は渡航前にご確認ください。
パスポートの発給・更新手続きそのものは、都道府県の旅券事務所または在外公館の所管です。 当事務所が代わって申請を行うものではありません。
当事務所(行政書士法人タッチ)では、ビザ申請の準備という観点から、申請前のパスポートの状態の確認(残存期間、査証欄の残り、既存ビザの有無)、パスポート更新とビザ申請の順序についてのご相談、申請全体のスケジュール設計、DS-160等の作成サポート、面接に向けた準備をサポートしています。渡航管理の仕組みづくりについてもご相談いただけます。
米国移民法上の専門的な判断が必要な場合は、米国提携弁護士(Valvo & Associates)と連携して対応します。
パスポートの管理項目は、有効期限と査証欄の2つです。査証欄は有効期限とは独立して尽きるため、有効期限だけを管理していると見落とします。
米国ビザはパスポートに貼付されるため、ビザの印刷用に1ページ、入国スタンプ用にもう1ページの空白が推奨されています。日本国籍者は6か月ルールの適用を免除され、滞在予定期間中有効であれば足りるとされていますが、航空会社や経由国の要件は別途確認が必要です。
そして日本側では、2つの重要な変更があります。査証欄の増補は2023年3月27日をもって廃止され、余白が見開き3ページ以下になった時点で新しいパスポートを申請することになりました。また2025年旅券の導入により、交付までに国内で2週間程度、国外で2週間〜1か月程度を要するようになっています。
「足りなくなってから対応する」という運用は、もはや成り立ちません。見開き3ページ以下になった時点で動き出すこと(この水準は目安であり、渡航頻度の高い社員は3ページを待たずに相談できるとされています)、そして渡航予定から逆算して余裕をもって申請することが、渡航管理の実務上の要点です。
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別案件に対する法的助言ではありません。パスポートの発給・更新は都道府県の旅券事務所および在外公館の所管であり、手続き・手数料・所要期間の詳細は申請先の案内をご確認ください。ビザの発給可否は在日米国大使館・総領事館による個別審査であり、入国の可否や滞在可能期間は入国時に米国当局(CBP)が判断します。残存期間・査証欄に関する要件は、渡航先の国、航空会社の運用によっても異なります。制度・運用は変更される可能性があるため、渡航前に必ず最新の公式情報をご確認ください。(2026年8月確認時点)
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 就労ビザサポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター ビザサポートセンター |
アメリカビザに関するお悩み
まずは無料相談をご活用ください。
全国対応。個人・法人問わず、皆様のアメリカビザの課題を解決する
サポートをご用意しております。
スムーズな申請に向けて、
まずは無料相談をご活用ください