インドネシア人を在留資格「特定技能」で受け入れたいと考えている企業が増えています。
日本政府とインドネシア政府との間では、二国間協定が締結されており、インドネシア人人材を受け入れやすい体制が整備されています。
ただ、受け入れに当たっては、様々な手続きが必要になります。この記事では、どのような手続きが必要なのか解説します。
目次
インドネシア人の 特定技能 受入れ:二国間協定の基礎
特定技能制度とは、日本において人材不足が深刻な業界において、外国人労働者を受け入れることにより、労働力不足を解消することを目的とした制度です。
在留資格「特定技能」により人材を採用できる業種は、「人材を確保することが困難な状況にある産業上の分野(=特定産業分野)」に限られ、採用できる外国人は、「一定の専門性・技能を有し即戦力となる外国人」に限られています。
特定技能制度を活用するにあたり、日本政府は人材を日本に送り出す国家との間で二国間協定を締結しています。
インドネシアとの間でも、「インドネシアとの特定技能に関する協力覚書」が交わされており、これに基づいて、インドネシア人の労働者を在留資格「特定技能」で受け入れるための手続きや制度が定められています。
インドネシア政府が誓約した重要事項とは
インドネシア政府は、自国の労働者を海外に送り出すためのシステムを整備しています。
主なシステムは次の3つです。
● 労働市場情報システム(IPKOL)
● インドネシアの職業紹介事業者制度 (P3MI)
● インドネシア政府の海外労働者管理サービスシステム (SISKOP2MI)
労働市場情報システム(IPKOL)とは、日本の受入機関がインドネシアに在住する方を直接採用する際に利用できるシステムです。
インドネシア政府が管理しており、特定技能制度により日本での就職を希望しているインドネシア国籍の方が求職登録しているので、日本の受入機関は、めぼしい人材を見つけたら、直接スカウトできます。
インドネシアの職業紹介事業者制度 (P3MI)とは、インドネシアにおける職業紹介事業者の許可制度のことです。
日本側の職業紹介事業者がインドネシアの職業紹介事業者と連携する際は、P3MIの登録を受けている業者と連携することが求められています。
日本の受入機関は、日本側の職業紹介事業者とインドネシアの職業紹介事業者 (P3MIの登録事業者)を介して、インドネシア人の人材を採用することができます。
インドネシア政府の海外労働者管理サービスシステム (SISKOP2MI)とは、日本に渡航して働くインドネシア人を管理、把握するための制度です。
インドネシア国籍の方は、日本へ渡航するための査証申請を行う前に、SISKOP2MIの登録を行い、インドネシア在外労働者保護庁のID番号の発行を受けることが求められています。
日本側(受入れ企業+登録支援機関)の誓約と義務
インドネシア人を受け入れた受入れ企業や登録支援機関に関する情報は、インドネシア政府とも共有されます。
例えば、受入れ企業が不正などを行った場合は、インドネシアでも公表されてしまいます。この場合、受入れ企業が再度人材を募集しようとしても、なかなか人が集まらなくなる状況が想定されます。
また、日本の受入れ企業がインドネシアに在住する方を直接採用する際は、労働市場情報システム(IPKOL)を使うように求められています。
これは義務ではありませんが、日本企業で働きたいインドネシア人の多くが、IPKOLを使っていることから、受入れ企業も利用したほうが効率よく人材を探せるものと考えられます。
さらに、雇用契約書は、インドネシア政府の確認を受ける必要があります。
IPKOLを利用して人材を探す場合は、雇用契約書をIPKOLに電子データで登録します。
また、P3MIを利用する場合は、雇用契約書(暫定版)等を駐日インドネシア大使館に提出し、確認を受ける必要があります。
インドネシア人を受け入れる2つのルート
インドネシア人を受け入れる方法としては、インドネシア在住者を採用するか、既に日本に在留するインドネシア人を採用する方法の2つがあります。
インドネシア在住者を採用する場合の流れ
インドネシア在住者を採用する場合は、次の2つの方法があります。
● インドネシア政府が管理する労働市場情報システム(IPKOL)に登録して求人する。
● インドネシアの職業紹介事業者 (P3MIの登録事業者)と連携する日本の職業紹介事業者を介して人材を紹介してもらう。
いずれの手順で人材を探した場合でも、まずは、応募してきたインドネシア人の方と雇用契約を締結します。
その後、受入企業は地方出入国在留管理局に対して在留資格認定証明書交付申請を行います。「在留資格認定証明書」が交付されたら、インドネシア人に送付します。
インドネシア人は、海外労働者管理サービスシステム (SISKOP2MI)に登録して、ID番号の発行を受け、在インドネシア日本国大使館・総領事館に査証申請を行います。査証発給とSISKOP2MIから移住労働者証(E–PMI)の発行を受けてから、在留資格「特定技能」で日本に入国するという流れになります。
日本に既に在留するインドネシア人を特定技能で受け入れる場合の手続き
日本に既に在留するインドネシア人を特定技能で受け入れる例としては、例えば、日本に在留する技能実習生や留学生を特定技能外国人として採用するケースが想定されています。
この場合、受入企業として行うべきことは、在留資格変更許可申請がスムーズに行えるように必要書類を用意することです。
まず、受入企業は、技能実習生や留学生などのインドネシア人との間で雇用契約を締結します。
その後、インドネシア人の方は、SISKOP2MIに登録して、ID番号と移住労働者証(E–PMI)の発行を受けます。
雇用契約書を駐日インドネシア大使館に提出するとともに、海外労働者登録手続きを行い、登録手続済証明(推薦状)の交付を受けます。
そして、地方出入国在留管理局で在留資格変更許可申請を行い、許可が下りたら、在留資格「特定技能」で働くことができるようになります。
手続きフローを押さえる:求人から就労開始までのステップ
インドネシア人人材の求人から就労開始までのステップは次のとおりです。
1. インドネシア人を受け入れるための計画と体制を整備する。
2. インドネシア人の求人を行う。
3. 地方出入国在留管理局における手続きを行う。
4. インドネシア人側の手続きの支援を行う。
5. インドネシア人の来日、受け入れ。
6. 就労開始。
インドネシア人を在留資格「特定技能」で働かせる場合は、受入企業が在留資格「特定技能」の要件を満たす必要があります。また、インドネシア政府に雇用契約書を提出、または確認を受けなければなりません。
まずは、適切な雇用契約書の作成や、受け入れ計画や体制の準備から行いましょう。
何から初めてよいか分からない場合は、外国人材の受け入れ手続きに詳しい行政書士等の専門家にご相談ください。
インドネシア人受入れ時の注意点・リスク整理
インドネシア人労働者の受け入れでは、他の国の労働者とは少し異なる手続きや事情があることに考慮する必要があります。
SISKOP2MIの登録の有無をよく確認する
インドネシア人労働者が在留資格「特定技能」で働くためには、インドネシア政府が定めるSISKOP2MIの登録手続きを経ていなければなりません。
これは、インドネシア人自身が行う必要があり、受入企業側では把握できない手続きなので、必要な手続きがしっかり行われているのかよく確認する必要があります。
宗教事情に留意する
インドネシアはムスリム(イスラム教徒)が多い国です。
日本に働きに来る労働者もムスリムの習慣を持ち込むことが多いものです。
食事に関する制限、1日5回お祈りする、女性のヒジャブという布をかぶる習慣、ラマダンと呼ばれる断食といった特有の文化があるため、その文化を理解するとともに、業務上支障がある場合は、よく話し合うことが大切です。
受入れ企業がやっておくべきチェックリスト
受入れ企業がインドネシア人を在留資格「特定技能」の受入れるにあたって、やっておくべきことは次の2つです。
● 在留資格「特定技能」の受入れ企業側の要件をクリアする。
● インドネシア人特有の文化に配慮した受け入れ態勢を整える。
在留資格「特定技能」の受入れ企業側の要件とは、おおむね次の4つのことです。
● 外国人と適切な雇用契約を締結する(報酬額や労働時間が日本人の雇用契約と同等以上)。
● 労働・社会保険及び租税に関する法令遵守を徹底する。
● 外国人を支援する体制、業務内容を外国人に理解してもらえる体制を整える。
● 外国人の日常生活を含めて適切に支援する計画を立てる。
受入れ企業側がこれらの要件を満たしていないと、インドネシア人労働者が在留資格「特定技能」を取得できなくなるので注意しましょう。
また、インドネシア人労働者を受け入れた後も、雇用契約を確実に履行するとともに、支援を適切に実施する必要があります。
また、出入国在留管理庁やハローワークにも随時、届出が必要になるので忘れないようにしましょう。
当事務所のサポート・強み
インドネシア人人材の受け入れのためは、申請者本人だけでなく企業側も様々な要件を満たすことが求められますし、用意すべき必要書類も膨大な量になります。
インドネシア人人材を採用するのが初めてという方は、確認事項や必要書類の多さに戸惑い、何から始めてよいのか分からないこともあるのではないでしょうか。
行政書士法人タッチは、日本のビザ申請を専門としており、お客様の状況に応じたきめ細やかなサポートを行うことができます。
インドネシア人人材採用の際に懸念される点があれば、アドバイスを提供し、必要書類の収集や申請書の作成をお客様に代わって行うことができます。
外国人材の受け入れは専門家にご相談ください
インドネシア人を初めとする外国人材は、今後、日本の企業にとって重要な戦力になっていきます。
外国人材の採用のためには、就労ビザの取得などの様々な要件をクリアしなければなりません。
インドネシア人に在留資格「特定技能」を取得させる手続きも簡単な手続きではないので、確実な取得を目指すなら、日本のビザ申請専門の行政書士へご相談ください。
行政書士法人タッチにご相談いただければ、完全サポートします。











