建設分野の育成就労・特定技能
2027年(令和9年)より、現在の「技能実習制度」が廃止され、新たに「育成就労制度」がスタートします。

建設業界においては、慢性的な人手不足や高齢化が深刻な課題となっており、外国人材の力はもはや不可欠です。しかし、「制度が変わると受入れのハードルが高くなるのでは?」「うちの会社は『育成就労』と『特定技能』、どちらの制度で受け入れるべきなのか?」「育てた人材がすぐ他社に転籍(転職)してしまうのでは?」と不安や疑問を抱える建設業者様も多いのではないでしょうか。

この記事では、外国人材のビザ申請や労務管理に強い「行政書士法人タッチ」が、建設分野における育成就労・特定技能の受入れ条件、特有のルール(JAC加入やCCUS登録)、費用、そして企業が最も警戒する「転籍ルール」までを徹底解説します。

 

目次

1. 【制度の全体像】「育成就労」で育てて「特定技能」へ。一貫した育成・雇用システムへ

1-1. 技能実習からの変更点と新制度の目的

これまでの「技能実習制度」は、日本の技術を開発途上国へ移転する「国際貢献」を建前としていました。しかし、実態としては労働力確保の手段として使われている側面があり、目的と実態の乖離が指摘されていました。

新しい「育成就労制度」は、この建前をなくし、明確に「日本の人手不足分野における人材育成と確保」を目的として創設されます 最大の特徴は、「育成就労の3年間で人材を育成し、即戦力である『特定技能1号』へスムーズにステップアップさせる」という、連続性のあるキャリアパスが制度として設計された点です。企業側は、育成就労で基礎から育てた人材を、特定技能としてそのまま自社で長期雇用しやすくなります。

 

1-2. 【比較表】技能実習・育成就労・特定技能の違い

建設分野において、各制度がどのように違うのか、主なポイントを比較しました。

項目 技能実習(旧制度) 育成就労(新制度:2027年~) 特定技能1
目的 国際貢献(技能移転) 人材育成・確保 即戦力の人材確保
在留期間 最長5 原則3 通算上限5年(※2号へ移行で更新上限なし)
転籍(転職) 原則不可 条件付きで「本人意向の転籍」が可能(原則、同一業務区分内に限る) 同一業務区分内で可能(試験合格で別分野への転籍も可)
在留開始時の日本語 特になし 原則N5A1相当)の合格、または相当講習の受講 N4(A2相当)の合格
移行・更新要件 技能検定の合格 技能試験()と日本語試験(A2相当)の合格 特定技能2号へはさらに高度な試験合格

※育成就労から特定技能へ移行するための技能試験は、建設分野の場合「建設分野特定技能1号評価試験」または「技能検定3級」のいずれかとなります。

 

2. どっちを選ぶ?「育成就労」と「特定技能」の徹底比較

新制度への移行に向けて、「うちの会社は育成就労でゼロから育てるべきか? それとも特定技能で即戦力を採用すべきか?」と悩まれる経営者様は少なくありません。ここでは、外国人の能力や受入れコストなど、企業が最も気になるポイントを比較表で整理しました。

 

2-1. 【比較表】能力・コスト・ルールの違いを一挙整理

比較項目 育成就労(育成枠) 特定技能1号(即戦力枠)
外国人の能力・経験 【未経験・初心者】

ゼロから自社のやり方を教え込む必要がある。

【即戦力】

一定の技能・経験を持ち、すぐに現場で活躍できる。

在留開始時の日本語力 【基礎レベル】

N5(A1相当)の合格、または相当講習受講。

【日常会話レベル】

N4(A2相当)の合格。ある程度のコミュニケーションが可能。

主な採用ルート 主に海外から現地の送出機関を通じて新たに呼び寄せる。 国内にいる留学生や転職者の採用、または海外からの呼び寄せ。
受入れコスト(毎月)の相場 【監理支援費】約3万〜5万円/月

監理支援機関への毎月の監査指導費などが発生する。

【支援委託費】約2万〜3万円/月

登録支援機関への委託費が発生。(自社で支援を内製化すればゼロ円だがハードルは高い)

初期費用の目安 【高め】

海外の送出機関への手数料、入国前後の法定講習の費用、渡航費などがかかる。

【比較的抑えやすい】

国内採用の場合は渡航費が不要。入国後講習も不要なため、早く就労開始できコストを抑えやすい。

在留期間 原則3

(終了後、特定技能へ移行して雇用継続が可能)

通算上限5

(さらに試験合格で「2号」へ移行すれば更新上限なし)

転籍(転職) 制限あり(厳格)

建設分野は「2年間」の転籍制限が設定あり。※原則「同一業務区分」に限られる。

制限なし(比較的容易)

同一業務区分内であれば転職が可能。試験合格で他分野へも転籍可能。

 

2-2. 外国人の「能力」の違い:ゼロから育成か、即戦力か

育成就労で受け入れる人材は、基本的に「未経験者」です。日本語能力も最低限の基礎レベルで在留(就労)を開始するため、現場での指示を理解するまでに時間がかかる場合があります。しかし、その分「自社のやり方や社風をゼロから教え込み、染まってもらいやすい」という大きなメリットがあります。

一方、特定技能は「即戦力」です。建設分野の技能試験と日本語試験に合格している、あるいはすでに日本で3年以上の就労経験(技能実習や育成就労の修了)を持っているため、現場に配属してすぐに一定の戦力として計算できるのが最大の魅力です。

 

2-3. 「受入れコスト(費用)」の違い:監理費と支援費

育成就労の場合、企業(監理型の場合)は必ず「監理支援機関(旧:監理団体)」のサポートを受ける必要があり、毎月の「監理支援費(相場:月額3万〜5万円程度)」が発生します。また、就労開始前には長時間の日本語・生活ルール等の講習を受けさせる義務があり、この講習費や渡航費も企業が負担するため、初期費用は高めになります。しかし、転籍制限(建設分野は2年)があるため、一定期間は確実に自社で定着して働いてもらえる見込みが立ちます。

特定技能の場合、監理支援機関への支払いはなくなります。外国人の生活や就労をサポートする義務は企業にありますが、これを「登録支援機関」に外注する場合、毎月の「支援委託費(相場:月額2万〜3万円程度)」が発生します。国内にいる特定技能人材を採用する場合は渡航費や入国後講習費がかからないため、初期費用は安く抑えやすい傾向にあります。ただし、日本人と同じように転職が可能なため、職場環境によっては早期離職のリスクがあります。

 

2-4. 結論:あなたの会社に向いているのはどっち?

▼「育成就労」が向いている企業
  • 「時間はかかってもいいので、自社のカラーに合った人材をイチから育てて長く定着させたい」
  • 「毎年コンスタントに若手人材を採用し、組織の若返りを図りたい」
  • 「転籍(引き抜き)のリスクをなるべく抑え、計画的に人員配置を行いたい」
▼「特定技能」が向いている企業
  • 「とにかく今すぐ現場で動ける即戦力が欲しい」
  • 「ある程度日本語でコミュニケーションが取れる人材でないと現場が回らない」
  • 「国内にいる留学生や、他社で経験を積んだ人材を採用して初期費用を抑えたい」

ベストな選択は「組み合わせ(ハイブリッド)」

最もおすすめなのは、「育成就労でゼロから人材を育成し、3年後に特定技能へ移行させて、そのまま自社の中核人材として長く活躍してもらう」という計画的な受入れです。

すぐに人が必要な現場には「特定技能」を配置し、将来を見据えた育成枠として「育成就労」を毎年受け入れるなど、両制度をハイブリッドで活用することで、強固な組織体制を築くことができます。

 

3. 建設分野における特有の絶対要件(育成就労・特定技能共通)

建設分野で外国人材(育成就労・特定技能)を受け入れる場合、他分野にはない国土交通省が定める独自の厳格なルールをクリアしなければなりません。

 

3-1. 建設技能人材機構(JAC)への加入

育成就労・特定技能ともに、受入れ企業は「一般社団法人 建設技能人材機構(JAC)」に加入することが義務付けられています(分野別協議会への加入義務)。

建設分野で受入れを行う場合、以下のいずれかの方法を満たす必要があります。

  1. 正会員団体への所属(間接加入): JACの正会員となっている建設業者団体(全国建設業協会や各専門工事業の協会など)に所属していること。
  2. 賛助会員への所属(直接加入): 上記団体に所属していない場合、企業単独でJACの「賛助会員」として直接加入すること。

これにより、JACが定めるルールを遵守し、受入れ負担金等を支払う義務が生じます。

 

3-2. 建設キャリアアップシステム(CCUS)への登録

建設業で働く全ての外国人材の就労履歴や技能レベルを適正に評価するため、受入れ企業及び外国人材本人の「建設キャリアアップシステム(CCUS)」への登録が必須となります。CCUSに登録することで、外国人材がどの現場でどれだけの経験を積んだかがデータとして蓄積され、キャリアアップや適正な賃金支払いの根拠となります。

 

3-3. 国土交通省への「建設特定技能受入計画」等の認定申請

特定技能外国人を受け入れる際、出入国在留管理庁へのビザ申請の前に、国土交通省へ「建設特定技能受入計画」を申請し、認定を受ける必要があります。

育成就労制度においても、外国人育成就労機構へ計画認定を申請する際、建設分野特有の上乗せ基準を満たすことが求められます。特に報酬面については、「日本人と同等額以上」という全分野共通のルールに加え、「月給制の義務化」「CCUSのレベルに応じた確実な昇給」など、国土交通省が告示で定める厳格な要件に適合しているかが、機構によって厳密に審査されます。

 

4. 企業に求められる「受入れ条件」と「人数枠」

4-1. 受入れ企業に求められる主な要件

企業が育成就労や特定技能の実施者として認定を受けるには、以下の体制を整える必要があります。

  • 各種責任者の選任(育成就労の場合):
    • 育成就労責任者: 計画の進捗管理や連絡調整を行う統括者。
    • 育成就労指導員: 5年以上の実務経験を持ち、現場で直接技能指導を行う者。
    • 生活相談員: 外国人材の生活面の相談に乗り、助言を行う者。
      ※いずれも過去3年以内に法定の「養成講習」を受講している必要があります。
  • 適切な宿泊施設の確保: 1人当たり4.5㎡以上の寝室確保、鍵付きの私物収納設備の設置など、詳細な規定があります。
  • 法令遵守と社会保険等の適正加入: 労働関係法令の違反がないこと、税金や社会保険料に未納がないことが絶対条件です。

 

4-2. 自社は何人まで受け入れ可能?「人数枠」の計算

【育成就労の人数枠】

育成就労実施者の常勤の職員の総数 ① 一般の育成就労実施者の人数枠
(基本人数枠)
② 優良な育成就労実施者の人数枠
(基本人数枠の2倍)
③ 優良な監理支援機関の監理支援を受け、かつ指定区域(地方)に住所がある優良な育成就労実施者の人数枠(基本人数の3/5)
301人以上 育成就労実施者の常勤の職員の総数の20分の3(15%) 育成就労実施者の常勤の職員の総数の10分の3(30%) 育成就労実施者の常勤の職員の総数の20分の9(45%)
201人以上300人以下 45人 90人 135人
101人以上200人以下 30人 60人 90人
51人以上100人以下 18人 36人 54人
41人以上50人以下 15人 30人 45人
31人以上40人以下 12人 24人 36人
9人以上30人以下 9人 18人 27人
8人 9人 18人 24人
7人 9人 18人 21人
6人 9人 18人 19人
5人 9人 15人 16人
4人 9人 12人 13人
3人 9人 10人 11人
2人 6人 7人 8人
1人 3人 4人 5人

※常勤職員数に育成就労外国人及び技能実習生の数は含まない。なお、特定技能などほかの在留資格の外国人は含む。

育成就労では、受入れ企業の常勤職員数に応じて、受け入れられる人数に上限が設けられています。

  • 基本枠の例: 常勤職員数が330人の場合、受入れ枠は「9人」まで。
  • 優良枠・地方特別枠: 技能修得実績や法令遵守状況が優れている「優良な育成就労実施者」と認定されたり、事業所が大都市圏(東京、大阪、愛知など)以外の「指定区域」にある場合は、枠が大幅に拡大されます(例:常勤930人で最大27人まで等)。

 

【特定技能の人数枠(建設分野)】

特定技能の場合、建設分野独自のルールとして「特定技能外国人の総数が、当該企業の常勤職員の総数を超えないこと」という制限が定められています。育成就労からの移行組を含め、自社の日本人社員(常勤)の数以上の特定技能外国人を抱えることはできません。

 

5. 外国人材に求められる要件(日本語・技能レベル)

5-1. 育成就労の開始時の要件

  • 年齢・健康・素行: 18歳以上であること、健康状態が良好であること、犯罪歴等がない(素行善良)こと。
  • 在留開始時の日本語能力: 就労開始前(ビザ申請時等)に、本邦での生活に必要な「A1相当(日本語能力試験N5程度)」の試験に合格していることが求められます。または、認定日本語教育機関等による「相当講習(就労のための課程)」を一定時間受講していることでも要件を満たすことができます。

 

5-2. 育成就労期間中の育成目標と特定技能への移行要件

育成就労は、3年後に「特定技能1号」へ移行するための育成期間です。

  • 技能の目標: 3年終了時までに、修得する技能の「建設分野特定技能1号評価試験」または「技能検定3級」への合格が必要です。また、育成の中間評価として、1年目終了時までに「基礎級」や「特定技能評価試験の初級」等を受験する義務があります。
  • 日本語の目標: 3年終了時までに、特定技能1号水準である「A2相当(日本語能力試験N4程度)」の試験合格が目標となります。企業は目標達成のため、認定機関等による100時間以上の講習を受講させる等の「必要な措置」を講じる義務があります。

 

5-3. 特定技能人材を直接受け入れる場合の要件

育成就労を経ずに、最初から「特定技能1号」として受け入れる場合(海外からの直接採用や国内の留学生・転職者の採用など)は、就労開始(ビザ申請)時点で「建設分野の特定技能1号評価試験」「日本語能力試験N4(A2相当)以上」に合格している必要があります。

 

6. 【ステップ別】受入れ準備から就労開始、特定技能への移行の流れ

6-1. STEP1:計画の作成と認定申請

  • 育成就労: 監理支援機関の指導のもと、外国人ごとに3年間の「育成就労計画」を作成し、外国人育成就労機構へ認定申請を行います。単独型の場合は企業自らが作成します。
  • 特定技能: 登録支援機関等の支援のもと、国土交通省へ「建設特定技能受入計画」の認定申請を行い、その後、出入国在留管理庁へ在留資格申請を行います。

 

6-2. STEP2:入国前・入国後講習の実施(育成就労)と事前ガイダンス(特定技能)

  • 育成就労の場合: 在留開始後、就労を開始する前に「入国後講習」を受講します。実施主体は、通常の監理型の場合は「監理支援機関」ですが、単独型や取引上密接な関係を有する機関からの受入れの場合は「育成就労実施者(企業)」となります。日本語教育や法的保護情報など法定の講習時間(最大320時間等)を満たす必要があり、この期間中、企業は絶対に業務に従事させてはいけません
  • 特定技能の場合: 入国後講習は不要ですが、就労開始前後に登録支援機関等による「事前ガイダンス」や生活オリエンテーションの実施が義務付けられています。

 

6-3. STEP3:就労開始と監査・支援

  • 育成就労: 監理支援機関が3か月に1回以上の「定期監査」を行い、法令違反がないか実地でチェックします。特に1年目は、毎月1回以上の「訪問指導」が行われます。
  • 特定技能: 登録支援機関(または受入れ企業自身)が、外国人が安定して生活・就労できるよう、定期的な面談や支援を行います。

 

6-4. STEP4:目標達成と「特定技能1号」への移行(育成就労の場合)

3年間の育成を終え、技能試験と日本語試験に合格すれば、特定技能1号へ在留資格を変更できます。万が一試験に不合格だった場合でも、最大1年間の「在留期間の延長(再受験)」が認められる特例措置があります。

 

7. 企業が負担すべき「費用」と外国人材の「待遇」ルール

外国人材が多額の借金を抱えて来日し、失踪の原因となることを防ぐため、お金に関するルールが極めて厳格に規定されています。

 

7-1. 企業が負担する費用、外国人から徴収できる費用の違い

費用の種類 負担者 解説
講習費(育成就労の入国前後等) 企業(監理支援費等として) 外国人に直接・間接的に負担させることは厳禁です。
渡航費(来日費用) 企業
帰国旅費(終了時の帰国等) 企業 育成就労を終えて(特定技能へ移行せず)帰国する場合、企業(または監理支援機関)が負担します。
技能・日本語試験の受験料 企業 受験料や受験のための交通費は企業負担です。
居住費(家賃)・食費等 外国人(実費のみ徴収可) 合意の上、「適正な実費」に限り給与からの控除(労使協定必須)が可能です。相場より高い家賃の徴収は違法です。

 

7-2. 外国人が送出機関に支払う「費用の負担上限」(育成就労)

本国の送出機関に対して、外国人が支払う手数料等に上限が設けられました。

「育成就労計画に記載された報酬月額の2ヶ月分を超えないこと」が絶対条件です。これを超過した費用を支払わせていたことが発覚した場合、計画認定が取り消される可能性があります。

 

7-3. 報酬の基準(日本人と同等以上)

育成就労外国人の給与は、「同じ業務に従事する日本人労働者と同等以上」でなければなりません。外国人であることを理由に低賃金にすることは違法です。また、技能が向上する2年目、3年目においては、適正に昇給を行うことも求められます。

 

8. 企業が最も警戒する「転籍」ルールの全貌

育成就労制度で企業が最も不安視しているのが「本人意向の転籍(転職)」が条件付きで認められる点です。

 

8-1. 育成就労における「本人意向の転籍」と建設分野の制限期間

育成就労で本人の希望による転籍が認められるには、以下の条件を全て満たす必要があります。また、転籍は原則として「同一の業務区分内」に限られます。

  1. 転籍制限期間を経過していること: 建設分野の転籍制限期間は「2年」となる見込みです。つまり、就労開始から2年間は原則として他社への本人意向による転籍はできません。
  2. 一定の技能水準に達していること: 分野で定められた技能試験(基礎級等)に合格していること。
  3. 一定の日本語水準に達していること: 日本語能力A1相当以上など、分野で定められた試験に合格していること。

 

8-2. 人材引き抜きを防ぐ「初期費用の補填」ルール

「高い初期費用を払って受け入れたのに、転籍されたら大損だ」という企業の不満を解消するため、【転籍先の企業が、転籍元の企業に対して初期費用の一部を補填(支払う)する】ルールが設けられました。

 

【初期費用の補填額の算定割合(1回目の転籍の場合)】

主務大臣が告示で定める初期費用額に、以下の割合を掛けた額を転籍先が転籍元へ支払います)

転籍元の企業で働いた期間 転籍先が補填する割合
1年以上〜16ヶ月未満 6分の5
1年6ヶ月以上〜2年未満 3分の2
2年以上〜26ヶ月未満 2分の1
2年6ヶ月以上 4分の1

建設分野は転籍制限が2年のため、実質的に適用されるのは「2年以上」の補填割合となります。このように、転籍のタイミングが早いほど転籍元は多くの補填金を受け取ることができ、転籍先の企業は多額の負担を強いられる仕組みになっており、安易な引き抜きを抑制します。

 

8-3. 転籍先の企業にも「受け入れ人数の上限」あり

大都市圏への人材流出を防ぐため、本人意向で転籍してくる人材を受け入れる企業側にも厳しい制限があります。

  • 受け入れ企業は「優良な育成就労実施者」であることが必須です。
  • 自社の外国人材総数の「3分の1」までしか転籍者を受け入れられません。
  • 地方(指定区域内)から大都市圏(指定区域外)への転籍者の受け入れは、さらに厳しく「6分の1」まで等に制限されます。
  • 民間の職業紹介事業者等を利用した引き抜き行為は認められません。

 

8-4. 特定技能における転籍ルール

特定技能1号の外国人は、同一の業務区分内であれば、基本的には日本人と同様に転職(転籍)が可能です。さらに、別の分野の特定技能評価試験に合格すれば、全く別の分野へ転籍することも可能です。

そのため、特定技能人材を自社に定着させるためには、日本人社員と同様に、良好な職場環境の構築や適切なキャリアアップ・昇給の提示など、選ばれる企業になるための努力が不可欠です。

 

9. 厳罰化されるコンプライアンスと「不適正受入れ」のリスク

外国人材の人権を守るためのルールは年々強化されており、違反した企業には厳格な指導や厳しい罰則が待っています。

 

9-1. 絶対にやってはいけない禁止行為(罰則あり)

  • パスポートや在留カードの保管: 本人の同意があっても絶対にNGです(6月以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)。
  • 私生活の不当な制限: 「恋愛禁止」「外出禁止(不当な門限)」「スマホの没収」などは人権侵害となります。
  • 違約金の天引き・保証金の徴収: 「途中で辞めたら罰金」「強制貯金」などの契約は違法です。

 

9-2. 非自発的離職者の発生と計画認定取消リスク

日本人労働者を含め、同種の業務を行う労働者に対して不当な解雇や雇い止め(非自発的離職)を発生させた企業は、新たな育成就労の受け入れができません(計画認定の取消対象)。また、給与未払いや暴力などが原因で外国人材を「行方不明」にさせた場合も、取消対象となります。

 

10. まとめ:建設分野の適正な受入れは「行政書士法人タッチ」へ

これから始まる「育成就労制度」および「特定技能制度」においては、「外国人を対等な労働者として適正に評価し、育成する」ことが強く求められます。

特に建設分野においては、JACへの加入、CCUSの登録、国交省への計画認定、そして運用要領に基づく厳格な費用負担ルールの遵守など、クリアすべきハードルが非常に多く、自社単独で全てを把握し手続きを行うのは困難を極めます。

「育成就労と特定技能、どちらで受け入れるべきか迷っている」

「転籍リスクを抑えた適正な雇用契約書を作りたい」

「信頼できる監理支援機関や登録支援機関を紹介してほしい」

このようなお悩みは、外国人材のビザ申請と労務管理の専門家である「行政書士法人タッチ」に全てお任せください。

最新の法律や運用要領に基づき、貴社が合法かつスムーズに、そして長期的に優秀な建設外国人材を確保できるよう、計画作成からビザ申請、受入れ後のコンプライアンス体制構築まで伴走支援いたします。

制度の移行期である今だからこそ、正確な情報収集と早めの準備が他社との大きな差を生みます。

まずは、初回無料相談でお気軽にお問い合わせください!