当事務所は就労ビザ等の手続きを専門としておりますが、建設業を営む会社様より、建設業分野の会社で「技術・人文知識・国際業務」の在留資格を取得するにはどうすればよいですかといったご質問をよく受けます。

この記事では、建設業で技術人文知識国際業務の在留資格を取得するための要件や就労可能な職務内容について解説させていただきます。

外国人が満たすべき要件(建設業)

外国人の学歴要件等は建設業に限らずどの業界においても同じで以下の通りです。

 

1 本国の大学を卒業している

2 日本の専門学校以上を卒業している

 

大学以上を卒業している場合は、従事する職務内容と大学で学んだ科目との関連性は緩やかに見てもらえる場合が多いですが、専門学校が最終学歴の場合は、従事する職務内容と専門学校で学んだ科目との関連性が狭くみられます。

つまり、専門学校卒の場合は専門学校で建設に関する科目を先行していることが必要になります。

技術人文知識国際業務ビザでの建設業現場作業

技術人文知識国際業務の在留資格で建設業での現場作業はできません。よく建設現場で仕事をしている外国人はたくさん見かける等のご意見をうけますが、建設現場で現場作業に従事している外国人の多くは技能実習や特定技能の在留資格を持つ外国人です。

技術・人文知識・国際業務の在留資格で雇用する場合の職務内容は、営業系・事務系・現場監督の3つに分けられます。では具体的にはどういった業務が該当するのでしょうか。

建設業での職務内容(技術人文知識国際業務ビザ)

技術人文知識国際業務の在留資格で建設業の会社で従事できる職務内容は主に下記の6つとなります。

①営業職

建設業での営業は、雇用する企業の規模やマーケティングによっても違いますので、技術人文知識国際業務で行う営業の一例を紹介いたします。

既存客向け:クライアントや得意先にヒアリングを行い、そこから得た情報を元に案件を受注するための戦略や、建設費用の見積もり等を行う仕事です。例えば、得意先に訪問し本社の移転や建て替えといったニーズを引き出します。

新規開拓:自社の良い技術を他社にアピールし、取引先を開拓する仕事です。新しい仕事の元請先を探したり、資材の仕入れ先等の新規取引先を開拓します。

既存客向け、新規開拓とも建設に関する知識が必要ですので、大学や専門学校で建設に関する科目を先行していることが望ましいです。

②事務職

建設業での事務職は、他の業界の事務職と同じで一般的なものになります。

・従業員の勤怠管理・経理業務・会計業務・請求書の作成・資材の管理業務・資材の発注業務・来客の対応業務・顧客情報の管理等が該当します。

③現場監督業務

現場監督は工事現場の施工や予算、作業員の指示や工事の進捗、安全面に加え、役所への手続など、工事に関わるすべてのことを管理します。そのため、現場には出ますが作業はしません。あくまでおこなうことは管理になります。また、企業で技能実習生を雇用している場合は、技能実習生の管理や技能実習生への仕事の指示に加え、技能実習生とのコミュニケーションも技術人文知識国際業務の該当性のある職務内容となります。

CADオペレーター

CADオペレーターで技術人文知識国際業務を取得する場合は、CADの専門学校を卒業していることが望ましいです。CADオペレーターの職務内容は、設計士やデザイナーなどの指示に従い、CADソフトを駆使して図面を修正・調整・作製することがメイン業務となります。そのため、外国人自身で作成した図面に沿って外国人が現場で作業することはできません。技術人文知識国際業務の在留資格で出来るのは図面の作成までとなります。

⑤通訳・翻訳業務

海外に取引先がある場合で、資材の発注等を行う場合は、納品書や発注書を日本語に翻訳をする作業があります。また、技能実習生を雇用している企業では、図面や上長の支持を技能実習生に理解させる必要があります。建設業での通訳翻訳業務は、このようなケースが日常的に発生している場合、その対応をする外国人を技術人文知識国際業務の在留資格を取得できる可能性が高いです。

⑥海外取引業務

海外に支店等がある場合で、海外現地の企業との交渉や取引先の模索、工事等の請負の打合せが該当します。

まとめ

建設業で技術人文知識国際業務の在留資格で外国人を雇用する場合は、上記で紹介した業務に従事することが前提となってきます。また、恒常的に上記業務量が確保されていることが必要です。(つまり、外国人を雇用して技術人文知識国際業務の該当業務に従事させるだけの業務量が、雇用する会社側に存在することの証明が必要となります。)

技術人文知識国際業務の在留資格申請は、雇用する会社の規模や事業目的によって作成する資料や理由書の内容が異なります。これから建設業に就職を考えている外国人の方や、外国人の雇用を考えている企業様は是非一度当事務所にご相談ください。

湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://visa-saitama.net/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
就労ビザサポートセンター https://touch.or.jp/work/
永住ビザサポートセンター https://touch.or.jp/eizyu/
ビザサポートセンター https://www.yuda-office.jp/