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特定技能所属機関の随時届出とは|6種類の届出事由・期限・様式を解説

calendar_month2022年01月11日
cached2026年10月15日

特定技能外国人を受け入れている企業(特定技能所属機関)は、特定技能雇用契約や受入れ状況の変化があったときに、出入国在留管理庁へ「随時届出」を行う義務があります。随時届出は6種類あり、いずれも事由が生じた日から14日以内に、所属機関自身が提出します。登録支援機関と支援委託契約を結んでいても、登録支援機関が代わりに届け出ることはできません。届出が適正に履行されていない場合は、特定技能外国人を受け入れることができなくなります。

本記事では、随時届出6種類の届出事由・様式・添付書類、起算日の考え方(特に受入れ困難届出)、届出が不要となる軽微な変更、提出方法、未提出のリスクを、入管庁の届出ページと随時届出Q&Aに基づいて解説します。年1回の定期届出を含めた全体像は特定技能所属機関・登録支援機関の届出|誰が・いつ・何を出すかの一覧をご覧ください。

この記事で分かること
  • 特定技能所属機関の届出の種類(随時届出と定期届出)と、随時届出の基本ルール
  • 随時届出6種類の届出事由・参考様式・添付書類
  • 「14日以内」の起算日(受入れ困難届出は退職日ではなく事由が生じた日)
  • 雇用契約の変更で届出が不要になる軽微な変更
  • 提出方法(電子届出・管轄の地方出入国在留管理局)と作成者
  • 届出を怠った場合のリスク

特定技能所属機関が提出する届出とは

特定技能所属機関による届出は、大きく分けて「随時届出」と「定期届出」があります。随時届出は事由が生じた日から14日以内に提出し、定期届出は毎年4月1日〜5月31日に前年度(4月1日〜3月31日)分を提出します(2026年4月提出分から四半期ごとから年1回に変更)。届出の不履行や虚偽の届出は、受入れの停止や罰則の対象になります。本記事では随時届出を解説します。

項目随時届出定期届出
いつ事由が生じた日から14日以内毎年4月1日〜5月31日(前年度分)
何を雇用契約・支援計画・支援委託契約の変更等、受入れ困難、基準不適合、支援計画の実施困難(6種類)受入れ・活動・支援実施状況に係る届出書(参考様式第3-6号)と添付書類
誰が特定技能所属機関(登録支援機関は代行不可)特定技能所属機関(全部委託先の登録支援機関の支援実施状況を取りまとめる)

随時届出の6種類【一覧】

番号届出事由参考様式主な添付書類
(1)特定技能雇用契約の内容を変更した/終了した/新たに締結した第3-1-1号(変更・新規)/第3-1-2号(終了)変更後・新規の雇用契約書、雇用条件書等(必要に応じて)
(2)支援計画の内容を変更した/支援責任者・支援担当者を変更した/委託先の登録支援機関を変更した/自社支援に切り替えた第3-2号変更後の支援計画書、支援責任者・担当者の就任承諾書・誓約書等
(3)支援委託契約の内容を変更した/終了した/締結した第3-3-1号(締結・変更)/第3-3-2号(終了)支援委託契約書等
(4)特定技能外国人の受入れを継続することが困難となった第3-4号届出書のみ(事由により資料を求められることがある)
(5)特定技能基準省令の基準を満たさなくなった第3-5号基準不適合の内容・対応を示す資料
(6)1号特定技能外国人支援計画の実施が困難になった第3-7号実施困難の事由・措置を示す資料
添付書類の詳細は、入管庁の「提出資料一覧表(雇用契約・受入れ困難)」「提出書類一覧表(支援計画変更・委託契約・基準不適合)」「提出書類一覧表(支援計画の実施困難)」で確認できます。様式は入管庁の「特定技能関係の申請・届出様式一覧」からダウンロードします。

①特定技能雇用契約に係る届出(参考様式第3-1-1号/第3-1-2号)

特定技能雇用契約について、①変更、②終了、③新たな契約の締結があった場合に届け出ます。

  • 変更:変更した年月日と変更後の契約内容。就業場所、業務内容、報酬、労働時間など雇用条件書の記載事項の変更が対象
  • 終了:終了した年月日と終了の事由。終了の事由が「雇用契約の終期到来」以外(自己都合退職・会社都合など)で、受入れ困難届出をあらかじめ提出していない場合は、受入れ困難届出も併せて提出する。まだ契約を終了していない場合は受入れ困難届出のみを先に提出する
  • 新たな締結:雇用契約を終了した後、在留期限内に同一の所属機関と再度雇用契約を締結した場合
2023年8月の運用要領改正で、届出が不要となる軽微な変更の取扱いが公表されています。例えば、報酬額の引上げ、休日・休暇の増加など本人に有利な変更や、法令改正に伴う自動的な変更は届出不要とされています。詳細は入管庁「特定技能雇用契約の変更届出が不要となる場合の取扱いについて」で確認してください。判断に迷う場合は届け出ておく方が安全です。

②支援計画変更に係る届出(参考様式第3-2号)

1号特定技能外国人支援計画に変更があった場合に届け出ます。支援内容の変更だけでなく、支援責任者・支援担当者の変更、委託先の登録支援機関の変更、登録支援機関への委託から自社支援への切替え(またはその逆)も対象です。届出事項は、対象の外国人の氏名・生年月日・性別・国籍・住居地・在留カード番号、変更した年月日、変更後の支援計画の内容です。

2027年4月1日の支援体制要件改正に伴い、支援責任者・支援担当者を事業所ごとに常勤で再選任する企業が多くなります。再選任はこの届出の対象です。登録支援機関を変更する場合は③の届出も併せて必要になります(特定技能の支援体制要件|2027年4月改正)。

③支援委託契約に係る届出(参考様式第3-3-1号/第3-3-2号)

登録支援機関との支援委託契約について、①締結、②変更、③終了があった場合に届け出ます。届出事項は、締結・変更・終了した年月日と、締結・変更後の契約内容または終了の事由です。登録支援機関を乗り換える場合は、旧委託先の「終了」と新委託先の「締結」の両方の届出に加え、②の支援計画変更の届出も必要です。

④受入れ困難に係る届出(参考様式第3-4号)

経営上の都合や、特定技能外国人の死亡・病気・けが・行方不明・帰国等により、引き続き特定技能外国人を受け入れることが困難になった場合に届け出ます。届出事項は、対象の外国人の情報、受入れが困難となった事由とその発生時期・原因、外国人の現状、活動継続のための措置です。

  • 実際に退職するか否かにかかわらず、受入れの継続が困難となった時点で届出が必要(所属機関都合の退職、病気・けが、行方不明、死亡など)
  • 入国または在留資格変更の許可後に、1か月以上活動ができない事由が生じた場合も届出が必要(生産ラインの縮小、業務中の病気・けがによる休業、妊娠・出産・育児のための休業、私生活上の病気・けがによる休業など)
期限は「退職日」や「実際に事由が発生した日」から14日ではなく、退職または1か月以上活動ができない原因となる事由が生じた日から14日以内です。退職の申出があった時点、休業が1か月以上に及ぶと見込まれた時点で起算します。随時届出の中で最も期限を誤りやすい届出です。

⑤基準不適合に係る届出(参考様式第3-5号)

特定技能雇用契約および1号特定技能外国人支援計画の基準等を定める省令(特定技能基準省令)の基準を満たさなくなった場合に届け出ます。日本人と同等以上の報酬を支払えなくなった、労働・社会保険・租税関係法令の違反があった、欠格事由に該当する役員が就任した、といった場合が想定されます。旧様式では「出入国または労働に関する法令に関し不正または著しく不当な行為(不正行為)に係る届出」とされていたもので、現在は基準不適合の届出として整理されています。届出事項は、対象の外国人の情報、基準を満たさなくなった事由の発生時期・認知時期と内容、その対応です。

⑥支援計画の実施困難に係る届出(参考様式第3-7号)

1号特定技能外国人支援計画の実施が困難になった場合に届け出ます。支援担当者の退職で支援体制を維持できなくなった、委託先の登録支援機関が支援業務を休止・廃止した、といった場合です。2025年4月の運用要領改正で明確化された届出で、添付書類は入管庁の「提出書類一覧表(支援計画の実施困難)」で確認します。

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提出方法と作成者

  • 提出先:出入国在留管理庁電子届出システム(事前の利用者登録が必要)、または所属機関の本店所在地を管轄する地方出入国在留管理局・支局(郵送・持参)
  • 届出者:特定技能所属機関。登録支援機関は代行できない
  • 作成者:届出書は官公署に提出する書類のため、所属機関の役職員が作成するか、行政書士に作成を依頼する。登録支援機関が報酬を得て作成することは改正行政書士法(2026年1月施行)により違法となるリスクがある(特定技能の入管申請は誰がする?)
  • 記録:届出の控えと添付書類は保管し、年1回の定期届出や更新申請の際に整合性を確認できるようにしておく

届出を怠った場合のリスク

  • 届出が適正に履行されていない場合、新たな特定技能外国人の受入れ(認定証明書交付・変更・更新の許可)が認められなくなる
  • 届出をしない、虚偽の届出をすることは入管法上の罰則の対象になり得る
  • 届出内容と実態の不一致は、更新審査や実地調査で基準不適合として扱われる

よくある質問

Q. 特定技能外国人の勤務先を自社の別工場に変えました。届出は必要ですか?

就業場所は雇用条件書の記載事項なので、①雇用契約の変更の届出が必要です。分野によっては事業所要件(産業分類・許可・認証)を別工場でも満たしているかの確認が先に必要です。

Q. 給与を上げました。届出は必要ですか?

本人に有利な変更は届出不要とされる場合があります。入管庁の「変更届出が不要となる場合の取扱い」で確認し、該当しなければ①の届出を行ってください。

Q. 本人が妊娠し、2か月休業することになりました。

1か月以上活動ができない事由に当たるため、④受入れ困難の届出が必要です。休業が1か月以上に及ぶと見込まれた日から14日以内に届け出ます。

Q. 登録支援機関に届出書の作成を頼んでよいですか?

登録支援機関は届出の提出を代行できず、報酬を得て届出書を作成することも行政書士法上の問題があります。自社で作成するか、行政書士に依頼してください。

終わりに

  • 随時届出は6種類(雇用契約・支援計画変更・支援委託契約・受入れ困難・基準不適合・支援計画実施困難)。事由が生じた日から14日以内に所属機関自身が提出
  • 受入れ困難届出は退職日ではなく「事由が生じた日」から起算。1か月以上の休業も対象
  • 登録支援機関の変更は③の終了・締結と②の支援計画変更がセットで必要
  • 届出を怠ると受入れが認められなくなる。様式は入管庁のホームページからダウンロードし、控えを保管する

入管に届け出ている内容から変更があった場合は、届出が必要になるケースがほとんどです。「届出が必要かどうか」で止まるより、事由が生じたらすぐに該当する様式を確認する運用にしてください。

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参考資料

この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
運営サイト 行政書士法人タッチ
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