テーマ別コラム

米国Lビザ(L-1A/L-1B)申請サポート
- 2026年09月25日


目次
これまでの6篇で、EビザとLビザそれぞれの制度、企業登録の維持、後続申請、組織再編時の論点までを扱ってきました。最終回となるこの記事では、視点を変えて、「結局、いつから動けば赴任日に間に合うのか」という、もっとも実務的な問いに答えます。
赴任日が先に決まっている案件では、そこから逆算してスケジュールを組む必要があります。しかし、E・Lいずれも、会社側でコントロールできる部分と、公館・USCIS側の事情でコントロールできない部分が混在しており、この2つを区別せずに計画すると、思わぬところで日程が崩れます。
この記事では、①E・Lで「読める部分」と「読めない部分」の違い、②Eビザの逆算スケジュール、③Lビザの逆算スケジュール、④両者のボトルネックの違い、⑤逆算の具体的な組み方、⑥スケジュールが崩れやすいポイント、の順に整理します。
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会社側でコントロールしやすい |
公館・USCIS側の事情で変動する |
|---|---|---|
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Eビザ |
会社資料(Company Package)の整備、個人の職務説明書・経歴資料の準備 |
面接予約の空き状況、追加審査(Administrative Processing)の要否 |
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Lビザ |
個人の裏付け資料の準備、(希望すれば)プレミアム処理の選択 |
USCISの通常審査期間、面接予約の空き状況 |
Eビザの最大の変動要因は、公館の面接予約枠です。 会社資料・個人資料がどれだけ早く整っても、面接枠が埋まっていれば、そこがボトルネックになります。
Lビザの最大の変動要因は、USCISの審査期間です。 ここは、追加費用を払ってプレミアム処理(15営業日以内に一次判断)を選択することで、ある程度コントロール下に置ける点が、Eビザとの大きな違いです。
初回は、会社資料の整備がボトルネックになりやすい局面です。
会社資料の作り直しが原則不要な分、ボトルネックは実質的に個人申請の準備と面接予約枠に絞られます。第5篇で扱ったとおり、交代のケースでは前任者の帰任時期からの逆算、増員のケースでは事業側の稼働希望日からの逆算が起点になります。
面接予約の空き状況は、米国務省の公式ページ「Global Visa Wait Times」で、申請先ごとの目安(前月の平均待ち時間・次回予約可能時期)が毎月更新されています。ただし、これは保証された日数ではなく、新しい予約枠が随時追加されるため、予約後もこまめに確認し、前倒しできないかをチェックする価値があります。
Lビザは、EビザにはないI-129審査という工程が前段にある分、全体の所要期間は長くなりやすい構造です。 その代わり、プレミアム処理という「お金で時間を買う」選択肢がある点は、Eビザとの実務上の大きな違いです。
すでにBlanket Lの承認を得ている企業であれば、個々の異動者はUSCISでの個別審査を経ずに、在外公館での査証面接から進められます。USCIS審査という、Lビザの中でもっとも所要期間が読みにくい工程を経由しない分、機動的な派遣がしやすくなります。継続的に多数の駐在員を送る予定がある企業にとって、Blanket Lがスケジュール面でも有利になり得る理由はここにあります。
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ボトルネックになりやすい工程 |
対応策 |
|---|---|---|
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Eビザ(初回) |
会社資料の整備+公館の面接予約枠 |
会社資料の早期着手、面接枠のこまめな確認 |
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Eビザ(後続) |
公館の面接予約枠 |
個人申請の早期準備、前任者の在任期間からの逆算 |
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Lビザ(個別) |
USCISの審査期間 |
プレミアム処理の検討、早期のI-129提出 |
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Lビザ(Blanket L) |
公館の面接予約枠(USCIS審査は経由しない) |
面接枠のこまめな確認 |
「EとLのどちらが早いか」は一概には言えません。会社の状況(登録済みか否か、Blanket L対象か否か)と、その時点での公館・USCISの混雑状況によって変わります。重要なのは、どちらを選ぶ場合でも、ボトルネックがどこにあるかを先に理解したうえで逆算することです。
次のような出来事があった時点で、赴任スケジュールの検討に着手することをおすすめします。
いずれも共通するのは、「渡航日が決まってから動く」のではなく、「渡航が必要になりそうだと分かった時点で動き始める」という発想です。
これまでの記事で扱ってきた論点の多くは、実はスケジュールの崩れとして表面化します。
これらの多くは、早い段階で状況を点検していれば、逆算のスタートラインを正しく引けたはずのものです。制度知識だけでなく、自社の現状把握が、スケジュール管理の土台になります。
Lビザであればプレミアム処理でUSCIS審査を短縮できる可能性があります。Eビザには同様の制度はありませんが、面接枠の前倒し確認や、申請先の選択(複数の申請先を利用できる場合)で多少の調整余地があることがあります。いずれにしても、間に合わない可能性が見えた時点で早めにご相談いただくのが安全です。
進められます。むしろ、可能な限り並行して進めることが、全体のスケジュール短縮につながります。
プレミアム処理は「15営業日以内に一次判断が出る」ことを保証するものであり、その判断が承認であることや、その後の領事段階(面接予約等)の所要期間を保証するものではありません。全体の逆算の中の一要素として位置づけてください。
スケジュールを検討し始めた早い段階で一度確認し、その後も定期的に確認することをおすすめします。予約後も、より早い枠が公開されないか継続的にチェックする価値があります。
当事務所(行政書士法人タッチ)では、EビザとLビザ、それぞれの制度上のボトルネックを踏まえたスケジュールの逆算とスケジュール管理、会社側資料・個人側資料の収集・整理・英訳、DS-160・DS-156E等の申請書類の作成サポート、面接に向けた準備までを一貫して支援します。
プレミアム処理を利用すべきかどうかの判断や、Blanket Lの活用可能性の検討など、米国移民法上の専門的な評価が必要な場合は、米国提携弁護士(Valvo & Associates)と連携し、リーガルレビューや法的意見書の作成に対応します。
EビザとLビザは、それぞれ異なる工程にボトルネックを抱えています。Eビザは会社資料の整備と公館の面接予約枠、Lビザは主にUSCISの審査期間です。この違いを理解したうえで、会社側でコントロールできる部分(資料整備)は早期に着手し、コントロールできない部分(審査期間・面接予約枠)は公式情報でこまめに確認しながら、余白を持って逆算することが、赴任スケジュールを崩さないための基本です。渡航日が決まってから動くのではなく、駐在員の交代・増員・拠点立ち上げの方針が固まった時点で動き始めることが、もっとも確実な備えになります。
本記事は一般的な情報提供を目的とするものであり、個別案件に対する法的助言ではなく、個別案件の結果を保証するものでもありません。審査期間・面接予約状況は変動するため、実際のスケジュールは申請時点の公式情報に基づいて判断してください。ビザの発給可否は、USCISおよび在日米国大使館・総領事館による個別審査であり、入国の可否や滞在可能期間は、入国時に米国当局(CBP)が判断します。制度・運用は変更される可能性があるため、手続きの前に必ず最新の公式情報をご確認ください。(2026年8月確認時点)
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
| 運営サイト | 行政書士法人タッチ 国際結婚&配偶者ビザサポートセンター 帰化申請サポートセンター 就労ビザサポートセンター 永住ビザサポートセンター 経営管理ビザサポートセンター ビザサポートセンター |
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