就労ビザを取得して日本で働いている外国人が退職または転職をする場合、外国人が行わなければならない手続きがあります。
れを怠ると、ビザの更新や変更の際に不利になってしまったり在留資格の喪失、または将来帰化や永住権の申請を行う際にマイナスになってますので必ず行いましょう。

契約機関に関する届出

就労ビザを持っている外国人が退職をする場合には必ず行わなくてはいけない手続きです。

〈対象の就労ビザ(在留資格)〉

・高度専門職1号イ又はロ
・高度専門職2号イ又はロ
・研究
・技術人文知識国際業務
・介護
・興行
・技能
・特定技能

退職をした日から14日以内に行ってください。

届出の方法

①インターネットによる届出出入国在留管理庁電子届出システムを利用します。
24時間365日行うことが可能です。

https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri10_00015.html

②窓口に持参しお近くの地方出入国在留管理官署で、在留カードを提示した上で、届出書を提出してください。
届出書は出入国在留管理庁ホームページに様式がありま
す。

届出書と在留カードのコピーを郵送

(郵送先) 〒160-0004 東京都新宿区四谷1丁目6番1号四谷タワー14階
                                                    東京出入国在留管理局在留管理情報部門届出受付担当

 

上記①~③いずれかの方法で届出を行うことが可能です。


契約機関に関する届出は、退職した時だけではなく勤務先の名称や所在地の変更、勤務先が廃業した場合や後述する転職先が決まった場合にも必要な手続きです。

失業保険の手続き

失業保険は日本人と同様で、離職日以前の2年間の間に12カ月以上雇用保険に加入していれば失業保険を受け取ることが可能です。ハローワークにて手続きしましょう。

転職活動

もし引き続き日本で働きたい場合は、転職活動を行いましょう。就労ビザを取得した時の勤務先を退職したからといってすぐ就労ビザが取り消しになるわけではありません。
しかし、就労ビザの目的が「日本で就労すること」ですので、働いていない状態が3カ月続くと就労ビザの取り消し対象となります。求職活動を行っていても、在留期限が来てしまったら出国をしなくてはいけないことになります。
したがって在留期限まで3カ月未満の場合は、在留期限までに再就職先を探さなくてはいけません。

転職活動中のアルバイト

転職活動中のアルバイトは原則禁止です。
なぜなら、
就労ビザ働ける職種や仕事が決まっているからです。

ただし、会社都合で退職をする場合は「資格外活動」の許可を申請することで週28時間までアルバイトが可能になります。この申請には必要書類と申請書を住んでいるところを管轄する地方出入国在留管理官署に提出します。

就労資格証明書

転職先が内定したら、「就労資格証明書」を取得しましょう。
これは転
職先で働くことができることを証明するものです。この証明書を取得することで、次回の更新がスムーズになり、また雇う側も今もっている就労ビザで雇用できると判断できますので、この証明書の取得をおすすめします。

契約機関に関する届出とビザの更新

退職するときに届け出た、「契約機関に関する届出」は再就職先が決まったら再度届出を行います。この時も14日以内に行います。また現在の在留期間が残り3カ月未満の時は在留期間更新手続きも行う必要があります。

退職後帰国する場合

日本で働いていた外国人が退職後再就職をせずに本国に帰国をする場合、今まで支払いをしてきた厚生年金の「脱退一時金」を請求できる場合があります。

外国人が厚生年金の加入期間が6カ月以上ある等一定の条件を満たしていることが必要ですが、日本で老齢年金を受け取ることができないので、請求手続きは行うことをおすすめいたします。
脱退一次金の支給要件や支給額、請求方法などは日本年金機構のホー
ムページに載っていますので、参照してください。

まとめ

このように、在留資格についてや雇用保険・年金の手続きなど、日本独自のシステムで外国人が正確に理解するには難しい点もあり、手続きが遅れたり怠ったりすれば外国人本人が日本に在留することができなくなってしまうこともありえます。外国人本人が行わなくてはいけない手続きではありますが、雇用側もきちんと把握をして、働く外国人に適切にアドバイスをしてあましょう。そうすることで外国人が安心して日本で生活ができるようになり、また雇用側も不法就労の助長などを防ぐことができます。
企業側と外国人双方がきちんと制度を把握することで、より外国人が働きやすい環境づくりができるようになるかと思います。
湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://visa-saitama.net/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
就労ビザサポートセンター https://touch.or.jp/work/
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