目次
特定技能2号とは
「特定技能2号」は、熟練した技能が求められ、これは,長年の実務経験等により身につけた熟達した技能をいい,現行の専門的・技術的分野の在留資格を有する外国人と同等又はそれ以上の高い専門性・技能を要する技能であって,例えば自らの判断により高度に専門的・技術的な業務を遂行できる,又は監督者として業務を統括しつつ,熟練した技能で業務を遂行できる水準のものをいうとされています。
つまり、在留資格「特定技能2号」は、特定産業分野(当面の間、建設と造船・船用工業分野のみ)に属する熟練した技能を要する業務に従事する外国人向けの在留資格です。
特定技能2号の受入分野
特定技能2号での受入れ対象は,現時点(2021年)で以下の2分野のみとなります。
・建設分野
・造船・舶用工業分野
ちなみに、特定技能1号では以下の14分野が受入対象となります。
①介護②ビルクリーニング③素形材産業④産業機械製造業⑤電気・電子情報関連産業⑥建設⑦造船・舶用工業⑧自動車整備⑨航空⑩宿泊⑪農業⑫漁業⑬飲食料品製造業⑭外食業 |
特定技能2号を取得するために外国人が満たす基準
特定技能2号のみに適用される基準
①必要な技能を有していることが,試験その他の評価方法により証明されていること
②技能実習生の場合は,技能の本国への移転に努めるものと認められること
その他特定技能1号,特定技能2号に共通の基準
①18歳以上であること
②健康状態が良好であること
③退去強制の円滑な執行に協力する外国政府が発行した旅券を所持していること
④保証金の徴収等をされていないこと
⑤外国の機関に費用を支払っている場合は,額・内訳を十分に理解して機関との間で合意していること
⑥送出し国で遵守すべき手続が定められている場合は,その手続を経ていること
⑦食費,居住費等外国人が定期に負担する費用について,その対価として供与される利益の内容を十分に理解した上で合意しており,かつ,その費用の額が実費相当額その他の適正な額であり,明細書その他の書面が提示されること
⑧分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)
まとめ:特定技能2号のポイント
○在留期間:3年,1年又は6か月ごとの更新
○技能水準:試験等で確認
○日本語能力水準:試験等での確認は不要
○家族の帯同:要件を満たせば可能(配偶者,子)
○受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外
特定技能1号と特定技能2号の違い
特定技能1号 | 特定技能2号 | |
在留期間 | 1年,6か月又は4か月ごとの更新,通算で上限5年まで | 3年,1年又は6か月ごとの更新特定技能と違い通算の上限はなく、条件を満たせばゆくゆく永住権取得可能。 |
技能水準 | 相当程度の知識又は経験を必要とする技能 | 熟練した技能 |
日本語能力水準 | 生活や業務に必要な日本語能力を試験等で確認(技能実習2号を修了した外国人は試験等免除) | 試験等での確認は不要 |
家族の帯同 | 不可 | 可能 |
外国人支援 | 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象 | 受入れ機関又は登録支援機関による支援の対象外 |
特定技能2号は特定技能1号よりも高い水準が求められる
「特定技能2号」は,「特定技能1号」よりも高い技能水準を持つ者に対して付与される在留資格ですが,当該技能水準を有しているかの判断は,あくまで試験の合格等によって行われることとなります。
よって,「特定技能1号」を経れば自動的に「特定技能2号」に移行できるものでもなく,他方,試験の合格等により「特定技能2号」で定める技能水準を有していると認められる者であれば,「特定技能1号」を経なくても「特定技能2号」の在留資格を取得することができます。
特定技能2号は支援義務がない(登録支援機関への委託は不要?)
特定技能1号は、その活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上,日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画を作成し,当該計画に基づき支援を行わなければならないと定められております。
一方で特定技能2号は支援義務がありません。
つまり、特定技能1号では当該外国人への支援が多岐に渡ることから、受入企業は「登録支援機関」に支援を委託し、毎月委託料として3-5万円/を支払うケースが多くありますが、特定技能2号外国人についてはその必要性がなくなることが想定されます。
最後に
「特定技能2号」は,「特定技能1号」よりも高い技能水準を持つ者に対して付与される在留資格であり、企業にとってその外国人は、即戦力としての期待がもてます。
現在のところ特定技能2号の受入分野は、建設分野、造船・舶用工業分野の2分野ですが、今後は更なる分野の拡大も想定され、特定技能2号の活用がますます期待されることでしょう。
この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士
湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://touch.or.jp/marriage/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
就労ビザサポートセンター https://touch.or.jp/work/
永住ビザサポートセンター https://touch.or.jp/eizyu/
ビザサポートセンター https://www.yuda-office.jp/