特定技能「飲食料品製造」とは

飲食料品製造分野において深刻化する人手不足に対応するため、専門性・技能を生かした業務に即戦力として従事する外国人を受け入れ、飲食料品製造分野の存続・発展を図り、もって日本の経済・社会基盤の持続可能性を維持することを目的としています。

特定技能「飲食料品製造」の受入見込数

飲食料品製造分野におけ2023までの受入れ見込数は、最大34,000人であり、これ受入れの上限として運用されています

飲食料品製造業は、事業所数及び従業者数が製造業の中では第1位であり、また、大都市圏とそれ以外の地域において、従業者数比率に大きな偏りはなく、地域経済の観点からも雇用と生産を支える産業として重要な役割を担っているといえます

次に、飲食料品製造業分野における労働力需給の現在の状況は、他の製造業と比べ雇用人員不足感が高い状況にあります。平成29年度の飲食料品製造業分野の有効求人倍率は2.78であり、1.54倍である全体より大きいものです。また、厚生労働省「雇用動向調査」によれば、平成28年度の欠員率が3.0%に達しています

以上のことから、飲食料品製造業の持続可能性を阻害しないよう、特定技能外国人を受け入れることで、我が国の飲食料品製造業の持続的な存続・発展を図り、良質で安全な飲食料品を安定的に供給する体制を確保することが必要不可欠であるといえます

2023年まで7万3,000人程度の人手不足が見込まれる中、今般の受入れは、5年間で2%程度(5年間で2万7,000人程度)の生産性向上及び追加的な国内人材の確保(5年間で12,000人程度)を行ってもなお不足すると見込まれる数を上限として受け入れるものであり、過大な受入れ数とはなっていません。

特定技能「飲食料品製造」で従事できる業務

(1)主たる業務

特定技能「飲食料品製造」で従事できる業務は、飲食料品の製造・加工・安全衛生です。ただし、酒類に関するものは除かれます。

(2)関連業務

関連業務に専ら従事することは認められません。ただし、主たる業務をあわせて行う限りにおいて、付随的に従事することは認められます。
特定技能「飲食料品製造」の関連業務の例としては、原料の調達・受入れ、製品の納品、清掃、事務所の管理作業などが挙げられます。

特定技能「飲食料品製造」で外国人を雇用する条件

(1)外国人が特定技能「飲食料品製造」の在留資格を取得していること

在留資格とは、外国人が日本に在留し、一定の活動を行うことができる資格をいいます。特定技能「飲食料品製造」の在留資格を取得するための要件は以下の通りです。

技能水準(試験区分)
飲食料品製造特定技能1技能測定試験に合格する必要があります。

日本語能力水準
①国際交流基金日本語基礎テストまたは②日本語能力試験(N4以上)のどちらかに合格する必要があります。

ウ なお、実施する業務に関連する一定の第2号技能実習を良好に修了した者は上記ア・イの試験を免除されます。

(2)フルタイムの直接雇用であること

必ずフルタイムの直接雇用である必要があります。派遣雇用は認められません。

(3)受入機関に対して特に課す条件を満たしていること

受入機関一般に課される条件(リンク:特定技能条件(受入機関))のほか、特定技能「食料品製造業」において特に課される条件は以下の通りです。

ア 受入企業の事業所が特定の産業を行っていること

事業所において以下のいずれかの産業を行っている必要があります。
①食料品製造業
②清涼飲料水製造業
③茶・コーヒー製造業
④製氷業
⑤菓子小売業または菓子製造小売業
⑥パン小売業またはパン製造小売業
⑦豆腐・かまぼこ等加工食品小売業

協議会の構成員であること
受入企業は、農林水産・関係業界団体・登録支援機関その他の関係者で構成される食品産特定技能協議会に加入する必要があります。特に、飲食料品製造分野の特定技能外国人を始めて受け入れる場合には、当該特定技能外国人の入国後4か月以内に協議会に加入しなければなりません。

協議会に加入せずに特定技能外国人を就労させた場合には、不法就労助長罪に処されますのでご注意ください。

ウ 協議会に対し必要な協力を行うこと
受入企業は、上記イの協議会に対し、必要な協力を行わなければなりません。協議会に対し必要な協力を行わない場合には、不法就労助長罪に処されますのでご注意ください。

エ 農林水産省に対し必要な協力を行うこと
受入企業は農林水産省が行う調査・指導・その他の活動に対し必要な協力を行わなければなりません。

登録支援機関に支援計画の全部の実施を委託する場合には、協議会に必要な協力を行登録機関に委託すること
受入企業が、1号特定技能外国人支援計画の全部の実施を登録支援機関に委託する場合には、当該登録支援機関は上記イ・ウ・エを満たしている必要があります。

まとめ

特定技能:飲食料品製造分野で外国人を雇い入れるためには、
(1)外国人が特定技能「飲食料品製造」の在留資格を取得していること
(2)フルタイムの直接雇用であること
(3)受入機関に対して特に課す条件を満たしていること
以上のことが必要です。

湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://visa-saitama.net/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
就労ビザサポートセンター https://touch.or.jp/work/
永住ビザサポートセンター https://touch.or.jp/eizyu/
ビザサポートセンター https://www.yuda-office.jp/