技能ビザとは

【技能ビザの概要】

技能ビザは入管法では「本邦の公私の機関との契約に基づいて行う産業上の特殊な分野に属する熟練した技能を要する業務に従事する活動」と規定されています。これは簡単に言うと「日本にはないハイレベルな産業の技術を持つ外国人が日本でその業務を行うためのビザ」です。

【産業上の特殊な分野とは？】

外国に特有の産業分野や技能レベルが日本よりも高い分野、又は日本国内で従事するハイレベルな労働者が少数しかいない分野が対象となります。

・中華料理、タイ料理などの各国料理の料理人
・外国特有の建築土木の大工
・貴金属、毛皮の技師
・パイロット・スポーツトレーナー等
※上記以外の分野もあります。

【技能ビザを取得するための条件は？】

技能ビザは誰でも取得できるわけではありません。

１、申請人（本人）の条件該当する技能によって条件は異なる

・中華料理、タイ料理などの各国料理の料理人の場合
→外国特有の料理で、日本においては特殊なものについて１０年以上の実務経験が必要
・外国特有の建築土木の大工
→外国特有の建築または土木に係る技能について１０年以上の実務経験が必要
・貴金属、毛皮の技師
→宝石、貴金属、毛皮の加工に係る技能について１０年以上の実務経験が必要
・パイロット
→航空機の操縦に係る技能について、１，０００時間以上の飛行経験を有する者で、航空法第２条第１７項に規定する航空運勢事業の用に供する航空機に乗り込んで操縦者としての業務に従事する者
・スポーツトレーナー
→スポーツの指導に係る技能について、3年以上の実務経験が必要、又はスポーツ選手としてオリンピック大会、世界選手権大会その他の国際的な協議会に出場したことがある者
※上記以外の分野もあります

２、受け入れる会社側の条件

受け入れる会社側としては経営の安定性と継続性が審査されますので、それらを十分に立証する書類を提出することが必要になります。必須書類につきましても会社の規模により異なってきます。

カテゴリー1
上場している企業、保険業を営む相互会社、日本又は外国の国・地方公共団体、独立行政法人、特殊法人・認可法人、日本の国・地方公共団体の公益法人、法人税法別表第1に掲げる公共法人

カテゴリー2
前年分の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表中、給与所得の源泉徴収票合計表の源泉徴収税額が1,500万円以上ある団体・個人

カテゴリー3
前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表が提出された団体・個人（カテゴリー2を除く）

カテゴリー4
上のいずれにも該当しない団体・個人

上記カテゴリーによって必要な書類が異なってきます。必要書類については法務省のホームページをご参照ください。
法務省技能ビザ必要書類URL
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/ZAIRYU_NINTEI/shin_zairyu_nintei10_15.html

【技能ビザで一番多いのは？】
技能ビザの取得で一番多いのは料理人の分野です。需要が多い反面、この分野では不法入国も多かったため、出入国管理局では他の分野に比べて審査を慎重に行う傾向があります。

【料理人の分野について】
具体的には中華料理専門店、タイ料理専門店、ベトナム料理専門店、インドネパール料理専門店、韓国料理専門店等で勤務する外国人料理人が対象です。日本料理専門店や居酒屋勤務では所得できません。
ちなみに味噌ラーメン、ちゃんぽん、皿うどん等については、遡ればその起源が中国にあり、または中国人が考案したのであるものの、その後高度に日本化されたものであるため、技能ビザの対象分野には含まれないとされた事例があります。
条件としては当該専門料理店での実務経験が１０年以上あることが必要となりますが、この「１０年」には「外国の教育機関で調理や食品製造に関する科目を専攻した期間も含む」とされています。※タイ料理人のみ５年以上の実務経験が条件となります。

【その他】
会社側は日本人が従事する場合に受ける報酬と同等以上の報酬を支払わなければなりません。

【申請の流れ】
１、申請書類の作成、その他必要書類を揃える
２、出入国管理局に申請書類を提出
３、結果の通知
４、許可

詳しくは法務局ホームページをご参照ください。
法務局呼び寄せ申請についてのURL
http://www.moj.go.jp/ONLINE/IMMIGRATION/16-1.html