教育ビザ（インターナショナルスクール）

教育ビザとは

教育ビザとは、外国語教育等の教育分野の国際化に対応するため、語学教師等を外国から受け入れるために設けられた就労ビザの一つです。要するに日本の学校で働く外国人に付与される在留資格です。
入管法には、「本邦の小学校，中学校，高等学校，中等教育学校，特別支援学校，専修学校又は各種学校若しくは設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関において，語学教育その他の教育をする活動」と規定されています。この一文だけ読むと、幼稚園やインターナショナルスクールは含まれていないと考えるのが一般的ですが「これに準ずる教育機関」には、初等教育機関を含まれるとされています。つまり、幼稚園やインターナショナルスクールで働く場合でも、在留資格「教育」を取得することは可能です。

インターナショナルスクールとは

インターナショナルスクールは、日本に在住する外国籍の児童のための教育施設(幼稚園・小学校・中学校・高校)として設立、発展してきたと言われています。学校教育法に定める学校ではなく、各種学校に分類されています。
しかし現在では、教育の国際化、多様化により、日本人が入学できるスクールも増え、また、日本の学校としての要件を満たしながら、英語による教育を行う取り組みも伝えられるようになりました。日本人がインターナショナルスクールに進学を希望する背景には、帰国児童等の教育の他に、欧米の教育文化や国際的英語力を求めていることが挙げられます。

つまり、インターナショナルスクールとは、日本にある学校ではあるが、そこでの教育方法や文化は海外のものを取り入れている学校のことです。ここで在留資格「教育」との関連性ですが、前述の通りインターナショナルスクールは日本の学校教育法に定める学校ではなく、各種学校に分類されています。このような条件のもとで在留資格「教育」が取得できるか否かがポイントになります。

インターナショナルスクールにおける活動

インターナショナルスクールで働く外国人が、教育ビザを取得できるのかに関してですが、結論から申し上げると可能です。理由の説明の前にもう一度入管法の条文を見てみましょう。「本邦の小学校，中学校，高等学校，中等教育学校，特別支援学校，専修学校又は各種学校若しくは設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関において，語学教育その他の教育をする活動」。この条文の後半に記載のある「設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関において，語学教育その他の教育をする活動」にはインターナショナルスクールで語学教育をおこなう場合は、在留資格「教育」に該当するものとされています。また、教育の内容が幼稚園に該当するものであっても、「設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関」においておこなわれるものは在留資格「教育」に含まれます。「設備及び編成に関してこれに準ずる教育機関」に該当するかは、日本インターナショナルスクール協議会加盟校に勤務先であるインターナショナルスクールが加盟していること。若しくは日本インターナショナルスクール協議会加盟校に準ずる教育機関であると判断された場合です。

インターナショナルスクールの中身について

インターナショナルスクールは、外国で生まれ親の転勤などで幼いときに日本に来日した外国人が多く通う学校です。しかしながら近年では、日本で生まれた日本人でもインターナショナルスクールに通うケースが多くなってきています。
これは社会全体のグローバル化の影響で、幼いころから海外の言語や文化を学ばせたいという親が増えてきているからです。このような性質がありますが、在留資格「教育」が肯定されるのは、インターナショナルスクールに通う生徒の多くが外国人で、語学教育をおこなうものとされています。
つまり勤務先であるインターナショナルスクールの生徒の大半が日本人の場合は、在留資格「教育」の該当性はなくなります。この場合は、技術人文知識国際業務の在留資格の取得の検討が必要になります。

終わりに

教育ビザの定義を示した入管法の条文は、単純に読むと小学校以上の教育機関でなければ教育ビザは該当しないものと見受けられますが、幼稚園も該当します。これはこのページでも紹介した条文の後半部分を読み解いてから見えてくるものです。入管法にはこのような難解な条文が数多くありますので、単純に読んだだけで判断するのではなく専門家に相談することを推奨します。