経営管理ビザ

【現行法対応】経営管理ビザの従業員雇用要件を徹底解説!人数や対象者を専門家が解説

日本でビジネスを立ち上げる外国人にとって、最も重要となるのが「経営・管理」の在留資格(通称:経営管理ビザ)の取得です。

かつての法律では「資本金500万円以上、または常勤職員2名以上の雇用のいずれか」という要件が存在していましたが、法改正を経た現行の許可基準では、事業規模に求められる法的要件が大きく異なっています。

本記事では、入管業務に精通した実務経験豊富な行政書士が、現行の入管法に基づいた「経営管理ビザの従業員雇用要件」や「人数のカウント方法」、そして「求められる厳格な各種要件」について徹底解説します。日本で起業を目指す外国人経営者の方や、そのサポートをする企業担当者様は、ぜひ最後までお読みいただき、正しい知識を身につけてください。

経営管理ビザにおける従業員雇用の要件(現行の許可基準)

経営管理ビザを取得し、日本で合法的に会社を経営するためには、事業の規模に関する厳格な基準を満たす必要があります。

「資本金3,000万円以上」かつ「常勤職員1人以上の雇用」が必須

現行の法律では、事業規模の要件として、「3,000万円以上の資本金・出資総額」と「1人以上の常勤職員の雇用」の両方を満たすことが義務付けられています

かつてのように、資本金と雇用のどちらか一方を選択すればよいという制度ではありません。「十分な資本力」を持った上で、日本の労働市場に対して「少なくとも1人以上の雇用を創出すること」が、ビザ取得の絶対条件となっています。

雇用が義務付けられる「常勤職員」の条件・対象者とは?

「1人以上の従業員を雇えば、誰でも要件を満たせるのか?」というと、そうではありません。入管法における「常勤職員」の定義は非常に厳格に定められています。

対象となるのは日本人や「身分系ビザ」の外国人のみ

経営管理ビザの事業規模要件として義務付けられている「常勤職員」にカウントできるのは、原則として以下の条件を満たす人に限定されています。

  • 日本人
  • 特別永住者
  • 以下の在留資格(身分系ビザ)をもって在留する外国人
    • 永住者
    • 日本人の配偶者等
    • 永住者の配偶者等
    • 定住者

これらの人々は日本での就労活動に制限がないため、会社の常勤スタッフとしてカウントすることが認められています。

就労ビザ(法別表第一)の外国人は人数の要件対象外

ここで最も注意すべきなのは、いわゆる「就労ビザ(法別表第一)」を持つ外国人は、この「1人以上の常勤職員」の人数にはカウントされないという点です。

例えば、「技術・人文知識・国際業務」のビザを持つシステムエンジニアや、「技能」ビザを持つ外国人調理師などを正社員として何人雇用したとしても、事業規模要件としての「常勤職員雇用義務」を満たしたことにはなりません。

必ず、上記の「日本人や身分系ビザを持つ人」の中から1名以上を常勤雇用する必要があります。

従業員雇用と連動する「日本語能力要件」について

従業員の雇用と密接に関わる重要な法的要件として、「日本語能力の要件」が存在します。日本国内で円滑にビジネスを行い、コンプライアンスを遵守するためには、経営陣や主要スタッフに一定の日本語力が必須とされています。

申請者または常勤職員のいずれかに相当程度(B2レベル)の日本語能力が必要

現行の基準では、「申請者(経営者本人)」または「常勤職員」のいずれかが、相当程度の日本語能力を有していることが要件とされています。 経営者本人が日本語を話せない場合は、必ず日本語が堪能な常勤職員を雇用し、業務をサポートできる体制を整えなければなりません。

なお、前項で「就労ビザの外国人は雇用人数の要件にカウントされない」と解説しましたが、この「日本語能力要件」を満たすための常勤職員に限っては、就労ビザ(法別表第一)の外国人も対象として含まれます

日本語能力を証明するための具体的な基準

求められる「相当程度の日本語能力」とは、「日本語教育の参照枠」におけるB2相当以上と定義されています 。日本人や特別永住者以外がこれを証明するためには、客観的な資料の提出が必要です。具体的には以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 日本語能力試験(JLPT)でN2以上の認定を受けていること
  • BJTビジネス日本語能力テストにおいて400点以上取得していること
  • 中長期在留者として20年以上我が国に在留していること
  • 我が国の大学等高等教育機関を卒業していること
  • 我が国の義務教育を修了し高等学校を卒業していること

従業員がいれば現場作業(現業)を行ってもよいのか?

従業員を雇用することで事業体制が整ったとしても、経営管理ビザの本質的な活動内容を見誤ってはいけません。

「経営・管理」の活動実態と現場作業の厳格な線引き

経営管理ビザは、その名の通り「事業の経営」または「管理」を行うための在留資格です。経営者としての活動実態が十分に認められない場合、ビザは許可されません

例えば、飲食店を経営する場合、社長自身が厨房で料理を作ったり、ホールで接客をしたりする現場作業(現業)の大半を担うようでは「経営活動」とはみなされず、不許可になるリスクが極めて高くなります。

適切なスタッフの配置と雇用契約書の重要性

飲食店やマッサージ店などの現業が発生するビジネスモデルの場合、経営者が現場作業を行わなくても店舗が回るよう、適切な人数のスタッフを配置しなければなりません。

入管への申請時には、それを証明するために雇用契約書やシフト表などを準備し、経営者の活動実態が「マネジメント」に専念できる環境であることを論理的に説明する必要があります。

従業員雇用以外に満たすべき経営管理ビザの重要要件

現行の経営管理ビザでは、資本金や従業員雇用以外にもクリアすべき要件が存在します。以下の重要ポイントもしっかりと押さえておきましょう。

学歴(修士相当以上)または3年以上の経営・管理経験

経営者としての資質を問う要件として、申請者本人が以下のいずれかを満たしている必要があります。

  • 経営管理や事業分野に関する修士相当以上の学位(博士、修士、専門職学位)を取得していること 。
  • 3年以上の事業の経営または管理の職歴を有していること 。

専門家(中小企業診断士等)による事業計画書の確認義務

在留資格決定時に提出する「新規事業計画書」について、その計画に具体性や合理性があり、実現可能であることを評価するため、経営に関する専門的な知識を有する者による確認が義務付けられています

この専門家とは、具体的に「中小企業診断士」「公認会計士」「税理士」などが該当します。専門家の客観的な評価を受けた事業計画書の作成が不可欠です。

自宅兼事務所の原則禁止(事業所の確保)

事業規模に応じた適切な経営活動を行うため、「自宅を事業所と兼ねること」は原則として認められません。居住空間とは明確に区分された、ビジネス専用の事業所(オフィスや店舗)を確保することが求められます。

従業員雇用に関するよくある質問(FAQ)

役員(取締役など)は「常勤職員」の人数にカウントされますか?

原則としてカウントされません。入管法における「常勤職員」とは、会社と雇用契約を結んで働く従業員を指します。役員は経営に従事する側であるため、従業員枠としては計算されません。経営陣とは別に、純粋な雇用スタッフを確保する必要があります。

経営管理ビザの要件クリアは行政書士にご相談を

現行の経営管理ビザの要件について解説いたしました。 「資本金3,000万円以上」「常勤職員1人以上の雇用」「修士号または3年以上の経営経験」「日本語能力要件」「専門家による事業計画書の確認」など、満たすべき法的ハードルは多岐にわたります 。

インターネット上の古い情報を鵜呑みにして自己流で準備を進めると、事業をスタートさせたにも関わらずビザが不許可になるというリスクがあります。

当事務所では、常に最新の入管法令に基づき、現行基準に完全対応したビザ取得サポートを提供しております。提携する専門家ネットワークも活用し、事業計画書の作成から会社設立、ビザ申請までをワンストップで支援いたします。

ご自身の状況で要件を満たせるのか、どのように従業員を雇用すればよいのか等、ご不安な点がございましたら、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。専門の行政書士が、最適なロードマップをご提案いたします。

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

専門分野
外国人ビザ(在留資格)・帰化
主な取扱業務

・外国人在留資格申請、帰化
・対日投資に関する支援業務
 (経営管理ビザ,対日投資コンサルティング等)
・外国人材の雇用、技能実習監理、特定技能登録支援業務

開業以来、国際業務を専門とし、
年間1,000件以上の在留資格・帰化実務に対応

公式サイト
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