経営管理ビザ

経営管理ビザを取得する難しさ

日本で起業してみたい、日本の企業で経営にチャレンジしてみたい!でも、そのためにはいったい何が必要なのかすぐに分かるという人はそれほど多くはないと思われます。実は、この場合に必要なのは、「経営管理ビザ」という在留資格です。「経営管理ビザ」というと、あまり聞きなれない名前ではないでしょうか。そもそも「経営管理ビザ」とはどういうビザなのでしょうか?さらに、経営管理ビザは簡単に取得できるものなのでしょうか?この記事では、以下の点について知ることができます。

  1. 経営管理ビザとは?
  2. 経営管理ビザは簡単に取れる?
  3. 経営管理ビザをゲットするのはどれくらい難しい?
  4. 経営管理ビザをゲットしよう!

1 経営管理ビザとは?

(1)何のためのどういうビザ?

経営管理ビザとは、外国人の方が事業の経営・管理業務をすることができるようにするために設けられた在留資格です。対象となる活動は、「事業の経営を行う活動」又は「事業の管理に従事する活動」です。でも、そう言われても何だか難しそうだし、あまりピンとこないかもしれません。そこで、以下、モデルケースを使ってさらに具体的に説明します。

(2)モデルケース

あなたは、中国出身で今は日本に住んでいます。そして、あなたは、中華料理のコックさんとして日本の中華レストランで雇われて働いているとします。ちなみにこの場合、あなたが持っているビザは、技能ビザというものだとします。あなたの作る本場の中華料理は、お客さんからの評判も上々でどんどんお客さんも増えてきている状況です。そこで、あなたとしては、雇われて調理師をするのではなく、自分のレストランを新しくオープンして、今度はお店を経営する側に回りたいと思うようになりました。

ベテラン調理師の友人が何人かいるので、声をかけてみたところ、あなたに雇われて働いてくれそうな感じです。さらに、ネットで調べてみたところ、中華料理店をオープンするための雰囲気のよさそうな空き物件がいろいろあるみたいです。近い将来、レストランオーナーとしての第二の人生を始めることができたらいいなあと思っています。

ただ、ちょっと待ってください。一つ忘れていることがあります。それは、ビザです。「ビザなら技能ビザを既に取得している。ビザならちゃんと持っている。」と言いたいかもしれません。しかし、技能ビザでレストランの経営をすることはできず、上記の経営管理ビザが必要となります。

(3)おまけ;レストラン以外のビジネスはダメ?

ア モデルケース

ここまで読んだら、経営管理ビザについておおまかなイメージを持つことができたのではないでしょうか。ただ、先ほどは中華料理レストランの経営が例として挙げられていましたが、経営管理ビザってほかのビジネスには対応していないのでしょうか。

かりに、あなたはインド出身だとします。カレーにしてもチャイにしても、やはり決め手になるのは何と言ってもスパイス。必要なスパイスがそろっていないと、物足りない味になってしまいます。それにスパイスならどんなクオリティでもいいというわけではありません。だけど、日本ではスパイスにこだわりがある人はあまり多くなく、あなたとしてはもっとインドのスパイスを知ってほしい、味わってほしいと思っているわけです。

それにインドにはあなたの家族や友人がたくさんいて、彼らがとっておきのスパイスを日本に送ってくれそうです。そこで、あなたは、インドの本格的なスパイスを輸入するための貿易会社を日本に作って経営するのが夢です。このようなケースでも、経営管理ビザの対象になるのでしょうか?

イ 経営管理ビザがカバーするビジネス

実は、経営管理ビザの対象として認められる活動は、中華料理レストランの経営だけではなく、何でもOKです。もちろん日本において違法とされている業務は対象外です。例えば、麻薬ビジネスや売春ビジネスは許されません。でも、日本で適法なものであれば、経営管理ビザの対象となる活動の業種や業態に制限はありません。
ということは、経営管理ビザによって、インドからのスパイスを輸入する夢をかなえることができそうですね。

2 経営管理ビザを取得する難易度

(1)簡単ではない

日本に入国・滞在するための在留資格は、29種類あります。その中でも経営管理ビザの取得は、とても難易度が高いと言われています。「えっ、難しいの?じゃあやめとこうかな・・・」と思いましたか?だけど、それはもったいないです。その理由は、この後すぐに分かります。

(2)経営管理ビザをゲットする資質

そもそも、どうして経営管理ビザを簡単に取得させてもらえないのでしょうか?その理由は、不当にビザを取得しようとする人が多いためとされています。具体的には、本当に日本で会社を経営する気がさらさらないにもかかわらず、いわゆるペーパーカンパニーを作ることにより経営管理ビザを不当に取得するような場合です。それはよくないということで、そんなに簡単に経営管理ビザを取得させてくれないのです。

そうだとすると、あなたは、経営管理ビザの取得を簡単にあきらめる必要はないということが分かりました。なぜなら、この記事を読んでくださっている皆さんは、きちんとしたビジネスをしようと思っているはず。ペーパーカンパニーを作って不正なことをするのではありません。だったら経営管理ビザをもらう資格が十分にあるということになります。だからこそ絶対に経営管理ビザをゲットしたいですよね!当事務所(行政書士法人タッチ)も皆さんの可能性を信じて全力でサポートします!

3 経営管理ビザをゲットするのはどれくらい難しい?

(1)難易度の目安

出入国在留管理局は、経営管理ビザに関し、具体的な許可率のデータを公表していません。よって、明確な許可・不許可率は不明と言わざるを得ません。もっとも、インターネットには専門家の経験談を見つけることができます。具体的には、「出入国在留管理局の審査官との会話の中で、他のビザに比べて許可率が低いと聞いた」というものがあります。さらに具体的な目安として、一般の就労ビザと比較すると、経営管理ビザの許可率はその半分以下ではないかという意見もあります。このように明確な数値ははっきりしないものの、経営管理ビザの申請に対する不許可が頻発しているという状況を想像することができます。

(2)どういう意味で難しいのか?

ア 申請のハードルは高くない

ここまでの流れを見ると、経営管理ビザの取得は必ずしも簡単というわけではなさそうだということが分かりました。しかし、意外にも、ビザを申請するハードル自体は決して高くはないのです。どういうことでしょうか?

まず、経営管理ビザ以外のビザについては、ほとんどの場合一定以上の学歴や職歴が必要とされています。例えば、日本で働こうとする外国人の方が就労ビザ(技術・人文知識・国際業務)を申請する場合において、必要な学歴として「大学を卒業し、または、これと同等以上の教育を受けたこと」が求められています。そうだとすると、自分の学歴や職歴によっては日本での就労をあきらめざるを得ないという人もいるということになります。他方、経営管理ビザについては、驚くことにそのような要件が一切ありません。要するに、仮に大学等を卒業していなかったり職歴も十分でなかったりしても、その他のポイントをクリアしていれば、チャンスは十分にあるということです。

イ その分他の部分のチェックが厳しい

このように入口は広いですが、申請後に厳しい審査が待っています。さらに、ビザ取得までのプロセスが単純ではなくその期間も数か月かかります。これらの意味において、経営管理ビザの取得は簡単ではないということができるでしょう。

そう言われると、あきらめたくなってしまう人もいるかもしれません。実現するかどうかよくわからないし、実現の可能性が高くないもののために時間とエネルギーを使いたくない、と考える人がいても不思議ではありません。でも、大丈夫です。なぜなら、経営管理ビザの取得は決して宝くじのようなものではなく、事前の対策をすることにより少しでも許可率を上げることは可能だからです。そのための第一歩として、具体的にどんなところを厳しくチェックされるのかを知ることから始めましょう。以下、具体的に説明します。

ウ どんなポイントをチェックされるのか?

当然ですが、ビザの許可となる要件を満たしていない場合、不許可になります。一般的によく指摘されている点としては、事務所です。ご希望として多いのは、今所有しているマイホームを会社の事務所として使いたいというものです。この記事を読んでくださっている皆さんの中にもそうしようかなと思っていた方もいるのではないでしょうか。実は、その場合、不許可になるリスクがあります。簡単に言うと、原則として、自宅兼事務所は認められないと思っておくとよいでしょう。

例外的に認められることもありますが、100%ではありません。このように、多くの人が「当然大丈夫だろう。私はそうしたいんだ。」と思っていることが意外な落とし穴となり、結果として不許可になってしまうということです。このような落とし穴は、教えてもらわないと自分ではなかなか気づきにくいという側面があります。

ほかにもたくさんありますが、許可率に影響する大事なポイントをもう1つだけご紹介しますね。それは、事業計画書です。やはり多くの方が思っているのは、「開業準備さえしっかりできていれば、経営管理ビザは当然もらえるに違いない。ちゃんと会社だって設立したんだし、大丈夫なはず。」というものです。この記事を読んでくださっている皆さんもそんな期待を持っていませんか?残念ながら、開業準備をしただけでは経営管理ビザはもらえません。

さらに必要なものの一つとして、「事業計画書」があります。事業計画書とは、簡単にいうと、みなさんのやろうとしているビジネスのビジョンです。これから皆さんは日本で会社等を経営等していこうとしているわけですが、今後のプランはどんな感じになっていますか?「行き当たりばったり。なるようになる。明日は明日の風が吹く。」というような説明では、入管は納得してくれません。当然、ビザももらえません。

確かに、ビジネスをやっていく上では、予想外のチャンスが突然舞いこんだり世の中の状況が急に変わったりして、思ってもなかった展開になるということもあるでしょう。その意味では、「先のことはわからないけど、なるようになる。」という意見は正しいといえます。

しかし、今皆さんがやろうとしていることは、経営管理ビザをゲットすること。そうだとすると、そのために必要とされていることをきちんとこなしていくということが求められます。具体的には、先ほど述べた事業計画書というものを作成することになります。適当な説明では相手を納得させることはできない、その意味で難しいということができそうです。

4 経営管理ビザをゲットしよう!

(1)ここまでのまとめ

ここまで読んでいただいて分かってきたことは、経営管理ビザの取得は確かに簡単ではないけれど、できる限り許可率を上げるための準備をすることはできるということです。一方で、絶対にビザがとれる魔法のような方法は存在しません。皆さんがやることは、ご自身の状況に応じやるべきことをやっていくということです。

(2)結局何をすればいいのか?

では、そのためにかなり役に立ちそうなことは何でしょうか?それは、専門家に依頼するという方法です。先ほど述べたように、経営管理ビザの取得に際しては、道のりも複雑な上、思ってもみないような落とし穴があるかもしれません。ハイキングに例えると、頂上までのルートが分かりにくく、危険な場所もあるというようなイメージでしょうか。頂上までたどり着くことができず、あきらめて下山する人もたくさんいるような山です。でも頂上からの眺めは最高なんです。だからどうしても登山を成功させたい!このような場合、どうしますか?通常は、経験豊富な山のガイドに誘導を依頼するのではないでしょうか。その山の頂上まで何度も行ったことがあり、落とし穴の場所もちゃんと把握しているガイドがいれば、心強いですし頂上までたどり着く可能性が格段にアップする気がしませんか?
そのガイドとなるのが私たち「行政書士法人タッチ」です。まずは私たちにご相談ください。そうすれば、皆さんのゴールである許可ゲットのため、私たちは専門知識を駆使し全力でサポートします。

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】

国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://visa-saitama.net/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
就労ビザサポートセンター https://touch.or.jp/work/
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