経営管理ビザ

民泊経営で経営管理ビザを取るには?

民泊

【解説動画】民泊事業で経営管理ビザを取得

はじめに

  • 日本で民泊ビジネスをやってみたい!
  • だけど、大変そう。何が必要なのかよくわからない・・・。
  • 絶対に失敗したくない。確実にビザを取って民泊ビジネスをやりたい

この記事は、上記のように思っている人にピッタリです。

今、民泊ビジネスが注目されています。この記事を読んでいる皆さんの中にも、日本で経営・管理ビザを取って民泊ビジネスをやってみたいという方がいるのではないでしょうか。最近、そのような方が増えてきています。そこで、この記事では、以下のようなポイントについて説明されています。

  1. 民泊ビジネスの定義
  2. 経営管理ビザ取得の観点から見た民泊のシステム
  3. 経営・管理ビザの取得に際し、民泊ビジネスならではの注意点
  4. まとめと今後のおすすめ

では、以下、これらの点について一緒に見ていくことにしましょう。

用語についてのお断り

「在留資格」と「ビザ」とは、理論上は異なるものです。ただ、むずかしい説明を避けより分かりやすい記事とするため、この記事では、両者を同様のものとして記載しています。ご了承ください。

そもそも民泊ビジネスとは?

(1)概要

「民泊」という言葉をご存じですか?知っているという人もいれば、知らないという人もいるでしょう。あるいは、実際に自分が民泊を利用したことがあるとか、反対に民泊を経営してみたいという人もいるのではないでしょうか。いずれにしても、まずはじめに「民泊」とはどのようなものなのかを知ることからスタートしましょう。

(2)民泊とは

一般的に広く知られているといえる「民泊」という言葉。しかし、意外なことに「民泊」についての法令上の明確な定義はないと言われています。厚生労働省によると「民泊」とは、「住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供すること」とされています。

ホームステイと意味は似ているかもしれません。このような説明を聞くと、アメリカやイギリスでも似たようなサービスが行われているということに気づいた方もいるかもしれません。実は、上記「民泊」と同様のサービスは、欧米で広く提供されています。海外の事情も気になるところではありますが、ここから先は、日本での民泊サービスについてさらに見ていくことにしましょう。

(3)日本における民泊サービスについての背景と規制の必要性

日本では、民泊に対する期待が高まっています。その背景として考えられるものは、近年急増する訪日外国人観光客の宿泊に対するニーズが多様になってきていることや、少子高齢化社会を背景に増加しつつある空き家を有効活用したいというニーズ等があります。

その一方で、まったく自由に民泊ビジネスをやってもいいというわけにはいきません。なぜなら、感染症まん延防止等の公衆衛生確保の必要性や、地域住民等とのトラブルが懸念されるところその防止等の課題が考えられる以上、これらの課題を踏まえたルールが求められるからです。さらに、法的には許可が必要であるにもかかわらずそれを無視して無許可で勝手に民泊サービスを提供しているケースもあると言われています。よって、そのような事態への対応が必要とされています。

経営管理ビザ取得の観点から見た民泊のシステム

(1)民泊には主に3つのやり方がある

民泊についてどのようなシステムになっているのでしょうか。具体的には、大まかに以下の3つの方法があります。

  1. 旅館業法の許可を得る
  2. 国家戦略特区法(特区民泊)の認定を得る
  3. 住宅宿泊事業法の届出を行う

少なくとも3つの方法があると知って、「複雑だなあ。何が違うのか?どれを選べばいいのか?」と思いませんか?そこで、以下、簡単にこれらについてそれぞれ解説していきますね。

(2)旅館業法

旅館業法による許可の申請

一定の場合、許可を受けて民泊ビジネスを行うことになります。そうすると、どういう場合に許可をもらうことができるのかが気になってきますね。その点に関しては、民泊として使う予定の施設がある都道府県(保健所を設置する市、特別区を含む。)で申請の受付や事前相談等を行っています。

旅館業法による規制の例

このシステムによると、最低床面積(原則として33㎡。)についての規制があるものの、営業日数の制限がない点が魅力的です。さらに、もし旅館業許可を取得できれば、かなり高確率で経営・管理ビザも取得できると一般的に考えられています。

ただし、旅館営業許可を取得することは、一般的には簡単ではありません。さらに、旅館業法は、旅館業の施設について、換気、採光、照明、防湿及び清潔その他宿泊者の衛生に必要な措置を講じなければならないとしています。これは何を意味するのかというと、民泊ビジネスを始めるにあたり、必要な設備等を設置しなくてはならないことがあり、内装工事を進める段階から上記基準をクリアするためのイニシャルコストが思ったより高額になりかねないということです。金額の目安としては、最低でも100万円かかるとも言われています・・・。

(3)国家戦略特区法

制度目的

「国家戦略特区」という言葉は、あまり聞きなれないかもしれません。国家戦略特区とはどのようなものを目的としたシステムかというと、成長戦略の実現に必要な大胆な規制・制度改革を実行し、「世界で一番ビジネスがしやすい環境」を創出することとされています。そう言われると、日本で民泊等のビジネスをすることを考えている皆さんにとっては、グッドニュースのように聞こえませんか。この点について、この後改めてご紹介しますね。

システム概要

この法律に基づき民泊ビジネスをやるには、国で特別に指定されているエリアにおいて、認定を受けることになります。具体的には、国家戦略特区の中で特区民泊が可能であるとされている地域の例として、東京都大田区、大阪府、大阪市等が挙げられます。
注意点としては、エリアによってルールが異なるため、自分が保有する不動産の自治体の条例を確認する必要があるという点です。この点についても、後述しますね。

特区民泊の特徴

民泊を始めるにあたっていろいろなシステムがあり複雑に思われるかもしれません。単純にいうと、今ご紹介した特区民泊は、上記(2)の旅館業法に比べ、より易しい条件で認定を受けることが可能と言われています。

(4)住宅宿泊事業法(新法民泊)

制度目的

まず、住宅宿泊事業法が制定された背景について説明します。
民泊事業が急速に増加する中、課題もあります。例えば、民泊として使われる施設について安全面・衛生面の確保が十分になされていないこと、騒音やゴミ出しなどによる近隣トラブルです。さらに、観光旅客の宿泊ニーズが多様化しており、このような状況に対応する必要性があるといえます。
以上のような背景を踏まえ、一定のルールを定め、健全な民泊サービスの普及を図るものとして、新たに制定された法律が上記の住宅宿泊事業法です。

システム概要

端的に言うと、この住宅宿泊事業法により民泊ビジネスをやるには(「新法民泊」と呼ばれることもあります)、都道府県知事等へ届出をすることになります。イメージとしては、日常住んでいる自宅の空きスペースを利用してちょっとした副業をするような感じでしょうか。様々な細かい条件があるので、この住宅宿泊事業法による民泊ビジネスをやることを考えている方は、確認することが必要となるでしょう。

住宅宿泊事業法の特徴

新法民泊については、比較的ハードルは低いと言われています。ただ、経営管理ビザの取得という観点からすると、年間営業日数に制限がある点に着目することになります。住宅宿泊事業法によると、年間提供日数の上限は180日とされています。これは、新法民泊の最大の特色といってもよいでしょう。なぜこのようなシステムになっているかというと、住宅宿泊事業法が前提にしているのは、宿泊施設のベースはあくまでも住居であるということです。

上記制限が民泊事業をやろうとしているみなさんにとって何を意味するかというと、新法民泊は、本格的に大規模なビジネスをやって徹底的に売り上げを上げるビジネスパターンには向いておらず、むしろ、上述したように副業のような側面があるということです。というのも、180日程度の営業期間というのは月に半分しか営業できないということですが、これでは一般的には収益が十分に上がらないと考えられますからね。投下資本を回収するまでにいったいいつになるんだろうという気持ちになるかもしれません。収支のシュミレーションをするということを検討してもよいでしょう。

(5)どれを選ぶか?

さて、ここまで民泊事業のパターンを3つ見てきたわけですが、どのパターンでも経営管理ビザの取得はできます。ここで気になることは、では3つのうちいったいどれを選べばいいのかという点です。結論からいうと、経営管理ビザを取得するという観点からすると、最も進めやすく最も申請件数も多いのは、(3)でご紹介した国家戦略特区法に基づく民泊事業です。その理由は、上記でも述べたように、特区民泊は、他の2つに比べより簡単でメリットもあるからです。

経営・管理ビザの取得に際し、民泊ビジネスならではの注意点

(1)油断禁物

ここまで読んできて、民泊事業のアウトラインが分かり、何となくこれからのビジョンが見えてきたのではないでしょうか?
ただし、油断禁物。ちょっとしたことで失敗したくないですよね。「あのときあの記事をよく読んでいれば、こんなことにはならなかったのに・・・」と後になって後悔したくないです。せっかくここまでこの記事を読んできて民泊や経営管理ビザについての理解がより深まったのだから、さらにあと少しフォローしておきたいことがあります。

そこで、以下、経営・管理ビザの取得に際し、民泊ビジネスならではの注意点の例をいくつかご紹介しますね。

(2)経営管理ビザを視野に入れた場合の民泊ビジネスに関する注意点

条例に注意

先ほどご紹介した3(3)の国家戦略特区法に基づく民泊事業(特区民泊)についてです。

「私は、国家戦略特区法の内容は知っている。私のやろうとしている民泊事業は、その法律をクリアしている。だから、経営管理ビザをもらえるだろう。不十分な点はないのだから、大丈夫なはず。」

そう思っていたら、実は意外な落とし穴があるかもしれません。それは、条例やマンション管理規約の存在です。実は、特区民泊を規制するものは、上記国家戦略特区法だけではありません。各エリア(都道府県市町村)ごとにオリジナルのルールが定められていることがあり、それは「条例」と呼ばれます。それが皆さんのやろうとしている民泊ビジネスに何の関係があるのでしょうか。気になるポイントの例として以下が考えられます。

  • 条例は全部同じではない。各自治体によって特区民泊の条例の内容が異なる。
  • その条例は、もしかしたら法律(国家戦略特区法)よりも厳しいルールかもしれない。

よって、みなさんがやることになる対策としては、みなさんが保有している不動産があるエリア(自治体)の条例がどのようになっているかを確認するということです。ただし、条例は、インターネット等では探しにくいことがあり、内容を見てもわかりにくいということがあります。したがって、行政書士等のプロフェッショナルに相談・依頼するという方が圧倒的に楽で確実です。

マンション管理規約も無視できない

条例の他に注意すべきなのは、マンションの管理規約です。みなさんが民泊として使おうと考えている不動産がマンションの場合、そのマンションがオリジナルのルールを決めていることが少なくありません。マンションの部屋を民泊として使用することを禁止しているかもしれません。その点に関しても、その管理規約を確認しておくと安心です。

まとめと今後のおすすめ

(1)まとめ

以下、この記事のポイントを簡単に整理しておきますね。

  • 民泊とは、住宅(戸建住宅、共同住宅等)の全部又は一部を活用して宿泊サービスを提供すること。
  • 民泊には主に3つのやり方がある。具体的には、①旅館業法の許可を得る、②国家戦略特区法(特区民泊)の認定を得る、③住宅宿泊事業法の届出を行う。経営管理ビザを取得することを考えた場合のおすすめは、②の特区民泊。
  • 経営管理ビザを視野に入れた場合の民泊ビジネスに関する注意点がある。例えば、条例やマンション管理規約等。

(2)今後のおすすめ

「これで私は民泊ビジネスを始めるため必要なことが分かった。経営管理ビザも問題なくゲットできるに違いない。」

そのように思っている方におすすめな情報があります。それは、専門家である行政書士に依頼するということです。なぜでしょうか?経営管理ビザについては、細かい点までチェックされます。経営管理ビザを取得する際の注意点だって上記に挙げたもの以外にもたくさんありますし、それは個別の案件ごとに異なります。この点、弊社のような行政書士に依頼すれば、みなさん一人一人に合ったオリジナルの提案やアドバイスなどを提供してもらえます。

私たち「行政書士タッチ」では、経営管理ビザ取得に向けて、総合的なコンサルティング、事業計画書や損益計画書等の各種書類作成から申請代行、許可の受け取りまで一貫して行います。一人で悩んだり調べたりする時間はもったいないかもしれません。ぜひお気軽にご相談くださいね。相談は無料ですし、みなさんが気になることや疑問をじっくりとお伺いします。

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】

国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
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