経営管理ビザ

経営管理ビザと資本金について

経営管理ビザと資本金についてこのような方におすすめ

  • 私は、外国人として日本でビジネスをやってみたい!会社を立ち上げる!
  • 日本の「経営管理ビザ」に興味があるが、なんだかよくわからなくて困っている。
  • 経営管理ビザを取得するのに必要な資本金について知りたい。
  • 経営管理ビザを取得するには多額のお金を払わないといけないのだろうか・・・心配だ。
  • 経営管理ビザを取得するにはお金(資本金)が必要と聞いている。どうやって払えばいいか分からない。

この記事は、以上のような人にとって役立つ情報が分かりやすく掲載されています。もちろん、それだけでなく経営管理ビザに興味があるすべての人必見です。

経営管理ビザと資本金についての概要

(1)経営管理ビザを目指す人にとっての資本金

経営管理ビザ取得のための会社設立

経営管理ビザを取得するには、ビザの申請に先立って会社を設立することが求められます。「そんなことは知らない、初めて聞いた」という人もいるかもしれません。いずれにしても、ビジネスを始めるからには会社を立ち上げるということは、かなり一般的な方法だということが言えます。

会社を設立するための資本金

そうすると次に疑問として上がってくることは、会社の設立手続きです。日本で会社を設立するにはどうしたらいいのかということ。
そのプロセスの一つとして「資本金等の払込み」があります。経営管理ビザの取得を目指す人々の多くが疑問に思うのが、この資本金です。

せっかくいいアイデアやビジネススキルを持っているのに、資本金について誤解しているために、経営者として活躍できるチャンスを逃している人も少なくないようです。この記事を読んでいるみなさんの中にも、資本金について詳しくは分からないという人が多いのではないでしょうか。

(2)この記事で知ることができるポイント

この記事では、つぎのようなポイントを知ることができます。なお、以下では、株式会社を前提に記載しています。

  • 外国人として日本で会社を設立する際、お金払わなきゃダメ?
  • どうやって資本金の払込みをするか
  • 資本金の払込みをした後、会社を設立するためにやっておくべきこと
  • 経営管理ビザにおける資本金についていちばん注意すべきこと

では、これらのポイントについて、以下で分かりやすく説明していきますね。経営管理ビザに興味があるすべての人に役立つ情報ですよ。

外国人として日本で会社を設立する際、お金払わなきゃダメ?

(1)アウトライン

なんだかいろんなシステムや用語があって、頭が混乱しませんか?インターネットで情報が簡単に手に入るのは便利だけど、その分、情報が氾濫してしまってうまく整理できず、結局かえって物事の本質が見えなくなってしまっているという可能性もありそうです。とくに経営管理ビザについては、その仕組みが複雑なため、「何が何だかわからない。いったい私は何をどうすればいいのか…。」と途方に暮れているという事態も見受けられます。

そこで、まず情報の整理を簡単にしてみますね。その後、より詳しく見ていくことにしましょう。結局、この記事において前提にしている流れは、以下のようなものです。

経営管理ビザ取得について前提にしている流れ
  1. 日本で経営等をやりたい
  2. そのためには、ビザがいる。名前は、経営管理ビザ。
  3. そのビザをゲットするには、一般的には会社設立をする。
  4. 会社を設立するには、資本金の払込みというものが必要。経営管理ビザを取得するためには、資本金の額又は出資の総額が500万円以上であることが求められている。

この記事では、上記を踏まえた上で、④にフォーカスしていきます。なぜなら、経営管理ビザに関して多くの人々が特に疑問に思うのが④だからです。

(2)よくある誤解

  • 経営管理ビザを取得するには、自らが資本金500万円以上を出資しなければならないらしい。わー、それは大変だ。自分にできるだろうか…自信がない。
  • 私は大丈夫。出資金500万?用意できますよ。お金さえ用意できればビザもらえるんでしょ?

この記事を読んでいるみなさんの中には、上記のように思っている人もいるのではないでしょうか。実は、上記の2つの考えは、いずれも正しくありません。いったいどういうことなのでしょうか。

(3)自分で出資してなくてもOK!

ルールが緩和された

たしかに、前はそうでした。正確には、2015年4月1日以前は、経営活動を行うためのビザを取得するには、外国人等の出資が求められていました。しかし、その後、ルールが変わりました。よって、経営活動というアクティビティをするにあたって、法的には外国人等による出資は必要ではなくなりました。

その理由は、日本企業において、経営や管理活動を行う外国人を広く迎え入れやすくするためとされています。
よって、自分で資本金500万円以上の出資をしていなくても、OKです。

でもビザの審査において重要な判断要素となる

以下、ちょっと細かいような話になります。経営管理ビザについて、どのようなアクティビティに対して認められる在留資格かというと、その一つとして「事業の経営を行」うというものが定められています。

しかも、この「経営を行」うというポイントを満たすためには、申請人が経営に「実質的に」関わるものでなければならないとされています。もっとわかりやすく言うと、「あなたは名ばかり経営者ではないですよね?本当にあなた自身がそのビジネスに実際に携わっていますか?」ということです。

では、経営に実質的に参画又は従事しているかどうかは、何を基準に判断されるのでしょうか。その判断要素の一つとなるのが、申請人自身の投資額です。審査要領によると、実質的に経営に関与しているかどうかは、事業開始に至る経緯全般から判断されます。その中には、申請人が取得した株式の割合や事業に投下している資金の出所等も含まれます。

要するに、自分ではほとんどろくにそのビジネスに投資していないのであれば、本当にその人自身がそのビジネスに実際に携わっているとは考えにくいと判断されかねないということです。

(4)お金さえ用意できればいいわけではない

ここまでの流れを踏まえ、「では500万円を用意しよう。」と考える人もいるのではないでしょうか。あるいは、すでに現金を用意できる状態にあるという人もいるでしょう。

ただし、まだ安心できません。お金さえ用意できればいいわけではないのです。どういうことでしょうか。この点は、経営管理ビザにおける資本金について、実務上、最も問題となる点です。よって、項を改めてこの記事の最後でご紹介しますね。

どうやって資本金の払込みをするか

(1)パターン2つ

会社を設立するための資本金ですが、その払込みに当たり、銀行口座を使用することになります。主に以下の2つのパターンが考えられます。

会社を設立するための資本金2つのパターン
  1. 外国人として日本に在住している。
  2. 日本には居住していない。

(2)問題点とその解決方法

これらのうち特に問題になりやすいのが、②のパターンです。②の場合、日本の銀行の個人口座を持っていないという人が一般的です。そうだとすると、資本金を払い込む際の受け皿となるはずの銀行口座が存在しない以上、資本金の払込みをすることができず、結果として会社の設立ができないという事態が懸念されます。

「いや、私は大丈夫。今度ちょっと旅行で日本へ行って(短期滞在)、そのついでに日本の銀行の口座を作ってくるよ」。この記事を読んでいるみなさんの中にもそのように考えた人はいるのではないでしょうか。しかし、残念ながらそれはダメです。どこの銀行に行っても断られてしまうからです。

以上から、②のパターンの場合、会社設立に際し、協力者が必要となってきます。具体的には、協力者に一時的に会社設立のメンバー(発起人、設立時取締役といいます。)になってもらうという方法が考えられます。

資本金の払込みをした後、会社を設立するためにやっておくべきこと

(1)会社設立の際の必要書類の一つ

無事銀行口座を用意でき、資本金の払込みが完了したとします。それで終わりではありません。会社を設立するには、会社の設立に必要な資本金が全額払い込まれていることを証明する書類の提出が必要となります。

払込みが終わった段階で油断することなく、せっかくなのでこのタイミングでやるべきことをやってしまいましょう。後回しにした結果、結局忘れてしまっていて、後からあわててしまうということになることは避けたいですね。

(2)何をすればよいか

通帳のコピー

資本金の振込みが終わったら、まずは、通帳を記帳して履歴を確認したいところです。そうすると、つぎに、通帳をコピーしましょう。そうはいっても、通帳のいったいどこをコピーすればいいのか疑問に思いませんか。事前に知っておくとスムーズです。コピーする箇所は、以下の3カ所になります。

  • 通帳の表紙
  • 通帳の表紙の裏面
  • 資本金の振込んだことが分かるページ

払込証明書の作成

実は、上記アのコピーだけでは不十分です。次に、払込証明書を作成します。これは、資本金が口座に払い込まれたことを証明するものです。そうはいっても、一体なにを書けばいいのだろうか、ということが気になりませんか。大丈夫です。払込証明書に記載すべき事項は決まっているので、以下を書けばいいのです。

  • 払込金額の総額
  • 払込があった株数
  • 1株あたりの金額
  • 日付(最後に資本金が振込まれた日)
  • 会社の所在地(本店)
  • 会社名(商号)
  • 代表取締役の氏名

経営管理ビザにおける資本金についていちばん注意すべきこと

(1)出資金の出所が問われる

では出資金の払込みも終わり、いよいよ経営管理ビザの取得に向けて動き出す段階に入りました。ただ、もしこんな質問をされたらどうしますか。

「この出資金の500万円は、どこからどうやって調達してきたのですか?」

「なんだっていいじゃあないか。お金をちゃんと用意できているのだから、その出所なんてそんなに大事なことなのか」と思ったかもしれません。しかし、上記のクエスチョンに対するアンサーを的確に説明できるようにしておくべきです。なぜなら、そうでないとビザが取得できない可能性があるからです。

(2)立証方法例

書面による立証

出資金の入手経路については、いろんなケースがあることでしょう。合法な方法で働いて自分で貯めた、金融機関から借りた、親に借りた・・・etc。
では、どのようにして立証することになるのでしょうか。入管の審査は、書面審査です。だから、立証も書面によります。証拠書類を出す、といえばイメージしやすいでしょうか。

提出する書類の例

証拠書類を提出するといっても、具体的にどんな書類や資料を提出したらいいのかわかりにくいですよね。そこで、以下、立証に使用することが考えられるドキュメントの例を挙げておきます。

  • 所得証明書
  • 海外への送金に関する通知はがき
  • 携行品・別送品申告書(税関)
  • 金銭消費貸借契約書(お金を貸し借りし返すことを約束した契約書)
  • 売買契約書(自分の所有する不動産を売ってお金を捻出したような場合)
  • 本国の通帳

もちろん上記ドキュメント以外にも使えそうなものはあるでしょう。よって、出資金を調達する段階で、上記立証に役立ちそうな書類の存在を意識しておくとよいでしょう。

まとめ

この記事では、経営管理ビザの取得に関し、特に気になる人が多いテーマについて取り上げました。たくさんのことを知り頭が混乱してきた、という人もいるかもしれません。そこで、以下でポイントをまとめます。

  • 外国人として日本で会社を設立する際、申請者本人による出資は必ずしも必要ではない。しかし、経営管理ビザの審査において、出資額の多寡は、重要な判断要素となる。
  • 日本の銀行の個人口座を持っていない場合、ビザを取得することは事実上困難。協力者の存在がキーとなる。
  • 資本金の払込みをした後、会社を設立するために通帳のコピーと払込証明書の作成をすることになる。
  • 出資金の入手経路に関する合理的な説明をすることが求められる。
この記事の監修者
行政書士法人タッチ代表行政書士
湯田一輝
2018年8月ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチhttps://touch.or.jp/
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