目次
経営・管理ビザとは
経営・管理ビザとは、就労ビザの一種で、主に日本国内で事業の運営をするために日本に在留する外国人が取得するビザです。
経営・管理ビザを取得する最も一般的な業態は、日本で会社を設立してその役員(代表取締役など)に就任し、会社経営の活動をするというものです。
経営・管理ビザを取得しようとする場合、会社設立時に資本金として500万円を払い込むことが一般的です。
しかし、諸般の事情で設立時に500万円を払い込むことができないという人もいるかと思います。
このような場合であっても絶対に経営・管理ビザが取得できないというわけではありません。
このページでは資本金500万円を払い込まないで経営・管理ビザを取得することについて解説します。
資本金500万円を払い込む理由
経営・管理ビザを取得するには様々な要件・条件を満たす必要がありますが、そのひとつに「事業の規模が一定以上であること」というものがあります。
この「事業の規模」は基本的に500万円以上と解されています。
資本金とは会社財産を確保するために設定される金額ですので、これが500万円あるということは、「この事業を行うには少なくとも500万円は必要」すなわち「事業の規模が500万円以上である」ということを端的に証明することができます。
そういった事情で、会社設立時に資本金500万円を払い込む方法が経営・管理ビザの取得に際して最も一般的な方法となっています。
資本金500万円の払込み以外の方法
経営・管理ビザの申請人以外に日本に居住する常勤の職員が2人以上従事していること
資本金500万円の払い込みがなくても、その事業を行う上で、日本に居住する常勤の職員が2人以上従事していれば「事業の規模が一定以上であること」という要件・条件を満たします。
「常勤」といえるためには労働日数が週5日以上で労働時間が週30時間以上である必要があります。
「日本に居住」に該当するのは「日本人」、「日本人の配偶者等」、「永住者」、「特別永住者」、「永住者の配偶者等」、「定住者」です。「技術・人文知識・国際業務」などの就労ビザの外国人は含まれないので注意してください。
また、給与支払(最低賃金)、社会保険など、その他の法令も遵守されている必要があります。
「準ずる規模」であると認められるものであること
「資本金500万円の払込み」「日本に居住する常勤の職員が2人以上」がなくても、それらに準ずる規模であると認められれば「事業の規模が一定以上であること」という要件・条件を満たします。
具体的には以下のような例が挙げられます。
- 常勤の従業員が1名いる事業所において、もう一人分従事させるのに必要な費用(概ね250万円程度が一般的に必要)が別途投下されている場合
- 事業所の確保、役員報酬や既に雇用した従業員の給与、設備等の用意にかかった経費などで支出した費用を合計すると事業規模500万円以上と言える場合
⇒例えば、資本金100万円で会社を設立し、その他の経費でかかった領収書の合計が400万円以上である場合など
おわりに
このページでは資本金500万円を払い込まないで経営・管理ビザを取得することについて解説しました。
資本金500万円を払い込むという方法が最もポピュラーな方法として行われているのは、上述のように「事業の規模が500万円以上である」ということを端的に証明することができることや、従業員2名を雇用するより通常は安上がりであるということに起因します。
しかし、個々の外国人ごとに事情は異なるため、経営・管理ビザを取得するには必ず資本金500万円を払い込まないといけないと考えるのは適切ではありません。
その外国人にとってどの方法が最も適切かを判断するにあたっては、一度経験豊富な専門家に相談することをおすすめします。