経営管理ビザ、即ち、在留資格「経営・管理」の在留期間は、5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月のいずれかとされています。
新規の申請の際は、1年のビザが与えられることが多く、その後は、会社の経営の安定性や在留期間の長さに応じて、3年や5年のビザを取得できる可能性があります。
この記事では、経営管理ビザの在留期間や新規取得、更新時の注意点について解説します。
経営管理ビザの在留期間
経営管理ビザには、5年、3年、1年、4ヶ月、3ヶ月の5つの在留期間があります。
この期間は、申請者の経営状況や事業の安定性、雇用状況などに基づいて決定されます。
初めての申請や新規事業の場合は、1年のビザが与えられることが多く、その後の更新で3年や5年のビザを取得できる可能性があります。
なお、入国後に法人登記の手続きなどを行う場合は、4ヶ月のビザが与えられます。
在留期間が3ヶ月を超えることから、経営管理ビザの在留資格で在留カードが発行されます。これにより住民登録が可能となり、個人名義の銀行口座を開設することも可能になります。
経営管理ビザ取得に必要な要件
経営管理ビザの取得には、いくつかの要件を満たす必要があります。
以下に主な要件についてまとめました。
①事業所の存在
日本に事業所があることが要件に含まれます。
事業が未開始の場合は、事業所として使用する施設が確保されていなければなりません。
不動産登記簿謄本や賃貸借契約書などの資料の提出が求められます。
なお、バーチャルオフィスは認められませんし、自宅兼事業所という形態も1名以上の常勤職員を雇う必要があることから、基本的に認められません。
②事業の規模
下記のいずれかの要件を満たす必要があります。
- 1名以上の常勤職員(日本人・特別永住者・定住者・永住者・その配偶者等)を雇用する。
- 資本金または出資総額が3,000万円以上であること。
常勤職員については、雇用契約書などの疎明資料の提出が必要になります。
資本金については、3,000万円の形成過程が審査されます。資金が不正な手段でなく、合法的な手段で確保されていることが必要です。
資本金または出資総額は、事業の用に供される財産を意味し、法人の場合は、株式会社における払込済資本の額(資本金の額)又は合名会社、合資会社若しくは合同会社の出資の総額を意味し、資本準備金、資本剰余金、利益剰余金は含まれません。
一方、個人の場合は、事業所の確保や雇用する職員の給与(1年間分)、設備投資経費など事業を営むために必要なものとして投下されている総額を意味します。
③経歴(学歴・職歴)と報酬
申請者が、次のいずれかを満たす必要があります。
- 経営管理又は申請に係る事業の業務に必要な技術又は知識に係る分野に関する博士、修士若しくは専門職の学位を取得していること
- 事業の経営又は管理について3年以上の経験を有すること。
また、日本人が従事する場合と同等以上の報酬(月額25万円程度)を受ける必要があります。
④日本語能力
申請者又は常勤職員のいずれかが相当程度の日本語能力を有することが求められます。
相当程度の日本語能力とは、「日本語教育の参照枠」におけるB2相当以上の日本語能力(日本語能力試験(JLPT)N2以上、BJTビジネス日本語能力テスト400点以上等)が必要になります。
なお、申請者又は常勤職員が次のいずれかに該当する場合は試験による日本語能力の証明は不要になります。
- 日本人
- 特別永住者
- 中長期在留者として20年以上日本に在留している者
- 日本の大学等を卒業した者
- 日本の義務教育を修了し高等学校を卒業した者
⑤事業の安定性・継続性
実現可能で安定性・継続性のある事業内容でなければなりません。
日本国内で赤字になっていると安定性がないと判断され、経営管理ビザは難しくなるため注意しましょう。
具体的な事業計画書の提出が求められます。
提出に際しては、その事業計画書に具体性、合理性が認められ、かつ、実現可能なものであることについて、経営に関する専門的な知識を有する者(中小企業診断士、公認会計士、税理士のいずれか)の確認を受けなければなりません。
⑥実質的な経営
会社における業務執行権や経営権を持ち、実際に経営を行わなければなりません。
経営管理ビザ取得までの期間
経営管理ビザの取得までには、一般的に4ヶ月から6ヶ月の期間が必要です。
①会社設立(1ヶ月程度)
経営管理ビザ申請前に、会社設立が必要です。
具体的には、以下の手続きを行います。
- 定款作成と公証役場での定款認証
- 資本金の振込
- 法務局で法人設立登記
②税務署への各種届出(2週間程度)
税務署への各種届出が必要です。
届出控えは経営管理ビザ申請時に必要となるため保管しておきましょう。
- 法人設立届
- 給与支払事務所等の開設届
- 源泉徴収の納期の特例の承認に関する申請書
③営業許可などの許認可(1ヶ月程度)
許認可が必要な事業を行う場合は、警察署や保健所などの行政機関から許可を得る必要があります。許認可が必要となる主なビジネスは以下のとおりです。
飲食業、不動産業、製造業、ホテル・旅館、建設業、運送業など
④経営管理ビザ申請(申請準備に1ヶ月程度)
上記と並行して申請準備を行います。ただし、事業計画書や損益計画表等の書類作成に時間がかかる場合があるため事前の準備をしっかり行うことが重要です。
- 在留資格認定証明書交付申請書作成
- 事業計画書、損益計画表の作成
- 申請理由書の作成
- 必要書類の収集
- 入国管理局への申請
⑤入国管理局による審査期間(2~3ヶ月)
案件や時期によって審査期間は異なりますが、一般的に2〜3ヶ月程度の期間を要します。
以上のとおり、経営管理ビザの取得には、会社設立の準備を始めてから許可が下りるまでにおおよそ4〜6ヶ月の期間がかかります。
この期間は、すべての手続きがスムーズに進んだ場合の最短期間です。
営業許可などの許認可が必要なケースでは、実際にはさらに時間が必要なこともあるため、余裕のある計画を立てることが大切です。
在留期間が長期のビザを獲得するためのポイント
長期の経営管理ビザを獲得するためには、いくつかのポイントを押さえる必要があります。
以下にて、特に重要なポイントについて解説します。
直近の事業状況
長期ビザの取得において、直近の事業状況を詳細に報告することは非常に重要です。
たとえば、過去数年間の売上高を報告し、事業の成長と安定性を示します。
売上が増加傾向にある場合、事業の成功と市場での需要が確認できると言えます。
次に、利益の報告も必要です。
利益が安定していることは、経営が健全であることの指標の1つです。特に収益性が高い場合、事業の持続可能性が強調され、長期ビザ獲得の可能性が高くなります。
その他、事業運営にかかる経費も詳細に報告するのが良いでしょう。
経費管理が適切であることを示すことで、経営の効率性を証明します。
たとえば、広告費、賃貸料、従業員の給与などの主要な経費項目を具体的に説明し、コスト削減策や効率化の取り組みを紹介することが効果的です。
従業員の雇用状況
従業員の雇用状況についても、長期ビザの取得において重要なポイントです。
従業員との雇用契約書を提出することで、安定した雇用関係を証明します。
雇用契約書には、給与、勤務時間、職務内容などが明記されている必要があります。
次に、従業員に支払われた給与の明細を提出し、適切な給与支払いが行われていることを示します。給与明細は従業員の生活を支える重要な証拠です。
最後に、雇用している従業員の人数を報告します。従業員数が多いほど、事業運営の安定性が高く評価され、長期のビザを獲得できる可能性が高まります。
経営管理ビザの更新方法と必要な書類
経営管理ビザの更新は他のビザに比べて難易度が高く、新規取得時と同様の要件を満たす必要があります。
改正前の許可基準で、経営管理ビザを取得している場合も、今後は更新時には、原則として、改正後の基準に適合する必要があります。
特に注意したいのが、「資本金の額または出資の総額が3,000万円以上」という要件です。旧基準では、500万円で良かったわけですが、更新時に3,000万円以上に増資できないと、経営管理ビザの更新が難しくなる可能性があります。
また、申請者が日本の税金(所得税、法人税、住民税など)を適切に納め、必要な届出を提出し、従業員の社会保険に加入させていることも求められます。
その他にも、事業所の確保、納税の義務履行、社会保険加入の整備などが必要です。
事業の継続性を証明するため、売上や利益の安定、適切な経費管理、剰余金の有無、債務超過の状況が審査されます。場合によっては、公認会計士や中小企業診断士などの専門家の診断書を提出し、事業の継続が見込まれると示すことも重要です。
次に、更新時に必要となる書類についても見ていきましょう。
一般的な提出書類
一般的な提出書類は以下のとおりです。
・在留期間更新許可申請書
申請者の基本情報を記載し、ビザの更新を正式に申請するための書類です。
・写真(縦4cm×横3cm)
申請前6ヶ月以内に撮影された、正面からの無帽・無背景の鮮明な写真。写真の裏面に申請者の氏名を記載し、申請書の写真欄に貼付します。
・パスポートおよび在留カードの提示
有効なパスポートと在留カードを提示し、本人確認と現在の在留資格を証明します。
・所属機関のカテゴリーを証明する文書
所属機関がどのカテゴリーに該当するかを証明するための書類。
たとえば、四季報の写しや日本の証券取引所に上場していることを証明する文書や前年分の職員の給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表(写し)などです。
所属機関のカテゴリーによっては、以下の書類も必要になります。
- 直近の年度の決算文書の写し
- 当該事業を法人において行う場合には、当該法人の登記事項証明書の写し
- 事業を営むために必要な許認可の取得等をしていることを証する資料
- 常勤の職員が一人以上であることを明らかにする当該職員に係る賃金支払に関する文書及び住民票その他の資料
- 直近の在留期間における事業の経営又は管理に関する活動内容を具体的に説明する文書
- 住民税の課税(又は非課税)証明書及び納税証明書(1年間の総所得及び納税状況が記載されたもの)
- 所属機関における公租公課の履行状況を明らかにする次の資料(労働保険、社会保険、源泉所得税及び復興特別所得税、法人税、消費税及び地方消費税に関する納税証明書、法人住民税など)
- 外国法人の源泉徴収に対する免除証明書その他の源泉徴収を要しないことを明らかにする資料
経営管理ビザの取得は行政書士までご相談ください
当事務所では、経営管理ビザの在留期間に関する手続きを全面的にサポートしています。
会社設立の準備から申請書の作成まで、当事務所が代理で行うことが可能です。
特に事業計画書の記入には正確さが求められ、少しの不備で手続きが遅延する可能性があります。当事務所の経験豊富な行政書士が確実に申請書を作成し、書類の不備を防ぎます。
また、経営管理ビザの在留期間に関する全般的な相談にも対応しています。
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