
スペイン人と国際結婚する方法には、日本で結婚の手続きを進める方法と、スペインで結婚の手続きを進める方法の2つがあり、それぞれ手続きが大きく異なります。
スペインとの国際結婚手続きは、両国での書類準備や手続きに時間がかかる傾向があります。特にスペイン側の手続きは、事前の書類審査や面接が含まれるなど、慎重に進められます。
どちらの国で先に手続きを行うか、双方の状況に合わせて検討することが重要です。
日本で結婚の手続きを進める場合の流れ
スペイン人のパートナーが日本に来日して、婚姻の手続きを進める場合です。
この方法では、日本の市区町村役場への届出と、在日スペイン大使館・総領事館への届出の両方が必要になります。
具体的な手続きの流れは以下の通りです。
1. 在日スペイン大使館で「婚姻要件具備証明書」の発行手続きを開始する
まず、スペイン人パートナーが結婚するための要件を満たしていることを証明する「婚姻要件具備証明書(Certificado de Capacidad Matrimonial)」の取得手続きを在日スペイン大使館で開始します。
スペインの場合、この証明書の発行にはスペイン本国での手続きが必要となるため、非常に時間がかかります。
申請には、スペイン人・日本人双方の多数の書類(出生証明書、過去2年間の居住証明、パスポート、戸籍謄本など)が必要で、その後、領事による面接が行われます。
申請書類はスペイン本国の管轄の登記所に送られ、そこで審査・許可が下りて初めて、在日スペイン大使館から証明書が発行されます。
2. 日本の市区町村役場で婚姻届を提出する
婚姻要件具備証明書を入手したら、日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。
【必要書類の例】
- 婚姻届
- 本人確認書類(運転免許証、パスポートなど)
- スペイン人の方の婚姻要件具備証明書
- 上記証明書の日本語訳(翻訳者の署名が必要)
- スペイン人の方のパスポート
3. 在日スペイン大使館で婚姻の登録を行う
日本の法律上の結婚が成立したら、その事実をスペインの身分登記所に登録するため、在日スペイン大使館に報告的届出を行います。
この手続きには、市区町村役場で発行された「婚姻届記載事項証明書」または「婚姻の事実が記載された戸籍謄本」に、日本の外務省でアポスティーユ認証を受けたものが必要です。さらに、その書類のスペイン語訳も併せて提出します。
登録が完了すると、スペインの婚姻証明書が発行され、「家族手帳(Libro de Familia)」が交付されます。
4. 配偶者ビザ(在留資格)の手続きをする
結婚後、日本で夫婦として一緒に暮らす場合は、スペイン人配偶者の在留資格を「日本人の配偶者等」に変更または新規申請する手続きが必要です。
この申請は出入国在留管理局で行います。審査は年々厳格化しており、結婚の信憑性を証明する多くの書類が必要となるため、十分な準備が重要です。
スペインで結婚の手続きを進める場合の流れ
日本人のパートナーがスペインに渡航して、現地の方式で結婚手続きを進める場合です。
1. 日本で戸籍謄本を取得し、アポスティーユ認証を受ける
まず、日本人の戸籍謄本(発行から3ヶ月以内のもの)を取得し、日本の外務省でアポスティーユ認証を受けます。
スペインはハーグ条約加盟国であるため、アポスティーユ認証により、日本の公文書がスペイン国内で有効なものとして扱われます。
2. 在スペイン日本国大使館・総領事館で「婚姻要件具備証明書」を取得する
スペインに渡航後、在スペイン日本国大使館または総領事館で、日本人が日本の法律上、結婚できる状態であることを証明する「婚姻要件具備証明書」を取得します。
【必要書類の例】
- 発給申請書
- 戸籍謄本(アポスティーユ認証を受けたもの)
- 日本のパスポート
3. スペインの身分登記所(Registro Civil)で婚姻手続きを行う
次に、管轄の身分登記所で婚姻手続きの申請を行います。
この手続きは「婚姻許可ファイルの開始(Incoación de expediente matrimonial)」と呼ばれ、審査に数ヶ月を要します。
①書類提出
日本人側の書類(婚姻要件具備証明書、アポスティーユ付き戸籍謄本とスペイン語訳、パスポートなど)と、スペイン人側の書類(身分証明書、出生証明書など)を提出します。
②面接 (Audiencia Reservada)
偽装結婚でないことを確認するため、担当官が新郎新婦それぞれに個別で面接を行います。
③公示
審査の一環として、結婚の公示が行われる場合があります。
④婚姻の許可と挙式
審査が完了し、婚姻が許可されると、身分登記所や市役所(Ayuntamiento)で挙式の日程を予約します。
挙式は担当官と証人の前で結婚の意思を宣誓する形で行われ、これにより法的に婚姻が成立します。
4. 日本への報告的届出(婚姻届の提出)
スペインでの結婚が成立したら、3ヶ月以内に日本側にも報告的届出をする必要があります。
在スペイン日本国大使館・総領事館、もしくは日本の市区町村役場に婚姻届を提出します。
【必要書類の例】
- 婚姻届
- 日本人の戸籍謄本
- スペインの身分登記所が発行した婚姻証明書の原本
- 上記婚姻証明書の日本語訳
- スペイン人配偶者の国籍を証明する書類(パスポートなど)とその日本語訳
5. 配偶者ビザ(在留資格)の手続きをする
結婚後、日本で夫婦として一緒に暮らす場合は、スペイン人配偶者のために「日本人の配偶者等」の在留資格認定証明書交付申請を行う必要があります。
この証明書が交付された後、スペインの日本国大使館で査証(ビザ)の発給を受け、来日することになります。
無料相談
配偶者ビザの申請にあたっては、しっかり審査のポイントを押さえて、申請することが重要です。配偶者ビザの審査は、偽装結婚防止等の観点から年々厳しくなっている印象を受けます。ですので、配偶者ビザ申請にご不安な点があれば、まずはビザ申請に関して専門性の高い行政書士にご相談することを推奨いたします。
行政書士法人タッチでは、無料相談にてお客様一人一人のご状況を伺い、配偶者ビザ取得に向けて最適な方法を選択させて頂きます。
無料相談のご予約方法は当事務所に①お電話でのお申込み・②お問い合わせフォームから承っております。配偶者ビザに関するご不安やお悩みをサポートさせて頂きますので、まずはお気軽にお問い合わせ下さい。
この記事の監修者
- 行政書士法人タッチ 代表行政書士 湯田 一輝
-
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 専門分野 外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応セミナー実績 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 運営サイト 行政書士法人タッチ
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター
帰化申請サポートセンター
就労ビザサポートセンター
永住ビザサポートセンター
ビザサポートセンター






