目次
- 1 登録支援機関とは
- 2 登録支援機関になるためには(登録拒否事由に該当しないこと)
- 2.1 (1)関係法律による刑罰を受けたことによる拒否事由
- 2.2 (2)登録を取り消されたことによる拒否事由
- 2.3 (3)出入国又は労働関係法令に関し不正行為を行ったことによる拒否事由
- 2.4 (4)暴力団排除の観点からの拒否事由
- 2.5 (5)申請者等の行為能力・役員等の適格性の観点からの拒否事由
- 2.6 (6)行方不明者の発生による拒否事由
- 2.7 (7)支援責任者及び支援担当者が選任されていないことによる拒否事由
- 2.8 (8)中長期在留者の適正な受入れ実績がないこと等による拒否事由 ※要確認
- 2.9 (9)情報提供・相談等の適切な対応体制がないことによる拒否事由
- 2.10 (10)支援業務実施に係る文書の作成等をしないことによる拒否事由
- 2.11 (11)支援責任者及び支援担当者と特定技能所属機関等との関係性による拒否事由
- 2.12 (12)特定技能外国人に支援に要する費用を負担させることによる拒否事由
- 2.13 (13)支援の委託契約締結に当たって支援に要する費用の額等を明示しないことによる拒否事由
- 3 まとめ
登録支援機関とは
特定技能外国人を受け入れる企業等には、「支援計画」を作成し、入国から帰国まで一連のサポートを行うことなどが求められます。当該サポートは非常に多岐に渡り、自社で行うことが難しい場合などには、「登録支援機関」に支援計画の実施を委託することが可能です。
つまり「登録支援機関」は特定技能外国人の受入企業から委託を受けて、「支援計画」の全部の実施を行う機関となります。
登録支援機関になるためには(登録拒否事由に該当しないこと)
登録支援機関になるためには、登録支援機関の登録申請を地方出入国在留管理局又は同支局に行い、登録を受ける必要があります。
登録支援機関は、下記(1)~(13)の登録拒否事由に該当する場合は、登録を拒否されます。
つまり登録拒否事由に該当してなく、申請書若しくは添付書類に虚偽の記載がなければ、登録を受けることが出来ます。
(1)関係法律による刑罰を受けたことによる拒否事由
次のいずれかに該当する者は,関係法律による刑罰を受けていることによる登録拒否事由に該当することから,登録支援機関になることはできません。
① 禁錮以上の刑に処せられた者
② 出入国又は労働に関する法律に違反し,罰金刑に処せられた者
③ 暴力団関係法令,刑法等に違反し,罰金刑に処せられた者
④ 社会保険各法及び労働保険各法において事業主としての義務に違反し,罰金刑に処せられた者
(2)登録を取り消されたことによる拒否事由
登録支援機関としての登録の取消しを受けた場合,当該取消日から5年を経過しない者(取り消された法人の役員であった者を含む。)は,登録拒否事由に該当し,登録支援機関になることはできません。
(3)出入国又は労働関係法令に関し不正行為を行ったことによる拒否事由
登録の申請の日前5年以内に,出入国又は労働関係法令に関する不正又は著しく不当な行為を行った者は,登録拒否事由に該当し,登録支援機関になることはできません。
(4)暴力団排除の観点からの拒否事由
次に該当する者は,暴力団排除の観点からの登録拒否事由に該当し,登録支援機関になることはできません。
① 暴力団員等及びその役員が暴力団員等
② 暴力団員等がその事業活動を支配する者
(5)申請者等の行為能力・役員等の適格性の観点からの拒否事由
次のいずれかに該当する者は,行為能力・役員等の適格性の観点からの登録拒否事由に該当し,登録支援機関になることはできません。
① 精神機能の障害により支援業務を適正に行うに当たっての必要な認知等を適切に行うことができない者
② 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
③ 法人の役員,未成年の法定代理人で登録拒否事由(第13号及び第14号を除く。)に該当する者
(6)行方不明者の発生による拒否事由
登録支援機関が外国人について自らの責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させている場合には,当該機関の支援体制が十分であるとはいえないことから,過去1年間に行方不明者を発生させていないことを求めるものです。
※「責めに帰すべき事由」があるとは,登録支援機関が1号特定技能外国人支援計画を適正に実施しない場合や技能実習制度の法令違反や基準に適合しない行為が行われていた期間内に,特定技能外国人の行方不明者を発生させたような場合をいい,行方不明者の人数にかかわらず,行方不明者を1人でも発生させていた場合には,本基準に適合しないこととなります。
(7)支援責任者及び支援担当者が選任されていないことによる拒否事由
・登録支援機関になろうとする者において,役員又は職員の中から支援責任者及び支援業務を行う事務所ごとに1名以上の支援担当者を選任することを求めるものです。
・支援責任者が支援担当者を兼ねることとしても差し支えありませんが,その場合には,支援担当者として支援業務を行う事務所に所属することが求められます。
○ 「支援責任者」とは,登録支援機関の役員又は職員(常勤であることを問わない。)であり,支援担当者を監督する立場にある者をいいます。
具体的には,次の事項について統括管理することが求められます。
・支援担当者その他支援業務に従事する職員の管理に関すること
・支援の進捗状況の確認に関すること
・支援状況の届出に関すること
・支援状況に関する帳簿の作成及び保管に関すること
・特定技能所属機関との連絡調整に関すること
・制度所管省庁,業所管省庁その他関係機関との連絡調整に関すること
・その他支援に必要な一切の事項に関すること
○ 「支援担当者」とは,登録支援機関の役員又は職員であり,1号特定技能外国人支援計画に沿った支援を行うことを任務とする者をいい,この役職員は常勤であることが望まれます。
※支援責任者が支援担当者を兼ねることも可能ですが,その場合であっても,双方の基準に適合しなければなりません。
※支援担当者が複数の1号特定技能外国人の支援を行うことも可能です。
(8)中長期在留者の適正な受入れ実績がないこと等による拒否事由 ※要確認
登録支援機関になろうとする者は,次のいずれかに該当しなければなりません。
① 過去2年間に中長期在留者(注)の受入れ又は管理を適正に行った実績がある者
⇒適正に行った実績とは、少なくとも6カ月以上の受入自実績があることが望ましい
② 過去2年間に報酬を得る目的で業として本邦に在留する外国人に関する各種の相談業務に従事した経験を有する者
③ 選任された支援責任者及び支援担当者が,過去5年間に2年以上中長期在留者(注)の生活相談業務に従事した一定の経験を有する者であること
④ ①ないし③に該当する者と同程度に支援業務を適正に実施することができる者
として出入国在留管理庁長官が認めるもの
(注)法別表第1の1の表,2の表及び5の表の上欄の在留資格(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を行うことができる在留資格に限る。)をもって在留する者をいう。
※法別表第1の1の表,2の表及び5の表の上欄の在留資格とは下記の在留資格となります。
外交、公用、教授、芸術、宗教、報道、高度専門職、経営管理、法律・会計業務、医療、研究、教育、技術・人文知識・国際業務、企業内転勤、介護、興行、技能、特定技能、技能実習、特定活動。
永住者、日本人の配偶者等、留学、家族滞在、研修などの在留資格は含まれません。
(9)情報提供・相談等の適切な対応体制がないことによる拒否事由
支援業務の適正性の確保の観点から,
①特定技能外国人が十分に理解できる言語による適切な情報提供体制
②担当職員を確保しての特定技能外国人が十分に理解できる言語による適切な相談体制
③支援責任者又は支援担当者が特定技能外国人及びその監督をする立場にある者との定期的面談体制を有していない者
上記は,登録支援機関になることはできません。
※「十分に理解することができる言語」とは,特定技能外国人の母国語には限られませんが,当該外国人が内容を余すことなく理解できるものをいいます。
特定技能外国人が十分に理解できる言語により対応可能な職員が在籍していることのほか,必要な際に委託するなどして通訳人を確保できることが必要です。なお,通訳人を登録支援機関の職員として雇い入れることまでは必要ありませんが,当該通訳人は,あくまで相談業務の履行補助者であることに留意してください。
※「定期的な面談」とは,支援責任者又は支援担当者が,特定技能外国人及び当該外国人を監督する者それぞれと3か月に1回以上面談を実施できる体制を有していることが求められます。
(10)支援業務実施に係る文書の作成等をしないことによる拒否事由
登録支援機関に対し,1号特定技能外国人支援計画の実施状況に関する文書を作成し,支援の対象である1号特定技能外国人に係る特定技能雇用契約終了日から1年以上備えて置くことを求めるものです。
⇒帳簿の内容について確認する(リンク)
(11)支援責任者及び支援担当者と特定技能所属機関等との関係性による拒否事由
・支援の適正性を確保するため,支援責任者又は支援担当者が,登録拒否事由(法第19条の26第1項第1号から第11号まで)のいずれかに該当していた場合には,登録支援機関になることはできません。
・支援の中立性を確保するため,特定技能所属機関の役員の配偶者や2親等内の親族のほか,特定技能所属機関の役員と社会生活上密接な関係を有する者が支援責任者として選任されている場合は,登録支援機関になることはできません。
・過去5年間に特定技能所属機関の役員又は職員であった者を支援責任者として選任している場合についても,登録支援機関となることはできません。
(12)特定技能外国人に支援に要する費用を負担させることによる拒否事由
1号特定技能外国人に対する支援(運用要領に定める「義務的支援」)に要する費用は,1号特定技能外国人に直接的又は間接的にも負担させないことを求めるものです。
なお,住宅の賃貸料などの実費を必要な限度において本人に負担させることを妨げるものではありません。
(13)支援の委託契約締結に当たって支援に要する費用の額等を明示しないことによる拒否事由
支援の適正性の確保の観点から,登録支援機関は特定技能所属機関から1号特定技能外国人支援計画の全部の実施の委託を受ける際は,支援業務に要する費用の額及びその内訳を示すことを求めるものです。
※特定技能所属機関から徴収する支援委託費用については,法令上の上限はありませんが,支援委託契約を締結する際に当該費用の額及び内訳を特定技能所属機関に明示してください。
まとめ
以上長くなりましたが、上記の1~13に該当しておらず、申請内容に虚偽等がなければ登録支援機関として登録することが可能です。登録支援機関は特定技能外国人の安定継続的な受入に関し、重要な役割を担っており、支援計画を遂行するためには法的知識が欠かせません。上記内容が登録支援機関を検討する皆様の一助になれば幸いです。
また登録支援機関の登録までには、おおよそ2か月かかりますので、申請は余裕をもって行うことを推奨致します。
この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士
湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
【運営サイト】
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