特定技能外国人の雇用相場

当事務所は外国人在留資格手続きを専門としておりますが、特定技能制度が始まり、多くのお客様から、
・特定技能外国人を雇用したいけど、管理費や手数料はいくらかかるの?
といったお問い合わせを良く頂きます。

まず特定技能外国人の受入を行うにあたって、想定される主な費用項目は下記の通りです。

①登録支援機関に支払う毎月の支援料
※登録支援機関に支援業務を委託する場合

②人材紹介会社に支払う紹介料
※人材紹介会社を介して、特定技能外国人受入れを行う場合

③ビザ申請費用
※行政書士事務所等に特定技能ビザ申請を依頼する場合

初回のみ 毎月
支援委託料(登録支援機関) 2~4万円
人材紹介料(人材派遣会社など) 10~30万円
特定技能ビザ申請費用(行政書士事務所など) 10~15万円
合計 20~45万円 2~4万円

※その他海外現地で採用を決め、海外から特定技能外国人の受入れをする場合は、現地の送り出し機関に支払う費用(国によって異なるが、約30~50万円)、外国人の日本への渡航費(10~20万円)が別途掛かります。

登録支援機関に支払う毎月の支援料

まず1号特定技能外国人の受入れる企業は,当該外国人が「特定技能1号」の活動を安定的かつ円滑に行うことができるようにするための職業生活上,日常生活上又は社会生活上の支援の実施に関する計画(1号特定技能外国人支援計画)を作成し,当該計画に基づいて支援を行わなければなりません。
当該支援業務は多岐に渡り、自社で支援を行う体制がない場合は、登録支援機関に支援業務を委託することとなります。

委託料は登録支援機関が個々に定めるため、決まった金額はありませんが、多くの登録支援機関が、

一人当たり、約2万~4万円/月

で定めているケースが多いです。そのため支援業務を委託する場合は、一人につき毎月24万円のコストがかかることとなります。

支援業務の内訳

①事前ガイダンス
・雇用契約締結後,在留資格認定証明書交付申請前又は在留資格変更許可申請前に,労働条件・活動内容・入国手続・保証金徴収の有無等について,対面・テレビ電話等で説明

②出入国する際の送迎
・入国時に空港等と事業所又は住居への送迎・帰国時に空港の保安検査場までの送迎・同行

③住居確保
・生活に必要な契約支援・連帯保証人になる・社宅を提供する等・銀行口座等の開設・携帯電話やライフラインの契約等を案内・各手続の補助

④生活オリエンテーション
・円滑に社会生活を営めるよう日本のルールやマナー,公共機関の利用方法や連絡先,災害時の対応等の説明

⑤公的手続等への同行
・必要に応じ住居地・社会保障・税などの手続の同行,書類作成の補助

⑥日本語学習の機会の提供
・日本語教室等の入学案内,日本語学習教材の情報提供等

⑦相談・苦情への対応
・職場や生活上の相談・苦情等について,外国人が十分に理解することができる言語での対応,内容に応じた必要な助言,指導等

⑧日本人との交流促進
・自治会等の地域住民との交流の場や,地域のお祭りなどの行事の案内や,参加の補助等

⑨転職支援(人員整理等の場合)
・受入れ側の都合により雇用契約を解除する場合の転職先を探す手伝いや,推薦状の作成等に加え,求職活動を行うための有給休暇の付与や必要な行政手続の情報の提供

⑩定期的な面談
・行政機関への通報・支援責任者等が外国人及びその上司等と定期的(3か月に1回以上)に面談し,労働基準法違反等があれば通報

人材紹介会社に支払う紹介料

特定技能外国人の受入を検討する場合、人材紹介会社を利用する企業も多いかと思います。特定技能は外国人本人が、技能試験+日本語試験の試験に合格した者または就労予定野の第2号技能実習を修了していることが必要です。
人材紹介会社は、上記の基準を満たしている外国人のリストを多く持っているため、人材紹介会社を介した方がスムーズに特定技能外国人の受入が進むケースが多いです。

紹介手数料は人材紹介会社によって異なりますが、

紹介手数料:一人当たり、約10~30万円で設定している企業が多いです。

中にはもっと多く、年収の3割に設定しているケースもあります。

ビザ申請費用

特定技能で外国人の受入を行う場合は、特定技能ビザの取得が必要となります。当該申請は入国管理局で行います。特定技能ビザ申請で提出・作成する資料は膨大にあり、1件の申請で提出する書類の量は約100枚以上にものぼります。そのため多くの企業が特定技能ビザ申請を行政書士事務所などに依頼します。

特定技能ビザ申請費用:一人当たり、約10~15万円で設定している行政書士事務所が多いです。

ボリュームディスカウントで一回で複数名以上の申請を行う場合は、一人当たりの報酬額610万円前後設定している場合もあります。

上記のように特定技能外国人の受入れを行う場合は、様々な手続きが必要であり、また登録支援機関や人材紹介会社に支払う手数料も発生します。場合によっては、外国人でなく日本人を受入れた方が企業にとってメリットが大きいケースもありますので、特定技能外国人の受入にあたっては慎重に判断していくことが重要です。

湯田 一輝

この記事の監修者

行政書士法人タッチ 代表行政書士

湯田 一輝

2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応

【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数

【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://touch.or.jp/marriage/
帰化申請サポートセンター https://visa-saitama.net/kika/
就労ビザサポートセンター https://touch.or.jp/work/
永住ビザサポートセンター https://touch.or.jp/eizyu/
ビザサポートセンター https://www.yuda-office.jp/