目次
特定技能 製造3分野とは
製造業で特定技能の対象となるのは、下記の3つの分野です。
・ 素形材産業
・ 産業機械製造業
・ 電気・電子情報関連産業
特定技能製造3分野においては、受入れ可能な事業所の日本標準産業分類が定められていたり、製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会への加入が必須であったりと、他の特定技能分野と比較し、特定技能外国人受入前に確認すべき事項がいくつか存在します。
製造3分野 特定技能外国人の受入条件とは
企業側の要件と外国人側の要件、双方を満たしていることが必要となります。
企業側の条件
①業種
・ 素形材産業
・ 産業機械製造業
・ 電気・電子情報関連産業
上記の3つであり、受入れ可能な事業所の日本標準産業分類に該当すること。
受入れ可能な事業所の日本標準産業分類については下記にて詳細に説明します。
②待遇
・日本人と同等以上の給与
・希望があった場合の休暇取得許可
・雇用契約終了時の帰国費用の支弁
(特定技能外国人が負担できない場合) 等
③法令遵守
・労働、社保、租税ほか関係法令遵守
・非自発的離職や行方不明を発生させていないこと
・支援体制の整備(登録支援機関へ委託も可) 等
④協議会
・経済産業省が組織する「協議・連絡会」への加入
⑤受入人数
・ 素形材産業 全体で21,500人
・ 産業機械製造業 全体で5,250人
・ 電気・電子情報関連産業 全体で4,700人
⑥雇用形態
・直接雇用のみ(派遣は認めない)
外国人側の条件
①業務内容
下段の「製造3分野」どんな業務ができるの?」に該当していること
②技能水準
・日本語試験及び当該業務区分の技能試験の合格者であること
(技能実習2号修了者は、その修得した技能と関連性が認められる業務区分の試験及び日本語試験が免除)
・特定技能1号のみ
製造3分野の事業所要件
素形材産業、産業機械製造業、電気・電子情報関連産業の製造3分野においては、特定技能雇用契約に基づいて、特定技能外国人がその活動を行う特定技能所属機関の事業所が、日本標準産業分類に掲げる産業のうち、一定のものに該当することを求められます。
①素形材産業
素形材産業で特定技能外国人を受入れるには、受入企業の事業所が下記の受入れ可能な事業所の日本標準産業分類に該当することが必要となります。
素形材産業 | |
2194 | 鋳型製造業(中子を含む) |
225 | 鉄素形材製造業 |
235 | 非鉄金属素形材製造業 |
2424 | 作業工具製造業 |
2431 | 配管工事用附属品製造業(バル ブ、コックを除く) |
245 | 金属素形材製品製造業 |
2465 | 金属熱処理業 |
2534 | 工業窯炉製造業 |
2592 | 弁・同附属品製造業 |
2651 | 鋳造装置製造業 |
2691 | 金属用金型・同部分品・附属品 製造業 |
2692 | 非金属用金型・同部分品・附属 品製造業 |
2929 | その他の産業用電気機械器具製 造業(車両用、船舶用を含む) |
3295 | 工業用模型製造業 |
②産業機械製造業
産業機械製造業 | |
2422 | 機械刃物製造業 |
248 | ボルト・ナット・リベット・ 小ねじ・木ねじ等製造業 |
25 | はん用機械器具製造業(ただし、 2534工業窯炉製造業、2591消火 器具・消火装置製造業及び2592 弁・同附属品製造業を除く) |
26 | 生産用機械器具製造業(ただし、 2651鋳造装置製造業、2691金属 用金型・同部分品・附属品製造業 及び2692非金属用金型・同部分 品・附属品製造業を除く) |
270 | 管理、補助的経済活動を行う事業 所(27業務用機械器具製造業) |
271 | 事務用機械器具製造業 |
272 | サービス用・娯楽用機械器具製造 業 |
273 | 計量器・測定器・分析機器・試験 機・測量機械器具・理化学機械器 具製造業 |
275 | 光学機械器具・レンズ製造業 |
産業機械製造業で特定技能外国人を受入れるには、受入企業の事業所が下記の受入れ可能な事業所の日本標準産業分類に該当することが必要となります。
③電気・電子情報関連産業
電気・電子情報関連産業で特定技能外国人を受入れるには、受入企業の事業所が下記の受入れ可能な事業所の日本標準産業分類に該当することが必要となります。
電気・電子情報関連産業 | |
28 | 電子部品・デバイス・ 電子回路製造業 |
29 | 電気機械器具製造業
(ただし、2922内燃機関 電装品製造業及び2929 その他の産業用電気機械 器具製造業(車両用、船 舶用を含む)を除く) |
30 | 情報通信機械器具製造業 |
製造3分野の該当性の判断基準とは
<産業分類に掲げる「産業を行っている」について>
1号特定技能外国人が業務に従事する事業場において,直近1年間で、3分野の産業分類として掲げた産業について、「製造品出荷額等」が発生していることを指します。
つまり売上が発生していること。
※ 製造品出荷額等とは,直近1年間における製造品出荷額,加工賃収入額,くず廃物の出荷額及びその他収入額の合計であり, 消費税及び酒税,たばこ税,揮発油税及び地方揮発税を含んだ額のことを指します。
【製造3分野】どんな業務ができるの?
分野別運用要領に記載されているとおり,当該業務に従事する日本人が通常従事することとなる関連業務に付随的に従事することは差し支えありません。
○ 関連業務に当たり得るものとして,例えば,次のものが想定されます。
① 原材料・部品の調達・搬送作業
② 各職種の前後工程作業
③ クレーン・フォークリフト等運転作業
④ 清掃・保守管理作業
(注)なお、専ら関連業務に従事することは認められません。
製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会への加入
製造3分野の特定技能外国人を受け入れる場合には,当該特定技能外国人に係る在留諸申請の前に,経済産業省が組織する製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会の構成員にならなければなりません。
協議・連絡会においては、構成員の連携の緊密化を図り、各地域の事業者が必要な特定技能外国人を受け入れられるよう、制度や情報の周知、法令遵守の啓発、地域ごとの人手不足の状況を把握し、必要な対応等を行っています。
協議・連絡会の活動内容
○ 特定技能外国人の受入れに係る制度の趣旨や優良事例の周知
○ 特定技能所属機関等に対する法令遵守の啓発
○ 就業構造の変化や経済情勢の変化に関する情報の把握・分析
○ 地域別の人手不足の状況の把握・分析
○ 人手不足状況、受入れ状況等を踏まえた大都市圏等への集中回避に係る対応策の検討・
調整(特定地域への過度な集中が認められる場合の構成員に対する必要な要請等を含む)
○ 受入れの円滑かつ適正な実施のために必要なその他の情報・課題等の共有・協議 等
経産省が行う調査又は指導に対し,必要な協力を行うこと
構成員は,協議・連絡会が行う一般的な指導,報告の徴収,資料の要求,意見の聴取,現地調査その他業務に対し,必要な協力を行わなければなりません。
まとめ
製造3分野では、特定技能14分野に共通の特定技能外国人の要件、受入機関の要件に加えて、事業所要件に適合すること及び協議会への加入が必須となっております。製造3分野で特定技能外国人の受入を検討するにあたっては、事業所が日本標準産業分類に掲げる産業のうち一定のものに該当することを確認し、また製造業特定技能外国人材受入れ協議・連絡会への加入が必要となりますので、事前にきちんと確認を行うことが重要です。
この記事の監修者
行政書士法人タッチ 代表行政書士
湯田 一輝
2018年8月 ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立
2022年4月 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」
専門分野:外国人在留資格、帰化申請
外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応
【セミナー実績】
国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数
【運営サイト】
行政書士法人タッチ https://touch.or.jp/
国際結婚&配偶者ビザサポートセンター https://touch.or.jp/marriage/
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就労ビザサポートセンター https://touch.or.jp/work/
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